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Theater Report 46
       

28.Jan.02
 BB King Blues Club & Grill、あのBluesの巨人BB Kingの経営するライブハウスです。
 “Vanilla Fudge”懐かしいでしょ、有る程度の年齢以上の人には。
 しかもポスターのCreditを見るとカーマイン・アピス、ティム・ボガートと書いてある。ティム・ボガートは中学の頃から1番好きなベーシストだったので、生で聴けると思うととても嬉しかった。BBA解散以降何処で何をしているのかも日本にいてはよく分からず、どうしちゃったんだろうと思っていた所へ、彼はドラッグで駄目になったらしいと聞いて、もう生きている間には聴けないんだろうな、と思っていたので、尚更嬉しい。最近復活したという噂もあったし。

 午後8時の開演予定を10分程遅れてOpeningActの演奏が始まった。店に入った時、狭い舞台(間口3間奥行き2間位)にDrumが2つセットされていたので変だな、と思ったら彼らの為のモノであった。彼らは6曲程やって去っていった。

 いよいよセットチェンジをして登場かと思ったら、コレが長い!Vanilla Fudgeの演奏が始まったのは9時30分過ぎであった。セットしている間に「あれ?」と思ったのはBassが5弦だった事。ティムも5弦Bassなんか使うんだ、あのプレシジョンにテレキャスターBassのネックとシングルコイルのピックアップを付けたBassが見られないのは寂しいな、と思っていたら、出てきた男の髪の毛の色、風貌が如何にも違う、似ても似つかぬ別人であった。幾ら薬で変わっていても髪の毛が黒くなる事はあるまい。それにあのドライブ感が全くない。Soloを取る事もない。「Oh My Buddha!!!」。そんなの有りかあ。此処まで引っ張って置いて2代目ティム・ボガートは無かろう。
 演奏も魂を売ってしまったようなRockSpiritの感じられない腑抜けの演奏であった。嘗ての栄光や幻を求めてこういう所に来てはいかん、と言う事であった。アンコールはお決まりの“Keep Me Hanging On”であった。まあ誰でも知っているヒット曲というとコレしかないからなあ。なんか一発屋の演歌歌手のコンサートのようで、そこも悲しみを誘っていた。Drumは元気だったんだけどね。
 アンコールではギターが客席中を回って、私のテーブルのハイネケンの瓶でクイーンクイーンとスライドさせて、しかも未だ入っていたので零して、悪かったなみたいに私の肩を叩いていった。本当の持ち主のおじさんはつまらなそうな顔をしていた。この人はかなり入れ込んで来ていた割にはずっとつまらなそうな顔をしていた。もしかしたら私と同じでティムを聞きに来たのかも知れない。だとすると可哀想である、お目当ては出てこないし、ビールは零されるし、違うヤツに謝られるし、踏んだり蹴ったりである。

 音はまあまあ良かったんじゃないかな。此処のスタッフでやってると思うんだけど。メインの卓は多分YAMAHAの4000だと思う。暗くてよく見えなかったが、YAMAHAである事は間違いなくて、あれは3000ではないと思う。返しは遠過ぎて分かりませんでした。メインのスピーカーも見た事無いヤツでしたが、遠くから見たエンブレムはMartinに似ていたように思う。

 Oh!My Buddha!幻影を追い求め、看板に騙された私が悪うございました。反省いたします。

 ティム・ボガート ファンの悲しみに明日は小雨の降りかかる。いと悲し。