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Theater Report #40
    

24.Jan.02
 Pedro Calderon de la barca 作
   “THE PHANTOM LADY”
 ご存じの方はいらっしゃいますでしょうか?古典です。昔々映画にもなっているらしいです。私、知りませんでした。

 取りあえずコメディです。然し古典なのでよく分かりません。西洋の古典は日本語で読んでも何処がコメディなのか、何処が面白いのか分からないものが殆です、私の場合。モリエールなんか読んでも何でこんな詰まらない、笑えないコメディが今の日本で出版されているか謎に思う位です。共有する知識、話題、感性、宗教観、生活慣習が無さ過ぎる為だと考えていますが、私がお馬鹿なだけかも知れません。
 さてこの作品がどのくらい古典かというと、チラッと調べた所では17・8世紀の作らしいです。古い!とっても古い。
 殆ど満席になっている客席の90%は70歳を超えていると思われるお年寄りで時々いる若者もじいさん&ばあさんのお供でといった雰囲気であった。このじいさんばあさんから起こる笑いも人それぞれ全く違う所で「フフフフフ」「ハハハハハ」位のものでみんなで大笑いという事はなかった。矢張り知識や感性の合う所が少ないんじゃなかろうか、とも思ったが休憩中結構多くの人が「とても面白いですね」などと言っていたので面白いのであろう。
 彼らは多くが顔見知りらしく、客席のあちこちで「やあ久し振りだね、元気かね」「わしゃ元気じゃ」みたいな光景が繰り広げられていたのでこの古典劇を上演する劇団の支持者の方々なのであろう。私は、もしかしたらこの劇団は60年位前のニューヨーク大学の古典劇研究サークルかゼミが発展してプロになったものなのかも知れないと思ったが、真実は分からない。出演者が年寄り許りという事はなかった。でも座席を教えてくれてパンフレットをくれる会場案内係りはこちらが手を引いて上げたくなる程のお年寄りであった。
 さて話は、兄弟とは知らない男と女が結婚させられそうになるが、女がそれに気付いて、他の男を捜す。そこへ男が現れる。いきなり「男に結婚してね」とは言えないのでラブレターを男のベッドに置いてくると、男はいい気になって「ああ、私もあなたにお会いしたい気持ちで一杯です。謎の女性(Phantom Lady)よ」なんていい加減な返事を出す。ここでPhantomが幽霊になったりして、ドタバタするらしいんだけど、余りドタバタしない。最初に結婚する筈だった男は嫉妬に燃え、浮かれ男と決闘するが、兄弟と知って「おまえが結婚するなら許す」と言うと「じゃそうする」と言う事でいきなり丸く収まるといった話だったと思う。実は1幕の途中あまりにも眠たかったのでその辺りの流れが把握出来てません。でもそんなhappy endingであった。

 休憩を入れて2時間と表示されていて、開場前にそれを確認しているおじいさんがいたので、間違いなくそうだろうと思っていたら、1幕が終わって1時間15分が経過していた。どうなるんだろうと思ったら1幕1時間15分、休憩15分、2幕30分であった。もう少し均等に割れなかったんだろうか?じいさんは多分近所のレストランに予約を入れに行ったのだと思うので内心心配していたんじゃなかろうか。

 音は謎が一つ。私は上手のスピーカー(SX200)の前にいたのだが音が凡て下手寄りの、スピーカーの位置より奥から聞こえてきた事。他のスピーカーが仕込んであったんだろうか。見えなかったので分からない。音量としては101程度のもの1発で充分いける位のものでした。

 古典劇をみたい方だけにお勧めします。