建物の名称
イスラム建築の名前はちょっと聞き馴染みがないので、「それは何じゃ?」と思われると思うので、分からなくなったらたびたびここに来てみて下さいね。
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モスク ミナレット  メドレセ  ミヒラブ  

モスク:イスラム寺院。礼拝の中で最も大切なスジュード(平伏)を行う場所。大抵ミナレット(塔)とセットになっている。内部にはミヒラブ(メッカの方向を示す目印)とミンバル(イマーム(宗教的指導者/イスラム教には基本的に僧侶・司祭はいない)が説教するための説教台)、ラヒール(コーラン(イスラム教の聖書)を置く折り畳み式の台)などがある。

元々は街に1つしかなかったが、人口が増えたら数も増えた。でも毎週金曜日の集団礼拝(イスラム教は金曜日が安息日)の時は、街の「中心のモスク」に集まるのが原則。このモスクをマスジド・アルジャーミー(略してジャーミー)とか、ジュマモスクと呼ぶ。よく「金曜モスク」と訳される。

女性は集団礼拝の時以外モスクには入れない。ので、普段は家で礼拝を行う。(女性は家の外には滅多に出れないしね)

中は全てアラベスク(様式化された植物紋)とコーランの文句などで装飾されており、偶像崇拝に結びつくので人物や動物の意匠は使わない。(まぁこれはイスラム圏の建物は大抵そうですが)

多くのモスクにはメドレセ(神学校)、聖人やモスクの建築者の廟、ハーンカー(修行場)、巡業者のための宿泊施設などのうち何かしらを併設している。

起源はムハンマド(マホメッド)がヒジュラ(大移動)後にメディナという所に住んでいたのだが、その時の家の中庭が最初のモスクということになっている。

ミナレット:モスク(イスラム寺院)と大抵セットになっている塔。機能は主に3つ。

1つ目は礼拝の時間を信徒に教えるためのアザーンを行うための物。イスラム教徒は1日に5回メッカに向かって礼拝を行うが、その時間が来るとミナレットの上からコーランを朗々と読んで、信徒にその時間を教える。

2つ目は灯台。砂漠を渡ってくるキャラバンの人たちが、道に迷わないように夜になると灯をともしてた。

3つ目は処刑台。この塔の上から罪人を突き落とした。

元々は見晴台や烽火台の機能が大きかった。それと、イスラム教が興ったときの西アジアには既存の宗教としてゾロアスター教、ユダヤ教、キリスト教などがあったので、これらに対してアピールするために、イスラム教のシンボルとして建てた、という意味合いもあるらしい。

メドレセ:イスラム教の神学校のこと。大抵は学生寮も一緒についている。ソビエト政権下では宗教が禁じられていたため、メドレセも封鎖されていた。独立後に復活したところもあるが、ホテルや美術館、お土産やさんになっているメドレセも多い。

元々はモスクの中で宗教指導を行っていたが、そのうちに独立した。

授業料は奨学金が出るので、ほとんど無料。お金は寄進によって賄われていた。まぁ権力者が寄進することが多かったんだけど、それでも基本的に政治から独立した、自主性のある教育を行えた。

アラビア世界にメドレセが普及したのは11世紀(セルジューク朝時代)から

ミヒラブ:モスクの中のメッカにの方向に面する壁にあるニッチ(壁龕)のこと。綺麗な装飾のある、蒔きも煙突もない暖炉の様なくぼみがあったらがあったら、それがミヒラブ。