4月2日(月) その1
故宮博物館へGo!

本当は今日、台北動物園に行こうと思っていたのですが、パンダ舎は月曜日定休だとネットに書いてあったので、急遽故宮博物館へ。

娘は台北故宮博物館に来るために、「北京と台北、どちらの故宮の文物が素晴らしいか比べてみたい!」と日本の国立博物館でやっていた故宮博物展(北京の紫禁城の方)を観に行った程の熱の入れようなのです。ほら、蒋介石が逃げ出すときに、紫禁城のめぼしいお宝を持って逃げちゃったじゃないですか。だからどっちが素晴らしいのかな、と、気になったらしいのです。(中国では革命が起きると、前王朝のお宝は次の王朝がみんな引き継ぐので、蒋介石的には「俺が次の政権を担うのだから、清朝のお宝を引き継ぐのは当然」と思ったと思われます)
ということで、朝9時のオープンに合わせて急いで故宮博物館に行きました。もう、駅からはタクりましたよ、さすがに。
そしたら門くぐったら、まだ全然遠いし!!!

なんだこりゃ〜〜!!!

やっとこ入り口にはいると、「リュックは預けてください」と。結構大きなショルダーバック持ってる人もいて、ショルダーなら持ち込みOKなのに、小さくてもリュックだと預けなければいけません。もちろん写真撮影も禁止です。

しょうがないからエコバックに財布とこっそりカメラ(ポーチ型のケースに入れていたので、気づかれませんでした( ^ω^;))を入れて入場。

……あぁ、この時DSを1台でもエコバックに入れておけば、この日何歩歩いたのか分かったのに……。多分この旅行中1番歩数が多かっただろう故宮博物館でDS(万歩計機能が付いている)を持たなかったのは、自分たち的には痛かったなぁ……。



ガイドブックに、「まず3階に上がって、ゆっくり下に降りて来れば空いている」と書いてあったのだけど、実際それをしようと思ったら、3階にある「台湾の至宝・玉でできた白菜」の部屋の前からすごい行列が……。3階は滅茶苦茶混むので、順路通りでなければ観れないようになっていて、そして白菜と東坡肉 (トンポウロウ)を展示している部屋が1番混むので、入場制限していたのです……orz

取りあえず並んで、観て、それからもう1階に戻って、1階からゆっくり2階、3階と上がっていった方が、結果的には空いていました。2度目に行った午後には白菜の部屋も大分空いていたしね。

ということで、写真撮影は禁止なので、カタログから。

こちらが台湾の至宝「清翠玉白菜」です。白色と緑色の混じった翡翠を、接ぎなどはせず、まるっと彫刻した品ですが、こちらのすばらしさは、亀裂やマダラ模様が入っているため、腕輪や装飾品にしようと思ったら劣材と見なされるような翡翠を白菜に仕立てることによって、亀裂は白菜の筋に、マダラ模様は霜の当たった跡に姿を変え、衆人の目には欠陥と映った物が、創意工夫によって真実の美に昇華したのだ、と、説明書きに書いてありました。

20cm位で、そんなに大きくはありません。緑の葉の部分にイナゴとキリギリスが彫られています。

この作品は紫禁城の永楽宮に陳列されていたので、多分光緒帝の后妃の瑾妃が輿入れの際に持ってきた物だろうとみられているそうな。

白菜は花嫁の純血を象徴し、多産を意味する葉っぱに留まったキリギリスとイナゴは、皇室に子孫が絶えないことを祈願する物と考えられ、これらの寓意から、この作品は非の打ち所のない物となったそうですヨ。

そしてこちらも台湾の至宝「清肉形石」。こっちはすごい小さいです。え?こんなに?と思いました。10cmも無いくらいです。

では、必死にメモを取ってきた説明書きを紹介。

「清肉形石」は幾層もの模様が重なった碧玉類の鉱物であり、彫刻師はこの天然の特長を生かしながら加工を施しました。まず表面にびっしりと細かな穴を穿ちます。これは毛穴を演出するための細工ですが、その他に素材を柔らかく染色しやすくするためのものでもありました。
次に一番上の層を赤褐色に染めます。それはまるで肉の皮に染みこませた醤油の色のようです。こうして冷ややかで固い石が「東坡肉 (トンポウロウ)」を連想させるような、新鮮で柔らか苦肉汁のしたたる、口に入れれば蕩けそうな味わい深い作品に仕上げられました。「肉形石」は正に自然と人間の気持ちが通じた、ユーモアたっぷりの傑作と言えるでしょう」

……とのことでした。

係の人に「あの層になっている肉の筋も染めた物ですか?」と訊いたら、「それは天然の物です。加工は、肉の表面に細かい穴を開けたのと、表面を染めただけです」とのお返事でした。



……しかし、この二つが目玉のお宝……。

娘に「どう?紫禁城と比べて?」とこの時点で訊いたら「いや、この2つが至宝って、訳が分からない……」と、至極もっともな答えが……。

まぁ、中国の人、玉大好きだからね……。



こちらもカタログから。「清 象牙透彫四層提食盒」

1mmより細い線と隙間がびっちりと彫られて透かしになっている中に、様々彫刻がほどこされ、とても綺麗。

これ、後ろの所に小さく欠損があって、「蒋介石が大陸から台湾に持ち出したときに割っちゃいました」って説明書きが……。

いや!いくら何でも蒋介石、自分で運んでないだろ!?なんか、この書き方だと介石が割っちゃったみたいじゃん!!ひどいひどい!!
しかし、娘もママも、せっかくここまで来たのに、写真も撮れないでは淋しい、と言うことで、2人で気に入った文物は絵に描きまくったり、名前だけでもメモって、後でカタログで探そう、と必死になりました。こちらはそのメモ書き。取りあえず、カタログと照らし合わせれば分かる程度の雑さ加減……orz

しかし、途中でカタログを売っていたので、「このカタログには、今日のこの展示がみんな載ってますか?」と訊いたら、「いえ、展示は6000点から8000点あり、毎月展示を変えています。故宮博物館は70万点以上の文物を収蔵していますので、全部載せるのは不可能です」と……。言われてみればその通りだ……orz
途中、おなかがへったので館内のレストランへ移動。ここではさすがに写真撮っても良いだろうと、撮りまくり。
お茶のサービスがないそうなので、凍頂烏龍茶を頼んでみました。ちゃんとした容れ物に入ってきたので、嬉しいv
こちらは美味しかった牛肉麺。よその店と違って、野菜が沢山入ってるのも嬉しい。

でもメニューは少なかった……orz お店の人に「辛くないのはありますか?」と訊いて、子供メニューはアラカルトから選びました。

食事の後もとにかく1階から3階を回りまくって、見落としがないかチェック。

娘は仏教の道具関係と、陶磁器(絵付けの物)、ガラス器がお好みらしく、やたらと「これ書いて!」「これ書いて!」と頼まれました……(´ω`;) 



その後、息子は疲れて機嫌が悪くなり、パパとケンカした後眠ってしまったので、息子はダンナにお任せして、娘と2人でゆっくり見学。5:30過ぎにやっと見学を諦めて、ショップに移動。

ショップは最近リニューアルされたらしく、オリジナルグッズの他にも可愛らしいグッズが満載。

こちらは白菜と東坡肉のお土産コーナー。どうよ、この量……。壺の中に入っているのはストラップとかキーホルダーとかボールペンですが、後ろの棚に吊されているのも全部白菜と東坡肉モチーフのお土産です。
こちらは上の段が「典蔵故宮」という、故宮博物館の展示のDVD。下の段は「月刊故宮文物」という本で、私らが見ただけで最新刊が348号まで出ていて、まぁ、これが驚いた……。

だって、日本のデア○スティーニとは違って、厚みは8mm位あるしっかりした本で、内容も特集も素晴らしく、これが月刊で348号も出てると言うことは、30年近くこの本で続けてるわけでしょう?

素晴らしい!!

私が台湾に住んでたら、きっと集めたね……。

故宮博物館を楽しみにしていた娘に、「台北故宮と紫禁城、どっちの文物が良かった?」と訊いたら、今素敵な器を沢山見たばかりの娘は当然のように「器が素敵だから、台北故宮の方が素敵!」とご満悦でした。

娘は特に「平口双柄蓋碗」という、乳白のガラスに銅線で花模様を入れ、色ガラスで模様を入れた器と、「雍正朝書琺瑯工芸的具体呈現」という景徳鎮産の白地の器に詩と木に留まった2羽のツバメの絵付けをして官窯で仕上げた小さな杯が大好きのようでした)、おかげで自分の好きな文物ができるだけ載っているカタログを買ってくれと吟味に吟味を重ね、750元(約2250円)、厚さ4cm位するようなどすごいカタログを欲しがり、「こんな重いの持てないだろ!?」とケンカになって、なんとか300元(約1500円)、それでも1.5cm厚のカタログに我慢させました……。もちろん、「こんな重たいカタログ、買うなら自分で持てよ!」と言い含め……。だって、無理……。他にも色々持ってるのに、こんなに重たいの、ママもパパも持てないよ……。娘はそれでも根性で持ち帰り、時々日本でも眺めています( ^ω^;)
その後、庭を見学しようとしたらこちらも月曜定休……orz

なので、「児童学習中心」に行ってみました。

故宮博物館の文物について、映画や実際に手でいじれる物で親しんでもらおう、という学習施設です。右は、国宝の壺のパズル。映画は、博物館の白菜から逃げ出したキリギリスを探しに、子供が光緒帝と一緒に歴史の中を旅するお話し仕立てになっていました。

ただ残念なことに、この学習センター、欧米人と日本人の子供しか来てませんでした……orz せっかく良い私設があるんだから、利用しようよ、台湾人……。こちらは無料で入れるようでした。
これはトイレの看板。

皇帝と西太后かしら。

可愛すぎる……!!!



本当は、4:30くらいに博物館を出て、忠烈祠の儀仗兵交代を見ようと思っていたのですが(まだ見たいのか!と、ダンナにも笑われたので、そういう突っこみは無しの方向で……)、もう博物館出た時点で5:30、おみやげ屋さん見て、児童学習中心もギリギリまで粘って、結局博物館を後にしたのが6:00の閉館時間でした……orz

しょうがないから忠烈祠は次台湾に来たときのお楽しみに取っておくことにして、もうそのまま士林夜市に行くことに。士林夜市と故宮博物館は、隣の駅にあるからね。

ところがまた出待ちのタクシーに掴まって、「夜市なんかで物を買うもんじゃない」「夜市なら7:30前に行ってもしょうがない」とか言いながら「俺が案内してやるから」とうるさく言われてる間にバスが来て、バス待ちの人達も「ほら!バスが来たからこっちに来なさい!」と呼んでくれて、なんとか難を逃れられたのでした……。ふぅ……。

しかし、確かに時間も少し早いし、何より歩き通しで足が痛い。士林の駅前のカフェで1時間くらい休憩してから、士林夜市のある剣潭駅に移動しました。

→→→士林夜市へGO!
 


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