【娘の成長 3 】

中学になって、ますます、学校から離れて行った。
この頃には、お兄ちゃんも学校に行かず
主人が、「毎日、送っていくように。」と言うので、
「そこまでしなくても・・・」と思いながら
一生懸命、朝、学校まで車で送っていくのが日課だった。

一番印象的に残っているのが、
朝、学校に連れてくと、とりあえず、正面玄関のところに行く。
そこから、教室は、玄関から入って1教室向こうにある。
生徒用の玄関は、校舎の反対側にあった。
正面玄関から生徒用の下駄箱まで行くのは
校舎の側か、中を通っていくのが近いのに、
娘は、校舎の横にあったテニスコート2面分を
ぐるっと回って下駄箱に行くのだ。
それを見た私は、初めて
「ああ、同級生と顔を会わせたくないんだな・・・」と認識した。
もちろん、入るのは教室ではない。
保健室、相談室などの、部屋である。
教室に入らなくていいのなら・・という条件で
娘は、”とりあえず”学校に行っていた。

それも、1学期の間だけだった。

2学期に入ると、ますますひどくなった。
体育祭とか文化祭には何とか出たが、
やはり、登校せず、家にいる事が多くなった。

そんな時、相談室のスクールカウンセラーのO先生が家にきた。
「ドライブしようか」と誘いにきた。
最初はどうしようか・・・と迷っていたようだが、
そのうち、ドライブに行くようになった。
娘も、「学校に出てきなさい」と説得されると思っていたようだが、
いってみると、タダの気晴らしだったようで、
安心して話をするようになっていった。
O先生のおかげで、時々、相談室登校をするようになった。

その頃、学校に行ってない時には、
パソコンでインターネットをし始め、
同じ様な悩みを持った同じ位の年頃の子が集まる
「チャット」にはまりだした。

・・・顔が見えない・・・・・
この事は、娘にとってはいいことだったみたいで
言いたい放題、笑いながらチャットをしていた。
私達のした事が、傷となっていたのか
あまり笑わなくなっていたので
「笑い声」が聴こえるのは嬉しかった。

そうやって月日が経っていった・・・・。