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V o i c e  C l i p





▼小さな天使が眠るとき


──ボイスドラマ──



粉雪が舞い降る都会の片隅――

小高い丘の小さな空き地。
冷たい地面に死に別れた家族の絵を描く少女。
その細い首筋からのぞく引きつった火傷の跡、
そして不自由な手・・・

「ねぇ、なんでこんなところで絵を描いてるの?」
私は聞いた。
「ここで一生懸命お祈りしながら描くとね、
私のこと助けようとして死んじゃった
大好きなお父さんやお母さんやお兄ちゃんに
もう一度会えるんだって・・・」
少女は言った。

――でも私は知っていた。
彼らが彼女のことを助けようとして
死んだんじゃないということを。

歪められた祈り、造られた記憶・・・

「ねぇ、なんであんたの絵には色がないの?」
私は再び聞いた。
「色はね、神様が付けてくれるんだって」
少女はそう言うと、
天使のような微笑みを浮かべながら、
雪の舞うモノトーンの空を見上げた――

     ※ ※ ※

消せない傷を癒してくれるもの。
モノトーンの絵に色を付けてくれるもの。
それは、雪でも神様でもないんだ・・・

     ※ ※ ※

きっと、いつの日か。
それでも、許せたら・・・


小さな天使が眠るとき――



※解 説
語りの内容は物語と大きく関係しています。少女がとつとつと語っているような雰囲気です。

原作:Natural-Rain
音楽:HiRoAkI
語り:葉月ゆら

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