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地域・アソシエーション研究所第10回総会
この10年、これからの10年を念頭に

先だって開催した当研究所の第10回総会について、以下に概要を掲載する。なお、総会議案書は残部があるので、必要な方はその旨をごー報いただければ、送付します。


 11月18日、地域・アソシエーション研究所の第10回総会を間催しました。不覚にも、今年の総会が、10回目の節目となる総会となることを、直前まで気付かずにおりました。したがって、総会に提案させていただいた活動報杵や方針も、昨年1年間を振り返り、これからの1年間を展望する、通常の内容になってしまっています。
 改めて、当研究所を設立しようと話し合っていた頃を思い起こしています。設立総会の開催は、2'002年9月15日でした。前年の2001年9月11日に、ニューヨークの世界貿易センタービル等への同時多発テロが起き、その前日に、日本で初めてBSE (牛海綿状脳症)の発症が確認された、そんな峙代です。
 地域にこだわって、食べ物の生産・流通・消費の関係を、本来の人間関係を基軸としたものにつくり換える運動を続けてきた私たちが、世界全体の動きや社会のあり様との関連の中に、自分たちの運動を位置づけ、これからの方針を定めていく、そんな作業を担う機関として、研究所設立.を呼びかけたものでした。
 “アソシエーション”というカタカナでちょっと意味不明(?)な言葉を、キーワードとするのかどうかをめぐっても、カンカンガクガクの議論を繰り返していた日々を思い出します。
 はたして当研究所のそれから10年の活動は、設立の目標にむかって、どの程度、進んできたのか。設立を呼びかけた中心世代が、10歳分老化して、その活力や経験は次の世代に引き継がれて来たのか。時代はこの10年、どのように歯車を進めたのか。この1年の研究所の活動は、そうした問題意識を強く持って進めていくべきだと考えています。
 研究所の設立にあたって多くの助言をいただき、今総会にも参加して下さった田畑稔さんからは、「現状分析を進めて行くべき。その為にも調査活動を積極的に」との指摘をいただきました。
 今年9川〜10月にかけて行った連続講座のテーマは「共同体・市民社会・アソシエーション」というものです。その最後の講座を受け持っていただいた田畑さんが、「社会の類型化は現実認識のための道具の一つ」と指摘されていたことを思い起こしています。
 ともすれば、類型化で現実を全て理解できるかのような錯覚に陥りがちな議論は、自分たちが生き、暮らしている現実に主体として向き合う、日々の実践の重要性を失わせてしまいかねません。当l研究所としても、研究所を支える多くの人達の日々の活勤とむすびつく取り紺みとして、調査研究、現状分析を進めていきたいと思います。
 この間、「大阪都構想」を掲げる大阪維新の会が。府、市の両首長選挙に勝利しました。今後、具体的政策をめぐって、これまで以上に激しい闘いが続いていくと予想されます。今回の総会で、新しい運営委員として、元府議会議員の小沢福子さんに加わっていただくこととなりました。
 小沢さんは、豊中市議を出発として、今年の統一地方選挙で維新の会の新人に敗けるまで、地方自治体議員として働いてこられました。そうした経験を踏まえて、これからの地方自治の課題や、政治への、特に若い世代の人達のかかわり方についてなど、研究所の活動としておおいに活躍していただけると期待しています。
 総会終了後、同じ会場で交流会を行いました。関西よつ葉連絡会の生産部門を担っているいくつかの現場から、おいしい食材を提供していただいて、日付が変わるのも忘れて白熱の議論が交わせたのも、総会の一部として楽しいものでした。
(津田道夫:研究所代表)

●総会のひとこま

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