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事 務 局 か ら
◇TPP(環太平洋経済連携協定)をめぐって

元旦の全国紙の社説は「毎日」を除いて、いずれもTPP交渉への参加を促す内容でした。それも、ほとんど無内容で、「乗り遅れるな」の大合唱のみ。おそらく、マスコミは70年近く前も、同様の大合唱で戦争の片棒を担いだのでしょう。
 TPPは一部の大企業の利益に資するだけで、農業をはじめ多くの分野、人々の暮らしに破壊的な影響を与えるはずです。反対するのが当然だと思います。ただ、引っかかる部分も残ります。
 たとえば、「TPPは農業つぶしだ」との批判には、TPPに参加しなければ農業は維持できるのか、という疑問が浮かびます。あるいは、「TPPで日本は崩壊する」との批判にも、日本だけよければそれでいいのか、との思いを禁じ得ません。
 もちろん、事態をこれ以上悪化させないために、こうした批判は重要です。しかし、TPP騒動は急に現れたわけではなく、戦後の日本経済の歩み、それが実現した「豊かさ」を肯定する立場から必然的に出てきた面も否定できません。
 となると、TPPを根底から批判するには、条件闘争というわけには行かないようです。それこそ、過去の総括と将来の展望をめぐる、全面的な闘争にならざるを得ないでしょう。(山口)


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