日曜日の殺人鬼

日曜日の図書館の中で 殺人鬼の気持ちになってみる
僕は透明なナイフを握って足音を立てずに歩いてる
かわいいママが赤ちゃんに絵本を読んであげてる
小さな声で 毛布みたいな声で
こんな所に人殺しがいるなんて 誰も知らないんだ
ぞくぞくするね

僕はブーツの底に 聖書の切れ端を挟んでる
実は新しい神様の名前が書いてある 
だけど誰も知らないんだ
この世で僕だけが信じていて僕だけを救う神様
頬杖をついているメガネの女の子
残念だね 世界の終わりが来たら
真っ黒に勉強した君のそのノートも全部無駄ってわけ
だからもう 参考書は傍らに放って
星の王子様でも読もうよ
きっと寂しがりな女の子なんだと 僕は思うけど

反射したレンズの光の中に砂漠が見えるよ
ラクダのキャラバンが見えるよ
3番目に歩いてるのが王様で
4番目のお姫さまが君で
僕たちが今ピラミッドの下でデートしてるんだって
君は知らないんだ
今僕の指が君のメガネをそっと外して
まぶたにくちづけしてる

柳の葉っぱがしゃらしゃら鳴ってる
光が飛び散るアルミの窓枠
今日は青空