大原海水浴場付近の土木工事について
    (平成18年1月20日)



いつも県民のためにご尽力いただき感謝しております。


大原海水浴場入口付近の土盛り状況
(全て2006.1.17 撮影)
うず高く積み上げられた土砂の山


大原海水浴場付近は当市 日在-和泉浦海岸の一部でありますが、この海岸はアカウミガメの産卵北限域で 昨年度は上陸33回で、うち産卵が20回、孵化が8回ありました。
大原海水浴場内でも4回産卵し、うち少なくとも2回以上盗掘を受けましたので、 地元で目下ウミガメの保護・管理対策を検討中です。

最近大原海水浴場付近で土木工事が開始され、県出先機関(複数)に1月16日問い合わせたところ、 管轄の林業事務所から1月17日に海岸防災林造成のための土砂搬入を行っている旨の回答(3月までに土砂搬入し、 18年度に植栽を予定)を得ました。


海水浴場入口アーケード付近の水溜り
左側にサイクリング道路が見える
堆積土砂で通行できない状態
高層マンション付近の松林手前
土盛りの向こう側にサイクリング道路がある


(質問1)海岸の砂浜地域をいつ誰が保安林に変更したのか

現地の高層マンション付近に立っている看板および千葉東沿岸海岸保全基本計画書 (平成15.3.19)によれば、当該工事地域は「海岸の砂浜地域」と規定されており、保安林地域とはなっていません。 変更について、地元住民への説明も一切ありませんでした。

誰がいつ保安林地域への変更を決めたのかお答えください。


千葉東沿岸海岸保全基本計画書の表紙
平成15年3月19日付
海岸保全施設整備計画_ 夷隅ゾーンの表示図面
保安林は黄色内、護岸施設との間は「砂浜」表示


(質問2)道路水溜り被害・土砂災害被害をどう認識しているのか

大原海水浴場入口およびサイクリング道路周辺は、海岸に隣接し海抜レベルがもっとも低く、 かつ排水路は全く設置されていない地域であります。毎年台風および長雨の際にサクリング道路一帯に 水が溜まることが多く長期にわたり水がひけず安全・衛生上の問題を生じ、地元住民やサイクリストは いつも皆困っています。 現在搬入し盛土した土砂には赤土が大量に含まれ、1月14日の雨で盛土周辺に水溜りができると共に、 サイクリング道路の南側の箇所は通行不能(盛土と泥水で)となっていました。今後台風や大雨の際、 海水浴場内の砂浜に赤土や泥が流入する恐れが大で、観光面(大規模な秋祭り含め)にも影響を及ぼす可能性 を否定できません。

千葉県として 道路水溜り被害・土砂災害被害の可能性をどのように認識していますか。 管理責任は誰が負うのですか。


高層マンション前の松林と看板
保安林(緑色)とサイクリング道路の表示(茶色)
道路の東側が海岸(砂浜地域)

上右の写真の看板部分拡大図
看板の表示説明と海岸線境界明示の様子


(要望1)環境影響評価書の提示を求めます

地元識者とも話し合いましたが、本件については環境影響評価(海岸線の砂のインベントリー変化、 津波の影響、台風・高潮・長雨等の影響、野生生物 生息状況調査と保護 等)を行い 防災林仕様等を総合的に 判断することが必要と考えます。

県で 即 環境影響評価書原案を作成の上 提示してください。


添付資料 大原海水浴場周辺の写真(最近の土砂搬入工事を中心として)   1式
現地看板の写真および千葉東沿岸海岸保全基本計画書(平成15.3.19)からの抜粋(一部)

                                              以上です


[私たちの主張]

2005年の夏は、当地ではウミガメの上陸・産卵・孵化がたくさん見られた。 大原海水浴場内でも4回産卵があった。長年ウミガメの観察・保護に取組んできた ウミガメを守る連絡会調査グループのメンバーから聞いたところでは、 海水浴場内で5年前に緩傾斜護岸の工事が始まる前は 海水浴場北側突堤から南側が 日在浦で一番上陸・産卵が多かったそうだ。


平成17年度大原海水浴場内の産卵現場(7/10/05)
1200mある海水浴場砂浜のほぼ中央部
5年前まで砂浜は50-70m奥まで続いていた
台風の影響により流失した産卵巣の様子(7/20/05)
高層マンションが建つすぐ傍の砂浜だった
緩傾斜護岸がなければ卵は流出しなかったろう


5年前に 地元の識者たちと一緒に県出先機関と話合を持ち、絶滅危機種であるアカウミガメの 上陸・産卵の妨げになるから、緩傾斜護岸の工事は問題があるので取止めるよう申し入れたにも拘わらず、 強行してしまったことは本当に残念だった。 ウミガメは 緩傾斜護岸がなければ、あと50-70mサイクリング道路よりの砂浜のよりレベルの 高い場所に産卵できていた筈なのだ。松林の付根近くなら、台風や高潮でも卵が流出することなど なかっに違いない。
2001年に行なわれたその工事については、 「ウミガメを守ろう」のコラムに掲載した「II. 外房におけるウミガメを守る活動」の中の 「3. 砂浜に鎧を着せる、緩傾斜護岸の工事」 で報告しているので、 参考にして欲しい。

過去数年間なを振り返ってみると、内房では県の主導で 三番瀬再生会議が開かれ、 塩浜護岸の再生計画が実施の 段階に入っています。同じ時期に 千葉東沿岸海岸保全計画書を取りまとめておきながら、 外房では 有識者を交えてのエスチュアリー利用と環境保全の話合が行なることはなかった。 片や自然回復、片や自然破壊が、同じ県の中でほぼ同時に進行して きた矛盾を 県はどう説明しようというのでしょうか。

発足したばかりの いすみ市の将来へ向けての第一のビジョンは、 当地の「手付かずの自然という資産」を 未来に残すことではないでしょうか。
ウミガメが上陸・産卵できなくった浜辺では、人間も生き延びられなくなることに気付くべきです。


[海岸線明示看板撤去されたのを発見(2006.6.22)]

まず、大原海水浴場隣接高層マンション付近に千葉県によって立てられていた 「海岸線明示の看板」の写真を掲載しておく。

海岸線明示の看板 _ 大原海水浴場隣接高層マンション付近
(2006.4.14撮影)


「飛砂防備・潮害防備保安林 _ 千葉県」の看板
緑色の線が保安林境界、茶色の線が道路を示す。その海寄りは全て砂浜だ!
(2006.4.14撮影)


2006年6月22日、私どもが日在-和泉浦海岸の最近の様子を、市役職員を案内・ 説明している最中に、千葉県が設置していた海岸線明示の看板が、非常に丁寧に 抜き取られているのを、市の部長が見つけてくれた。 私どもは、千葉県から一切撤去作業について説明を受けてはいない。 勝手に自分たちの都合のいいように、引き抜いてしまったのだろう。 地方公務員として、看板の管理責任が問われるのは当然である。


海岸線明示看板の撤去跡を確認
松林の奥に白い高層マンションが見えている
(2006.6.22撮影)

明確な意図を持って、非常に丁寧に取り去られていた
同行した本市の部長が発見してくれた
(2006.6.22撮影)

市の職員に海岸の様子を案内し説明中
(2006.6.22撮影)



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