いつまで空中散布を続けるのですか



[千葉県知事文書宛(2006年5月30日付)]  

   6月3日には、いすみ市の「ほたるサッミト」に出席される由、 お会いするのを楽しみにしています。

   要望

   「日在浦」空中散布地域の中の住宅地に住んでいる私どもは、何年も生命の危険に晒されて いるのです。直ちに解決してください。
松くい虫防除は、今後空中散布は取り止めて、和泉浦や大原海水浴場、 「ホタルのさと」山田地区と同様に、地上散布方式に切り替えるよう、強く要望します。

   もしできないのであれば、できない理由を知事からお答えいただきたくお願いいたします。   

   経過説明

   6月1日、私どもが住む海浜地区の松くい虫の称する空中散布が行われます。 現在どの県でも、空中散布は被害が大きいため、地上散布に切り替えています。 千葉県においては、半世紀経っても、この有様では困ります。 松くい虫の防除には、空中散布は効果がなく、かえって人畜に被害が大きいと 従前から発表されています。

   そのため、下記の文書をいすみ市長宛送ったところ、市長から県林業担当出先機関 に回送されたそうです。
この件で、本日午前10時、県空中防除主管室長から電話の返事があり、 『昭和55年より、空中散布から地上散布に切り替えたいと考えていました。』ということです。 いったい何年待たせるのでしょうか。

                 健康に留意され、ご活躍ください。


日在浦海岸の松林、左端は大原八幡岬
市民居住地域に隣接、往時地引網漁で有名
最近都会からの移住者増えた
松林に隣接して建つ家も多い
(2枚とも2006年6月3日撮影)


[添付文書_ 地元市長宛の送付文書(平成18年5月25日付)]

   松くい虫防除について

すべての人類・生き物が地球上で生きてゆくための必読書、 レーチェル・カールソン「沈黙の春」を読まれたことがありますか。 「沈黙の春」の危機が当地で現実化しているのです。

日在浦海岸の松林一帯は、今年に入って松の樹を間引きし、下草を狩り、 作業用軽トラック等が通行できるようになっています。 つまり、日在浦の松林でも地上散布作業が行える状態になっています。 ところで、毎年松くい虫防除の空中散布した後に、メジロなどの小鳥の死骸 が浜辺やわが家周辺でいつも発見されているのをご存じないのでしょうか。 松くい虫防除の薬剤散布は、実施するとしてもあくまでも補完的、 一時的なものであるべきです。松の樹の根元に太陽の光が届くようになれば、 松の樹は健康になり、薬剤散布は不要になってくる筈です。

(1) 万一薬剤散布を行うのであれば、農林水産省によって、果樹・ 野菜など農作物残留試験値が厚生労働省基準値の10分の1以下であることが確認されている、 地上散布方式にすべきものと考えます。

(2)空中散布に用いるMEPマイクロカプセル剤については、 島根県平成16年度発表資料において、殺虫剤の残効期間が10週間にも及ぶと評価されており、 これが当地で小鳥たちの死骸をしばしば発見する元凶となっているものと考えられます。 また、空中散布は肝心の松くい虫防除には効果がないと聞き及んでおり、 寧ろ人体への影響があることは、最近とみに広く知られ、 この地域の人々でさえ口にするようになっています。


和泉浦海岸と松林
黒い砂(重い)は砂鉄の色
三軒屋周辺がもっとも黒い砂多い
ハマヒルガオと松林の見事なコントラスト
豊かな自然残る_ 松林に隣接して家はない
(2枚とも2006年6月4日撮影)


質問

1. 日在浦海岸2,000メートル部分の空中散布予定箇所を、何故いまだに地上散布に 変更できないのでしょうか。

2. スミパインMC剤(MEPマイクロカプセル剤)についての人体および野鳥に対する 毒性評価を至急明示してください。

要望

1. 松くい虫防除は、今後空中散布は取り止めて、 和泉浦や大原海水浴場と同様に、地上散布方式に切り替えるよう、強く要望します。

                 以上


[県防除主管課長わが家へ(5月31日)]

知事宛に文書を発送したところ、空中散布予定前日の5月31日午後2時頃に、 県庁の防除主管課長から1時間後にわが家にきたいとの電話があり、 午後3時頃随行者4名を引き連れて現れた。

いろいろ説明してくれたが、地上散布で行われているような厚生労働省基準値に 準拠した定量的な毒性評価は、空中散布ではまだ行われていないことが判明した。
空中散布の安全性については、「県提出資料_その1 安全性について」と題する住友化学によるスミパイン毒性評価(1994・1995年) が提出された。 厚生労働省基準値の基づく人に対する毒性評価ではなく、 ラット・マウスの小動物経口毒性試験結果が示されているが、 その試験結果では、スミパインMCはスミチオン よりも最大15倍、加重平均で約10倍危険と評価されていることが判明した。

当日 筆者から、(1) 地上撒布の場合人間が摂取する農作物残留試験値が厚生労働省基準値の 10分の1以下で、 (2) 空中散布の場合哺乳類経口毒性試験値がスミパインMCはスミチオンより10倍危険、 の二つの条件をとりまとめれば、空中散布を地上撒布に切り替ることによって 人体(哺乳類)への経口摂取被害が百分の1以下になると評価できる旨指摘したところ、 県職員達は皆ただ黙って聞いているだけだった。
約1時間の面談を終えた県職員達は、本年2-3月頃松の樹を間引きし下草を刈ったばかりの 日在浦の松林9ヘクタールを、妻の案内で見学して帰っていった。


[県防除主管課長宛の送付文書(平成18年5月31日付)]


主役は県民 600万人のちば
県防除主管課長宛(平成18年5月31日付)

 本日は、遠路ご苦労さまでした。
明日・6月1日に松くい虫防除のため空中散布される、 鳥獣保護区である松林の中を歩かれて、ホトトギスや鶯の声、 隣接する家々、そしてアカウミガメが産卵・孵化する海辺をご覧になって、 いかがでしたか。この自然を守る義務は、私たちだけでなく、あなた方にもあります。 課長の名刺に印刷された『主役は県民 600万人のちば』という文言は誠に重いものがあります。 私たちは、600万人の県民の中に含まれています。 どうぞ主役である県民の生命、 鳥獣保護区の生きとし生けるものをお忘れなきよう、お願いいたします。
    鳥獣保護区に生きる野生生物たちは、配られたチラシの注意事項 (山菜・木の実などは念のため1ヶ月程度採取しないでください、等)を読めません。 彼らは今日も何も知らずに食べているのです。 国を当てにしたり、国のせいにしたりしないで、現在どこの県でも、なされているように、 県独自の判断で被害を未然に防ぐ努力が必要となっています。
どうか健康に気をつけて、頑張ってください。大いに期待しています。  


[県から提出された資料(一部)_ 5月31日付]

県提出資料_その1_ 安全性について
スミパイン毒性評価(住友化学1994・1995年)
ラット・マウスによる経口毒性


県提出資料_その2_ スミパインマイクロカプセル剤について
スミパイン技術レポート編集委員会作成(平成13年7月)
マツノマダラカミキリに対する残効期間は10週間に及ぶと評価
島根県のホームページをそのままダウンロードしたもの



[千葉県がきちんと挨拶ができないのは何故(2007年度)]

   2006年度は、空中散布が千葉県によって強行されたが、その後も2007年度から地上散布へ切替えるよう、 機会あるごとに千葉県への働きかけを続けた。
   2007年3月に入り、別件でいすみ市産業建設部長と話合う機会があり、この問題に 言及したところ、2007年度から松くい虫防除は地上散布に切り替わる旨千葉県から 連絡があったと説明してくれた。

   ところで2007年度に入っても、私どもには千葉県から「松食い虫防除が空中散布から地上散布に 切り替わり、人体への影響が100分の1以下に減るようになりました」との挨拶がない。 こういうことでは困る。「空中散布しなければよいだろう」で済む話ではなかろう。 きちんとした挨拶をすることが、人間社会の常識というものだ。 公僕であるにもかかわらず、手紙ひとつ書けないとは、非常識極まりない。
   散々私どもに苦労をかけさせながら甚だ失敬な話である。千葉県は私どもに きちんと挨拶すべきである。(2007年4月1日 記)



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