2005/12/10 更新

■ パラレル接続のCD-ROMドライブ - IMES iCD-P300

 (株)アイメスの製品で、パラレル(プリンタ)ポートに繋ぐタイプのCD-ROMドライブです。

 読込み速度は2倍速で、今時のCD-ROMドライブと比べたら比較にならない程遅いですが、それなりの利点もあります。1つはステレオヘッドホンジャックとボリュームが付いているので、単体で音楽用CDを再生できる点。もう一つは2倍速という低速回転の為か、モーター音や回転音がほとんど聞こえず、非常に静かである点。音楽CD再生用としても役に立つでしょう。
 本体後部には、プリンタ接続用のコネクタも付いているので、CD-ROMを使いながらプリンタも使用可能です。

 さて、CD-ROMドライブ本来の使い方で、IMES iCD-P300を使用するメリットはどんなところでしょうか? それはノートパソコンへOSを新規インストールする場合に、簡単に接続できるという事です。
 CD-ROMドライブを搭載していないノートパソコンの場合、PCカード接続のCD-ROMドライブを使うのが一般的ですが、PCカードとCD-ROMドライブの認識に苦労することが多いです。しかし、IMES iCD-P300なら簡単に接続・認識させることが可能です。


◆ 使用例1 ◆

「ノートPC(ThinkPad 560E)へWindows98SEをクリーンインストールする」

1.Windows98起動ディスクの作成

 Windows98が動いている別のパソコンから、起動ディスクを作成します。
 作成方法は、コントロールパネルから「アプリケーションの追加と削除」→「起動ディスク」で作成できます。
 (フロッピーディスクは2枚必要で、起動ディスク1、起動ディスク2とします。)

2.ドライバ類のコピー

 IMES ICD-P300に添付されているドライバディスクから必要なファイルを起動ディスク1にコピーします。
 (ICDP300.SYS README.DOS CORELCDX.COM CRLSCSI.INI CORELCDX.TXT)。

 ※ ドライバディスクが手元に無い場合は、IMESのホームページからダウンロードできます。最新版がアップされていたり導入についてのドキュメントも梱包されているのでダウンロードしたほうが良いでしょう。
 (2005/12/10 追記) トップページからリンクが辿れないようなので、ダウンロードページへの直リンクを追記しました。下記のページからダウンロードできます。
 http://www.imes.co.jp/sitemap/old_products.html

3.CONFIG.SYS、AUTOEXEC.BATの編集

 メモ帳などを使って、起動ディスク1のCONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATに赤字の部分を追加します。

========== CONFIG.SYS ==========================
[menu]
menuitem=CD, Start computer with CD-ROM support.
menuitem=NOCD, Start computer without CD-ROM support.
menuitem=HELP, View the Help file.
menudefault=CD,30
menucolor=7,0

[CD]
device=himem.sys /testmem:off
device=oakcdrom.sys /D:mscd001 
device=btdosm.sys 
device=flashpt.sys
device=btcdrom.sys /D:mscd001
device=aspi2dos.sys
device=aspi8dos.sys
device=aspi4dos.sys
device=aspi8u2.sys
device=aspicd.sys /D:mscd001
DEVICE=ICDP300.SYS /D:IMESCD01 /H

[NOCD]
device=himem.sys /testmem:off

[HELP]
device=himem.sys /testmem:off

[COMMON]
files=10
buffers=10
dos=high,umb
stacks=9,256
DEVICEHigh=BILING.SYS
DEVICEHigh=JFONT.SYS /MSG=OFF
DEVICEHigh=JDISP.SYS /HS=LC
DEVICEHigh=JKEYB.SYS
devicehigh=ramdrive.sys /E 2048
lastdrive=z
================================================

========== AUTOEXEC.BAT =======================
@ECHO OFF
set EXPAND=YES
SET DIRCMD=/O:N
set LglDrv=27 * 26 Z 25 Y 24 X 23 W 22 V 21 U 20 T 19 S 18 R 17 Q 16 P 15
set LglDrv=%LglDrv% O 14 N 13 M 12 L 11 K 10 J 9 I 8 H 7 G 6 F 5 E 4 D 3 C
cls
call setramd.bat %LglDrv%
set temp=c:\
set tmp=c:\
path=%RAMD%:\;a:\;%CDROM%:\
copy command.com %RAMD%:\ > NUL
set comspec=%RAMD%:\command.com
copy extract.exe %RAMD%:\ > NUL
copy readme.txt %RAMD%:\ > NUL

:ERROR
IF EXIST ebd.cab GOTO EXT
echo Windows 98 起動ディスク 2 を挿入してください。
echo.
pause
GOTO ERROR

:EXT
%RAMD%:\extract /y /e /l %RAMD%: ebd.cab > NUL
echo 診断ツールが %RAMD% ドライブに読み込まれました。
echo.

IF "%config%"=="NOCD" GOTO QUIT
IF "%config%"=="HELP" GOTO HELP
LH %ramd%:\MSCDEX.EXE /D:mscd001 /D:IMESCD01 /L:%CDROM%
CORELCDX
echo.
GOTO QUIT

:HELP
cls
call help.bat
echo 再起動後に [スタートアップ] メニューが表示されます。
echo.
echo.
echo.
echo.
echo.
echo.
echo.
echo.
echo.
echo.
restart.com
GOTO QUIT

:QUIT
echo ヘルプを参照するには、HELP と入力してから Enter キーを押してください。
echo.
rem clean up environment variables
set CDROM=
set LglDrv=
================================================

4.起動

 IMES iCD-P300 をパラレル(プリンタ)ポートに繋ぎ、上で作ったWindows 98 起動ディスクで、PCを起動させます。
 起動後は、IMES iCD-P300 が普通のCD-ROMドライブと同じように扱えるので、Windows98SEのCD-ROMをいれて、Setup.exeを起動すればWindowsのインストールが始まります。

 もしHDDに余裕があるようなら、CD-ROMの中身を全部HDDにコピーしてそこからSetup.exeを動かせば、後々CD-ROMの挿入を求められることが無くなり便利です。

 

◆ 使用例2 ◆

「ノートPC(ThinkPad 560E)へLinuxをインストールする」

 IMES iCD-P300 は、残念ながらLinuxでは使用できないので、Linuxのインストールに必要なファイルをHDDにコピーする為だけに使用します。

 ・この方法でインストール可能な前提条件
  HDDの容量に余裕があること(Linuxインストール容量+LinuxCD-ROMの容量)。
  HDDからのインストールに対応したディストリビューションであること。

1.インストール準備

 使用例1で作ったWindows98起動ディスクで、PCを起動します。
 fdisk でHDDのパーティションを切り、HDDの後ろのほうにLinuxCD-ROMの容量分程度の領域を作って、formatします。
 (残りの領域は設定せず未使用のままにしておき、後でLinuxから設定します。)
 作った領域に、LinuxのインストールCD-ROMの中身を全てコピーします。

2.Linuxのインストール開始

 LinuxのBootDiskを作り、そのフロッピーディスクからPCを起動します。
 パーティションの設定では、1で作った領域以外を使うように設定します。
 CD-ROMからではなくHDD内の領域からインストールをするので、インストール元を選択する所で、1で作った領域を選択します。
 後はCD-ROMからのインストールと同様にインストールを進めます。
 (2004/10/09 追記)  HDDからのインストールが出来ないディストリビューションが増えているようです。

3.インストール後の設定

 1で作った領域が無駄になってしまうので、Linuxで領域を作り直して、適当な場所にマウントします。
 その方法は詳細を書くと長くなってしまうので、ネットで検索してください^-^; 「Linux 新規パーティション マウント」等のキーワードで検索すれば、いくらでも情報は出てきます。
 ちなみに、既に存在するディレクトリ(例えば/homeなど)と置き換える事も出来ます。


(2005/12/10 追記)
  最近のディストリビューションの場合

 CD-ROMが使用できないPCにLinuxをインストールする場合、HDDにLinuxCD-ROMのisoイメージを置いてインストールする方法があります。
 ここでは詳しくは書きませんが、大体次のようにインストールします。
 ・使用例2の1.の要領で、HDDにFAT領域を作る。
 ・CD-ROMのimagesディレクトリにあるブートイメージ(例えばdiskboot.img)を取り出してFAT領域にコピー。
 ・LinuxCD-ROMのisoイメージをFAT領域にコピー。
 ・grub(ブートローダー)をフロッピーに入れて、フロッピー起動し、HDD上のブートイメージを起動。
 ・インストール元を、コピーしたisoに設定してインストール開始。
 ネットワークインストール用のブートイメージを使用すれば、HDD容量の少ないPCでも対応できます。

◆ 2005/12/10 追記 ◆

 周辺機器の接続方法がUSB主流となり、最近のノートPCはパラレル(プリンタ)ポートがついていない事が多くなりました。ノートPCへ新規にOSをインストールする時やリカバリーの時などに、安価なUSB-CDROMが使用できれば良いですが、ノートPCのメーカーが出している専用のUSB-CDROM(大概高価)を使わないと難しい機種もあるようです。
 パラレル(プリンタ)ポートさえついていればどんなPCでも「IMES iCD-P300」を使ってインストールできるだけに、この状況はちょっと辛いところです。