心地の良い簡単生活
作家 deborah Deford 文香社
1.偽ざる自分を知る
もっと満足のいく自分らしい生活をしようとしたら、積極的な努力がいります。本当の自分はどういう人間なのか、何を信じ、これからの人生に何を望んでいるのかを知ることが第一歩です。
簡単な生き方に戻るための基本が二つありますの生活を織りなす二つの「I」の糸、統一性Integlityと目的性Intentionalityです。
統一性は、本当の自分はどういう人間なのか、自分にとって何が一番大切なのかということと関係があります。
目的性は、本能や偶然によらないでわざと何かをすることです。
a自分を正直に生きる。
まずやらなければならないのはもっとのんびりすることと一人でいる空間を作ることです。
・一日30分雑音を消す ・一週間一人で食事をとる。・丸一日休みをとる。
・瞑想や祈りの時間をとる。・自分の思いや感情、反応を記録する。
自分の心をのぞく一番必要なのはそれに集中できる時間と集中力なのです。
#自分だけの使命文を書く 私は・・が好きです 私は・・です 私は・・を欲しいと思う などと私を主語にした単文を思いつくままに書く。
#心のくず拾いをする/ #自分にインタビューする
b目的を持って生きる。
自分にどんな選択肢があって、どれを選択しているのわからないと目的性は生まれません。
#一日の終わりに記録しておいたものを評価し変えられるものを選ぶ
#自分について考えるときの言葉を、反動的な言葉と前向きな言葉に分けると自分の方から選んでいるという満足感がある。
#逆の発想をして意識的にストレスをほぐす。思い込みのあまり余計なストレスを増すことになる。常識に捕らわれない全く新しい角度からの答えを考えてみる。
(足元よりもっと遠くを見る自分になる)
#直感的でなく、自然に浮かぶことと別の考えを考えてみる。
#情熱を注ぎ楽しいことをしたい気持ちに身を任す。(好奇心が自分を育てる)
#新しい方向を探り、1週間に一度は少なくとも冒険をする。
#時代遅れの古い考えや行いを土の下に埋めて恨みつらみなく、土に返してあげましょう。
2.時間の使い方を簡単にする
自分の時間を自分のために費やすと言うことは簡単なようでなかなか出来ないことである。
a何に時間を使ってしまうかを追う
時間を追う日記を付ける。一週間分の過ごし方を記録する。行動に費やした時間割を作る。自分に必要のない時間を突き止める。
#人生のゴールや価値を高めるものなのか
#健康と幸せを増すことなのか
#今やらねばならない事なのか
#いつかはやらなくてはいけない事なのか
b時間を最大限に生かす生活
一度もやらなくてもよいこと、少なくともあなたがする必要のないことが時間の無駄です。雑用や逃避行為、違った礼儀がそうです
時間を切りつめる方法を3つ考える。
#もっと間を空けてからする/ #誰かに頼む/ #ひとまとめにする
#新しい挑戦のために一日15分の時間を確保する。
時間をむしばんでいるものに気づき、白い紙に書き出す
#心配事で多くの時間をつぶさない/ #為になる後悔をしたら先に進む
#嫉妬、悔しさ、恨み、自信喪失、失敗を恐れる気持ち、など否定的な感情に時間をとられない
時間の感覚地図を4つに分けて作る
#一番創造的な時間/#健康のための時間(睡眠、風呂、運動、瞑想)/#約束の時間(仕事、通勤、習い事、会食)/#自在の時間
c時間の使い方を少しずつ変えていく
#一番大事なことは絶好調の時にする。元気の無い時間に雑用をする。
#いつどこで何をしていようとも一つのことだけに集中する。
#不測の事態に備えて時間をやりくりする練習をする。
#他人の要求や好みの押しつけによるものには断固とした態度を示す。
#遊ぶ時間を積極的に取り入れる
#人生と自分の可能性の時間を増やし、エネルギーを補給する。
3.人間関係を簡単にする
人間関係は複雑でしょうか?いいえ、複雑なのは私達の心です。心がシンプルになれば他の誰でもない自分自身が呼吸をしやすくなるのです。
環境自体を変えるのが困難でも環境に対する見方を変える事はさほど困難なことではない。自分に無理をせず、自分の二面性(内面の自分と表に見えない自分)を受け入れると楽になる。
3−1人との関わり合いを見直す
a人との関わり合い方には、二つの大切な要素があります。
#自分の体質−−関わり合いのスタイル、その人の個性の基になります。
#自分の体温−−関わり合いの満足度、今の関係の質の高さや健全性、真実味を測る
b自分の人間関係プロフィールを作る
自分が正しいと思っていたことは、実は性別や個性や育ちと大いに関係していて、ただのちょっとした考え方の違いにすぎないのです。あなたが変われば次の答えも変わる。
#人との関わり合いのスタイルは内向、外向?。/ #一日に何時間、人といたいか?/ #人にあるもので一番価値のあるものはなにか?
#健康的、幸せを感じたとき、自分の成長を感じたとき、世の中のためになると感じたときの人間関係は?/ #喜びが薄れたり、自信が薄れたりしたときの人間関係は?
cどの部分を簡単にしたいか
今の生活の中でよく会う人、または大きな存在になっている人のリストを作り、次の質問に答えてみる。
#ピリピリしている部分があるか/#迷惑に思ったり不当に扱われている部分があるか?/#グループの集まりでぞっとすることがあるか?/#ある集まりから戻ると決まって気分が沈んだり、疲れ切ったりするか?
3−2自分が変わる時
d変化への準備
どんな人間関係でも、少なくとも二人の人間が必要です。人間関係の変化は少なくとも二人の人間に影響します。互いに反応し合います。変化に対して予想される反応をいくつか頭に浮かべておけば、自信と落ち着きを持って前へ進めるでしょう。
e反発を怖がらない
変化は裏切りになるので、人をおびえさせ反発を招く。自分の変化を周りに知らせて安心させ、一緒に変わることを目指す。
f大切な人には気持ちを伝える。
なぜ変わりたいのかという自分の目的を進んで話すと周囲は不安にならなくてすむ。
#一対一の特別なデートする。/ #小さな気の利いた贈り物をする。/ #その人のためだけの電話をかける
g途中の煩雑さは我慢する。
自分が変わるうちにそれが自他共に与える影響を考え、影響を受ける人達とよく話し合う。
3−3家族との関係を簡単にする。
配偶者、家族、友人、地域の人々、どんな人間関係を変えるのもまたとないチャレンジです。そのための計画と、その後の見返りを先に考えましょう。それから自分の望む将来に合わせて、人間関係を築き直すのです。
#家族の一人一人に注目する。
質の高い時間を失ってしまった原因の一つはお互いの注意を向け合う機会を投げ出してしまったからです。
#定例の家族会議をする。
共通の目標を作る。相手を非難しない。プラスマイナスで補う。お互いに褒め合う時間を入れる。
#料理や掃除を簡単にする。/ #家事を分担する。/ #家族と遊ぶ日を計画する/ #普段とは全く別のことをする。全く何もしない。/ #心の空間を持たせる。
いっしょの生活を簡単にする基本の一つは、別々に時間をはぐくむことにある。
3−4友情を複雑にしないために
#過剰な思いやりを健全な行為に変えて友情の一番いい部分を育てる。
#友情の限度をわきまえる。
はじめは慎重に。いっしょにいる時間の質はどうか。できるだけ間を空けて会うようにする。決まった日に会うのはやめる。
#気持ちを簡単に伝えたかったら、ひとこと書いて郵送する。
#電話と上手につきあう。
事前にメモする。自分の電話タイムを教えておく。話したくないときは切っておく。話を「過去形でまとめて」相手に一区切りついたという印象を伝えて、話を上手く切り上げる。
#贈り物を変える
優しく正直に。ささやかにすることをあらかじめ了承し合う。共通の趣味に年一度誘い合う。大事にしている持ち物を分かち合う。消耗品を贈る。木を植える。思いがけないときにあげる。
#パーティは気軽で簡単なものに
特別な日をはずす。贈り物の交換を減らす。作って食べる。ディナーよりコーヒーとクッキーにする。
3−5地域社会との関わり合いを簡単にする。
#地域活動を重荷にしない
社会と関わるレベルを決めるのは自分である。無理のない量。
#一つの仕事をきちんとやる/ #期限付きにして続けてやるかどうか自由に決められるようにする。/ #新しい人を育てる/ #定期的に休みを必ずとる。
4.我が家をすっきり簡単にする。
aこれでよしと思うまで物を減らす
自分の必要な物と自分が好きな物しか置かない。それを使う必要があるか、使いたいか、使えるか。または、置く場所があるか、ほしいか、あるか自問してみる。
#風通しの良い空間を取り戻す。
収納場所を整理し、よけいな物を省き、とっておく物をしまう。
#小さな場所から初めてプロセスを楽しむ。
整理にどのくらい時間をかけたいかを決める。大きな袋を用意する。袋の一つに手放す物と書いておく。空いた場所に入れるのにふさわしい物を決める。
#不要品を処分する3つの方法。お下がり、寄付、売り物。
#物にはそのものの置き場所がある。
合理的におく。使う場所の近くにおく。同じような物はいっしょにまとめる。予備の消耗品はすぐ目に付くところにおく。よく使う必需品は容器に入れる。
b掃除のストレスをなくす
掃除とは家の中を本の状態に戻すことに他ならない。
#散らからない空間を保つ/ #掃除を効率的に行う
掃除用具を持ち歩く、修理の行き届いた良い道具を持つ、必要な場所においておく、機械で済む物は機械にさせる、ひどくなる前に早めに行う。
#一目でわかる全体的な計画を作る
#片づけの6つの法則
一日一回は散らかった物を全部あるべきところに置く。/ 毎日ゴミを捨てる。
新聞や刊行物の古い号はとっておかない。/ 散らかる物は入ってこないように断る。/ 散らかした本人に片づけさせる。/ 2度以上読まない物、半年以上使わない物は捨てる。新しいものを古い物の上に置く習慣を守ると使用頻度順に整理される。
c居心地の良い生活空間を作る。
#自分らしい調和のとれた住処を目指す。/ #人間味のある空間に整える。
どんな目的に使うか。どうすればシンプルになるか。個性や趣味や価値観が現れているか。
#どの場所も「小さな傑作」と呼べるようにする。
はっきりとした使い道のない物は1週間取り除いて評価する。
色や布で隠してみる/ 自分の大事にしている物で自分の部屋を飾る。
#ガーデニングを簡単にする。
手入れが楽しめる程度にする。植える場所にあった植物を選ぶ。強い品種を選ぶ。多年生植物にする。手間のかからない方法にする。人の行き来が楽で、プライバシィーを守る幕となり、片隅を明るくするような場所に植える。
5.働く生活を簡単にする。
aなぜ仕事をするのか自分と向き合う
統一性は、心の奥底にある価値観や目標と直に結びついている。目的性は、そういう価値観や目標からエネルギーや活気を引き出す。
#自分にぴったりの仕事を見つける
#今の仕事は何をするためかを5つ考える。働く動機が自分なりにわかってくる。自分がどういう人間かということと関係ある。。
#自分を表現できると思う職業を5つあげてみる。自分の基本的な性質と自分に何ができるかを表している。
#自分の素質を知るために、自分の選んだ職業を形容詞を用いて表現してみる。
bストレスを最小に抑えるために
#自分の好きなことをする。
自分のいたい場所、なりたい人、なりたい物を描いてみる。
職探しを永遠に行う。アンテナを張り、チャンスに敏感になる。余暇に好きなことを極める
#尊敬できる人と仕事をする
自分が何に困っているのかはっきりと知る。次に扱いの難しい人の見方を理解しようとすること。最後に感情的な反応から理にかなった行動に移ることである。
信頼できる人とは、自分のことを話すより、相手の話、立場、心に、耳を傾けて明るく解決してくれる人。
#困った人間関係を改善し、強い人間関係をつくる条件。
意志を伝える。/協力する。/委任する。/お互いの得になるような仕事をする。/褒めるべき時は褒める。/人の能力を見つけ、それを使う機会を与える。/私的な話より、もっと前向きなことに注意を向ける。/後で時間を決めて話すように約束をする。/いやならいやと穏やかに丁寧にきっぱりと返事する。/非難するよりまず事実を知る。
#快適で能率の上がる場所で仕事をする。
こぎれいにし、自分の仕事に必要な物だけを置く。
自分らしい場所にする。外に出しておく記念品は一つか二つにする。
#一度にひとつの仕事を行う
注意力を高める−−今何をしているか自分に言い聞かせる。/見慣れた物を5分ぐらい全注意を傾けて再発見する。/目を閉じてゆっくり息をする。(体の五感が作動してきて姿勢が良くなる。)
仕事を自分のエネルギーレベルに合わせて選ぶ。
まず古い仕事の習慣に気づきそれを受け入れ、より大きな目標に向かって働く前向きな意志を必要とする。
仕事に関係ない物は一つごとにすべて片づける。
集中する時間を邪魔されないように同僚を教育する。
#人に施す気持ちを忘れない
人生最大の満足は自分が手に入れる物ではなく、自分が人にあげる物から生まれる。生活を自分に合わせていくうちに、進んで時間とエネルギーを仕事に注いでいるのです。
心から仕事をする。/人に施す。/正直に行動する。/よりよい世界を心に描く。
#必要な物を十分に買えるだけの収入を得る
必要だと思っている物について疑問を持つ。必要な物とほしい物とを区別する。関係のない物、寿命の短い物、無意味な物を削っていく。仕事のために自分の何を犠牲にするかという難しい決断に毎日立ち向かっていく。
c仕事に翻弄されない生き方
#仕事の価値や満足度を決めるのは、正直に快く熱心に働こうという気持ちだ。
#断る勇気も時には必要。
#仕事以外に意識的に生活を見つめ直し、自分育ての方法を見つける。
#途中であっても一度作業を切り上げられるかどうか、その勇気と深さをもてるかどうかが大切になる。
6.お金とのつきあい方を簡単にする。
aお金に振り回されないマネープラン
#もっと欲しい物は何か?形にならない何かを求める気持ちと、お金や買える物をもっと手に入れたい気持ちを取り違えやすい。
#収入以下で暮らす習慣を付ける。
#我が家の経済状態、資産をキチンと記録してつかむ
#債務を全部払い終えること
#定期的に貯金をすること
b無駄な出費をしっかり抑える。
#少ない出費で創造的に暮らす。80%の予算で組む。
#衝動買いや無駄遣いを防ぐ。迷いのあるときは思い切ってやめる。欲しいと要るとを区別する。買わないのは損ではなく得だと考える。その場限りの物より長く持つ物を買う。買い物を別の趣味に変える。ほかの値段も調べて衝動買いをさける。
#今の住まい方、広さが自分にあっているか評価する。
# 大きい買い物は最後まですべて使い切る。
#まとめ買いする。目的の使う物だけ買う。持っている物を使い切る。外食ではいくらかかるか計算する。オーソドックスなスタイルにする。電話にいくら使うか決めておく。
7.プラグを抜いた生活を愉しむ
a人間らしいペースを取り戻す。
#テクノロジーをいつどんな風にどの程度まで自分の生活に持ち込むか、意識して決める。
#人間の発明した物がどんな風に日々の原動力になっているか、自分の目で確かめてみる。ペースを落として人生を愉しんでみる。
#
時計と無縁にただ気の向くままに過ごしてみる。
#昔ながらのゆっくりした方法を一週間試してみる。
#電話がかかってきてもでない。
#体を休める。腹が減ったら食べ、のどが渇いたら飲む。イライラしてきたら体を動かす。疲れたら寝る。
# オフタイムをもうける。
b憩いの場所を探す
#自然の世界に目を向ける。
#週一回は自然と親しむ
#自分のいる場所を一瞬一瞬たしかめて目を留めること
#食事はゆっくりと楽しくする。
#一息つく。ペースを落として自分を取り戻す。意識してゆっくり鼻から息を吸い、肺を膨らませ三秒こらえ、口からゆっくり吐き出しきる。
c静けさを生活に注ぐ
#雑音を消す。周りの雑音の正体が何であるかをつきとめるとともに、自分にとって何を意味するか考えて余計な音は無くすようにする。コマーシャルなしのメディアを選ぶ。
#スィッチをコントロールする。テレビを消す時間をもうけて、みる時間に何を見るかを決める。コンピューターをする時間をコントロールする。
#静寂の調べに浸る。外の雑音は、内の雑音(自分自身や自分の考え、人生に対する不快な気持ち)を遮断するために聞く事が多い。日々の静かな空間を見つける。一度にひとつのものを聞く。週に一時間、真に静かな時間を持つ。
d見る人からやる人になる。
#
「ハンズオン」に近づく。生活のある側面にじかに触れ合いもみくちゃになるということ。手を汚して汗をかくこと。それが人間らしい生活なのです。
#前からやりたかったことを計画する。そして夢の実現には何が必要かよく考える。
#座りがちな習慣から動く習慣に。
#新しい技術に自分なりのやり方でトライする。
#結果を急がず、する過程をひとつひとつ楽しむ。
#ボランティア活動に参加する。
8.簡単生活を長続きさせるためには
a自分らしい人生を旅する。
#今までの判断や思い込みに疑問を持ち、大なり小なり変えていく柔軟な心構えが必要。自分自身との調和が底辺にあり、受け入れるのが早いほど簡単生活はうまくいく。
#どんなことでも簡単を選び続ける。今どこにいるのか、どこへ向かっているのか、に注意を払い、行く手をさえぎるものには潔く立ち向かう。
#意識して評価を続ける。人生の様々な面を裏返し、違った角度から見る作業をがんばって続ける。
#心が求めるものを探す。可能性に対して、敏感になれるようにしておく。どんな心の栄養をとっているか。どんな方法で自分の限界を押し広げ、人生に対する思い込みに疑問を持とうとしているのか。自分が望むものは何か、達成したいものは何か。それが今の生活にどう反映しているのか。
#収入の少ない道を選ぶということは、贅沢をやめるという事です。
#新たな複雑さにチャレンジする。自分の力で現状をかえられそうにない時には、複雑な状況を自分で変えるか、自分の態度を変えるかです。
#「簡単」を価値観や信念の一つにする。簡単生活のためにやっていること、そこから得ていることを自覚する時間を持つ。また、生活の中で、ふくらみつつある良いものに感謝する時間も持つ。