助産師さんからあなたへ

 

お産についての考え方

 新しい生命の誕生。

 母親は、まだ湯気の立っているような我が子をしっかりと抱きしめ、

 優しい眼差しで見つめながら、感謝を込めて語りかける。

 赤ちゃんは、澄んだ瞳で、

 おっぱいをクチュクチュと力強く吸っている。

 まるでずっと以前から、 お母さんのおっぱいを知っていたかのように・・・。

 

 人間(ひと)としての存在を誇示するかのように・・・。

 家族の見守る中で、静かで、ゆっくりと過ぎていく。

 助産婦としての安堵と至福の時間です。

 

 

 乳児期の育児は、我が子をしっかりと抱き、語りかけて、

 おっぱいを十分に飲ませましょう。

 親が子供の甘える感情を満たし、

 優しく包んですべてを認めてあげることで、 子供の中に親への信頼感が強まります。

 そして、子供は、自信や勇気を持つようになると言います。

 言い換えれば、「人間として生きる力」を育てると言うことなのでしょう。

 

 効率優先の日本社会では、子供の発達についても、「より早く」

 「より多くのことが出来る」ことが良いとされがちです。

 しかし、我が子の誕生までを思い起こしてください。

 母親に生命が宿り、280日もの長い期間を経てもなお未熟な姿で 生まれてきます。

 

 しかし、赤ちゃんは、母親の胎内でのあたたかで 安全な環境から、

 一瞬にして外界の重力、まぶしい光、 冷たい空気や細菌の世界に出会い、

 力強く泣き呼吸します。

 

 誕生の場に身を置く私は、未熟で無力に見える赤ちゃんが、

 このような力を持って生まれてくる「生命力のすばらしさ」を いつも感じています。

 そして、この「生きる力」を信じて、 子供の成長を見守ってあげる

 「心の余裕の大切さ」を思います。

 

 また、親自身も、日常生活の中でお互いにもっと素直に、

 「自分の気持ちを言葉に出して」、相手に伝え合えればいいと思います。

 大人同士がつながり合えれば、子供も安心して「自分を発揮」できるでしょう。  

 こんなイメージでお手伝いできればいいと思います。 

                                                

 あなたが笑うこと

 あなたがおっぱいを飲むこと

 あなたが見つめてくれること

 今のおかあさんの  大きな大きな幸せです

  「日本一かわいい我が子の誕生に贈ることば」吉田理恵



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