第四回 高齢化社会と整形外科の役割 00.07
日本は世界でも有数の長寿国になったのは皆さんご存じの通りである。
これらの人々が加齢的変化や転倒などの外傷により、
筋骨格系に障害を起こし、
移動や日常生活動作等のいわゆるA.D.L.の低下を引き起こし、
介護が必要になる者が増加して、社会的に問題になっている。
これに加え、食生活習慣病はじめ様々な複合した病気を持つ
高齢重度障害者が急激に増加している。
そのような障害者に対して「人間の尊厳」に基づくリハビリテーション
を求める声も日一日と高まっている。
一方、スポーツが食生活習慣病に効果あるとの認識が進むにつれ、
筋骨格系障害の予防・治療が大きな整形外科の課題になってきている
先端医学は、「疾患治療」を目的に進められる。
しかし、高齢者の増加により止むを許せず、
21世紀は「全人的治療」の方向へ進むであろう。
その中で、筋骨格系を扱う整形外科の役割は益々高くなって行くと考えられる。