第三回 リハビリの話  00.01


「リハビリをします」と言うと、
何か不思議な魔法がかかって壊れてしまったものが、
たちまちに「よくしてもらえる」ようなイメージを持つ人が多いと思う。

しかし、本人がやる気を持たねば何一つ進まず、
受け身の「介護」を受けているだけに終わる。

リハビリは、「残っている全人格的機能の回復」を狙うものである。

体を支える筋骨格系の故障で、「修理」が必要な人たちには、
「この世で一つしかない自分の体」を何とか使いこなそうとする決意と励ましが
必要になってくる。

心と体の両面からのサポートが必要である。

その意味で、「リハビリ」=「つらい訓練」という図式ではなく、
退院したら何か楽しいことをしようねという
楽しいことのイメージを描けるような「リハビリ」=「楽しい未来への展望」
という方向に持っていく必要がある。

病は気から」というのは正にこの「心のリハビリ」の事である。