[自信---みんなを信じて] 03.07.15
私は中学一年の時より、公立中学ではあるが世田谷区ではいつも男女とも優勝していたバレーボール部に入っていた。部員はたくさんいたが、背が高く、アタックとブロックとサーブレシーブが得意だったことで中2より高校2年までレギュラー出場していた。自分がコートにいつもいることに何にも疑問に思わなかった。
そんな自分の娘が、勧めもしないのに、都立高校でベストエイトに入る名門バレーボール部にはいるというのには驚いた。なんせ、パス、レシーブどれひとつとってもフォームがきちんと出来ていないのだ。それなのに、毎日、早朝練習、昼練習、夕方ほかの体育館を借りての練習と明け暮れて日曜は練習試合という具合である。
足を捻挫してきたので、しばらく休めといってもみんなの応援するからと言って同じように出ていった。何に憑かれてそんなにまでするのか、私には理解が出来なかった。
そんなある日、うれしそうに「ユニフォームもらったの」と言って見せに来た。番号は14番であった。確か、選手は6人で控えを入れても12人のはずだが、、、、、、。「レギュラーには中学からやってきたうまい選手が4人いて頑張っているから大丈夫だよ。応援には自信があるんだ。選手以外の部員のほうが多いんだよ。」と言う。みんなで仲間を叱咤激励し合っているようだ。
今年は選手がそろっていたらしく良くまとまって、都大会であれよあれよという間にベストエイトに入ってしまい、関東大会出場が決まった。都立では運動系の都立駒場高校の他にはなかった。これは快挙である。どんなもんだろうと試合を見に行った。
会場は、歓声と熱気で満ちあふれていた。しばらく忘れていた感覚がよみがえってきた。この歓声の中でせりあってスパイクを決めたときの感覚。相手のスパイクを一人で止めたときの快感。何かが私の中を駆けめぐった。我を忘れて、こんなに興奮して応援するのは初めてであった。少し落ち着いて辺りを見回すと、体育館の観覧席のまわりには、各高校の応援団旗が飾ってあった。「根性」「不屈の魂」「Never
Give up-勝負をあきらめるな」などと各チームのカラーがでている。うちの子の校旗はと探すと、真ん中に大きく「自信」とあり、その下に「みんなを信じて」とあった。こんな言葉今まで見たことがなかった。みんなを信じて一体となってプレーしようということかなと思った。何かうれしくなった。もっともっと応援したくなった。良かったなあいい仲間を持って。やっと娘がどんなに辛くても部活に行くと言った理由が判った。
自信とは自分の持てる力を信じて力を出すこと。
みんなを信じてとは、苦労を共有し力を集めて大きな目標にぶつかれると言うこと。
これは部員みんなで決めた言葉だという。
なんていい指導者と仲間を持ったのだ。
日頃の仕事に明け暮れてすっかり忘れていたことを教わった感じがした。