美○○戦士葛城ムーンVS美少女戦士セーラームーン

Final Act ゼーレの最期!!葛城チーム新たなる旅立ち!!

筆者:YRRさん

 ネルフの上空では、量産型のエヴァが旋回していた。
「エアバスA380型機くらいの大きさかしら」
マーキュリーが冷静に量産型のエヴァを分析した。
「それも、7体ね・・・」
ヴィーナスも、空を眺めながら言った。
「どうする気??エヴァじゃ止められないわよ??」
葛城ムーンがそう話した。
「じゃあ、私たちのチームプレイをお見せしましょう!!」
セーラームーンはそう言って、ふわりと空へ舞い上がる。他のセーラー戦士達もそれに続く。
「ムーンエターナルパワー!!!!」
セーラームーンがそう叫ぶ。
「グオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
眩い光が、量産型たちを包み込む。量産型のコアからは、血が噴き出す。
「スーパーサイレンスグレイブサプライズ!!!!」
サターンが複数の敵を同時に消滅させる荒技を使った。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
量産型各機は、雄叫びを上げて爆発した。サードインパクトを防ぐことが出来たのだ。

「何なの、この力は???」
モニターで量産型とセーラー戦士達の格闘シーンを見ていたリツコが、思わず叫んだ。葛城ムーンや他のプラグスーツ戦士達には絶対に真似の出来ない立ち回り だからである。
「先輩、セーラー戦士達の力を我々の力で再現することは、0.000001%とMAGIが判定しました」
マヤがそう言った。
「プライドも何もあったもんじゃないわね・・・」
リツコは自分が情けなくて仕方なかった。

「どういうことだ!!プラグスーツ戦士に対する防御策は、ちゃんと取ったはずだぞ!!」
キールが目を充血させながらそう言った。キールは、セーラー戦士とプラグスーツ戦士とでは、パワーの源や技の質などに明らかな違いがあるのを全く知らない ためと、そもそも、セーラー戦士が倒したと気づいていなかった。
「議長!!責任問題ですぞ!!我々の崇高な目標が、あんな若造たちに潰されたんですからな!!」
人類補完委員会のメンバーからは非難の雨あられである。
「大丈夫だ、カードはあと一枚残っている」
キールは不敵な笑みを浮かべていた。

「霧島さん!!そんな体で無理よ!!」
ルナが必死にマナを時空の扉の前で制止していた。
「行かせて、ルナさん!!ミサトさんが戦っているのに、この私が行けないなんて失礼よ!!」
「気持ちは分かるけど、あなたの世界にはセーラー戦士もミサトさんと一緒に向かったわ!!大丈夫、心配いらないわ!!」
「駄目です!!私の軍人としてのプライドが許しません!!」
「霧島さん!!」
マナはルナの制止を振り切って、2016年の自分の世界に戻っていった。

「加持が行方不明??」
変身を解いたミサトはリツコから話を聞いた。
「ゼーレへの潜入調査中に、行方が掴めなくなったの。おそらく、ゼーレの手に落ちたんじゃないかと・・・」
リツコはやや申し訳なさそうにそう言った。
「冗談じゃないわ!!結納まで済ませておきながら、消えるなんて、あとでぶん殴ってやる!!」
ミサトは思わず本当の事を喋ってしまった。
「ミサトさん、婚約してたんですか??」
うさぎがそう質問する。
「スパイの宿命かどうかなんて分からないけど、私を置いてあの世に逝ったら絶対に許すか!!」
ミサトはそう言って、ネルフの特別滑走路の方へ走り出す。
「ちょっと、ミサトさん!!」
亜美たちは、ミサトを追っていった。

「あれは・・・」
ネルフの特別滑走路に止めてあった、ボーイング777ネルフ特別仕様。マナも操縦経験のある航空機だ。
「ミサトさん!!」
マナは大きな声で、ミサトを呼んだ。
「マナちゃん!!そんな体で・・・」
ミサトは悲しんだ。ボロボロの体で、2005年から帰ってきたのだ。
「ミサトさん、こんな体でも操縦くらいは出来ます!!やらせて下さい!!!」
「分かったわ、乗って!!」
ミサトはマナを乗せて、777の扉を閉めた。

「あっ、ミサトさんたち、何て事を・・・」
亜美が滑走路に着いたときにはすでに、777は動き出していた。
「えい!!」
ちびうさが777に投げたのは発信器。衛と亜美合作のアイテムだ。
「ルナ!!テレポートがこの世界じゃ使えないの!!何か、航空機を!!」
うさぎがルナに向かって、発信器越しに話した。
「え〜っ!!航空機!?」
ルナは羽田にテレポートして、各航空会社の倉庫をあさり始めた・・・。

「これ以上、セーラー戦士達にお世話になれないわ。マナ、この十字架を握って」
マナはミサトに言われたとおり、幻の銀十字を触った。
「うっ・・・」
マナの体を光が包み込む。そして、マナの体は元に戻った。
「いい、マナ。向かうのは、北海道のゼーレの施設よ。じゃあ、お願い!!」
「了解、キャプテン!!」
マナは、操縦桿を握りしめ、一路ゼーレの秘密基地へと向かった。

「ルナ〜〜〜、まだ〜〜〜???」
うさぎはルナに話しかけた。そして、滑走路上でゆらゆらと空間が歪みだした。
「これは・・・」
正体は、ボーイング747−400、日本国政府専用機。
「羽田の駐機場を回ったら、これしか空いてなくて・・・」
ルナは舌をぺろっと出した。
「亜美ちゃん、操縦できる??」
うさぎが聞く。
「うさぎちゃん、よく見てよ。操縦席に衛さんがいるよ」
うさぎはびっくりして、操縦席のほうを見上げた。そこでは、衛が手を振っていた。
「まもちゃん!!」
うさぎはすぐに、政府専用機に乗り込んだ。
「まもちゃん、どうしたの??」
「アルテミスに頼まれた」
衛はそう言った。
「しかし、今頃、航空自衛隊の幹部が青ざめてるんじゃ・・・」
美奈子が心配した。
「警視庁から行っているはずだから大丈夫だと・・・」
ルナは少し言葉を濁した。
「さてと、衛さん、場所はどうやら北海道、室蘭のあたりね」
亜美が777に仕掛けた発信器の情報からそう推理した。
「なるほど、北海道なら、秘密結社の活動拠点やでっかい滑走路を作れる訳か」
衛がそう言った。
「じゃあ、出発しましょ」
亜美が副操縦士席に座って、専用機はネルフの滑走路を飛び立った。

 北海道室蘭近郊。ここに、ゼーレの秘密基地がある。すぐ近くには、セカンドインパクトの直前まで使われていた、3500メートル級の滑走路がある。ゼー レの関係者はこの滑走路を使って、エヴァ量産型や工作員を乗せた軍用機を離発着させていた。
「議長、飛行場に脱出用のC130を待機させました」
部下から、脱出用のC130輸送機を待機させたことを報告させた。
「さて、皆の衆、最後のお別れだ。あの世でも悪あがきをしてくれ」
「待て!!何をする!!」
キールは議長席を立つと、他のメンバーを銃で射殺した。
「これで、能なし共は消え失せた。これからは、俺の時代だ」
キールはそう言うと、そのまま滑走路へと向かった。

「見えた!!ゼーレの秘密滑走路!!」
ミサト達の乗った、777はゼーレの使っている滑走路を見つけ、着陸態勢に入った。
「着陸成功!!」
ネルフ特別機は無事に着陸した。
「さてと、いっちょ行きますか!!」
ミサトはマナと一緒に滑走路に降りた。その時であった・・・。
「おはよう、葛城君」
そこにいたのはキールであった。
「キール議長、あなたの野望も潰えました。あなたの負けです」
ミサトは冷静にそう言った。
「それはどうかな??」
キールはほくそ笑んだ。
「あれを見たまえ!!」
キールは、C130輸送機から部下によって出された男を指さした。
「加持!?」
「加持さん!?」
ミサトとマナは驚いた。しかし、もっと驚いたのは、加持がこちらに向けて銃を構えていることであった。
「加持!?私が分からない!?葛城ミサトよ!!」
ミサトは必死に加持に話しかける。しかし、加持は少しも反応しない。
「無駄だ、葛城君。彼はすでに洗脳されている。君のことなど何の反応もしめさんよ」
「卑怯よ、キール!!」
「何とでも言うが良い。さてと、この機体にも消えてもらわんとな」
キールの部下が777にロケットランチャーを放つ。777はエンジンに大きなダメージを受け、離陸不能となってしまった。
「それでは、ご健闘を、葛城君」
そう言って、キールはC130に消えた。そして、キールを乗せたC130は、離陸した。
「加持、思い出してよ。私よ、ミサトよ!!」
ミサトは必死に加持を説得する。しかし・・・
<fontsize=5 color=red>ぱ〜ん!!!</font>
「キャッ!!!」
加持は持っていた銃で、マナを撃った。マナは間一髪で、それをよけた。
「加持〜〜〜〜〜!!!!」

 キールの乗ったC130輸送機は、西に向かって飛行を続けていた。
「議長、ロシアに新たな拠点を??」
部下がキールに尋ねた。
「そうだ。そこで新たなメンバーを集う。そして再びサードインパクトを起こさせることを考えるのだ!!」
キールは機内で高々と宣言していた。

「何これ??西に向かって飛行している、航空機があるわね」
亜美はレーダーを見て、衛に伝えた。
「C130だ」
衛は外をみてそう叫んだ。
「もしかして、あれには・・・」
「ああ、ゼーレの幹部が乗っているんだろうよ」
衛はそう言って、機首をC130の方へ向けた。

 ゼーレの滑走路上では加持とミサトのにらみ合いが続いていた。
「加持、あんたに殺されるなら本望よ。でも、最後にこの十字架を触って」
ミサトは加持の元へ歩み寄る。加持は黙って、その十字架を触った。
「うわ〜〜〜〜〜〜!!!」
加持がもがき苦しんだ。そして、正気に戻った。
「葛城、俺今まで何してたんだ!?おまけにこの銃は一体なんだ??」
加持の一言にミサトは力が抜けた。
「何にも覚えちゃいないのね・・・」
そばで見ていたマナが、お手上げのポーズを取っていた。

「うさ!!輸送機に乗り移れるか??」
衛がそう言った。
「やってみる!!美奈子ちゃん!!」
「OK!!私は操縦席を押さえるわ!!」
うさぎと美奈子は変身して、専用機の非常コックからC130へとダイブした。

「な、何だあのプラグスーツ戦士の二人は!?」
キールは驚愕した。いきなり、空からC130に乗り込んできたからである。
「キール議長!!あなたはこれで終わりです!!」
セーラームーンがキールに詰め寄る。
「来るな来るな来るな!!!!」
キールはそのまま、足を滑らせてC130から投げ出された。
「うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
キールは波乱に富んだ生涯にピリオドを打った。
「悪党の末路って最低ね・・・」
セーラームーンはそう言って、降伏したキールの部下たちに捨て台詞を吐いた。


 C130と政府専用機は相次いで、ゼーレの滑走路に着陸した。そして、ミサトとセーラーチームが再会した。
「セーラームーン、キールは??」
ミサトはセーラームーンに聞いた。
「空に消えました」
セーラームーンはそう答えた。
「やっと、終わったな・・・」
加持がそう言った。
「そうね、これでやっと、この世界にも平和が訪れたわね」
ミサトも感慨深げだった。
「ところで、アスカ、レイ、ヒカリはいつまで入院??」
ミサトはマーキュリーに尋ねた。
「一旦、私たちの世界に来て下さい」
マーキュリーはそう言った。
「やれやれ、外部太陽系4戦士で、活躍したのはサターンだけか」
「そんなことないですよ、ウラヌスだってネプチューンだって、戦車や軍用ヘリを落としてたじゃないですか」
「あたいとマーズは、影でこそこそと・・・」
ジュピターとマーズは今回影が薄かった・・・。
「プルートは、時空の扉で活躍と・・・」
セーラームーンは間髪入れずに突っ込んでいた。

「しかし、セカンドインパクトの起きていない2005年なんて、とんでもないところに・・・」
アスカがJ医大病院でぼやいていた。レイとヒカリは、まだ喋りにくそうだ。
「でも、セーラー戦士と巡り会えただけでも良いとするか」
アスカはそんな独り言をぶつぶつと言っていた。

「は〜あ、長い戦いだったわ・・・」
ミサトはアスカのベッドのそばで、加持と愚痴を言い合っていた。
「全くだ。プラグスーツ戦士だの加持タキシード仮面だの二度と懲り懲りだ」
加持も同調した。
「二人とも、イチャイチャしたいならよそでやってね、よそで」
アスカはご機嫌斜めの様子。
「は〜い」
ミサトはそう言うしかなかった。

 その後、プルートの時空の扉で、全員2016年に帰っていった。
「私たちの世の中じゃ、あんな特殊な人間は出ないでしょうけど、それでも独裁とか大ばか者は、どんな世界にもいるのね・・・」
亜美は少し悲しい気分となった。
「また、あの人たちに会えるかな・・・」
うさぎはそう言った。
「会えるさ、きっと」
「そうね、きっと」
「うんうん、会える」
まこと、レイ、美奈子の三人は、自信をもってそんなことを言った。この後、再び葛城チームが、2005年に姿を現すことになるが、それはまた別のお 話・・・。(完)

設定メモ
ルナ(CV幡恵子)
うさぎを立派な戦士に育て上げた黒猫。幻の銀水晶の力で、人間になれる。
地場衛(CV古谷徹)
前世は地球の王子、プリンスエンディミオンだった。現在は、地球人である月野うさぎに惚れている。プリンセスセレニティとはうさぎの前世。しかし衛の持論 は「前世は前世、今は今」である。
アルテミス(CV高戸靖)
ヴィーナスに仕えた白猫。幻の銀水晶の力で、人間になれる。

あとがき どうも〜YRRです。やっと完結できました。一応、含みはもたせましたが、葛城チームとセーラーチームの競演の続きを見たいという方は是非とも 掲示板の方にご一報下さい。次回作は、本線に戻って、アスカとシンジのお話の予定です。それでは!!


YRRさんから連載作最終話をいただきました。含みを持たせて終りま したね‥‥やはり続きを執筆されるのでしょうか?感想次第では書かれるようですね。

YRRさんはメールアドレスを公開していません。感想は掲示板までお 願いします。

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