美○○戦士葛城ムーンVS美少女戦士セーラームーン

Act.3 ゼーレ崩壊への序曲

筆者:YRRさん

「リーダー格の女性はまだ、意識が戻らないの」
亜美の母親はそう言った。
「水野先生、それではいつ頃・・・」
若木が尋ねる。
「奇跡を信じるしかないわね・・・」
そう言って、亜美の母親はICUの前を離れた。
「にしても、改めて無茶するなと思ったよ。君たちより危なっかしい」
若木は亜美にそう言った。
「みんなの長所を補完しあって戦ってますから・・・。あとで、この十字架をあの女性に返そうと思っています。本人に返せば、何か起こるかも知れないので」
亜美は笑顔でそう答えた。
「それが、一番いいかもな」
若木も頷いた。

 葛城チームが、時空に飛ばされてから3日が経った。ネルフの本部内では相変わらず徹夜で、ミサト達プラグスーツ戦士の飛ばされた時代を探していた。
「どう??MAGIは反応した??」
目の下に隈を作りながら、リツコはマヤに確かめる。
「セカンドインパクト以前まで捜索したら、MAGIが急に別経路の2005年を示しています。恐らく、セカンドインパクトなんか起きていない、そして全く 違う歴史が続いている世界に飛ばされたんじゃないかと・・・」
マヤはそう言った。
「要するに、異次元ね・・・」
「向こうから見たら、こちらが異次元かも知れませんけど・・・」

「はい、あなたの大切なものですよ」
亜美が特別に許可をもらって、ICUに入れてもらっていた。ミサトに、銀十字を返すためだ。
「うさぎちゃんと同じで、本人にこれが戻れば、意識が回復するかも知れないけど・・」
亜美は微かなのぞみをつなぐことにした。
「よいしょ・・・」
亜美が首に銀十字をかける。そして・・・
「なっ、何この光・・・!!」
ミサトの体を、眩い光が包み込む。そして、ミサトが目を開けた。
「ここは・・・、どこ??」
うさぎそっくりの声を発して、ミサトはベッドの上で目を醒ます。
「東京J医大付属病院の、集中治療室です。あなたの名前を聞かせてくれませんか??」
フロッピーには「葛城ミサト」という名前が記録してあったが、違う可能性もあるため、亜美はあえて聞いた。
「葛城ミサト・・・」
ミサトは、まだ体力が回復しきっていないため、そう言った。
「では葛城さん」
「ミサトでいいわ」
「ではミサトさん、あなたの生年月日を教えて下さい」
亜美は優しく言った。
「1987年産まれよ・・・」
ミサトはそう答えた。
「では、18歳ですね」
亜美はわざとそう言った。
「冗談はよして。こんなおばさんが18歳に見えるかしら??」
ミサトはそう言った。
「いやいや、だって昭和62年生まれであれば、いまは平成17年ですからね。18歳ですよ」
亜美はそう言った。
「ちょっと待って!!今西暦何年よ!!」
ミサトは突然大きな声を出す。
「2005年ですけど・・・」
亜美がとぼける。
「あなたはさっき、ここのことを東京って言ったわね??」
「ええ、そうですけど??」
「私をここから出して!!早く!!」
ミサトは銀十字のおかげか、いつの間にか体のやけどの跡が消えていた。そして、亜美の制止を振り切って、ICUを飛び出していった。

「ミサトさん!!待って下さい!!」
亜美はICUを脱走したミサトを追いかけた。様子を見に来た美奈子とまことは追いかけっこをしている亜美を見つけた。
「亜美ちゃん、どうしたっていうの??」
美奈子が亜美に聞いた。
「リーダー格の女性が、ICUを脱走したのよ!!」
「へ!?」
まことは亜美の言葉に首を傾げる。
「だって、死にかけている人がどうして??」
「あの十字架の力で目を醒ましたのよ!!やけども信じられないくらいの回復力で、治っちゃってるし」
「とにかく、追いかけるのが先決!!」
美奈子とまことは亜美と一緒に追いかけっこを始めた。

「どこなのよ、ここは・・・」
J医大付属病院から逃げること5分。ミサトは芝公園内にいた。
「あれ??あれって、亜美ちゃんのお母さんがいる病院の入院服じゃない??」
気づいたのは、たまたま近くを歩いていたちびうさだった。ほたるもいっしょである。
「脱走者じゃない??ほら、病院食がまずいとかで脱走するっていうから・・・」
ほたるがのほ〜んとした答えを言った。
「とにかく、声をかけてみよう」
ちびうさはミサトの方へ歩き出した。
「もしもし、患者さん??」
ほたるが声をかける。
「やばい!!」
ミサトは猛ダッシュで逃げる。とそこへ、サイレンスグレイブを構えたサターンが立ちはだかる。
「入院患者の人が、そんなダッシュで逃げたら、治るものも治らなくなりますよ??」
サターンは冷静に言う。
「どいて!!私は元の世界に帰らないと!!」
ミサトはサターンの制止を振り切ろうとする。
「ムーンシュガーハートアタック、気絶バージョン!!」
とそこへちびムーン登場。ミサトは気絶をする。
「さてと、この人をJ医大病院に運ばないと・・・」
変身を解いたほたるとちびうさは、ふたりでかついでミサトを病院へと連れていった。

「亜美ちゃ〜ん!!」
ちびうさが、ミサトをほたると一緒にかついで、病院に連れてきた。
「ちびうさちゃん!!この人どこにいたの??」
亜美がミサトを指さして尋ねた。
「芝公園で逃げ回ってた。おかげで、取り押さえるのが大変だった・・・」
ちびうさは苦笑いを浮かべながらそう言った。
「私の姿を見ても、何にも反応しなかったです」
ほたるも苦笑。
「破滅の戦士を怒らせるなんて、相当この人アホだわ・・・」
亜美は頭を抱えた。

 J医大病院一般病室。ミサトは、ちびムーンに気絶技を食らって、病院に連れ戻された上、ビールも飲めずイライラしていた。
「全く、セカンドインパクトも使徒なんて言うのも起きていない世の中に飛ばされるなんて、ついているんだかいないんだか」
ミサトはぶつぶつと文句を言っていた。
「失礼します」
入ってきたのはうさぎ。うさぎは月のプリンセスの生まれ変わりとして、同じくまた別の月の女王の生まれ変わりに会いに来たのだ。
「ミサトさん、経緯は亜美ちゃんから聞きました。どうやら、使徒とか言う妙な得体の知れないものと戦っているそうで。それも、あなたの所属している職場の 地下に変なものがあるとか、敵対勢力が襲ってきそうとか、そう言うことも判明済みです」
うさぎはペラペラとミサトにとっては機密情報を話した。
「あなた達は一体、何者なの??」
ミサトがうさぎに聞く。
「私の前世もあなたと同じく月のプリンセスでした」
「えっ・・・」
ミサトは驚く。
「ただ、外部太陽系戦士がいるかいないかの差のようですけど・・・」
うさぎは苦笑した。
「私を、元の世界に返してくれますか??」
「いいですけど、私たちも行きますよ」
「えっ!?」
うさぎの一言に、ミサトは絶句していた。

「ミサトさんが通った座標で、2016年の第三新東京市に向かいます」
せつなはざっと説明した。
「これが、赤木プルートが使ったものと同じ、時空の扉・・・」
「あら、私と同じく冥王星を守護にもった戦士がいるなんて、光栄です」
せつなはクスクスと笑った。
「セーラーチーム、これより第三新東京市に向かいます!!」
セーラームーン以下10名が、時空の扉を越えた・・・。もちろん、ミサトも。

「報告!!葛城三佐から入電あり!!」
マヤが感激の絶叫をあげた。
「ミサト!!無事!?」
リツコが黒猫耳を使ってミサトに話した。
「無事よ!!飛ばされたところが医療的に発達していて良かったわ」
ミサトがそう言った。

「やれやれ、葛城ムーンが戻ってきてしまったか・・・」
工作員から話しを聞いた、ゼーレのキール議長は、ある作戦を決行しようとしていた。
「彼女の存在は、我々が望む永遠の命を求めるものにとって邪魔だ。すぐに抹殺しよう」
この一言で、ゼーレはネルフに対し、武力攻撃を行うことを決めた。

「えっ、セーラー戦士??」
リツコはうさぎ以下10名の女性たちがミサトからセーラー戦士と聞かされて、驚いた。
「はい、これでも5人が女子高生、2人が小学生、あとは社会人です」
亜美が解説した。
「はあ、ミサト飛ばされた時代が良かったわね。彼女たちに出会ってなかったら、あの世行きよ」
リツコはホッとしたような表情を浮かべた。
「先輩大変です!!ゼーレの傭兵部隊が、進撃してきました!!」
「何ですって!!」

「ネルフに警告する。すぐに葛城ミサトをこちらに渡せ。さもなくば、全て抹殺する」
ゼーレは大勝負をかけてきた。
「どんな世界でも、権力争いって起きるのね」
美奈子が呆れる。
「ミサトさん、私たち戦いますから」
「あら、29歳のおばさんでも戦うわよ」
うさぎとミサトは笑いながら、ネルフの玄関に向かった。

「シャインアクアイリュージョン!!!」
亜美の必殺技が、ゼーレの傭兵を吹き飛ばす。
「ワールドシェイキング!!」
ウラヌスの必殺技で、戦車部隊が吹き飛ぶ。
「ムーンシュガーハートアタック!!!」
ちびムーンの必殺技で、歩兵部隊は全滅。海上部隊も、ネプチューンが始末し、ゼーレの傭兵部隊が散り散りになって一目散に逃げていった。
「セーラームーン、まだまだよ!!次は恐らく・・・」
葛城ムーンが空を見上げた。そこには・・・
「エヴァ、量産型・・・。ゼーレの最終兵器!!」
モニターを見ていたリツコが叫んでいた。

次回予告 ついに動き出したゼーレ。葛城ムーンとセーラーチーム連合軍が、エヴァ量産型と死闘を演じる!!次回、Final Act(最終回)をお楽しみ に!!

おことわり セーラーチームの必殺技及び、葛城ムーンの必殺技は、多少オリジナル設定が含まれております。予めご了承下さい。

あとがき どうも〜、YRRです。次回へは前回のあとがきでも触れましたが、キーマンはセーラーサターンとセーラームーンと、セーラーマーズ。そして、四 守護戦士の特殊能力も出てくるかな??では、お楽しみに!!

YRRさんから第三話をいただいてしまいました。

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