新世紀エヴァンゲリオン×機動戦士ガンダムSEED DESTINY
筆者:YRRさん

第二回 出会い

 話しは少し戻る。その日、シンジとアスカは大手家電量販店で新しい携帯電話を購入するため、来店していた。
「はあ、ついてないわね。携帯をトイレにボチャンなんて・・・」
アスカはため息をついた。前日にスーパーのトイレでポケットに入れていた携帯を、便器の中に水没させてしまったのだ。
「しょうがないよ。僕だって一回やったことあるし」
シンジもキッチンに水を溜めておいた洗面器の中に携帯を落とした経験がある。
「でも、女子トイレから煙が出て、店員さんが消火器を持ってきたのは驚いたわ」
実は、アスカの携帯は便器にダイブしたあと、本体の電気系統がショート、発煙し、火災報知器に引っ掛かり、スーパーの店員が消火器を持ってくる騒ぎとなっ たのだ。
「普通さ、煙が出れば誰だって消火器を持って来るって」
シンジは苦笑していた。
「さてと、ドコモを引き続き使うから、機種変で安いのを・・・」
アスカがそんなことを言いながら、携帯電話売場へ向かっていたその時、展示されていたテレビの画面が一斉に各局の報道スタジオに切り替わった。
「ポロロンポロロンポロロロロン♪番組の途中ですが、ここでニュースをお伝えします。国土交通省に入った連絡によりますと、今日午前11時40分頃、第三 新東京市付近の上空で国籍不明の飛行物体2機が遭難信号を発しながら突如現れました。所沢市にある東京航空交通管制部によりますと、両機とも新芦ノ湖への 不時着水の許可を求めてきたと言うことです。管制の問いかけに対し、国籍不明機は上下の操縦は出来るが、左右の操縦が出来ないこともないが困難であるとの 回答を受けたと言うことです。国籍不明機2機は、午前11時52分に新芦ノ湖付近で消息を絶ったということです」
アスカはこのニュースに固まった。国籍不明の飛行機とは言え、SOSを発している航空機の場合、明らかに領空侵犯とは考えられないからだ。ニュースは第一 報のため断片的にしか状況は掴めないが、どこかの国から離陸した民間の旅客機が操縦があまり利かず、風に流されるまま第三新東京市まで飛行し、着水したと 考えるのが妥当であるからだ。軍用機であるならば、問答無用でネルフが打ち落としているはずである。
「シンジ、えらい航空機事故になりそうよ・・・」
アスカは知識をフルに使って、シンジにそう言った。
「早く、アスカの携帯を買って、連絡をとりながら芦ノ湖で救助作業に加わろうよ」
シンジがそう言って、携帯売場に急いだ。

 マナは新芦ノ湖で休んでいた。そして白い巨大飛行物体と、ピンク色の飛行物体が湖面に着水するのを偶然目撃した。
「おじさん!!エンジン付きのボートを貸して下さい!!」
近くにあった釣りボート屋に救助用のボートを調達に行った。
「お嬢ちゃん、一人じゃ危ない。爆発する危険があるからね。自分も行くよ、人の命がかかってるんだからね」
釣りボート屋の店主は厳しい表情でボートを着水地点に走らせた。

「ACC※は何だって?」
ミサトはネルフの本部で第一次救難体制を整え、ACCと戦自の交信内容を分析していた。
「ACCによると、国籍不明機2機の識別は、ピンクの方が「Eternal」、白い方が「Archangel」とのことです」
マヤがそう説明した。
「“永遠”と“大天使”か。おもしろい識別ね」
横で聞いていたリツコが口を挟んだ。
「あっ、第三新東京空港と「エターナル」が交信しています」
マヤが交信内容を傍受した。

「ここは地上・・・?」
マリューが気づいたとき、既にアークエンジェルは新芦ノ湖の湖上にいた。
「こちらはアークエンジェル、オーブタワー聞こえますか?」
国際救難チャンネルでオーブ管制塔に連絡をとってみるが、応答はない。
「This place "Archangel." Do you hear some control center?」
今度は英語で試してみた。
「This place "Eternal." Do you hear where or the aviation control station?」
エターナルにいるバルトフェルドも英語でどこか管制局に繋がれと試した。
「This one is "The Third New Tokyo International Airport" control tower. Do you hear Eternal? 」
(こちらは第三新東京国際空港管制塔です。エターナル聞こえますか?)
第三新東京空港の管制塔に連絡が取れた。バルトフェルドが続ける。
「Oh, to "the third new Tokyo Airport" control tower. A help request help request. I urgently landed on the water of new Lake Ashino-ko. I request it for the help of "an arc angel" and the crew of two "Eternal". 」
(あー、第三新東京空港タワー。救助要請救助要請。新芦ノ湖に緊急着水しました。「アークエンジェル」と「エターナル」2機の搭乗員の救助を要請します)
「Roger. Where is your native language?」
(了解。あなたの母国語は何ですか?)
「Is Japanese; please.」
(日本語です、どうぞ)
「Roger. Then I admit communication in the Japanese.」
(了解しました。では、日本語での交信を許可します)
「Roger.」
(了解)
バルトフェルドはここが東アジア共和国の日本地域であるということが理解できた。
「As for the person of communication of "the arc angel", will the native language be Japanese more?」
(あと、アークエンジェルの交信者も母国語は日本語でしょうか?)
「Yes, I am Japanese.」
(はい、日本語です)
「Roger I admit communication in the Japanese.」
(了解、日本語での交信を許可します)
アークエンジェル内にいたマリューも第三新東京空港に母国語は日本語であると交信した。
「了解しましたー。あー、すでに消防の方には連絡を入れましたが、エターナルとアークエンジェルには、合わせて何人の人が乗っているでしょうか?」
第三新東京管制塔がエターナルとアークエンジェルに尋ねる。
「こちらはアークエンジェル。合わせて、250名ほどです」
マリューが答えた。
「了解しました。えぇ、緊急事態宣言で良いですね?」
「はい、両機とも緊急事態を宣言します」
「Tokyo control, the third this place new Tokyo control tower. I want to assign frequency 126.2 to emergency airplane, but will be all right?」
(東京コントロール、こちら第三新東京管制塔。周波数126.2を緊急事態機に割り当てたいのですが宜しいでしょうか?)
「I allow the third new Tokyo control tower to assign this place Tokyo control, frequency 126.2 to emergency airplane.」
(第三新東京管制塔へ、こちら東京コントロール、周波数126.2を緊急事態機に割り当てることを許可します)
「Roger.」
(了解しました)
「アークエンジェル、及びエターナルへ。周波数126.2に切り替えられますか?」
第三新東京管制塔が両艦に周波数を切り替えるよう求めた。
「こちらはエターナル、了解しました。126.2に切り替えます」
「アークエンジェル、こちらも同様の措置をします」
「了解です」

「To Tokyo control, this one is an Operation NERV command module. Was the confirmation able to take what kind of process the plane of unknown nationality entered the Japanese air space by?」(東京コントロールへ、こちらはNERV作戦司令室です。国籍不明機はどういう経緯で日本の領空に入ったのか、確認は取れましたか?)
「To an Operation NERV command module, this is Tokyo control. I seem to have told that it was rolled up in a space-time distortion, and it was spurted to the third new Tokyo Airport control tower.」
(NERV作戦司令室へ、こちらは東京コントロール。時空の歪みに巻き込まれ飛ばされたと、第三新東京空港管制塔に話したそうです。)
「Roger.」
(了解)
マヤの交信を聞いていたミサトとリツコはため息をついた。
「全く、時空の歪みなんて何で発生するのよ!!」
ミサトは余計な仕事を増やしてくれたと大激怒。
「極めて非科学的ね・・・」
リツコも科学者の立場としてため息をついた。
「全く、ゼーレの残党がロボットで攻撃しようとしているというのに!!」
ミサトは更に激昂。
「もういや・・・」
リツコは頭を抱えた。

「大丈夫ですか??皆さん!!」
ボートでアークエンジェルとエターナルに近づいたマナが大声で叫んだ。
「あっ、どうやら救助が来たみたいです」
ミリアリアがマナの姿に気づく。
「総員退艦。脱出用ボートで湖面に避難せよ!!」
マリューが艦内全員に避難を指示。同時にエターナルからも乗組員が続々と脱出した。

「おーおー、ゾロゾロと・・・」
現場に着いたミサトは、救命ボートの数を見て愕然とした。ゆうに50隻はあったからだ。「艦の責任者の方はおりますか??」
救助作業にあたっている消防隊員にミサトは尋ねた。
「あそこで缶コーヒーを飲んでいる女性と、義手義足の男性の方がそうですよ」
消防隊員は湖のベンチに座っている男女を指さした。無論マリューとバルトフェルドである。
「すみません、あなた方があの二隻の航空機のキャプテンでしょうか?」
ミサトが二人に尋ねた。
「アークエンジェル艦長、マリュー・ラミアス少将です」
「エターナル艦長、アンドリュー・バルトフェルドです」
ミサトは驚いた。少将という言葉を聞き、あの二隻が民間機ではなく、軍用機であることを。
「申し遅れました。私は国際連合特務機関NERV二佐、葛城ミサトです」
ミサトは二人に敬礼した。
「ところで、アンドリュー艦長、階級は・・・?」
ミサトはバルトフェルドに聞いてみた。
「私の在籍する軍では、軍服の色でその軍人の階級を表すのですよ。私はこの通り、戦争で左手足を失いまして軍服は着ておりませんが、一般的な軍隊でいう階 級では大佐クラスと思っていただいていいですよ」
バルトフェルドは優しい口調でミサトに答えた。
「はあ・・・」
ミサトは戸惑いながらも敬礼した。
「葛城二佐、あそこの釣りボートで高校生とすっかり話し込んでいる二人の待遇だけは良くしてやって下さい」
「は?」
マリューの一言にミサトは首を傾げた。

「ちょっと、大丈夫ですか?」
マナは釣りボートから、救命ボートから転落して泳いでいた、男性二名、女性二名を引き上げた。
「大丈夫だ。泳げますから」
紫の色の髪をした男性−アスランはそう、マナに言った。
「ピラニアなんかいないだろうな!!」
金髪の女性−カガリは意味のない心配をし、
「う〜・・・、寒!!」
焦げ茶っぽい髪をした男性−キラは普通の感想を言った。
「ちょっとキラ!!怖いですから離れないで下さいな!!」
マナもびっくりするほどのピンクの髪色をした女性−ラクスがキラとくっつき離れようとしない。
「あ、あの〜、きみ名前何て言うの??」
キラがマナに向かって名を尋ねた。
「霧島マナって言います。あなたは?」
「キラ・ヤマト、キラで良いよ」
キラはそう言った。
「私はカガリ・ユラ・アスハだ。カガリで良い」
「俺はアスラン・ザラ、アスランで構わない」
「私はラクス・クラインですわ。ラクスで良いですわ」
あとの三人もキラに続いた。
「私もマナで良いです。ところで、皆様はどこから来たのですか??」
「オーブだが??」
マナの問いかけにアスランが答えた。
「オーブ??聞いたことないのですが・・・」
マナは困惑した。
「南太平洋の首長国連邦だ。知らないか??」
カガリの答えに更にマナは混乱した。南太平洋地域で首長国連邦など存在しないのだから無理はない。
「ええと、ソロモン諸島のあたりですか??」
マナがそう聞いた。
「それは、昔の国名なのだが・・・」
今度はカガリが困惑する。
「マナさん、もしかしてこの時代は、西暦を使っていませんか?」
ラクスがマナに尋ねる。
「はい、2018年8月ですけど・・・?」
マナがラクスにそう答えた。
「私たちは、あなた方の世界とは全く異なる世界から飛ばされてきたと考えても良いでしょう・・・」
ラクスはそう答えた。
「ということは、全然違う歴史上の世界から飛ばされてきた・・・?」
マナはまるで銀河鉄道999の世界でも見ているかのようだった。

「はい?コズミック・イラ76年から飛ばされた??」
ミサトはバルトフェルドからそうきかされた。
「西暦に直せば、2096年くらいかな〜。まぁ、正確にはよくわからんがね」
バルトフェルドはそう答えた。
「ところで、あのピンクの髪の女性と金髪の女性はどのような立場の・・・」
「どんな立場の人間てことか??」
マナと一緒に戻ったカガリがいきなりミサトに答えた。
「え、ええ。どのような立場の方なのですか??」
「オーブ連合首長国代表、カガリ・ユラ・アスハだ」
「連合首長国代表・・・。では、首長国連邦の国王クラスだと・・・」
「ああ、そうだ」
ミサトの血の気が引いていく・・・。
「私は、プラント共和国評議会前議長のラクス・クラインですわ」
「ということは、大統領クラス・・・?」
「う〜ん、民主主義社会で言いますと、議会の議長と大統領を兼任していると考えて良いと思いますわね」
ミサトは倒れそうになった。例え住む世界の歴史が違っても、国王クラス(現職)が一人と、前国家元首が目の前にいるのだ。正常な精神状態を保てるわけがな い。
「ミサト、どうしたの??」
ちょうどその時、家電量販店で携帯電話を購入し、現場に駆けつけたアスカとシンジが合流した。
「ちょっち、休んでくる・・・」
ミサトは飲んでもいないのに、足下をふらつかせながらその場を離れた。
「ええと、あの二隻の飛行機の乗組員の方ですか??」
シンジがキラに聞いた。
「うん、僕らはどうやら自分たちの住んでいる世界から、この世界に飛ばされたらしいんだ・・・」
シンジが少し動揺する。
「マナもこの話しは聞いた?」
アスカがマナに尋ねる。
「だって、この世界は西暦ですかって聞かれたもの。信じるほかないでしょ?」
マナも困惑した表情でアスカに答えた。
「で、ミサトが憔悴した原因は??」
「多分、そこのお姫様二人が、国王クラスと前国家元首クラスと聞いて意識が飛んだんだと思うよ、お嬢ちゃん」
横に座っていたバルトフェルドが答えた。
「えっ、国王と国家元首ですか?」
シンジがカガリとラクスに聞く。
「私、カガリ・ユラ・アスハがオーブ連合首長国代表、こちらのラクス・クラインがプラント共和国評議会前議長だ」
カガリがそう紹介した。
「で、そちらの男性は??」
アスカがキラとアスランに聞いた。
「オーブ軍中将、キラ・ヤマトです」
「同じく大佐のアスラン・ザラだ」
キラとアスランがそれぞれ自己紹介をした。
「カガリさん、ラクスさん、キラさん、アスランさんでいいそうよ」
マナが船での顛末を二人に言ってから答えた。
「で、あそこにいる人がピンクの船の艦長さんと、白い船の艦長さんだって」
マナがそう二人に教えた。
「何か、いろいろと聞かなきゃ、分からないや・・・」
シンジがお手上げのポーズ。
「これじゃ、ミサトも精神を害するわね・・・」
アスカも同調した・・・。

次回予告
新芦ノ湖で出会った、シンジ、アスカ、マナとキラ、ラクス、カガリ、アスラン。二隻を元の世界に返そうと考え始めるが、NERVにゼーレの魔の手が迫る。 そして、レイとシン、ルナマリアを加えたエヴァパイロット・MSパイロットのゼーレロボット対策を始める。そして、いよいよゼーレの侵攻が始まる・・・。

あとがき
どうも〜、YRRです。今回は生みの苦しみと言いますか何と言いますか・・・。エヴァパイロットとSEEDのパイロットが出会うなんてシーン、考えるだけ で大変で。スーパーロボット大戦とはわけが違いますから・・・。では、次回は種デスとエヴァの人達との共同作戦会議が始まり、物語は佳境を向かい始めま す。一応あと二回を予定していますが・・・。次回をお楽しみに!!


YRRさんから種死+エヴァなお話の第二話をもらいました。

エヴァの人たちと種死の顔合わせですね。お互いに何が何やら不明だと思いますが、まぁなんとか話しが通じたのでしょうか。

YRRさんに次話をお願いし、続きも読ませていただきましょう。

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