男 の 戦 い

作者:業師さん









「はあ〜〜〜っ、疲れたわ〜〜〜」(=_=)

 時間はもう・・ 何時になったのでしょうか?

 ミサトさんがようやく仕事を終え、自らの住まいであるコンフォート17へと辿り着いたのは、

 常夏の国となってしまったこの日本の早い朝が、

 もう暫くしたらその気配を見せ始めるであろうと思われる時刻でした。

 玄関に入った後、ミサトさんは同居人であり、被保護者である少年少女に一応気を遣い、

 なるべく物音を立てないように自分の部屋へと向かおうとしたのですが、

 その途中、シンジ君の部屋の前を横切ろうとした時の事です。
 

 何やら彼の部屋から物音がするではありませんか、

 しかも戸の隙間から明かりが漏れている所を見ると、どうやらまだシンジ君は起きているようです。

『全く、シンちゃんたらしょうがないわね』(^_^)

 心中で苦笑いを浮かべながら、少年に理解の有る所を見せて、

 そのまま大人しくその場は素通りしようとしたミサトさんでしたが、

 次の瞬間、本来この部屋の住人ではない筈の少女の声が聞こえてきた事によって、

 思わずその身体を硬直させてしまいます。
 

「ねえ〜〜〜ん、シンジーーーーー、もっと〜〜〜〜(はあと)」(^O^)

「駄、駄目だよアスカ、明日も早いんだし、今日はもう勘弁してよ!」(>_<)

「何よ〜〜、アタシにこの快感を教え込んだのはシンジじゃないの、
 ちゃんとそれだけの責任はとって貰うわよ」(^o^)

「そ、そんな事言われても・・・」(-_-;)

 ハタと立ち止まり、まるで油の切れた人形のようにギギギギギと音のするような感じで、

 その首をシンジ君の部屋の方へと向けるミサトさん。
 

 いったい今のは?

 会話の内容はともかく脇に置いとくとして、

 どうやらシンジ君の部屋にアスカちゃんが居る事は間違いないようです。

 シンジ君とアスカちゃん。

 この2人は顔を合わせた当初こそ反発しあっていて、ミサトさんも頭を痛めていたのですが、

 同居を初めてから結構な時間が経った最近では、お互いに大分打ち解けてきており、

 更にはそれにミサトさんも加わって、「家族」 としての繋がり、

 というものを感じられるようになってきていて、彼女自身嬉しく思っていたのです。

 ですが・・・ これは・・・

 2人はいったいナニをしているんでしょうか?

 気になったミサトさんは息を潜めてシンジ君の部屋の襖戸にピッタリとその身を寄せ、

 中の様子を伺うと、またしてもアスカちゃんのなまめかしい声が漏れ出てきました。
 

「もう〜〜〜、だらしないわね! じゃあさ、後1回・1回だけ、良いでしょう〜〜(はあと)」(^-^)

「わかったよアスカ、けどホントに1回だけだよ。それ以上はもう・・・ 無理だから」(^^;)

「ありがと〜〜、だからシンジって好きよ(はあと)」(^_-)

「全く・・・ しょうがないなあ」(*^_^*)

 否定的な言葉を口にするシンジ君ですが、そこから感じられる雰囲気は、

 あきらめよりもむしろ嬉しさの方が滲み出ており、

 彼がアスカちゃんの事を本当はどう思っているのか、すぐにわかってしまいます。

 それに対するアスカちゃんの方ですが、こちらもラブラブモードが全開で、

 もうすっかりシンジ君に甘えっぱなしといった様子であり、

 これ迄の2人の関係を知っているミサトさんとしては、どうにも意外な感じを受けてしまいます。

 実際この2人は同居を始めてから既に数ヶ月が経過しているのですが、

 少なくとも他人が居る前ではさっきのような甘〜〜〜い、言葉を交わした事は1度として無く、

 ミサトさんとしても、『アスカも最近はシンジ君の事をようやく認め始めてきたみたいね』、

 ぐらいにしか思っていなかったのですが・・・ それは彼女の認識不足だったのでしょうか?

 まあしかし、見誤ったとしても仕方の無い事なのかもしれません。

 この2人が初めて顔を合わせたのは、太平洋艦隊に所属する空母の甲板上なのですが、

 オーバー・ザ・レインボー、日本語に訳したならば、”虹の彼方”という、

 恋人同士が巡り会うのにはピッタリの、何ともロマンチックなその艦の名前とは裏腹に、

 出会いそのものは、”最悪” と言っても良い程酷いものだったのです。
 

 最初の出会いの際、シンジ君はひょんな事から、

 アスカちゃんのスカートの中味を垣間見る事になってしまい、

「見物料」 とばかりにいきなり強烈な平手打ちを彼女に見舞われる事になり、

 更にこの後、使徒を倒す作戦の準備のために、やむなく同居する事になった時には、

 シンジ君の荷物を勝手にアスカちゃんが物置に追いやるなどしたため、

 2人の関係は悪化の一途を辿っていったのです。

 実際シンジ君は暫くの間アスカちゃんの事を、

『何てタカビーで我が儘な娘なんだろう』 と思い、

 アスカちゃんはアスカちゃんで、シンジ君の事を、

『エヴァのエースパイロットの座を脅かす奴』 としか見ていなかったのですが、

 やはり一緒に暮らしていると、だんだんとお互いの本質というものが見えてきて、

 更には”情”というものも湧いてくるのでしょうか?

 最近ようやくこの2人も”ごく自然に”接する事が出来るようになってきている。

 例えミサトさんでなくても、誰もがその程度だと思っていたのです。
 

「それじゃ、イクよアスカ」(・_・)

「O.K、いつでもいらっしゃい」(*_*)

 2人の言葉にハッと我に返るミサトさん。彼女の脳裏に浮かんでいたのは、

『あの2人が・・・ まさか・・・』(-_-;) という思いと、

『きっと何かの間違いよ』(>_<) と現実を認めたくない気持ちと、そして・・・

『ったく最近のガキャ〜。
 精神年齢はいつ迄経ってもお子さまのくせに、そっちの方だけは成長が早いんだから。
 大体世の中間違ってるわよ、大家である私が何年も空き家でいるってのに』(-_-メ)

 という、この3つだったのですが、実は全体の中の9割は1つの事で占められていたのですが、 

 それがどれかというのを明かすのは、本人の名誉のために止めておきましょう。
 
 

 さて、憤懣やるかたない、といった感じのミサトさんですが、

 名目上2人の保護者になっているため、まさかそれを露わにする訳にもいかず、

 何とかそれを抑え込むと、この後自分がどのようにこの事態に対処すれば良いのかを、

 のろのろとしか回転してくれない頭を必至に振り絞り模索するのですが、

 全く予期していなかった事態に遭遇した彼女の胸中は千々に乱れ、

 仲々良いアイディアは浮かんできてはくれません。
 

 2人が今、いったいナニをしているのか?

 それをこれから確認して、もしも自分の思っているような関係に陥っていた場合は、

 最近ようやく家族としての片鱗が伺えるようになってきた葛城家の家庭は、

 ガラガラと音を立てて崩れていってしまうでしょう。

 一方このまま自分が見て見ぬふりをしていれば、今暫くの間は、

 例え表面的なものではあってもその形を保ち続ける事は出来るものと思われます。

 迷うミサトさんでしたが、表面だけを取り繕ったとしても、

 そんな事が長く続く筈も無いと悟ったのでしょう、彼女は意を決すると、

 年若い2人の蒼い暴走を諫めるべく、その熱気が立ち込めた部屋へ踏み込む事にしました。
 

  ガラッ ダンッ

アンタ達! いったいナニやってんの!?」(×o×)

 大声をあげて2人の少年少女を一喝するミサトさん。

 驚いた2人はまだあどけなさの残る肢体を隠す事もままならず、

 ただ反射的にその身を引き離す・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と思われたのですが、

 実際は2人ともミサトさんに対して背を向けたまま、

 首だけを背後に向けてキョトンとした表情で彼女の事を見つめています。

 しかも、予想に反して? 服はちゃんと着ており、慌てているような様子も一切ありません。

 そのためミサトさんはその後、何と言って良いのかわからなくなってしまい、

 自分の思い通りであれば叱る筈だったアスカちゃんの方から、

 逆に諫められるハメになってしまいます。
 

「ちょっとミサト、夜中に大声を出さないでよ! 吃驚するじゃないの」(~o~)

「ふぇ、あ、ああ、ご免なさい」(^。^;)

 反射的に謝ってしまうミサトさんでしたが、もう1度状況を確認するため、

 シンジ君とアスカちゃんの様子を伺います。

 上半身はシンジ君がTシャツ、アスカちゃんはタンクトップ、

 下は2人ともショートパンツといったいでたちで、

 おまけにシンジ君はともかく、アスカちゃん迄もが胡座をかいて座っており、

 両手にはゲーム機の物とおぼしきコントローラーがしっかりと握られて・・・

 コントローラー!?

 それ迄2人をじっくりと見ていたミサトさんですが、

 視線を今度は2人の更に前方にあるTVへ慌てて移すと、

 その画面上の左側には、青いチャイニーズ風の戦闘服? を纏った女性が、

 そして右側には鉢巻きを額に巻いたセーラー服の少女が、

 それぞれファイティングポーズを取ったまま相対している模様が映し出されおり、

 どうやらこれから戦いの火蓋が切って落とされる寸前の状態にあるようです。
 

「アスカ、ちょっと聞きたいんだけど」(?o?)

「ナニよ」('_')

「ソレってナニ?」(@_@)

「見ればわかるでしょう。ス○リ○トフ○イ○ー ]W、インパクトアフターよ」(-o-)

 へなへなと力無く崩おれるミサトさん。

 一方アスカちゃんとシンジ君はミサトさんがなんでこんな状態になってしまったのか、

 まったく理解する事が出来ず、2人して不思議そうに目線を交わすのでした。
 
 

 今更説明する必要も無いかもしれませんが、どうやらシンジ君とアスカちゃんは、

 某格闘ゲームでバトルを繰り広げていたようです。

 殊にアスカちゃんの格ゲーに対する熱中ぶりは、それは凄まじいものがあったのです。

 彼女はまだ幼かった頃にエヴァンゲリオンのパイロットとして選出されて以来、

 軍隊機構とほぼ同一の組織体であるネルフの中にずうっと身を置いていたせいで、

 TVゲームの類(たぐい)は一切やった事が無かったのです。

 似たような物として、様々なシミュレーターを扱った事は有るのですが、

 それらはいずれも実際の操作装置と全く同じ物、

 例えばハンドル・シフトボタンといった物が使用されていたため、

 こういった単なる指先だけで扱うような代物には、とんと出会った事が無く、

 それだけにむしろ新鮮な驚きを彼女に与えていたのでした。
 

 そんなアスカちゃんとTVゲームとの出会いは、

 ある意味シンジ君との出会いと=(イコール)と言っても良いもので、

 ある時、暇で暇でしょうがなかった彼女が、シンジ君をからかってやろうと、

 彼の部屋を急襲した所、たまたま彼がゲームをしているシーンに出くわしたのです。

 以来2人は結構一緒にプレイするようになったのですが、

 アスカちゃんの我が儘ぶりは相変わらずでした。

 ゲームの超初心者である彼女は、当然の事ながら全くシンジ君に勝つ事が出来ず、

 しばしばヒスを起こし、ならばとシンジ君が気を遣って彼女に負けてやると、

 賢い彼女はその事にすぐ気づき、またしてもシンジ君に当たり散らす、

 といったような事が何回も何回も繰り返されたのですが、

 それでも段々と慣れてくるにつれ、最近はシンジ君が不調で、アスカちゃんが好調な場合は、

 彼女も勝利を収める事が出来るようになってきたのですが、まだまだ実力の差は大きく、

 今晩のようにシンジ君に追いつき追い越せとばかりに、日々努力精進しているのです。
 

 一方つき合わされるシンジ君の方ですが、最初の頃こそそんなアスカちゃんを、

 うっとうしくかつ不満に思っていたのですが、やはりそこは何と言っても年頃の男の子の事、

 同い年の、ましてや自分の通う第三新東京市立第一中学校で、

 1・2を争うとびっきりの美少女と2人っきりで部屋の中に居て、しかも隣どうしで座りあっている。

 というシチュエーションにハタと気づくや否や、それまで溜まっていた鬱憤もどこの空、

 すっかりこの状況にはまり込んでしまったのでした。
 

 今日もシンジ君はアスカちゃんに乞われるまま、白熱のバトルを繰り広げていたのですが、

 何故かこの日のアスカちゃんは不調極まりなく、何十回となく対戦しても、

 ついには1勝もする事が出来ず、度重なるリベンジを要求しているうちに、

 とうとうこんな時間に迄なってしまった。という訳なのでした。
 
 

「ミサトさん、どうしたんですか? 大丈夫ですか?」(-O-;)

「え? ううんなんでもないの! チョッチ仕事で疲れただけ」(^^;)

 床にへたり込んだまま、動きが停止してしまったミサトさんを気遣ってシンジ君が声をかけますと、

 彼女は元気良く立ち上がり、別に心配はいらない旨を告げます。

 その動作と言葉は、いつものミサトさんと全く変わりはなく、

 どうやら彼女は、瞬時に自分の状態を元に戻す事に成功したようです。

 この立ち直りの早さが、ミサトさんのミサトさんたる所以かもしれません。

「この通り、アタシは全然平気だから!
 それよりアンタ達、明日も学校なんでしょ。もういい加減で休みなさい」(ヘ。ヘ)

「え〜、でも〜・・・」(-o-)

 そう言いかけたアスカちゃんでしたが、シンジ君のベッドサイドに置いてある目覚まし時計に、

 チラッと目線を走らせて後の言葉を呑み込みます。

 今迄夢中になっていたせいで気づかなかったのですが、確かにミサトさんの言うとおりで、

 これからすぐさま寝付いたとしても、到底充分な睡眠時間を確保する迄には至らないでしょう。

 まあそれでも完全に徹夜をするよりは、ほんのわずかな時間であったとしても、

 眠っていた方が身体のためには良い事は間違いない訳ですし、

 ましてや授業中に、こっくりこっくり船を漕ぐ、などという醜態を晒すハメにはなりたくない。

 と、判断したアスカちゃんはとりあえずミサトさんの言に従う事にしました。
 

「しょうがないわね、わかったわよ。それじゃおやすみ、シンジ」(^o^)

「お、おやすみ、アスカ」(^。^;)

「おやすみ、ミサト」(^o^)

「ハイ、おやすみなさい」(^_^)

 おやすみの挨拶を言い終えたアスカちゃんはゆっくりと立ち上がると、

 シンジ君の部屋を出て自分の部屋へと向かいました。

「それじゃあ、シンちゃん」(*^_^*)

「わかりましたミサトさん。僕も片付けが終わったらすぐに寝ます」(・_・)

 これでミサトさんも納得して部屋へ引き上げ、葛城家にいつもよりは短いものの、

 静寂の時間が訪れる。と思われたのですが、どうした訳かミサトさんはシンジ君に対して、

 右手の人差し指を立てたまま突き出すと、『チッチッチッ』とそれを軽く左右にうち振ります。
 

「え、な、何ですか、ミサトさん?」(=_=)

「シンちゃん。アスカとの対戦が終わったんだから、次は当然、このアタシと対戦してくれるわよね」(^O^)

 さっぱり意味がわからないシンジ君が、ミサトさんにそのジェスチャーの意味を尋ねますと、

 ミサトさんはニヤッとしたいやらしい笑みを浮かべ、シンジ君を冥界へと誘う台詞を口にします。

 困った表情を浮かべるシンジ君。

 先程のアスカちゃんとの会話からもわかるように、

 彼自身はあと1回だけ対戦したら、休むつもりでいたのです。

 けれども、目の前のミサトさんの表情を見る限りでは、とてもそんな訳にはいかないようです。

「わかりましたミサトさん。おつきあいしますよ」(^^;)

「O.K、そうこなくっちゃ!」(^o^)v

 帰宅する前の、あの疲れ切った表情はいったい何だったのでしょうか?

 今見せている表情は、朝出かける時よりも、ネルフ内部で仕事をしている時よりも、

(勿論・書類関係等ではなく身体を動かすものであるが)晴れ晴れとしたものが感じられる。

 ミサトさんが見せてくれる様々な表情の中でも、強いてこれよりも幸福そうな物を探すとすれば、

 それは一つしかないでしょう。

 そう、それは・・・・ 『エビちゅビールを飲んでいる時』 です。
 

「わかりました。それじゃあこのまま続けますか?」(^o^;)

「ありがとうシンちゃん。でも勝負は別よ、覚悟は良いわね?」(*_*)

「はは・・ お手柔らかに」(^_^;)

 シンジ君がさっき迄アスカちゃんが握っていたコントローラーを差し出すと、

 ミサトさんはそれを素早く受け取り、更にはすぐさま対戦が出来る態勢を整えます。

 シンジ君がミサトさんの隣に改めて胡座をかいて座り直して間もなくの事。

 少年と美女との熱く、長い戦いのゴングが高らかに打ち鳴らされました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 pipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipipi♪

 ピタッ!

「う、う〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」(@_@)

 目覚ましの力を借りて、ようやく瞼を開ける事に成功するアスカちゃん。

 いつも朝御飯の支度はシンジ君に任せて、時間ギリギリ迄眠っている彼女は、

 今朝もいつも通りのスケジュールに従って、まずは朝食を取るためにダイニングへと向かいます。

 ところが、普段であればダイニングに近づくに従って、

 食欲をそそる香ばしい匂いが漂ってくるのですが、何故か今朝はその匂いが感じられません。

 不審に思いながらも、アスカちゃんが歩みを止める事無くダイニングへと到着すると、

 そこではミサトさんと、そしてやっばりアスカちゃんの朝食のために、

 キッチンとダイニングの間を甲斐甲斐しく立ち振る舞う、

 エプロンをつけたシンジ君の姿が飛び込んでくる筈だったのですが、

 何故か今朝に限っては全くそういった事は無く、

 ガランとした、人気のない寂しげな風景だけがアスカちゃんを出迎える事となったのです。

『さては、シンジめ寝坊したな!!』

 と、即座に判断したアスカちゃんは、脱兎の如くシンジ君の部屋へと向かいます。

 そして、入り口の所に到着すると、突入を決行するために襖の取っ手に手をかけたのですが、

 その時部屋の中からシンジ君のみならず、聞き慣れた女性の声がしてきたため、

 襖を全開にするのを一瞬ためらってしまいます。
 

「あ、ああ・・・ シンジ君! ダメ」(;_;)

「これで、どうだ! どうだ!!」(-O-;)

「ア、アアン、そんな」(~O~)

「そろそろイクよ、ミサトさん!!!」/(。 。)\

「う、嘘、このアタシが、アタシが〜」 <(゚ ゚)>

 益々熱を帯びてくる2人の様子に、思わずゴクリと唾を飲み込むアスカちゃん。

 そしてとうとう、徹夜で熱き戦いを繰り広げてきた2人にもついにフィニッシュの時が訪れました。

「イッ、イケッ!」(>_<)

「アーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」(*O*)
 

 2人の最後の言葉を聞いた後、アスカちゃんの身体からは完全に力が抜けてしまい、

 そのままペタリと腰を落としてしまいます。

 また、それと同様に思考の方もすっかりその回転を止めてしまい、全く動く様子が見られません。

 しかし、段々と時間が経つにつれて、ようやくのろのろといった状態ではありますが、

 頭が回転を始めるのに従って自分という者がありながら浮気? をしたシンジ君に対してなのか、

 それともいたいけな少年を誘惑? した年増女に対してなのかはわかりませんが、

 彼女の中に沸々と怒りが湧き上がってきました。

 それによってエネルギーを注入されたのか、アスカちゃんはまるで幽鬼のように立ち上がると、

 自分を裏切った2人に対して死の制裁を加えるべく、再び襖の取っ手に手をかけました。
 

  ガラッ ダンッ

アンタ達! いったいナニやってんの!?」(-O-メ)

 大声をあげて少年と美女を一喝するアスカちゃん。

 まあでもアスカちゃんの視線に飛び込んでくるのは、もう皆さんご想像の通り、

 アスカちゃんに対して背を向けたまま、胡座をかいて座っている2人の姿で、

 そしてその手にはコントローラーがしっかりと握られている・・・・・・
 
 






























 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と思われたのですが、

 アレ?〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
 
 
 


 業師さんから妖しい30万ヒット記念作品をいただいてしまいました。

 果たしてシンジはナニをしていたのか‥‥気になるとこであります。
 アスカというものがありながら良くないことをしているとも思えない(思いたくない)ですが‥‥(汗汗)

 なかなか読ませるお話でありました。みなさんもぜひ業師さんに感想をお願いします!

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