マナが街を離れてもう二ヶ月が経った。
けどマナからは何もない。
電話も手紙も・・・・・・。
マナはこっちにいたときに僕が教えたはずだから僕の電話番号、住所は知っているはず。
でも・・・・。
僕はマナの住所も電話番号も知らない・・・。
マナは突然いなくなった。
ホントに突然だった。
マナは僕達に何も言わず、この街を離れていった。
その次の日に担任からマナは親の仕事の都合で転校したことを知った・・・。
・・・・・・・・。
どうしてマナは僕に教えてくれなかったの?
転校すること・・・。
・・・・・・・・・。
せめて、せめて見送りくらいはしたかったのに・・・・・。
でもそんなこと、過ぎた今では叶わぬこと。
今はただマナから連絡がくることを待っているだけ・・・。
凄く自分のことが惨めになる。
二ヶ月前までは好きな人と一緒にいれて、好きな人と一緒にいろんな所へ行けたのに・・・・。
今は好きな人は遠くへ行き、僕は何もできない・・・。
無力・・・・。
子供だから?
それともただ僕が何もしないだけなのか・・・・。
もしかしてマナは僕のことがキライだったの?
・・・それとも僕の告白が重荷になった?
・・・・・・。
だめだ。
悪い方向にばかり考えてしまう。
『僕がマナに付きまとったから』マナは遠くへ行ったんじゃないかと・・・・・・。
いつまでも続く、終わりのないことを考えていた日々・・・・・・。
突然それは届いた。
一通の手紙。
差出人。
霧島マナ
S・S・S |
待ち合わせ
こんにちは、シンジ。久しぶり。 私がシンジのいる街から離れて、もう二ヶ月が経つんだね。 ・・・早いね。月日が経つのは。 授業を受けている時は時間の流れが遅くて「早く休みにならないかな〜。」って思ってて、 こんなことを繰り返しながら大人になるのかな〜・・。って時々考えたりしない?(笑) 私はよくそう思うよ。 手紙、送れてゴメンね? いつも出そう出そうと思ったんだけど、書くことが決まらなくて・・・・・・。 シンジは元気?私は全然元気だよ。 だって、こういう性格だから新しい学校にもすぐ慣れるし、友達もできるからね(笑) だから私のことは全然心配することないよ。 ・・・・ってしないよね、心配なんか(笑) 私ってよく転校してたから友達とか作るのは得意なんだ♪ どうして私がよく転校してたかは話したから知ってるよね?私は親の都合上よく転校しててね、 それでかな?教室に入ってみんなを見てすぐにピンときたんだ♪ この人と友達になりたいなって・・・。 それがシンジだったんだ♪ シンジは私が思っていた・・・ううん、私が思っていた以上に優しい人だった。 お世辞じゃないよ?ホントにその時は思ったんだから。(素直に喜んで良いよ。) 運良く私はシンジの隣の席に座ることになって私は嬉しかったよ。 最初にシンジと友達になれて、そしてアスカ達とも仲良くなれて・・・。 帰り道も偶然同じ方向だったからシンジはいつも私と一緒に帰ってくれたね。 「一人はあぶない。」って言って・・・。 あの時のシンジはカッコ良かったね、顔に似合わず(笑) あっ、怒ったらゴメンね。だってシンジって女の子みたいな顔だからつい・・・・・。 遠くから見たらホントに女の子みたいだったよね・・・。近くから見てもそれは変わらないけど(笑) シンジの家にも遊びに行ったよね。 シンジの部屋って凄く綺麗に片付いていて部屋に入るのをためらうほど驚いた。 だって私の部屋より数段綺麗だったんだから・・・。 ・・・・シンジは見たよね?私の家に遊びに来たとき。 ミサト先生やアスカの部屋みたいには散らかってはないけど・・・ねぇ?(笑) そんなことないって?・・・うそね。だってシンジが部屋に入るときちゃんと見たんだから、 ・・・・・ホントに散らかってたからいいけど・・・・。 もうすぐで夏休みだね。 ねぇ、覚えてる?去年の夏休みのお祭り。みんなと一緒に行った。 あの時の鈴原君面白かったね。ヒカリの浴衣姿見て真っ赤になって(笑) それでアスカが「なんとか言ってあげたら?」って言ったら鈴原君、 「お、おう・・・。ま、孫にも衣装やな。」って照れながら言って・・・。 あのあと鈴原君、ヒカリに謝ってばかりだったね(笑) これ読んでてシンジ笑ってるかもしれないけど、シンジだって私見て真っ赤になってたよね。 あの時はかわいかったなぁ〜・・・。 全部良い思い出だね・・・・・。 ねぇ、シンジ・・・・・。 シンジは私が転校する一ヶ月前に言ったよね。 「好きだよ・・・・。」って・・・・。 あの時は私、シンジをそうは見てなくて、友達って思ってたから断ったけど・・・・。 今なら私はこう言うよ。 「私も、好き。」って・・・・。 多分、ホントはあの時も・・ううん、シンジという人を知ってから私はずっとシンジのことが好きだったんだと思う。 けど私自身がその想いに気づいてなくて・・・・。 そしてシンジと離れ離れになった今だから気づいたの・・・。 私はシンジのことが好き。 あの時はシンジがいつも近くにいてくれて・・・いつもいつも・・・。 だからシンジが近くにいることを当たり前だと思うようになって、シンジの存在の大事さを知らなかった・・・。 今の学校は楽しいよ?でもシンジがいなくて少し寂しい・・・。 隣にシンジがいた時は寂しいなんて思ったことはなかったのに・・・。 だから今度は私がシンジに聞きます。 シンジは今でも私のことを好きですか? もしも好きなら・・・・私達が初めて待ち合わせをしたあの場所に、あの時と同じ日の同じ時間に来てください。 私はそこで待ってます。 もう私のことは忘れているなら・・・・同情とかでは来ないでください。 寂しいだけだから・・・・。 ホントに私のことを今でも好きなら・・・・来てください。
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知らなかった。マナがこう思っていたなんて・・・・。
僕は違った。
マナがこの学校へ転校してきたとき。
前に立ち、微笑む君を見て僕は心惹かれる物があった。
そしてマナと一緒に帰ったり、マナが家に遊びに来たり、僕がマナの家に遊びに行ったり、夏祭りに行ったり・・・。
君に触れるごとに君のことが好きになっていった。
君は花だった。
どんなときでも太陽を向いて、見上げて・・・強かった。
君は、知れば知るほど優しくて、温かくて・・・・・・僕は段々目が離せなくなっていった・・・。
だから僕は君に言った。
好き・・だって・・・。
でも、あのとき君は断って・・・。
僕はそんなに強くない。
だから落ち込んだ時もあった。
でも、君は・・・・・・。
・・・・・・・。
僕は嬉しかった。
マナから手紙が来たから・・・。
そして・・・・。
マナが僕のことを好きだと言ってくれたから・・・・。
それが凄く嬉しかった。
そしてマナは今の僕の気持ちを知りたがっている・・・・。
マナがこの街に来る。
あの僕達が初めて待ち合わせした、あの場所、あの日時に・・・。
僕はカレンダーを見た。
ちょうど明日か・・・・・・。
明日、晴れると良いな・・・・・。
〜fin〜
コメント
SORAです。
一応短編です(爆)
どうしても僕が書くとこういったものになります(笑)
僕にはコメディはムリみたいです(爆)
でも書こうと努力はしているんです。
・・・けど、それは凄く中途半端なんですよね・・いろいろと(笑)
SORAさんからマナシンなお話をいただきました。
大変素敵であります。登場人物は実はシンジだけでマナの登場も手紙だけ‥‥『全てはシンジの思い出の中‥‥今はそれでいい』といった感じですな。
これからシンジはマナと出会い‥‥しっぽり二人で濡れるのでしょうね<そんなことは書いてません
みなさんもSORAさんにぜひメールで感想を送ってください。