烏賊してるペェジ10万ヒット記念














                         

彼方からの手紙








written by 三只さん






















拝啓 碇シンジ様








お元気でしょうか?

夜空の月にあなたの笑顔を思いだし、筆を取った次第です。






・・・・・あなたに会ってから、もう四年も経つのですね。

初めてあなたとお会いしたのは、太平洋上の連合艦隊空母の甲板という、常人にはちょっと思いつかないような場所でしたね。

できれば、もう少しロマンティックな場所だとよかったんですけど・・・・。

正直、あなたの第一印象は、「冴えない男の子」以外の何者でもありませんでした。

初搭乗でシンクロ率40%を叩き出した、と聞かされた後でも、半信半疑だったのをよく憶えています。

結局、そんな懸念も直ぐに吹き飛ばされました。

あなたのその後の活躍を、全てわたしは間近で見続けましたから。

第七使徒、イスラフェル戦の見事なユニゾン攻撃。

第八使徒、サンダルフォンの時は、あなたは我が身を省みず火山の火口に飛び込んで、酷く驚きました。

そして、弟拾使徒、対サハクィエル戦。

あなたは、いかに低い作戦成功率でも、みんなが協力しあえば不可能ではなくなる、というこを、身をもって証明してくれました。

それと、気づいていないかも知れませんが、あの時あなたは逃げなかったのですよ?

わたしは、あなたの戦う理由が何であれ、軽蔑しません。

あの頃は、わたしも自分のことで精一杯でしたから。

つまるところ、お互いに、まだまだ若かったのだと思います。

素直にお互いの感情をぶつけ合うことが出来ないくらい・・・・・。

思えば、この頃から、わたしはあなたを特別な男性と思い初めていたのかも知れません。

そして、第拾弐使徒、レリエル。

あなたがあの使徒の中に取り込まれたと知ったとき、わたしは自分の無力さを痛感することになります。

見ているだけで、何もできない。

自力であなたが生還したときは、とても嬉しかったのです。それが初号機の覚醒によるものでも。

この時ばかりは、あなたの母親ユイさんに、心から感謝しました。

もっとも、その後、もっと凄まじい状況にあなたが陥るとは、わたしはつゆほどにも思わなかったのですが・・・。






わたしのあなたに対する感情が決定的になったのは、第拾四使徒、ゼルエル戦でです。

親友を傷つけたゆえにエヴァを降りたあなたでしたが、この戦いでは理由に係わらず、自分の意志で初号機に乗り込み、戦いに挑んだのです。

その行為は、まさしく尊敬に価します。

その後、初号機にあなたが取り込まれたと知ったとき、わたしは内心で気が狂わんばかりでした。

今回は、第拾使徒の時と場合が違います。

命の水、LCLと化したあなた。

残念ながら、サルベージ作業に立ち会わなかったわたしですが、あなたが無事に姿を取り戻したと聞いて、ホッと胸を撫で下ろしました。

あなたが目を覚ましたとき、あなたの傍らに居られなかったのが、返す返す残念で仕方ありません。

ただ、当時はわたしも、色々な問題を抱えていたのです。

あなたの命と天秤に掛けなければならないほどの、わたしのアイデンティティに係わる問題でした。

・・・・・・言い訳になりませんね。

あなたの命と天秤に掛けたなんて。

こんなことを告げたとしても、あなたは多分怒らないでしょう。

笑ってゆるしてくれるに違いありません。

それを分かっていて、こんなことを書くわたしは、狡い人間なのです・・・・・・







その後の戦いについては、わたしは語る言葉を持ちません。

わたしは半分死んでいたようなものでしたから。

ただ、気がついたとき、わたしたちは砂浜にいました。

目前の命の海から次々に帰ってくる人の群を見て、世界が始まった、という新鮮なときめきと素直な感動は、忘れることはできません。

そして、後で知ったことですが、あなたが、その世界を望んだということも。

知ったとき、わたしは震えました。

あなたが、わたしを、わたしたちといる世界を選んだことに対する、尊敬。

同時に、胸を焦がすような愛しさがわたしを満たしたのです。

その日から、わたしの目には、あなたしか見えなくなったのです・・・・・。










長々と思いのままに綴ってしまいました。

実は・・・・・これからが本題なのです。

わたしは、現在、とある方から結婚を迫られてます。

どうにか交わしてきたのですが、今度という今度は逃げられないかも知れません。

そこで・・・・・こんなことを言うのは、彼女のいるあなたにとって、本当に卑怯かつ失礼だとおもうのですが・・・・わたしと会っていただけませんか?

そして、出来たら、誰も知らない土地へと、わたしと逃げて欲しいのです!!

いいえ、会って下さるだけでも結構です。

この抑えきれない胸の気持ちを、あなたに伝えたい。

直接会って、伝えたいのです・・・・・・・。

この手紙から三日後、例の第三新東京市の見渡せる公園で、わたしは待ってます。

あなたが来るまで、待ち続けます。

ずっと、ずっと・・・・・・・あなたが来るまで待ち続けます・・・・・・・・。















                                               





















                                                             
敬具  加持リョウジ    
  



































 
        
           「・・・・・・こんな手紙もらったんだけど、どうしよう、アスカ? 」

           「燃やしなさい、そんなモン」 






























どうもご無沙汰しております。

三只です。

読んで下さった方はわかると思いますが、以前掲示板にカキコしたとおりLKSというヤツです・・・・・が!!

いくら10万ヒット記念とはいえ、こんなモン送りつけられた怪作さんの心境や、烏賊にっ!?

・・・・・・・・

で、では、また〜。

 あちらこちらのサイトでおなじみの三只さんからヒット記念をいただいたのです。

 持ち上げて落とす‥‥やられました(笑)

 しかし‥‥シンジもひどい手紙をもらったもので‥‥。
 まさかあの男‘K’がアレとは‥‥。
 アスカも百年の濃い恋もさめて、シンジとの愛の生活にまっしぐらするでしょう‥‥あ、そうするとシンジにとっては嬉しい手紙なのかな?(^^;;

 ぜひ、三只さんに感想メールをお願いしまーす

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