月の輝く夜に

作 R&R



さて、ここ第三新東京市の一角にあるマンション

コンフォート17の一室ではあるカップルが幸せそうにおしゃべりをしていた

その2人とは‥‥‥もう説明はそんなにいらないだろうが

碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーの両名である

この2人はあの戦いが終わってしばらく後

あの奥手のシンジ君から告白をしたそうである

‥‥‥え?作者がこう書いているのに疑問文で書くか?

‥‥‥残念なことに、その部分はネルフ諜報部から口止めをされていてね‥‥‥

まあ、おそらくあの2人からの要望だろうけど

さすがにこれ以上立ち入っちゃうと自分も消されかねないのであんまり突っ込んだことは聞けなかったのだ

まあ、こんなところなので勘弁してもらいたい

‥‥‥話が折れ曲がったので元に戻そう

そうやって楽しくアスカの部屋でおしゃべりをしているとシンジがあることに気が付いたようだ

「‥‥‥ねえ、アスカ

 今日ってさ‥‥‥何か外が明るく感じない?」

「そうかしらね?」

「じゃあ、一回電気消してみようよ

 そうすれば分かるかもしれないからさ」

「う〜〜〜〜ん、まあいいわ

 そ、そのかわり‥‥‥へ、変なことしようとしないでよっ!」

「す、するわけないじゃないかっ!

 ‥‥‥じゃあ、消すよ」

パチッ

2人は窓の方を見ていると確かに光が射し込んできていた

「‥‥‥確かに明るいわね‥‥‥でも、ネオンとかじゃないわよね」

「そうだね、ネオンだったら何かしらの色がついてるはずだし

 それに‥‥‥なにかいいよね、この光」

「‥‥‥ねえ、シンジ

 一緒に外に出てこの光の正体見に行かない?」

「え、別にいいけど‥‥‥ミサトさんどうしよう?」

「いいじゃないのよ、ミサトなんかほっといても

 どーせ、今頃は酒の飲み過ぎで夢の中何じゃないの?」

「‥‥‥それもそうだね

 じゃ、近くの公園まで行ってみようか」

「うんっ!」

ちなみに、余談であるがミサトはアスカの言ったとおり本当に寝ていたのである‥‥‥

‥‥‥本当に保護者か?

‥‥‥う、何か背中に寒気がはしったような‥‥‥?

か、閑話休題

ってなわけで2人は公園へ向かうことにしたようだ
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2人は公園に着いたようだ

勿論、その公園はユニゾンの時来た公園であり

無論2人はあのベンチに座って上を見た

「‥‥‥凄い月ね」

「‥‥‥うん、そうだね」

それは、言葉に表すなら幻想的というのであろう

無数の星を従えて光っているその月

しかも、今日は満月であり、その趣を際だたせているかのようにかかっている雲もあった

‥‥‥純粋な心を持つ2人がこの風景を前に見とれないはずがなかった

事実、この後10分くらい2人は言葉を交わすことなくずっと上を見続けていたのだから
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そうして見ていると不意にアスカが声を発した

「ねえ、あたしって月ってイメージある?」

「う〜〜〜ん‥‥‥どっちかって言うとアスカは太陽ってイメージがあるんだけど

 たまに静かに考え事してるアスカを見ると月ってイメージも感じるかな

 まあ、やっぱりアスカには太陽が似合うと思うけどね」

「‥‥‥たまに、ってのが気に入らないけどまあいいわ

 ‥‥‥‥‥‥‥‥ところで、シンジは月ってどうして光っているか知ってる?」

「え‥‥‥?

 月ってそのまま光ってるんじゃないの?」

「バカね‥‥‥」

「どうせ僕はバカシンジですよ」

「まあ、拗ねないの

 ‥‥‥月って言うのはね、太陽の光を反射して光っているのよ」

「ふ〜〜ん、そうなんだ」

「でね‥‥‥月って言うのは光をもらわなきゃ

 ただクレーターがあってぼこぼこのところなのよ‥‥‥

 ‥‥‥まるで、昔のあたしみたいね」

「‥‥‥どういうことだよ」

シンジの態度が真剣になった‥‥‥が、アスカは話を続けた

「‥‥‥そのまんまじゃない

 昔のあたしはEVAや学歴とかで自分に光が当たっていたと思いこんでいたのよ

 そんなこと‥‥‥なかったのにね」

「よしてよ」

辛そうに言葉を吐くアスカにシンジはこう告げた‥‥‥がアスカは話を続けた

「それでね‥‥‥そんなあたしに光を当ててくれたのがシンジだったのよ

 でも、昔のあたしはその事に気付かなくて随分シンジを傷つけちゃったけどね‥‥‥」

「もう‥‥‥よそうよ」

「‥‥‥あたし‥‥‥シンジに出逢わなかったらどうしてたんだろうなぁ‥‥‥

 きっと‥‥‥「やめてよっ!!」

その言葉とほぼ同時にシンジはアスカを抱き締めた

「アスカ‥‥‥もういいから」

「きっと‥‥‥ずっとひとりぼっち‥‥‥!!‥‥‥ん‥‥‥」

シンジはその言葉を遮るようにアスカの唇に自分の唇を重ねた

そして、だいたい1分ぐらい経っただろうか‥‥‥ゆっくり唇をはなすとシンジはこう言った

「アスカ‥‥‥昔を思い出すことは悪いことじゃないと思う

 けど‥‥‥そうやって自分を追いつめたり、悪い未来を予想することはやめてよ‥‥‥

 僕も辛いけど‥‥‥なにより、言ってるアスカ自身が一番辛いと思うからさ‥‥‥

 だから、もう‥‥‥やめようよ」

「そうよね‥‥‥ごめんね、シンジ

 確かに、昔のあたしと今のあたしはちがうし

 それになにより、今のあたしにはシンジがついてる。

 ‥‥‥あたしが太陽みたいって言われてるのもシンジのおかげかもね」

「光栄だよ‥‥‥アスカ

 それでさ‥‥‥相談なんだけど

 これからもずっと、僕を照らし続けてもらっていいかい?アスカ」

「な〜に堅苦しいこと言ってんのよ

 聞かなくても分かるでしょ?あたしがこれからもずっと照らしていきたいのはシンジだけだって」

「ふふっ、そうだったね」

「一応‥‥‥誓いのキスでもしておく?」

「‥‥‥何に‥‥‥誓うの?」

「そうね‥‥‥今日のこの綺麗な月に向かって」

「ん‥‥‥わかった」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

そうして、この夜再び2つの影は1つになった

ただ‥‥‥1つ違う点があった

それは‥‥‥月の方がムードを分かっていたのかは定かではないが

影が1つになる前に雲が月を隠したことであった‥‥‥
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

おしまい



あとがき

はじめまして、R&Rです

この度、感想メールのお返しでこの作品を送らせていただきました

まだ、SSを書いて一ヶ月も経っていないので気に入らない点もあるかもしれませんが

そのへんはどうか、大目に見てください(^^;;;;)

あと、月の光くらいで本当に影が出るのか?

という疑問をもたれた方もいらっしゃるでしょうが

ほんとにでますよ‥‥‥満月でまわりに光ってるものがなければ

僕の生息地は田舎なのでそれがすぐ分かりました(爆)

あと、怪作さん、メールに「月だからレイネタ?」と書かれてありましたが

残念でした。生憎ながら僕はLAS派なので‥‥‥(レイファンの方、ゴメンナサイ)

またいつか送るかもしれませんがその際もよろしくお願いします

それではっ! 

 
 
 


 初投稿のR&RさんからLASな投稿作品をいただきました‥‥。

 月‥‥タカビーで乱暴とも呼ばれる(問題発言?)アスカが月だなんて‥‥
 シンジが必死に説得したのもわかるものです‥‥って違いますね(^^;;

 シンジ君にはアスカが元気でいて欲しかったってことですよね。

 みなさんもぜひR&Rさんに感想メールをさしあげてください。