ウソ?それとも‥‥‥

作 R&R   


今宵、4月1日

世間一般でエイプリルフールと呼ばれている日である

と言っても、もう午後11時半を回っているので実質30分強しかないのだが‥‥‥

そんな中、アスカは第3新東京市が一望できるあの公園に来ていた

「ったく、シンジも何のようなのかしら」

開始早々アスカが愚痴っている

ちなみに、この場にシンジはいないのである

さて、アスカがここに来るまで何があったのか?

少し時間はさかのぼる‥‥‥
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
今日は、珍しくシンクロテストがあった

戦いも終わり、使徒も来ない今EVAを動かすことはほとんどないのであるが

万一の事態を想定して1ヶ月に1回だけこういうテストが行われている

が、今日は何故か夜中までかかると2人の保護者に言われ

その後、パイロットである2人はネルフの食堂で夕食を取っていた

その時にシンジがアスカにあるお願いをしたのである‥‥‥

「ねえ、アスカ」

「‥‥‥何よ」

‥‥‥どうやら、彼女はシンジの手料理が食べられなくなったので不機嫌なようである

無論、シンジは気付いていないが

「あのさ‥‥‥今日テスト遅くなるって言ってたよね?」

「‥‥‥それで?」

「うん、その後悪いんだけどさ‥‥‥

 12時に、○○公園で待っててくれないかな?」

「どうしてよ?」

「ちょ、ちょっと話したいことがあるんだ‥‥‥」

「ふ〜ん、わかったわ、つきあったげる」

「ありがと」

[EVAの両パイロットは、至急ケイジまで来てください‥‥‥繰り返します]

「あ‥‥‥」

「じゃ、行こうか」

「そうね」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
と、こんな訳である

ちなみに、アスカの方が早めにテストが終わったので先に来ていたのであるが‥‥‥

たまには、アスカも待つ方に回ってみたいとも思っていたから早めに来たのである

が‥‥‥元来行動派の彼女にじっとしていることは耐え難い苦痛である(無論、昔と比べ待てる長さは格段に長くなってはいる)

15分くらい待った後、あまりの退屈さにアスカはミサトにシンジがもう終わったか聞くことにした

Trrrrr

Trrrrr

[はい、葛城です]

「あ、ミサト?シンジもう終わった?」

[‥‥‥シンちゃんならアスカが終わってから5分くらい後に終わったけど‥‥‥]

「え‥‥‥ウソ?」

[こんな時間にウソ言ってどうするのよ‥‥‥

 あ、今日は家帰れないからよろしくねん♪]

「解ったわ‥‥‥おやすみ、ミサト」

[おやすみ、アスカ]

ピッ

「どういうことよ‥‥‥バカシンジ

 あたしの5分くらい後ならすぐ来れるはずじゃない‥‥‥聞いてみる必要があるわね‥‥‥」

そんなことを言いながら、シンジを待ち続けるのであった‥‥‥
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
ピピッ

アスカの時計から12時を示すブザーが流れた

(12時か‥‥‥)

そう思っていると、後ろから

「アスカ、待った?」

という声が聞こえてきた

「待ったわよ」

「ごめん‥‥‥それでさアスカ、僕の‥‥‥「ちょっと待って!」

「何?アスカ」

「先に聞かせて‥‥‥

 シンジ、あんた、あたしが終わった後5分くらいで終わったそうじゃない

 すぐ来ようと思えばすぐ来れたはずなのにどうして、あたしを待たせるようなマネをしたの?正直に答えて」

2人の中に沈黙が流れている‥‥‥

その沈黙をシンジが破った

「‥‥‥嫌だったんだ‥‥‥」

「何が?」

「今から言うことを‥‥‥僕の言うことを、嘘だって思われたくなかったんだ‥‥‥」

「でも、どうして‥‥‥あっ!」

「そう、昨日はエイプリルフールだったよね‥‥‥だから嫌だったんだ

 でも、もう日付が変わったから安心して言えるよ‥‥‥

 ‥‥‥アスカ、初めて逢ったときから君のことが好きなんだ!!

 だから、僕と付き合ってください!!」

そう言い終わると同時にアスカはシンジに抱きついた

「え‥‥‥アスカ‥‥‥?」

「ふふっ、やっぱりシンジはバカシンジね」

「なんで?」

「ふふっ、ばぁ〜か

 あたしは、昨日言ってもちゃんと信じてあげたわよ‥‥‥その言葉」

「‥‥‥どうして?」

「あんた、ホントにばかね‥‥‥

 ねえ、シンジがあたしに嘘をついたことって、あると思う?」

「‥‥‥どうだろう?‥‥‥分からないよ」

「ばかね‥‥‥無いでしょ」

「そうなの?」

「そうなのよ!」

「じゃあ、アスカは‥‥‥僕に嘘をついたことって、ある?」

「‥‥‥聞いても怒らない?」

「うん」

「あたしね‥‥‥何回シンジに嘘ついたか‥‥‥わからないんだ‥‥‥」

「えっ!?」

「例えばね、シンジがあたしを買い物に誘ってくれるとき

 あたし、いつもつれない態度取っちゃうよね‥‥‥

 ホントは‥‥‥ほんとはね、嬉しいはずなのにああいう態度になっちゃうんだ‥‥‥

 だから、嘘ばっかりついてたのはあたしのほうなのよ‥‥‥」

「‥‥‥」

「‥‥‥シンジ、あなたはあたしにここまで正直に接してくれたよね‥‥‥

 だからね、あたしがシンジの前で嘘を言うのは昨日でおしまい

 ‥‥‥だから、今から言うあたしの正直な気持ち、聞いてくれる?」

(いつもと全然違う‥‥‥

 もしかして、今のアスカが本当のアスカなのかな‥‥‥?)

「‥‥‥だめ?」

少し考え事をしていたシンジはアスカの問いに答えるのを忘れていた

アスカの声はいつもと比べると考えられないほど弱々しく

表情も不安げなものであり、瞳は少し潤んでいる

そんなアスカの表情に見とれていたシンジだったが、すぐに考えを戻し

アスカが安心するような力強い声で伝えた

「‥‥‥聞かせて、アスカの気持ち」

その声と同時に、シンジは今まで手持ちぶさただった両腕をアスカの背中にまわし優しく、だが力強くアスカを抱き寄せた

そんなシンジに「男」を感じながら声を出した。シンジにしか聞こえないほど小さく、甘い音色で‥‥‥

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
「あたしもシンジのこと、すき‥‥‥‥‥大好き!!」
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 おわり



あとがき

どうも、R&Rです(^^)

さて、感想メールのお返し第二弾、どうでしたか?

あ、感想が来なきゃ書けないとかそういう人ではありませんからね、こいつわ(笑)
 

いかがでしたか?

初め思い描いたものよりアスカがしおらしく動いてくれました(笑)

とゆ〜よりここまでしおらしくなるとは思っていなかった‥‥‥(←ヲヒ)
 

怪作さん、毎度毎度の感想ありがとうございます

この場を借りてお礼を申し上げさせていただきます(ペコリ)

でも、さすがの僕も弾切れ(ネタ切れ)気味なので次回は書けるかどうか分かりませんが‥‥‥今後ともよろしくお願いします

それでは、またっ!(^^)/


 R&Rさんからのいただきものです‥‥。

 ‥‥。

 なんというか‥‥大変遅れてしまって申し訳ないような‥‥(汗)

 実はファイルが一度吹き飛んでしまってわからなくなってしまっていたのですよ(汗)

 素晴らしいお話をくださったR&Rさんに、是非感想メールをお願いします。