Spirto gentil sinji
あなたに一番似合う言葉
やさしいシンジ
日本語ではなんていうのかしら?
おばさん、夢を見ました
南の国でシンジとアスカ、それに私たち
楽しく暮らしているの
シンジとアスカの胸には天使のような赤ちゃん
とても素敵な夢でした
ねえシンジ
日本にはやしの木はある?
きっとあるわね
おばさん4月くらいに日本に行こうと思います
シンジとアスカがお世話になっている方に挨拶もしないと
とても楽しみだわ
スイカにメロン、バナナにマンゴー
おばさんね
シンジの食卓に並ぶフルーツがうらやましくてしょうがないの!
常夏の国日本
楽しみだわ

そうそう
あなたのお姫様から相談された事があるの
“もう少しやさしく抱きしめてほしい時はなんていえばいいのかしら?”
ですって
いつの間にか抱きしめる側から抱きしめられる側になっていたのね
おばさんの知らないところで二人が大人になっていくのが少し歯がゆいわ!



僕は携帯を閉じた

僕は入院生活で昼夜逆転してしまった
体は順調に回復している
部屋の中なら十分歩き回れる
これぐらいでめげてちゃトウジの妹に申し訳ない

僕は眠るアスカちゃんを見つめた
アスカちゃんは学校を休んで僕のリハビリに付き合ってくれる
それに食事やお風呂や勉強
リハビリから帰ったら僕の指や足をゆっくり動かしてくれる
自分の時間はこれっぽっちもないのに
文句も言わない

寝息をたてるアスカちゃん
僕はアスカちゃんをじっと見つめた

とてもきれいだ

僕だけのものにしたい

いつもの格好で寝息をたてるアスカちゃん

ねえアスカちゃん
僕も男なんだよ?

どうする?
僕に襲われたら?

ぼくはくだらない空想を楽しんだ
頭をアスカちゃんでいっぱいにしたくて


理由がある
洞木ヒカリ
彼女のせいだ

ようやくわかった

“医療班第3班”

なんてことはない
いつも僕を担ぎ出す人たちだ
今回も
その前も
その前も

委員長が一人でお見舞いに来てくれた
アスカちゃんは何かがないって言って急いでコンビニに買いに行った
僕が委員長に暇つぶしに話しかけようとしたら
委員長が

「怖いでしょう?」

何の事かわからなかった

「怪獣と戦うの…」

僕は困惑した

委員長が話を続けた
委員長はある日、親に僕とアスカちゃんの写真を見せた
ボソッと言ったそうだ
「こわいんだろうな…二人とも…かわいそうに」
視線は写真の僕に向けられていたそうだ
しつこく何度も何度もたずねた
何で僕を見たのか
「一生、誰にも言うな。姉妹にも言うな」
そう釘を刺され話が始まった

僕の手足が引き裂かれたあの日の事
僕が無理やり戦わさせられたあの日
アスカちゃんと一緒に引き金を引いたあの日
真っ暗で真っ白な世界でアスカちゃんを求めたあの日
そして今回

おどろいたそうだ

僕は黙りこんだ
委員長に知られたら
もうお仕舞だ
5分後には皆に広まって…

「誰にも言わない」

委員長は僕の顔を見つめていた

「皆にないしょでがんばってるんだから…誰にも言わない」

僕はうつむいてお礼を言った
「ありがとう」

「でもね」

「うん」

「私おしゃべりなの」

「うん」

「だから…」

「なに?僕はどうすればいいの?」

委員長は顔を赤くして視線をそらし自分の唇を指で撫でた

「…て」

「え?」

「キス…して」

「え?」

「じゃないと喋っちゃう、皆に言いふらす…」

可愛く脅迫された

僕は頷いた
笑って頷いた

「ヒカリって…言いながら…映画みたいにゆっくりして…じゃないと私…言いふらす」

「ヒカリ…」
僕はヒカリの手をとってそっと引き寄せ
やさしく唇を重ね
ゆっくりその感触を楽しんだ

「はじめて…なんだ…おかしいでしょ?」

委員長はまるでさっきまでの会話は忘れたように明るくはしゃいだ
僕は委員長の最初の男になった


「あーもう!この家ってなんだかいっつもなんかないのよね!」


アスカちゃんが帰ってくると僕たちは笑い出した
共犯者の心理ってやつかな?
笑う僕たちを見てアスカちゃんは楽しそうに
「なになに!何の話!」
委員長は嬉しそうに
「碇君の浮気の話」

ばっしゃーん!!

哀れ僕は笑顔のままのアスカちゃんに買い物袋で顔面を叩かれた




ようやく頭の中がアスカちゃんでいっぱいになってきた
素敵な笑顔で

ああ
それにしても今日は面白かったな
ケンスケがしつこく僕に、ほんとはエヴァのパイロットじゃないかって聞いてくるから、からかってやったんだ

アスカちゃんもすぐにわかってくれて
いい演技してたなぁ〜

委員長とトウジは途中でわかったみたいで
委員長の棒読みみたいな喋りも面白かったし
わかった途端投げやりな態度のトウジも!

何も知らない霧島さんは最後まで泣きそうだったし

あははは!
マンガでも読もう!
そうすれば眠くなるだろうし



暫くすると
突然アスカちゃんが僕の胸に飛び込んできた

驚く僕に笑顔で
「おはよう」

僕はアスカちゃんの笑顔が可愛くて、思わず抱きしめた
適当な言い訳をしてアスカちゃんの頭を撫でた

外はもう明るい

目を細めるアスカちゃん
「…ねえシンジ…」
優しい声で僕からマンガを取り上げる
僕が文句を言うと僕にのしかかってきた

「おもいよぉ…アスカちゃん」

アスカちゃんは寝巻き代わりに着ていた僕のシャツを脱ぎだした

「アスカちゃん?」

アスカちゃんはかわいいショーツだけになった

「ねぇシンジ…シンジも脱いで」

僕の返事もそこそこにアスカちゃんに裸にされた

アスカちゃんが僕に抱きついてきた
とてもしあわせそうに

僕は
アスカちゃんの髪を撫でて
耳を触って
首をくすぐって
鎖骨をつまんで
おっぱいを…
通り過ぎて

胸元の傷を撫でた

小さく残った胸の傷跡

「勲章みたいなもんよ」
アスカちゃんはいつもそう言って笑い飛ばす

僕は知っている
アスカちゃんはこの傷跡をさわられるのが嫌いなことを

でも僕はそっと手のひらで撫でる
本当に愛撫するみたいに

僕はこの傷跡も
そのほかの全部も
好きなんだ
髪も目も口も
好きなんだ

「ふふ…」

アスカちゃんが笑う

「えっち」

アスカちゃんが僕をかわいくいじめる

僕がアスカちゃんにしたのと同じ事をしてくる

きもちいい

僕はアスカちゃんにやさしくいじめられながら眠りに落ちる

僕はしあわせだ
アスカちゃんがいてくれる
りっちゃんも
とおさんも何度もお見舞いに来てくれた
綾波は少し怒ってる
でもアスカちゃんにないしょでこっそり来てくれた
面白いんだよ、綾波…
制服着て、ほっぺた膨らませて、じーっと睨みつけて
子供みたいにスカート握り締めて
僕がこえかけようとすると消えるんだ
その繰り返し

でも最近来ないな…
ま、いいか

ねむい
あ…
アスカちゃんが僕の胸噛んだ…
くすぐったい

ねむい
アスカちゃん…

おやすみ
アスカちゃん





“碇君”

なに?

“よかった”

ありがとう




半月ぶりの通学
まだ少し、思うように歩けないけど
うん
歩けないわけじゃない

それで十分だ

りっちゃんはいつも通りお弁当を作ってくれた

アスカちゃんも手をつなぐだけ
僕を支えようとはしない

トウジも「チンタラ歩くなや」って言いながら
僕に合わせてくれる

霧島さんは僕の手からかばんを奪ってしまった
霧島さんらしい

委員長はまるでこの間の事はなかったみたいに

みんないつも通り


あ、そうそう
皆には見えてないんだろうけど

角ごとに
綾波がこっちを覗いてて

僕が微笑んで見せると
ぷい!って消える

でも次の角にはもういて

本当にかあさんは心配性だ


「なんや先生、フラフラしおって、もういっぺん轢かれてまうぞ」
トウジは勢いよく僕の背中をたたく

僕は踏ん張れなくて
よろけちゃって

すぐ前にいたアスカちゃんと委員長が手を出してくれたんだけど

むにゅ
ってなって

よりにもよって委員長を押し倒しちゃって

顔を上げるとぱんつ

見覚えがない

つまり
アスカちゃんじゃない

第一アスカちゃんは“むにゅ”じゃない

「あ…や…ごめん、委員長」

委員長は乙女チックなポーズでこっちを見てて
はっ!となってぱんつを隠した

「え…うん…大丈夫、碇君」


僕たちはアスカちゃんに起こしてもらうと
悪びれないトウジが
「オーすまんすまん、かんにんや」
って言い終わる前に

パン!

いい音!

「なにすんのや委員長!」

「碇君まだ病み上がりなんだから気を使いなさいよ!」

トウジが腰抜かしてる

うん

僕も驚いた


「あ…大丈夫だよ委員長」


委員長は肩を怒らせていた


は!
殺気!

「シンジ」

天使のような悪魔の声

「なに?」

僕が振り向いた瞬間
がっちり肩を組まれて

「ヒカリのパンツ、何色だった?」

ブルー、薄いブルー

なんて言える訳もなく

フロントフェイスロック



僕の復帰第一日目の登校は
アスカちゃんに引きずられ教室にたどり着いた

もうひとつ
僕がアスカちゃんに殺されかかってる姿を見て綾波は、満足そうにすると消えてしまった

ひどいかあさんとアスカちゃんだよ!
ほんとにもう!




綾波が遊びに来た
アスカちゃんに呼ばれたらしい
いつの間にか二人は友達になっていた

僕は最初、今朝の仕返しに綾波に冷たくしてやろうと思ったんだけど
綾波が

「これ…」

僕に携帯を突き出した

「わからない」

困ったような顔で

綾波は携帯を買ったようで
でも使い方がわからないらしく
電源も入ってなくて
保護用シートもついたまま

無理もないよ
宇宙のテクノロジーに比べれば地球の電話なんて糸電話みたいなものなんだろうし
確かに宇宙電話と比べればおもちゃみたいなもんだ、うん
あんな斬新なシステムは今の地球の科学じゃまだ無理に決まってる

「しょうがないなぁ」

僕はなぜか上機嫌で綾波の手から携帯を毟り取った

あれ?
なんか企んでたような気が…
なんだっけ?


りっちゃんはチラシ寿司を作り始めた
アスカちゃんはちょこちょこ手伝いながら僕らを茶化す

綾波は僕にひっついて携帯の説明を不思議そうに聞いていた

僕がメモリに僕たちの番号を入れていると
突然綾波が

「ちがう!」

ビックリして僕は登録中の番号を確認した
どこが違うんだろう?

「ねぇ…どこが違うの?」

綾波はちょっとむっとして
液晶を指差した

“碇シンジ”

「あってるよ?」

まだむっとしてる

“グループ 友人”

あ…ここか

「ごめん、間違えた…これでいい?」

“グループ 家族”

綾波は「フン!」ってかわいく怒ると僕と自分を指差し

「かあさんとシンジ」

アスカちゃんはそれを見て笑っていた


一通り使い方を説明して
りっちゃんが作ったごはんを食べて一休み

りっちゃんとアスカちゃんは綾波がお肉が嫌いなことを知らない
だから僕が今夜のごはんをリクエストした

あれ?
なんで僕は綾波の嫌いなものを知っているんだろう?
うぅ〜ん

ま、いいか

ソファーで僕は綾波の携帯をいろいろいじって遊んだ

りちゃんは台所で何か作ってる
明日の準備かな?

綾波は相変わらず僕の横にちょこんと座ってる
綾波の携帯は最新型で
綾波はそのことをわかってなく

「綾波しらないで買ったの?」
「もらった…」
「もらったんだ!?僕と一緒だ、僕もりっちゃんから貰ったんだ」

なんだかどうでもいいことで意気投合して
気がついたら綾波は僕の膝に手をついていた


やっぱり綾波はかあさんじゃない
でもそんな事はどうでもいい
綾波の中にかあさんがいて
綾波はかあさんの記憶を頼りに僕を愛してくれている

僕も綾波が好きだ

かあさんじゃなくても好きだ


この気持ちはアスカちゃんのことを好きなのとは矛盾しない
アスカちゃんは僕のアスカちゃんで
僕はアスカちゃんの僕で

僕たちはいつか結ばれる


でも綾波はちがう
綾波が僕を愛しているのは
僕が美しい歌を愛しているのと同じで
僕はそれを心のどこかで理解している

綾波の生きてきた時間と比べれば
僕との時間は一瞬で
まるで花のにおいをかぐようなもので

でも

僕は嬉しい
母親だと言い張る女性に愛される事が



自分で呼んで置いて
アスカちゃんはようやく綾波に話しかけた

「ねえ綾波さん」

「…なに?」
返事はするけど僕のどこかを見つめている綾波
アスカちゃんも気にしない

「本当にこれ、いいわよ」

なんだかこの間、綾波とお茶して
アスカちゃんが払ったんだけど綾波は納得してなくて
アスカちゃんにお金を押し付けて帰ったらしい

それで今日、お金を返そうとしてるんだけど

「だめ、そんなことしちゃ、シンジのともだちふりょう」

取り付く島もない

ん?あれ?
「ねえアスカちゃん」

アスカちゃんは本気で困ってて
でも僕は変な事に気がついた

「あぁ、シンジからも綾波さんにいって『お金はもらえない』って」

「そうじゃなくて…そのお札、なんかちがうよ?」

アスカちゃんと二人首をかしげた
つられて綾波も首をかしげる

アスカちゃんが突然
「あ!」
ってこえだして

お札に書いてあるおじさんを指差した

イラストのおじさんが違う!

巧妙な偽札?
宇宙の1000円札?

僕たちの騒ぎを聞きつけたりっちゃんがひょっこり顔を出す
そして

「あら?!懐かしい!」

りっちゃんの話だとりっちゃんがちっちゃい時のお札で
このおじさんは漱石さんって言うらしい

りっちゃんにに事情を話すと嬉しそうに

「いいじゃない、貰っておきなさい。レイちゃんには私からちょっと渡しておくから…それにしても懐かしいわねぇ」

めずらしいんなら

「じゃあ僕にちょうだい!」

あれ?
綾波に睨まれた

「じゃあシンジにかあさんからおこずかい」

それにりっちゃんとアスカちゃんもにらみ合ってる



僕は部屋のコルクボードに漱石君を貼り付けた


「シンジ君、もって行ってあげて」
イジワルな笑顔のりっちゃん
りっちゃんが突き出してきたのは
でっかい紙袋いっぱいのタッパーに入ったおかず

「一人暮らしじゃお惣菜や冷凍食品ばっかりでしょう」
綾波には笑顔のりっちゃん
「さあ!シンジ君!もって行ってあげて!」


アスカちゃんもついてきたから、持ってくれるのかと思ったら綾波と話してばっか
二人は仲良しで
アスカちゃんは綾波の携帯の待ち受けを設定してあげた
僕とかあさんの
あの写真
綾波は喜んでいる

「かあさんとシンジ」

アスカちゃんに自慢するように何度もつぶやいて
楽しそうな二人

僕はもうフラフラしながら駅に向かった
二人は何か言い合いしながら先に行ってしまった


駅に着くと僕は綾波に紙袋を渡した

「重いよ」

って言いながら

え!
綾波…軽々と…

男のプライドズタズタ
ないちゃうよ!

「ここでいい」

綾波は駅で別れる
僕とかあさんがそうだったから…

ねえ綾波…
綾波はいなくならないよね…
かあさんみたいに…

僕は少し寂しくなった
それを見た綾波は少し悲しそうな顔をすると
僕とアスカちゃんを見て

「それでもあなたたちは大丈夫」

僕は照れくさくなった
綾波は僕の心の中を見たのかな
アスカちゃんがいれば大丈夫だなんて
恥ずかしいな




しばらくして
使徒が来た

まるでアスカちゃんの都合に合わせるように

僕はお役御免だからアスカちゃんを応援する

ミサトさんが手を引いて指揮所に入れてくれた
伊吹さんが何か言いたげだ

関係者以外立ち入り禁止だもんね
そりゃそうだよ

ミサトさんは気にもしないみたいで
「アスカのところにでも行ってきなさいよ、喜ぶわよ〜」
とか言っちゃって

僕は伊吹さんの視線を感じながらハンガーへ向かった

「ちゃんと仕事しなさい」

ミサトさんが冷たく伊吹さんに

災難だなぁ…伊吹さん



控え室でアスカちゃんは上機嫌
僕の膝の上に座って足をぶらぶらして鼻歌を歌っている

出撃の指示が出ると
僕の膝からピョン!って飛んで
僕のほうに向き直って
嬉しそうに「ん!」っていいながらきおつけをする

僕は立ち上がるとアスカちゃんを力いっぱい抱きしめた
アスカちゃんが嬉しそうにつぶやく
「ちょっといたい」
僕はアスカちゃんの唇にちゅってして
耳元で
「アスカちゃん、がんばってね」
って言って離した

アスカちゃんは唇を指で撫でると
僕の両手を取って
そのまま引き寄せ
もう一度キスした

「じゃあいってくる!」

笑顔で駆け出すアスカちゃん

そっか
もうおまじないじゃないんだ

僕はアスカちゃんのまねをして唇を指で撫でてみた

なんだか嬉しくなった

僕のしあわせはあの赤いエヴァンゲリオンの中に





「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

アスカちゃんの絶叫が響く

アスカちゃんの周りには
たくさんの僕がいて
まるでアスカちゃんを食い尽くすようにいたぶる

「お前なんかシンジじゃない!お前なんかシンジじゃない!」

アスカちゃんが叫ぶたび
僕は数を増やし
アスカちゃんを蝕んだ

指揮所はアスカちゃんの叫びとみんなの怒号であふれかえっていた

でも誰もアスカちゃんを助けてくれない
みんな苦しむアスカちゃんを横目で見ながら何かをするだけ

僕は抜け出そうとした
アスカちゃんを助けるんだ
僕が助けるんだ

ドアのところに向かい
外に出ようとした時

ドアが開いた

父さんが立っている
知らないおじいさんも

父さんは僕を見ると、僕の手を引いて中に入ってきた

「ひどい有様だな…碇」
「ああ」
「まだパイロットを失うわけにはいかんぞ」
「わかっている」

二人は周りの喧騒をよそに話している
ミサトさんやりっちゃんになにを言われてもまるで無視するように

「どうする…碇」

おじいさんの言葉を無視するように
父さんは僕を引き寄せた

「シンジ…助けたいか?」

僕は頷いた
助けたい
飛んでいってアスカちゃんを助けたい

あれ?
父さん一瞬…
なんだろう?

「初号機とロンギヌスの槍を使う」

まわりの人が一斉に息を飲んだ

僕は父さんに言われ
エヴァンゲリオンに乗り
言われるままにいったん地下にむかった

本当は今すぐにでもアスカちゃんのところに行きたい
アスカちゃんは今も苦しんでいる
たくさんの僕が苦しめている
たくさんの僕が、昔のどうでもいいような事でアスカちゃんを食い散らかしている

「クソババア!」

アスカちゃんの吼えるような声が響いた



地下に降りながら説明を受ける
使徒の結界は強力で
僕では何の役にも立たない

でも今、目の前にある
巨人を磔にしている槍を使えば
あの結界からアスカちゃんを連れ出せる

僕は槍を一気に引き抜いた

“はぁん!”

綾波のあえぐような声が響く

なんで?



まさか…

僕は槍で磔にされていた巨人に触れてみた



そうか

そういうことか

でも…

今はそれどころじゃない!


僕は槍を持ち
忍者のように壁を蹴りながら地上を目指した
今、エヴァンゲリオンは僕の願いをかなえるために
飛ぶように地上を目指した


隔壁を突き破って地上に出ると
たくさんの僕が一斉にアスカちゃんに襲い掛かっていた

「「「「「「「「「「じゃあ僕が一番嫌なアスカちゃんを見せてあげる」」」」」」」」」」


見たくもない!
お前になにがわかる!
いいか!
僕は次の日の夜
このときのことを思い出して抜いたんだ!
アスカちゃんの手の感触を思い出してやったんだ!
お前に僕とアスカちゃんのなにがわかる!

僕は何度も槍を光る壁に突き立てた

「お前にわかるもんか!!」
「アスカちゃんをいじめるな!!」
そう叫びながら

わずかに裂け目が出来た
ぼくはその裂け目に手を突っ込みこじ開けようとした

その時

やつが僕の心に触れてきた


光の壁の向こうに見える光景


やつが見せる光景


僕がトイレから戻る
アスカちゃんは眠っている

僕はベッドの上に立った
アスカちゃんを見下ろして見た

とてもいい気分だ

足でアスカちゃんを押してみた
疲れて熟睡しているアスカちゃんは目覚める気配はない

そのままアスカちゃんの胸を踏んでみた

アスカちゃんの顔が苦しげに歪む
僕の顔が楽しげに歪む

アスカちゃんが目覚める気配はない

安心した僕はアスカちゃんの顔を踏む

僕の顔は楽しげだ




「だからなんだ!!!!!!!」
“君も同じじゃないか…あの赤い獣と”
「お前になにがわかる!」
“わかるよ…あの赤い獣の同類なんでしょ?”
「…お前なんか絶対に綾波は受け入れない」
“なんで?私はアダムとリリスの…”
「お前のことなんか綾波は愛さない!お前みたいに人を受け入れない!人のために忍ことの出来ないやつなんか!綾波は絶対に!」
“獣のくせに”
「自分を見てみろ!お前は絶対に綾波に受け入れられなんかしないぞ!」
“獣のくせに”
「自分を見てみろ!」
“獣のくせに”
「いいか!この化け物!」


アスカちゃんをいじめるな!


僕は光る壁を引き裂いた


目の前には力なく立ち尽くす赤いエヴァンゲリオン

僕はアスカちゃんのエヴァを力いっぱい突き飛ばした
アスカちゃんにたかるたくさんの僕を振り払うために


たくさんの僕から解き放たれたアスカちゃんは脅えるようにあたりを見渡した

僕はアスカちゃんの手をとり引き寄せようとした

その時

アスカちゃんは僕を見て
僕が僕だってわかって
僕があいつの化けた僕じゃないってわかって

目を見開き

脅え

ふるえ


僕を拒絶した


アスカちゃんの心は僕に対する恐怖とおびえと…
絶望と後悔であふれてしまっていた


「さわるなぁ!」


アスカちゃんは僕を突き飛ばし後ずさる


僕に対するおびえと同じくらい持っていたあいつへの怒り

アスカちゃんはそれを晴らすために僕の手から槍を奪い
あいつを貫いた


かわいそうだとは思いはしない


ただ僕は
僕に脅えるアスカちゃんを
弱々しく傷ついたアスカちゃんを

どうすればいいか解らない

僕の脳は
僕の魂は

僕を受け入れてくれないアスカちゃんを理解できない




アスカちゃんと僕は別々に格納された

「よくやった…シンジ」

父さんがほめてくれた
でも嬉しくない

アスカちゃんが僕を拒んだ
その事が理解できなくて

いや
ちがう
怖いんだ

僕に脅えたアスカちゃんが

あの目が

怖いんだ


僕はシャワーを浴びた
一向に気分は晴れない

「いかないの?」

振り向くと

「あの人…ないてる」

綾波がいた

「碇君がいなくて泣いてる…」

「むりだよ…」
「どうして?」
「アスカちゃんが…僕のこと『さわるな』って…どうしていいかわかんないよ…」
「泣きながら待ってる…碇君が来るのを」
「無理だよ…だって、僕にいじめられて…僕のことが怖くなっちゃたんだ」

バシ!

綾波は濡れるのもかまわずシャワーブースに来ると、僕の頬を両手で力いっぱい挟みこんだ

「でもダメ!泣いてる!一人ぼっちで!」

綾波は僕を抱きしめた

アスカちゃんが泣く…
もう何年も見てない…
アスカちゃんはずっと泣かずに生きてきた
強い自分を僕に見せるために

僕のために

僕が

泣いてしまわないように


涙があふれてきた


「シンジ…おともだちがまってる」

綾波の声
かあさんのまねをして僕を奮い立たせようと

大丈夫

わかってたんだ

どんなにアスカちゃんに脅えられても
どんなに逃げ惑われても

もう一度笑って抱きしめてくれるまで

ずっとそばに!
何年でもそばに!

アスカちゃんが僕にしてくれたように
僕がアスカちゃんのそばに!


僕は綾波の手をとった

「ありがとうかあさん…でも、ちょっとまって…泣いてなんかいたらアスカちゃんに怒られちゃう…だから…ちょっとまって」

「碇君…」

綾波は僕を抱きしめてくれた
僕を胸に埋め

濡れたシャツ
一体どんなセンスなんだ
“平常心”
って書いてあるシャツ
綾波の濡れた胸が透けていた

「碇君…」

綾波は
嬉しく悲しく
僕の名を読んでいた

僕の中で決意が固まっていく

「碇君…」

僕は力いっぱい綾波を抱きしめた

「いってくる」
「うん」

綾波は
苦しそうに嬉しそうに返事をした

「いってらっしゃい…シンジはつよいこ」

僕は頷くとシャワーブースを出た
そこは
もう廊下で
僕は着替えていて
髪も乾いていた

振り向くと濡れたままの綾波

「いってらっしゃい」

いってきます


僕は赤い光を目指し駆け出した
僕の赤い天使は僕を求め泣いている
僕には聞こえる
僕を求める声が
シンジ!シンジ!シンジ!
泣き叫ぶ声が

僕はすぐに部屋にたどり着き
人を掻き分け

ドアの前に立った

りっちゃんやミサトさんが僕に声をかけている
でも耳を貸さない

僕には
僕のアスカちゃんには
僕が必要なんだ

たとえ今は拒絶されても

僕はドアを開けた

薄暗い部屋

赤い天使が見えた



何かが飛んできて僕にぶつかる
服が濡れる

「誰も入ってこないで!」

薄暗い部屋で
顔も上げず
うつむいたまま

僕が現れるのを
脅えながら
待ち続けていた

「アスカちゃん…」

自分が僕を傷つける
そんなふうに脅え
一人で泣こうとする
やさしい

「アスカちゃん」

僕のために自分が傷つこうとする

「アスカちゃん」


「いや…出て行って」
“たすけて…ゆるして”


アスカちゃんの思いが聞こえた
だから僕はアスカちゃんの下へ…

「僕はなんとも思ってない…」

アスカちゃんは首を振る

“おねがい…そばにきて”

僕はアスカちゃんの想いのままに
アスカちゃんの横に腰掛けた

「アスカちゃんが一生懸命がんばってるの、いちばん近くで見てきたんだ」

アスカちゃんは方をちじこめ
下を向いたまま
歯を食いしばった

“シンジ…さむいの…こころがいたいの”

「耳のことだって、アスカちゃんだけが悪いんじゃない」

僕はアスカちゃんの願いのままに抱きしめた
まだ自分を責めるアスカちゃんを
体をこわばらせて僕に強がって見せるアスカちゃんを
僕に頼り僕を傷つける事を恐れるアスカちゃんを

「この間の事も、僕もいけないんだ。アスカちゃん女の子なんだから、もっとアスカちゃんのこと考えて…あんな本、家に持って帰らなきゃ良かったんだ」

床にアスカちゃんからあふれたものがシミを作ってゆく
アスカちゃんのしゃくり上げる声
僕を傷付けないように必死に耐える
涙があふれないように顔を上げ
必死に壁を見つめる
歯を食いしばり
壁を見る
素敵な横顔

“がまんするから…ねえ…シンジ…わたしをゆるし”

僕は想いっきりアスカちゃんを抱きしめた
生渇きの髪に顔を埋めアスカちゃんの耳元で

「僕だって自分の弱さを優しさだって履き違えてた。だから、どんなに孤独がアスカちゃんを縛り付けても、どんなにアスカちゃんの心が傷だらけになっても… 僕はずっとアスカちゃんに一緒にいてほしい」



告白した



僕はどんなあなたでも愛していたい
一緒に居たいって

何度も何度も
アスカちゃんの心が

“ほんとに?”

って聞き返すたびに
何度でも答えた

そのたびに
アスカちゃんの泣き声は大きくなり
体から力が抜けてゆき
僕の胸をぬらした

“またぶつかもしれないよ?”
「ずっと一緒にいよう」

“またいじわるするかもしれないよ?”
「ずっと一緒にいよう」

“また…”
「ずっと一緒にいよう」

“ねえ”
『なに?』
“ずっといっしょにいよう”
“うまれかわってもいっしょにいよう”
“こころもからだもぜんぶ”

「一緒にいよう」

“うん”


僕の胸を濡らす涙は
いつの間にか
悲しみの色から
しあわせの暖かさに変わっていた


アスカちゃんは嬉しそうに僕を見る
僕の手を引き立ち上がり
まるで僕の中に飛び込むように抱きついた

とても気持ちよさそうに


少し落ち着いたアスカちゃんは
プラグスーツを脱ぎ髪をほどいた
まるで僕に見せ付けるように着替えると
僕のポケットに手を突っ込み
ぼくのお守りを取り出し
いたずらっぽく笑うと
髪を止めた


アスカちゃんは僕の手を引くと
「にぱっ」
って笑い
ドアを蹴破った

外にはたくさんの大人たち
ミサトさん
りっちゃん
伊吹さん
日向さんに
青葉さん
カエデさんに
アオイさん
サツキさん

みんな目をそらす

アスカちゃんはそんな大人たちを見渡し
大げさに息を吸い込んで

「どいたどいた!アスカ様とシンジのお通りよ!」

わざと大人たちの真ん中を突っ切る

僕の手を引いて


振り返り
おどろく大人たちに向かい

「あっかんべーだ!」

アスカちゃんは僕の手を引き、おかしそうに笑いながら駆け出した


電車で帰った

アスカちゃんは嬉しそうに僕の肩に頭を寄せる
僕も間抜けな顔で笑う

周りの誰も気にしてなんかいない
子供のおままごと
それぐらいにしか思ってない

それでかまわない

綾波

僕は正面の席に腰掛ける綾波に笑って見せた
綾波も笑ってくれた

もう一度アスカちゃんを見て
正面を見ると

誰もいなかった


綾波は月の様に素敵な光だ

誰にも気づかれず僕を照らしてくれる




家に帰ると
ご飯も食べずに
お風呂にも入らず

ただ…僕たちは話をした

アスカちゃんのにおいのこと

かあさんのにおいのこと

エヴァンゲリオンのにおいのこと

アスカちゃんは僕に
「シンジの一番になって見せる」
恥ずかしそうにそういった


短い沈黙の後
アスカちゃんは決心したように

「ねえシンジ」

「なに?」

「もう『アスカちゃん』は嫌…」

「どうして?」

「だって『アスカちゃん』はシンジをたくさん傷つけた」

「気にしないよ」

「だめ…」

苦しくなるほど強く抱きしめられた

なんて呼ぶか僕は悩まなかった
理由はわからない
まるで今までもそう呼んでたみたいに
自然だった


「アスカって呼ぶ」



僕はアスカにたくさん話をした

アスカもたくさん話をしてくれた


そして
アスカが


「ねえシンジ」
「なに?」
「わたしのお願いきいて」
「いいよ」




「シンジとひとつになりたい」




アスカは歯を食いしばり
声を上げ
僕は
体を動かす事を忘れ
僕に貫かれた痛みに喘ぐアスカを見つめていた

血は出なかった
あんなのはお話の中だけなのかな


アスカは僕の胸の中で髪をいじりながら
「ねぇシンジ…あのね…わたし…シンジに毎晩…してほしい」
恥ずかしそうに

ぼくが
「なんで?」
ってやさしく聞くと

「シンジがね…私の事見てるの…ずっと…きれいな目で…それでね…その目の中に私がいるの…私ね…とても幸せそうだったの」

僕は約束した
その代わりアスカは想いっきり声を出してほしい
我慢しないでほしい
そういうと
顔を真っ赤にして
約束してくれた





空腹で目が覚めた

アスカは気持ちよさそうに眠っている

シーツには僕とアスカの汚した痕
これを見た後のアスカの顔が見たいな
真っ赤になるのかな

夕べ
眠る前
気がつくと僕の胸の中でアスカは、荒い息使いになっていた
なんだろうと思ってアスカの顔を覗くと
アスカは涙をいっぱいためて僕に告白した

「私もするの…オナニーするの…ごめんなさい…見せるから…」

アスカは可愛くウソをついた
すぐにわかる
いつも僕と一緒にいて
僕といないときはエヴァの訓練で
一日が50時間あっても足りないような生活をしてて

何でこんなウソをつくか…
わかってる
アスカのこころは傷だらけ
その傷が疼いただけ

僕はアスカの腕を取り
素敵に潤ったアスカにもう一度、僕を

アスカは約束通り我慢はせず
大きな声を出し
僕のことを見つめ
微笑んだ

ただ
ちょっと我慢をしなさ過ぎて
シーツを汚しちゃったけど

僕たちはそのまま眠りに落ちた
とても素敵な気分だった


僕はトースターにパンを突っんだ

部屋を覗くとアスカが起きていて
真っ赤な顔をしていた
僕がのぞいている事に気付くと
急いでシーツのシミを隠していた

僕は気付いてない振りをして
「トースト食べる?」




クラスの皆は僕たちの変化にすぐに気がついた
アスカがいくら
「もう中二なんだから『チャン』付けはやめてもらったの!」
っていっても
はいはいって顔で笑うだけ

そりゃそうさ
ねえアスカ

今までは君が僕のもとにきていた
今は僕が君のもとにいく

これで十分
だからみんな何も言わない

今も、ほら
僕が帰ってくるのを待ってる
もう…子供みたいに委員長と二人でしゃがんで本読んで
パンツ見えてるよ?

あれ?委員長顔が真っ赤だ?

「どうしたの?」

「なんでもない!」
ふーん

アスカは笑顔で僕が手を差し伸べるのを待っている
もちろん
いわれなくても

「かえろ、アスカ」

「うん!」

アスカの手のひらは
あったかい



下校中
アスカが僕に聞いてきた
「ねえシンジ」
「なに?」
「私のこと好き?」
「うん」
「…そっか」

アスカは少し悲しげだった

「どうしたの?」
「私ね、シンジとずっと一緒でシンジが私のことずっと好きだって言ってくれて、それが当たり前で…」
「うん」
「いつもシンジと一緒で…周りは大人ばっかりで…友達もいなくて」

僕はやさしく手を握り締めた

「でも僕がいた」
「うん…あのね」
「なに?」
「わたし…自分がシンジのことが好きかどうかわからないの」

別におどろかない
だってアスカは

「人を好きになったことなんかなくて…それでもシンジはそばにいて…」
「うん」
「でもね」
「うん」
「もし私の胸にあるこの気持ちが『シンジのことが好き』って気持ちなら…それなら絶対に…誰にも負けない…私が世界で一番シンジのことが好き」
「うん」


アスカは僕の手を握り返してきた
とてもあったかい


家について
ねっころがっておやつを食べようとしたら
アスカが寄り添ってきた
「ねえ」
「なに?」
「私のこときらい?」
「ううん」
「いっぱいいじめていっぱい痛いこともした」
「うん」
「私のこときらい?」
「ううん」
「本当はわたし…シンジが私のこときらいでもいいの」
「なんで?」
「私は誰にも負けない…絶対に負けない…シンジの一番になるんだもん…シンジが私のことが一番だって言ってくれるまで…絶対負けない」
「一番だよ」
「うん」

アスカは嬉しそうに僕に寄り添った
一番になるんだって何回もつぶやきながら


アスカのこころは傷だらけで
その傷がどんなに疼いても
僕はそれでもかまわない
だって僕のアスカで
僕はアスカのシンジだから


「ただいま!ねえ!そこであってね!」
帰ってきたりっちゃん
後ろには綾波
「お土産もらったのよ!すごいでしょう!レイちゃんの実家からですって!」
袋いっぱいのりんご
りっちゃんは嬉しそう

綾波は両手でりんごのヘタを持って僕たちに
「はい」
渡してくれた

僕はりんごを眺め、においをかいだ

ドイツの香りがした

「ありがとう」

綾波は嬉しそうに笑ってくれた

アスカはりんごをかじりながら、意地悪い顔で綾波に
「綾波さんは2番だからね」

僕は笑い出した
笑いが止まらない
りっちゃんと綾波はポカーンとしてる
アスカは勝ち誇ったように綾波を見てる

それを見るだけで楽しくてしょうがない
やっぱりアスカは僕のアスカだ!



僕はアスカの手を握った


アスカは僕の一番だ




メール受信

本文
なんていえばいいのかしら
おめでとうかしら
おばさん喜んでるのよ
もちろんそうに決まってる
だってそうじゃない
シンジとアスカが結ばれるのは当たり前のことですもの
きっと神様も祝福してくださいます
ねえシンジ
アスカの事好き?
好き?
大好き?
もしそうならずっとそのままの気持ちを忘れないでいてあげて
そうすればアスカはきっとシンジの一番になってくれるわ
今はまだわからないかもしれないけど
自分の一番の人と添い遂げるのは素晴らしい事なのよ
そうすれば宝石のような人生がおくれるわ

そうだ
今日、町のマーケットで日本から来た人にあったの
りんごをたくさんかって
たくさん買うのねって話しかけてみたら
お土産にするって言ってたわ
ちょうどシンジやアスカと同い年くらいかしら
上手なドイツ語だったわ
トキヨ3に住んでるって言っていたから案外近くの方かもね
どこで人って繋がっているかわからないわ
もしかしたらシンジやアスカのお友達かもね!
もしそうだったらよろしく言っておいてね
それじゃあ
やさしいシンジ
それにアスカ
おやすみなさい


フォークリフトさんから「やさしいシンジ」1、2話をいただきました。
いよいよ完結に向かっていますね。

ヒカリとももにょもにょあったり、使徒との戦いで二人の仲がどうなるのかとかありましたが、なんだか綾波さんの隠れた後押しもあってうまくいったようです ね。

素敵なお話を書いてくださったフォークリフトさんへの感想を、アドレスforklift2355@gmail.comどうぞー!

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