今日はこの間の…
その…
おばさん的にはぼくがおねえちゃんに襲われた事になってて…
その…
碇家と惣流家の今後の事を話し合う…

はずだったんだけど


ぼくたちは今

なぜかカラオケボックスにいます





もうママったら
私がシンジの手握ろうとしただけで私の手をひっぱたいて

いいじゃない!?

責任取るって!
ほんとにもう!

それにしても…





とおさんもかあさんもさっきから歌いっぱなし
とおさんなんかさっきから“マリオネット”だとか“オンリーユー”だとか
昔の歌ばっかり
ボウイでしょう?
一応知ってる

確か矢沢永吉のいたバンドだよね





あぁ…もうママッたら
おじさまからマイク奪い取って
アンルイスなんか歌っちゃって
年ばれるわよ?

しかし居心地悪いわ





とうさんたちとおばさんは散々飲んで歌って
歌の合間にぼくとおねえちゃんが怒られて

とにかく一体なんだったんだろう?

うん…
でも…
ぼくも困ってるんだ…

だってさぁ
目をつぶると
あの時のおねえちゃんがまぶたに映って…
夜もろくに寝れないし

おねえちゃんの顔もなんだかちゃんと見れない





歌の合間に決まったのは
1.わたしはとりあえずシンジが大人になるまで我慢する
2.でも、とりあえずこれからもおじさまとおばさまが不在の際はシンジの面倒はうちで見る
3.こうなった以上シンジがそれなりの年になったら入籍する

二番目と三番目は異存なし

まぁ…一番目

守る気なんてさらさらございませぇん


それより…
あの日からシンジがおかしいのよね…
わたしと目が合うと視線をそらしたり…
触れようとすると“ビクッ!”ってしたり…

きっとあれね…

まぁ中学生だしね…

じゃあアレよ

アレって何かって?

ショック療法よ!





とほほ
何でぼく、こんなところで貧弱な体晒さなきゃいけないの?




せっかくの冬休みだから友達とプールに行くことにしたの
室内だから南国気分!





おねえちゃんの命令って、いっつもぼくに用意された答えは

“はい”か“イエス”

そんなわけでぼくはおねえちゃんに連れられてプールへ

おねえちゃんの友達も来るって言ってて
まぁ聞かなくても解る
洞木さんと霧島さん
二人ともきれいなお姉さんなんだよね

まぁおねえちゃんほどじゃない…と、ぼくは思うけど

とにかく、二人のお姉さんは、まぶたの裏の光景消すのにちょうど良いかなって思って着いていったんだ

そしたら




まぁ、私は知ってたんだけど
ヒカリもマナも彼氏連れてきたのよね
だからわたしもシンジつれてきたんだけど

シンジってば何ですねてるのかしら?





はぁ…

霧島さんはムサシさん、ハーフでかっこいいし背も高い

洞木さんはトウジさん、運動神経抜群なんだって

で…おねえちゃん…客観的に見るとすごいんだ
金髪で青い目ですらっとしてて背も高くて
実は英語なんか喋れないんだけど…まぁ黙ってたら絶対わからない

それに
ぼくは…
おねえちゃんが世界一美人だと思う…

あ!“ぼくは”だよ!?
今のところって意味だからね!?

ま、まぁ…とにかく何で…
はぁ…
帰りたい…

どう見ても不釣合いじゃないか…
ぼくとおねえちゃんじゃ…

「ほれ」
「え?」
「コーラでええか?」
「あ…どうも」

トウジ…さんだ
なんだろう?
僕の事じろじろ見て…

「ほほぉ、なるほどな」
「あの…」
「おぉ!かんにん!しかし驚いたわ」
「なにがですか?」
「いやぁ〜惣流のやつがいっつも“かわいい”だの“ダーリン”だのって自慢しとるからな」
「へ?」
「“へ?”じゃないで、君の事や、せんせ」

おねえちゃんが?
ぼくの事?
自慢?

「惣流ってあれやろ、性格はともかく見た目がええやろ。そやから学校でもしょっちゅう男にちょっかい出されとるんや」
「はぁ」

まあそうだよね
綺麗だもんね
おねえちゃん

「ところが、どんなボンボンや色男に声かけられようがまったく相手にせん。いっつも君がいるからって言い寄ってくる男をはなで笑ってるんやで」
「…おねえちゃんが…ですか」
「そや、じぶんうらやましいなぁ」
「え?」
「そやろが?惣流べた惚れやで、君に」

ぼくに?





人がちょっと目を離したら!

「こら!鈴原!」

思いっきり蹴り飛ばしてやった!

「なんや!いきなり蹴りくれるやつがあるか!」
「どうしたのアスカ!?」

ヒカリまですっ飛んできて
ほんとにこの人間のクズは!

「シンジのこといじめようとしてたでしょう!」
「はぁ!?何でわしが中坊いびらにゃいかんのじゃ!」
「なに言ってんのよこのトラキチ!シンジがものすごく困った顔してるの見えたわよ!」
「なんじゃ!このショタコン!」
「ショタで結構!ははぁん、あんたわたしにふられたの根に持ってんでしょう!」





おねえちゃんと鈴原さんの喧嘩だったはずなんだけど
いつの間にか鈴原さんと洞木さんの喧嘩になっちゃった

ぼくも何回も
「おねえちゃんの勘違いだよ、話してただけだよ」
って言ったんだけど

「ごめんね、怖かったでしょう?もう大丈夫だからね」
って言って

心配してくれるのはいいんだけど
うん
ほんとに心配そうなおねえちゃんの顔見てると…

あれ?

いつのまにかおねえちゃんの顔
見れるようになってる…

あれ?

手も…

なんだろう?
ちょっと嬉しいのは何でだろう?





「アスカ嬉しそうね」

脅えるシンジの手を握ってあげてたの
そしたらマナにそんなこと言われて
だから

「うらやましい?」
って言いながらシンジのこと抱きしめちゃた





えぇぇぇぇぇぇえ!
人前だよ!
おねえちゃん!皆見てるって!

…はずかしぃ

けど

なんだろう?
この、ちょっと気持ちがいい感じ

優越感?





ヒカリは先に帰っちゃった
鈴原はヒカリを追いかけて

そんなわけでわたしたちは4人でプールを満喫して、ちょっと遅めの昼食

「シンジ、お寿司食べたいんでしょう?」

流れるプールから這い出るように上がってきたシンジは不思議そうにうなづきながら

「え?うん…べつに何でも良いけど?」

よしよし

「じゃあ回転寿司いこう」

「え?うん…でもぼくあんまりお金ないよ?」

あぁ、そんなこと?

「おばさまからシンジの分、無駄遣いしないように言われて私が渡されてきたから平気よ、それにおねえちゃんバイトしてるでしょ」





とほほ
親にすら信用されてないんだ…ぼく…

いいなぁ…大学生はアルバイトできて
コンビニのレジに立ってるだけでお金もらえるんだもんなぁ

あ、でも、昔おねえちゃんがシャレで受けたメイド喫茶…
「あんなとこいたら腐って死んじゃうわ!」
って言いながら2時間くらいで帰ってきたんだよね

何があったのかいまだに教えてくれないし

あれ?
霧島さん帰っちゃうの?





ふふん
マナの彼氏が鮨・刺身の類がまったくダメなのよね
おほほほほほ!
ごめんあそばせ

もちろん知っててやったのよ

だってママとおじさまおばさまに
「シンジと二人っきりでデート」
なんていったら絶対にダメって言われるに決まってるじゃない

頭と人脈のフル活用!
付き合ってくれたヒカリとマナに感謝!

ついでに何も知らずに散々な目にあってくれた鈴原とムサシ君にもね!





プールを出て回転寿司へ
結局、お姉ちゃんと二人っきり

まぁいいっか

それにしても
なんだかものすごく子ども扱いするんだよね
ぼくの事

「わさび抜きじゃなくて良いの?」
とか
「ほら、玉子きたわよ」
とか

ほんとにもう子供じゃないんだけどなぁ






あらまぁ
無理しちゃって
食べたいもの食べれば良いのに

マグロやホタテなんか食べちゃって
ちょっと前までエビとか玉子とか…あぁ…誰が食べるの?って想うようなミートボールとかハンバーグとかが乗っかったやつ、喜んで食べてたのに…

やっぱり大人ぶりたいのかな?

ふふふ

私の前だからよけい大人ぶりたいのかな






おなかいっぱい食べて
お会計が済んで

「ちょっと休んでから帰りましょう」

って言うからお茶でもするのかと思ったら…

いや…
確かに

“御休憩”

って書いてあるけど…
これって…






「だいじょーぶだって!入るだけ!ね!」
シンジの手をひいてズンズン中へ

適当に部屋を選んでエレベーターに乗り込んで

おどおどを通り越して挙動不審になっちゃったシンジを抱きしめちゃう
そんで耳元で

「だいじょうぶ、こわくないよ?」

シンジってば顔真っ赤にしてうなづいちゃって

きゃわいぃ!





もうどうしちゃったの!?
ぼく!?
“想ってたより部屋の中狭いんだなぁ”
とか
“なんでお風呂丸見えなんだろう”
とか、そんなことばっかり考えちゃって…

現実逃避!?

おねえちゃんと一緒に丸見えのお風呂に入って

「まだ緊張する?」
とか聞かれちゃって
返事できないでいると
おねえちゃん笑って


いまこうやって二人でベッドの中にいるのももうよくわかんない!





かわいい…
だいすき…
だいすきよ
おもらしくん






あうぅぅぅ…
おねえちゃんがぼくの〔ピー〕に、いっぱい…口で〔ピー〕な事してる

「じゃあシンジ…今日はシンジが上になって…」

あばばばば…

おねえちゃんがぼくの〔ピー〕をそぉっと握って
もう片方の手をぼくのおしりに添えて…
片足だけぼくの足にからませて…

おねえちゃんにガイドされてぼくの〔ピー〕が…

「ほら…はいった…後はシンジのすきにしていいよ」

は…はい!






だいすき
だいすきよシンジ
そんな顔も
戸惑ったところも
ぜんぶすき…
あぁ…






は…はずかしい…
その…
あの…
せっかくおねえちゃんが一回口でしてくれたのに…

えっと…

おわって…

しまった…







あぁ…シンジ…すてきよ
かわいい…
困らないで…
抱きしめてあげる






おねえちゃんは余裕綽々で
ぼくのこと抱きしめてきて…



「ねえ…おねえちゃん?」

「なに?」

うぅ…すごい顔…
そんな目で見られたら…
溶けちゃうよ!

「すきにして…いい?」

くす

あ…笑われた

「いいよ」







かわいい
シンジ…わたしの裸見つめて…
覚悟はとっくの昔に決めてたのに
はずかしい

あ…ばか…

もう…







ぼくもおねえちゃんみたいなこと…
してみたくて…
おねえちゃんの〔ピー〕を口で…
そしたらすぐにおねえちゃんにひっぱりあげられて

「そんなことしなくていいの」






背伸びしちゃって…

ほら…もう…
「おっぱい…だいすきでしょう?」

かわいい
きもちい
だいすきよシンジ







おっぱい…すきだけど…

やっぱりへたくそなんだろうなぁ…

ぼく…

まだ二回目だし…

女の人の〔ピー〕に何かするのなんか初めてだし…

「ごめんね、おねえちゃん」
「ん?」
「その…ほかの…男の人みたいに出来なくて…」

え?
あれ?

いたたたたたた!
ほっぺ!
ちぎれちゃう!







なに言うのよ!
この口は!

ゆるせない!

「そんなこともう一回言ってみなさい!」
「え!?」

パン!






なななな…なんで思いっ切りつねられてはたかれたの!?

それにすっごく怖い顔…

「いい…シンジ」

は…はい…








怒りと悔しさで頭がいっぱい!
何でわからないの!?

「おねえちゃんはシンジがいいの…わかる?他の男なんて知らないの!」
「え?」
「“え?”じゃないわよ…いい?」
「うん」
「おねえちゃん、シンジが10年間ずっと約束守っておねえちゃんのこと好きでいてくれたからがんばったのよ」
「う…うん」
「おねえちゃん…エッチな本たくさん買って、色々勉強して」
「う…ん」
「わたしの体触ったことあるやつなんか痴漢とシンジだけなのよ!?」
「うん」
「おねえちゃん、シンジに気付かれないように、シンジが寝てる横でシンジの寝顔みて何回も一人でしてるのよ!もう何年も!」
「うん…ごめん」
「ごめんじゃない!」
「ごめんね…だから」
「なによ!」

「もう先に寝ないから…だから」

「なによ!」

「…泣かないで」








思いっ切り抱きしめられちゃった
苦しいくらい

「なまいき」

なんて言われながら






優しいシンジ…
だいすきよ
だいすき

馬鹿でマヌケでおっちょこちょいで
デリカシーなんかこれっぽちもなくて…

やさしくてかわいくて…

だいすき

そうだ…

「ねえシンジ」







おねえちゃん溶けちゃいそうな瞳に戻って
「おねえちゃんのおっぱいちゅーちゅーして…ちっちゃい頃みたいに」
って
だからぼく…
言われたとおり
おっぱいすって

「だいすきだったの…シンジにおっぱい吸われるの…きもちい…ほら…」

おねえちゃんに誘われて…
おねえちゃんのあそこさわったら…
おねえちゃんビックリするような声出して…
それであそこはすごくなってて…

「すきにして…おねえちゃんのこと…すきになって」





あぁ…シンジが…わたしのこと…

だいすきよ…

シンジ…






随分疲れる休憩が終わって
こんなに遅くなっちゃって…

とりあえずとうさんとかあさんは明日の朝帰りだから良いけど…






玄関開けたらママッたら
「一体こんな時間まで何してたの!」
って怒鳴ってきて

だから正直に
「シンジと愛し合ってた」
って答えたら





あぁ…家の娘は…
あぁ…なんて自分に正直なの!

「もうどうでも良いわ…上がって晩御飯にしましょう…」

あぁ…わたしの娘は
あぁ…なんでこうも屈託なく笑ってるの!

「シンジ君…」






「ごめんなさいね」
そういわれた次の瞬間にはおばさんに抱きしめられてて

それをみたおねえちゃんは
意地の悪そうな笑顔で中指立てて見せて

それに気付かないおばさんは
「今日の事はお父さんとお母さんには内緒にしてちょうだいね…おばさんが責任持ってシンジ君のことアスカに責任取らすから」






「当然!」
何わかりきったこと言ってんの!
わたしの10年に及ぶ大恋愛を甘く見ないでほしいわね!

そうよ!
シンジのオネショは神様がさせたのよ!

わたしに人生の伴侶がこの子だって、教えるためにね!

ショタコン!?
上等よ!

しっかしこのおばはん…
いいかげんシンジから離れなさいよ

もう!

「ママ!」

「なに、この不良娘」

「おなかすいた!ね、シンジ!」






なぜだか愛想笑いを浮かべるぼくの事を
惣流家の二人は嬉しそうに見つめていた

もちろん僕はまだ気付いていない



今までの10年よりもはるかに困難でしあわせな日々が、この先、待ち受けていること



フォークリフトさんからアスカ姐様シリーズの4作目です。

ぜひフォークリフトさんへの感想をアドレスforklift2355@gmail.comまでお願いします。

次回はバレンタイン編の公開予定です〜。

寄贈インデックスにもどる

烏賊のホウムにもどる