居候は甘い夢を紡ぐ
第六話(最終回)

『決戦!試験会場』   こめどころ







試験会場には一種異様な雰囲気が立ちこめていた。


「来た」「あっちでもこっちでも邪魔しやがって」「神よ守りたまえ」

「来たぞ・・・」「爆発事件のW大とうとう今年度は受験中止だってさ」

「あいつらだ・・・」「邪魔はさせないわよ」「色ボケカップル」

「当てられちまってラブレター出しまくって振られまくって情況最悪だぜ」

「俺の人生かかってるんだからな・・・」「大人しくしててくれ!」

「いざと言う時は刺し違えてでも・・・」「鼻栓と耳栓はと・・・」


ギラギラとした、目、目、目。

睨み付けるような視線、視線、視線。


「な、なによこれ・・・」


あのアスカがおびえている。物凄いプレッシャーがじんじんと身体を刺す。しかし2
人はこの期に及んでまだ自分達のやって来た事に気付いていない。実はこの2人、こ
のお話の中に出て来た大学爆破戦場化事件の他にも色々とやらかして来ているのだ。


まずは東京W大学壊滅事件。詳しくは前々回を参照。

次に東京R大学では後ろの受験生が誤って筆箱を落とした音に反応した潜入ボディガー
ドが発砲。その発砲に連鎖して周囲のボディガードも発砲。煙幕と機関銃の音が轟く
中、すわアスカ様とシンジ様を狙うラングレー財閥軍かと過剰反応した大学構内潜伏
中の大型ボディアーマー30台が2人のいる会場にむかって他の研究棟の壁を突き破っ
て突入。大学を大混乱に陥しいれた為、またしても試験は中止された。

国立T大学においては、開門を待つ間にキスを始めた2人は人前も憚らず次第にエス
カレート。もうこんなんじゃ試験にならないわ、受験前にさっぱりさせようと乗って
来た大型リムジンに戻ってあろう事かコトに及びはじめたのだ!100%スモークガラ
スであっても、その嬌声は・・・・。悪い事にどうやら防音シールドが壊れて逆に
拡声装置がONの状態になっていたらしい。


「あっ、そ、そこぉん。あはあ。そんなとこ舐めちゃいやん」

「あ、アスカ」


「ああううっ。いやあん。もっと、シンジ、そこいい・・・の。いやぁん」

「あ、アスカ」


「ひん! いくいっちゃうっ、来て!来てシンジ来て!あ、ああああっ」

「あ、アスカ」

「あああっ、子宮が締まるウッ」(赤ん坊はどうなったんだよ。)


ぐらぐら揺れる車体のリズムと共に、その場にいた千人からの受験生を悶絶させるの
に十分なアスカの『美しい』声が四方に響き渡り、大変な効果をもたらしたのであっ
た。次々門前に詰め掛けてくる受験生がばたばたと悶絶し倒れていく。「203高地」
もかくやと思わせる程の屍累々のありさま。辺りは血の海。生臭い匂いも立ち篭める。
その場でふと目があった受験生同士が、ポッと頬を染めあって受験票を投げ捨て、近
くのホテルへ駆け込んでいく姿も見られたのであった。次の年、同大学には学生用家
族寮が建設された。なまじ此所の受験生が真面目な秀才タイプが多く免疫が極端にな
かったせいもあり、大学の係官が門を開けた時には受験生の約60%が倒れており多数
の救急車が、ひっきりなしに附属病院との間を往復している状態であった。早朝から
開場を待つような、高学力の真面目な受験生があらかたダウンしてしまってはどうし
ようもない。今年の受験回答を採点していた事情を知らない教官達は、発狂しそうに
なった。

「なんでいきなり今年はこんなに受験生レベルが落ちているんだ!」「遂に受験生か
らこの大学が見放される日がきたのかっ」「受験欠席率が61%とは・・・。絶望的
ですな」「そりゃあ、国内TOPとか言っても世界大学ランキングで100位にも入っ
てないんだけどさ・・・」「だから俺は早く大学改革をと言っていたんだそれをあ
んたが」「なにおっ!若いやつにでかい顔させたくないとか言ってたのはあんただ
ろっ!」「このやろっ。このこのこのこのこの。このこのこの」「あ、なぐったね。
こうだっ。えいえいえいえいえいえいえい」「やめなさいよあんたら。あっ、け、
蹴ったな。親にも叩かれた事無いのに」「それがどうした、俺はこいつに天誅を下
してやるんだッ」「わああもうこうなったら。親に叩かれた事もないやつがまとも
に育つかっ」「セ、センセイがたやめてくださいっ」「きゃー!」

どてぽきぐしゃ。ガシャーーン!窓ガラスが砕けて椅子が窓から飛び出した。大学教
授が車夫馬丁以下の罵り合い掴み合い悪口雑言の嵐が吹き捲くった。


他にもK大学誤爆事件とか(受験答案ごと大学が粉々になった。)TH大学神隠し事件と
か。(大学自体が消えちゃってた。)T工業大学受験生1人も無し事件とか。<地下
鉄爆破、鉄橋破壊、道路に撒かれたガソリンが燃え、空中散布された催涙弾、撒き菱、
組織的デモ行進、煙幕、際めつけに牛の大群の大暴走。機動隊と暴走族の大乱闘。煙
幕の向うから現れたのはゴジラのテーマソングを大音量で轟き渡しながらの200台を
越える戦車部隊の突撃、多連装ミサイルの連続射出。<登校のあらゆる手段が破壊さ
れた。


「ゲホ。ゲホゴホハゴ」「こんな所に穴が、身体にも風穴が」「んが」「血、
血が。これは何だ。お、お、お、俺の臓物か?」「げほげほげほ」「それは私の腕
です。返して下さい」「いまならまだくっつくかもしれん」「右足2本抱え込ん
でどうするんです」「あんたのはそりゃ女の子の足だ」「誰か俺の下半身を見な
かったか?」

まあ、そんなこんなで2人はまだ何処の滑り止めすらもうかってはいなかった。しか
しそれは彼らと同じような受験コースを組み立てていた受験生とて同じ事だったので
あるから気の毒とは到底言えない。(ちなみに国立T大学においては、シンジとアス
カが受験の事を思い出した時には試験がとうの昔に終了していたのだ。)

そんなこんなで2人は指定の大講堂で受験位置を探した。いつものように2人の受験
番号は並んでいる。いつもの事だが並んだ席がとれる迄受験票を何通も出すのだ。今
回は220通出した。なんとなく空席が多いように感ずるのはそのせいか?ところが。


「あれ?なによこれえええっ。ひどおおおいっ!」


アスカの番号とシンジの番号は確かに続いているのだが大講堂の端と端だったのであ
る。あ−確かにありますねこういう事。彼女とコンサートにいこうなどと思った時は
座席表もよく確認しましょうね。特に座席がブロック分けされていない会場は危険で
すよ。


「シンジイィィィィィィィィィ〜ッ!」

「ア〜〜〜スカァァァァァァァァッ!」


涙ながらに手を振り合いながら端と端にわかれていく2人であった。いいかげんにし
ろよお前ら(ピク)作者もいいかげん腹立ってくるくらいだから会場の受験生達の怒
りはいかばかりであったであろうか。煮えたぎるような凄まじいおどろ線が会場の空
間に渦巻いている。結構寒い日だったにもかかわらず会場は怒りの熱気が渦巻いて暑
いくらいであった。しかし彼らは相次ぐ不幸な情況を乗り越えて今日この日迄受験意
欲を保ち続けてきた、言わばプロの受験生。五万日修行を終えた山伏のような風格す
ら身にまとった猛者達である。


「がまんがまん。我慢だぞおオ、自分!」

「心を乱したら負けだ、色即是空、色即是空、色即是空、・・・」

「セルフ・コントロール、セルフ・コントロール、セルフ・コントロール」


耳栓を用意していた受験生は栓をした後に練り消しゴムを耳に詰め込んでいる。手に
した数珠の粒を1個1個数え続けている者。さすがである。それでも広い会場の中で
2人は大声で呼び掛け合い続けている。


「いやいや、それでも離れているだけでもありがたいことだ」

「なまんだぶ、なまんだぶ」

「心頭滅却すれば火も亦涼し。渇ッ」


頭を剃って、僧衣迄身に付けた受験生がそう気合いを切った時である。前に試験官が
進みでて試験の開始をつげた。ホッと安心する受験生達。


「開始!」


一斉に答案用紙がひっくり返された。

巨大な、葛城フィナンシャルグループの総本山、ミサトビジネスクリエイトコーポレ
イテッド本社ビル最上階。この豪奢な部屋で深々と社長の椅子に座り、ちらりとミサ
トは腕時計を見る。


「始った頃ね。いよいよ第一志望校ね。頑張ってアスカ、シンちゃん」


遥か向うに大きなビルの影が見える国際大学連合日本校。そこに2人はいた。1科目
が終了。全ての試験は英語とフランス語ドイツ語など7カ国語で行われ試験時間は1
科目120分で2日間に渡って世界中で行われる。シンジはすぐに立ち上がってアスカ
の方を見遣った。アスカはじっと座席に座ったまま俯いている。調子がでなかったの
だろうか。まさかアスカに限って。すぐにシンジは大切な彼女の所へ飛んでいく。


「アスカ、どうしたの。調子がでなかった?」


ハッとしたようにシンジの顔を見る。その輝くような額が汗ばんでいる。


「え? ああなんでもないのよ。ちょっと考え込んでいただけ」

「そう。それならいいんだけどさ。何か飲むかい」

「ううん、いいのよ。それより次の英語、あんたが一番苦手な科目でしょ。最後まで
問題集見てなさいよ。最後に見てた単語が出るって事は十分あり得るんだからね」

「あ、ああそうだね。じゃあ僕いくよ」


しんと静まり返った試験時間の空気はいつもと違ってさらさらとながれ過ぎていく。
いつもよりずっと流れが早い。Oral Englishの時間が始った。美しいクイーンズイン
グリッシュが耳に心地よい。だがシンジは気が気でない。元気なアスカがたった今し
かめつらをして何かに耐えている。組んだ腕におでこを押し付けて奥歯をかみしめて
いる。いったいどうしたんだろう。


「く、くうう」


細いうめきごえがアスカの唇からこぼれる。ガタン。椅子を思わず引いて立ち上がり
そうになるシンジ。その肩を試験官が押さえる。


「君、途中退出するのかね」

「え、いいえ。でも、彼女が」

「分かった。君はそのまま試験に集中しなさい」


再び着席するが心配で全く試験は上の空になりそうだ。試験官はそのままアスカの所
に。


「きみ、大丈夫か。腹痛か?」

「あ、赤ちゃんが・・・。うまれ、ちゃいそう」

「えっ、じ、陣痛か!?」


エエエエーーーーッ! と会場全体に驚きの声が上がる。あたりまえだわな。監督が
助手を呼び寄せる。助手は青くなって医務室に飛んでいく。更に試験監督官がアスカ
に尋ねる。


「どうする、棄権するか?」

「冗談じゃないわよ。ちゃんと最後迄やるわっ」


程なく医務室から医者と保健婦が駆け付けて来た。アスカの方もいよいよ切羽詰まっ
て来た。大分長い事我慢していたらしい。しかし、精神科の医者では役に立たない。
しかも医師免許取りたての若い医師だ。彼は急いで附属病院の産婦人科に走っていっ
た。好判断と言えるだろう。保健婦は部屋に使えるものがないかどうか探しに戻る。
彼女も若く、実戦経験は皆無だった。


「もしもし。こちら試験会場です。アスカ様が突然産気づかれました」

「き、きみ。携帯の持ち込みは禁止だっ」

「あ、はい。私ただいまを持って棄権致しますからお構いなく。あ、いえこっちの事
です。試験官がうるさいので。とにかくレスキューの派遣を要請致します」


もう一方の講堂の片隅でも衛星携帯電話で報告している女性が。止めさせようとする
試験官を蹴飛ばしながらの通信である。こっちはラングレーの手の者らしい。


「緊急事態です。お嬢様が、お嬢様が産気づかれました。真っ青になって、いえ、試
験は続けられるようです。至急医師団を送って下さい!」


アスカの周囲で監督官が懇願している。


「き、きみ。もう破水してるじゃないか、このままじゃ無理だ。棄権したまえ!」

「いやよっ。何のために今日まで頑張って来たと思ってるのよ。みんなシンジと
2人で暮らすためよ。こんなとこで挫折なんかして堪るもんですかっ。
こんなの一次破水ですらないわよ。出産と二次破水はまだ先だから大丈夫っ!」


激しく言い合いながらも、アスカはとうとう答案を書き上げてしまった。まだ開始か
ら20分と立っていない。恐るべき集中力と学力である。

携帯連絡から五分。ラングレー財団と、葛城フィナンシャルグループの武装医師団が
次々と上空に到着、数百の降下兵団をぶちまけた。澄み切った早春の空に咲く純白の
パラシュート。さすがに今回は実弾を使わない。アスカに万一の事があっては元も子
もないからだ。


「ラングレーの黒豚ども!こちらは葛城フィナンシャル強行制圧医師団である。夫婦
の間を割く、血も涙もないやり方を神も悪魔も許しはしないぞっ。とっとと武装を解
除して我等の軍門に下れ。命だけは許してやるぞ!」

「葛城フィナンシャルの酒飲み猿ども、貴様らこそさっさと撤退しろ。アスカお嬢様
を傷物にした挙げ句、お父上の元から連れ去るとは神や悪魔がが許してもわれらラン
グレー家装甲武装医師団がそれを許さぬ!成り上がりのブス社長と山へ帰れ!」


巨大な拡声器を使って互いに罵りあいながら降下して来るのでやかましい事この上な
い。屋上や構内に着地した衛生兵と医師たちはパラシュートを次々と切り離して中央
試験会場に殺到した。その正門を守るのはこんな事もあろうかと待機していた連合大
学戦略研究学部の教官、OB、学生達。試験会場で出産ときいて駆け付けた、連合大学
医学部、附属病院の教授や講師、学生の面々だ。なにしろ医師と言っても国連軍所属
の軍医や国境のない医師団として、世界中の紛争地域を駆け回る連中とその卵達であ
る。武器も使えれば度胸も座っている。


「一歩も引くな、中の患者を守れ!」

「ここはおれたちの縄張りだ、こんな連中に荒らされて黙っていられるか!」


壮絶な攻防が繰り広げられ、試験会場には三竦みのまま誰も入って来ない。そのまま
6時間が経過した。恐るべき精神力と体力をもって、アスカは試験会場内で次々と科
目をこなしていた。例によって化学も僅か30分で書き終えたアスカは手を上げて監督
教官をよび、退出許可を貰う。絶対に棄権しないと言うアスカの不屈の精神はもはや
周囲の学生や試験官達に尊敬の念を抱かせるようなレベルに達していた。陣痛の間隔
がますます短くなってくる。試験会場内に潜り込んでいたラングレー、葛城の両陣営
の監視員だけがアスカにずっと付き添っている。会場脇の廊下に長椅子をくっつけて
応急ベッドとして少しでもアスカを休ませようとしているのだ。陣痛の間隔はもは
や15分間隔になっていた。トイレに向かったアスカは産道から白い紐のような半透明
のものがはみ出て着ているのに気付いた。お腹は相変わらずしこって堅いまま。いつ
最後の陣痛が襲って来るか分からない。


「こ、これって羊膜よね・・・。まずいな。もうここまでなの?シンジ・・・」


アスカは目を瞑って祈った。


「お願い赤ちゃん。あと少しだけママに力を貸して。広い所に早く出たくなっちゃっ
たのよね。後ほんの少しでいいの」


ゆっくりとお腹を摩ると、幾らかお腹が柔らかくなったような気がする。やっとの思
いで外に出たアスカを2人の監視員が抱きかかえる。


「あ、アスカ様、真っ青ですよ。もう限界なのではありませんか?」

「連絡してから何時間待たせるんだ。ただの1人も医者が来ないなんて」


先ほど決死の覚悟で正門ホールに出てみたが猛烈な射撃戦が続いていてとても医師達
が動けるような状態ではなかった。今回不正侵入者を防ぐためと各大学で起きたよう
な妨害行動を防ぐために裏門などは全てコンクリートで固めてしまった。それが完全
に裏目に出た形だ。そこに、やっと答案を出したシンジが駆け付けて来た。


「シ、シンジ」


青白い顔でアスカがシンジを呼び寄せた。


「私、あきらめたくない。でも、もう羊膜が出て来ちゃってるの。多分次の試験時間
中には2次破水が始っちゃう。そうしたら、もう産むしかないわ。次の科目は最後だ
し、あんたの得意な物理。できる限り早く終らせて赤ちゃんをあなたが取り上げて」

「エエッ。だ、だって、僕そんな事。アスカ、棄権して9月の試験を受け直そうよ」

「あんたそれでも男?いいわよ、私1人でも産んでみせるから!そのかわり絶対結婚
なんかしてあげないからね〜っ!予定日より大分早いし赤ちゃんに何かあったら一生
恨むからねっ」


この脅し文句に一体どのような男が逆らえよう。まこと女は弱し、されど母は強し。


「アスカは普段だって強いよっ!」


・・・そうでしたね。


「それから貴女達、万一に備えてお湯をいっぱい湧かしておいて欲しいの。この学校
は、国際会議も良く開かれるから新しいシーツや何かがあると思う。清潔な布を一杯
集めて欲しいの。多分あと少しで生まれて来ちゃう。万一の場合は自分で産むわっ」

「アスカ様・・・」


潜入連絡員の2人はがたがたと震えている。


「女の子がこんなことでおろおろしてどうするのっ。さあ、準備を頼むわよっ」

「は、はいっ」


きりきり舞いをして諜報員の2人は泣きべそ顔で走っていった。最後の物理の試験が
始った。シンジは難問をものともせずに、猛然と設問を解いていく。彼の人生でこれ
程何かに必死で取り組んだことは初めてだった。アスカも素晴らしいスピードで答案
用紙を埋めていく。あらかた書き終わったところで、ジリジリとお腹が堅くなって来
たのを感じる。


「もう少し、もう少しだけ待ってね・・・。私の赤ちゃん、ママを助けて」


懸命にゆっくりと呼吸をし、身体の力を抜く。ゆっくりと、ゆっくりと、緊張してい
る全身の筋肉の強ばりを解いていく。お腹の引っ付れたような痛みが引いていく。


「ありがとう、赤ちゃん。もう終るからそうしたら生まれて来てもいいからね」


呟きながらアスカは残りの問題を解きはじめた。聡明そうな額に汗が光る。苦しい息
を我慢してペンを走らせるアスカの様子は、崇高ですらあった。


「おわった。終ったわ」


手を上げ、試験監督官が「良く頑張ったな、君」と、肩に手をおいた。そのとたん、
きりきりッとお腹が堅くなって、暖かいものが下半身から溢れたのがわかった。


「ああ・・・・。生まれる」


驚異的なスピードで試験を終らせたシンジと、シーツを山ほど抱えた潜入連絡員が駆
け寄る。シンジがアスカを抱え上げた。

「君ッ、ここでこのまま産むのか?」

「もう、しかたありません、ぼくがとりあげます!」

「お湯ッ持って来ました。つい立て、保健管他からいっぱい持って来ましたっ」

「よしッ手伝うぞ。廊下から机を搬入しろ。監督は構わん、こっちの作業を優先だ!」


会場はわっと総立ちになった。試験総監督がマイクを握った。


「受験生諸君。いよいよ出産が始る。諸君らには悪いが優先すべき自体が起った。こ
れからこの場で出産が始る。不正行為はないものと信じて、我々はこの事態に対応し
たいと思う」


会場の受験生達は一斉に拍手でそれに答えた。


「爆破されないだけでも今までよりはずっといいっすよおっ!」

「頑張って、素敵な赤ちゃんを産んで下さいっ!」


声援が飛び、どっと笑いが起きた。そして暖かい拍手がそれに続いた。


「皆、迷惑ばかりかけたのに!ありがとう」

「気にするなって。あんた達が一番大変だっていうのはわかってるんだ」


シンジはあっちに向け、こっちを向きして皆に御礼を言った。
試験監督は頷くと、きびきびと指揮をとった。


「よおし!それでは皆は試験を続けてくれ。終了したものはそのまま待機。山田君と
吉川君はロビーに待機。戦闘を続けている馬鹿どもがなだれ込んで来ないように見張っ
ていてくれ。手の空いたものは後方の出入り口にバリゲードを作るんだ。興奮したま
まの兵がなだれ込んでくれば不測の事態が起きないとも限らん」


「アスカ、大丈夫かい」

「いててて。いきめるようになっただけでも大分増しね。この半年間むちゃくちゃ勉
強しておいてよかったわ」

「アスカ、それは僕だって君と一緒の学校に行きたいから必死で」

「馬鹿ね、赤ちゃんと出産の勉強の話よ。あうっ、つつつ。2分間隔くらいになった
わね。そろそろ出て来るわよ、赤ちゃん。あう、ううう。あああっ」


脂汗を流しながら急に苦しみはじめるアスカ。連絡員の2人は携帯電話にかじりつきっ
ぱなし。


「医者、まだですか。アスカ様はいよいよ出産に入られます!すぐに馬鹿な争いをや
めて、医師をまわしてください」

「手遅れになってからでは遅いんですよ。え?こっちへ向かう。それは助かりますけ
ど、もっと早く来て頂きたかったですね」



「ちょほいとごめんよお」


つい立てで仕切られた中に、横合いから何処かのおばあちゃんが割り込んで来た。


「やれやれ、まさかこんなとこで赤ん坊取り上げる事になるとはね」

「あなたは?」


試験監督が尋ねる。


「受験番号032589の婆さんじゃよ。当年とって99歳じゃ。。医学部に入ってもう少
し勉強しようと思っての。助産婦の経験があるから何かの役には立つだろうよ」


さすがにほっとした空気が皆の顔に浮ぶ。おばあさんはパンパンと手を拍す。


「さぁさ!みんなぁ、自分の事は自分でやれ!助産婦ってのは最後のとこだけ助ける
んだ。読んで字のごとし。旦那の他の男衆は外へ。こりゃまた可愛い奥さんだね。
だが、産むのはあんただぞ。誰も助けてはやれん。わかるな」

「ハイッ、シンジ、立派な赤ちゃん、産んであげるからねっ!」

「よおし!その意気だっ!あんちゃん、保健管理室からアルコールとガーゼもかっぱ
らってこいッ」

「はいっ」


試験が終って心配そうに覗き込んでいたどこかの男の子がすっとんでいく。


「回り、風が来ないようにびっしりつい立て起てろ。あんた旦那か。服脱がすっ」

「あううう、ああああっ」

「ほれ、始ってるぞ。早く、鋏で皆切っちまえばいいんだ。もたもたすんなっ!」


99歳とは思えない張りのある声。曲がっていた腰が何時の間にかまっすぐ伸びてい
る。シンジはおろおろと、アスカのジャンパースカートや下着を切り開いて剥がす。


「思ったより早いな。さあ、思いっきりいきむんじゃ、陣痛のリズムにあわせて
思いっ切り息んで、赤ん坊を産め!」

「ああああっ、きゃああああ〜〜っ」

シンジは、アスカの枕元に立って手を握る。その手を引き付けるようにしてアスカが
再び息む。


「くううううう〜〜〜〜っ、ああああああ〜〜〜〜っつうううっ」

「ようし、良い、いきみじゃあ!初めてにしちゃアいい根性じゃっ。もういちどっ!」

「ぎいいいっ!あくうううううっ、ううううううっっ!」


アスカの顔が真っ赤になる、シンジの腕に爪が食い込み血が流れている。もの凄い力
だ。華奢なアスカの、どこにこんな力が隠れていたのだろう。長い時間が過ぎたよう
な気がした。全ての受験生が輪を描いて臨時の産屋となったつい立ての方を見ながら、
座り、一緒になって無事な出産を祈っていた。


「頭が見えて来たぞっ、もう少しだっ」

「き、きいいいうううううううっ、破けちゃいそうッ!いたああああいい」

「今さら何、言っとるっ!一番痛かったとこはもう過ぎとるわっ!」

「はぁはぁ。ほ、ほんとに?」

「さあ、もう一息だ、ほりゃああああ、がんばれっ」

「シンジッ、シンジッ。シンジイイイイイイイイイッ!」


アスカの顔が再び真っ赤になる。分娩台の上は悪露が溢れ、血まみれの状態である。
外で、アスカの息む声をきいていた女学生が何人か倒れ、男どもでも真っ青になって
いるものが大勢いた。それほどに、出産の迫力が伝わって来たのだ。


「お湯っ、でてるなっ。いいかっ」


婆さんが汗だくで叫ぶ。


「はいっ」

「でてきた、いいぞ、もうちょっとじゃ。安心しろ絶対に裂けさせたりはせんよ」

「頑張れアスカッ!」

「はああああっ、あう、あああああっ、ぎいいいいいっ!」

「シーツ、もってこいっ!」

「きいいいっ、あくうううっ」

「よっしゃあああ、抜けたぞっ。あんちゃん早くこっちへ来いっ!


婆さんによばれたシンジが、足元に転がり込む。


「さあ、ここをつかめ、しっかり持って、さあ、ちょっと回しながら受け取れよ」


つかんだ血まみれの固まりがびくびくッと震えた。


「これが、赤ちゃんですか?」

「そうだあ、あんたらの子供じゃあ」


余りにも、イメージと違い過ぎるので戸惑っているシンジだったが言われた通り持ち
替えた途端に、赤ん坊は派手な泣き声を上げた。 猫の子みたいな声だった。ずしん
とシンジの背中にとてつもない衝撃が走り抜けた。生まれた!アスカが産んでくれた!


「あんにゃ、にゃ、あんぎゃーっ!にゃーっ!」


その泣き声は見る見る大きくなった。会場にどよめきが広がる。激しい拍手が湧き上
がる。総立ちになってつい立ての周囲を皆が取り巻いていく。
シンジは子供を高く掲げた。


「生まれたぞーーーッ、僕とアスカの子供だああッ!」


思い切り大きな声で叫んだ。アスカは子供と夫の姿をその叫びを、激しく息を弾ませ
ながら見た。青い瞳に見る見るうちに涙がさらに溢れた。先ほどまでの痛みの為の涙
ではない、喜びの涙。思わず言葉が口を付いて出た。


「うまれ・・・た。生まれ・・・たのね」


その傍らで抱き合って喜ぶ連絡員の2人。


「アスカ様やりましたね!」「よかったっ!よかったああっ!」


「やったーっ!」「おめでとうっ!」「よくがんばった!」


どの顔も、さんざん受験の妨害をされた事を忘れて、喜びに輝いて、いつまでも拍手
を続けている。両陣営の連絡員が早速連絡を入れている。


「アスカ様、ただいま御出産されましたっ」

「自力で出産されました。医者ア?そんなもん来やしませんでしたよ」



「アスカっ、やったよっ!僕らの子供だよっ!」


ワイシャツが血まみれになるのも構わず、シンジは泣きながら赤ちゃんに頬擦りをく
りかえした。アスカが、顔中をまだらにして、泣き笑いしている。


「さあ、かせ」


婆さんは、子供を受け取るとお湯で洗いはじめた。見る見るうちに綺麗になっていく。
へその緒が糸で締め上げられて切られた。赤ちゃんの泣き声が試験会場に響き渡る。
皆が幸せに顔を輝かせている所で、ついに戦闘の決着が付いたのか、試験会場の後方
扉がばんばんと開いた。バリゲードが、一気に突き崩される。飛び交ったゴム弾で、
立っている者はぼろぼろである。その中をラングレー氏とミサトが、階段講堂の広い
階段を必死になって駆け降りて来る。


「アスカああああああっ。アスカ。アスカあぁぁぁぁぁっ!」


ラングレー氏の絶叫が講堂に響いた。シンジがアスカに耳打ちする。


「お、おじさんが来たよ。アスカ」

「いいのよッ。パパなんかずっと私達の事妨害して酷い目にあわせて。あんたを殺す
とまで、公言してたのよ。絶対会ってあげないんだから!」


今度はアスカが完全にへそを曲げている。こういうとこがそっくりで、やっぱり親娘。


「皆、その人を通すなっ」


誰かが叫んだ。この派手な事態がラングレー財閥の親子喧嘩である事は、マスコミな
どの報道を一切押さえていたにもかかわらず、インターネットなどによってもはや公
然の秘密と化していたのだった。通路を受験生達が塞いで、ラングレー氏を通そうと
しない。


「何だおまえらは、儂をラングレー財閥総帥アクドネル・フォン・ラングレーと知っ
ての妨害か。いざとなったらお前ら全員この会場にいた人間を調べ上げ、一生どこに
行っても働けないようにしてやる事もできるんだぞ!」


此の期におよんでまだそんな事を喚き散らしているラングレー氏を、受験生達は哀れ
そうに見ている。


「あんたも、不器用な人だな、オッさん」

「お、おっさんだあ?ぶ、無礼なっ」


その、サングラスをかけた名も知らぬ歳のいった受験生は、生意気に葉巻きを取り出
して火を付けた。


「あんた、娘が可愛くて仕方がないんだろ」

「あっ、あんな不良娘っ、もう娘とはおもっとらんわ」

「そうじゃない。俺はあんたの理想に共鳴してこの8年間、あんたの下で働いていた
人間だ。お互い、もう顔を見ても分からないかも知れないがな。理解を求める前に
己の信じた道を突き進んじまう。そりゃア、あんたの悪い癖だ」


その男は、ヤニで少し色のついた歯をみせて、にやりとわらった。


「お前、何者だ」

「あんたのガードをチベットでやっていた男だ。あんた言ってたな、世界中から経済
の力で、貧困と飢えを無くしてみせると。病気と争いを消してみせると。そのために
親友は死に、娘や妻とも会えないが、心から愛していると。そのために娘に明日香と
名付けたのだと。あんたはいつもシガーケースに娘の写真を入れていたっけな」

「そ、そんな事を知っているとは貴様はもしかすると・・・。生きていたのか」

「ああ、なんとかな。あんたが地元に莫大な金を寄付して俺の保護を頼んでくれたお
かげでな。リハビリに2年、御礼奉公に軍事指導をして6年。昨年やっと日本に帰り
着いた」

「そうか、生きていたのか。借りが残っている貴様の言葉だ。しょうがないな」


溜息を付いて、ラングレーはつい立ての向うに声をかけた。


「赤ん坊まで生まれてしまっては仕方がない。お前達の事は認めてやるから、どこへ
でも好きな所へ行くがいい」


ラングレー財閥の総帥はそう言い残してくるりと後ろを向いて出ていこうとした。
その途端、会場中に、パアンッ!と、派手な音がなり響いた。
葛城フィナンシャル社長が、サングラスの男を、いや、その恋人をひっぱたいた音で
あった。


「加持っ!あんた加持ねっ。こんなとこで何油売ってンのよっ!」

「か、葛城か。お前こそ随分貫禄つけて、学校の先生やってるんじゃなかったのか」

「いろいろ事情があって、その頑固オヤジの娘の面倒見てるうちに金持ちになっちゃっ
たのよ。一応学校にも籍はおいてあるけどさァ」

「そうか、お前も苦労したな」


ギリギリッとミサトの歯がなった。周囲の人間は阿鼻叫喚の地獄絵図を予想した。
ミサトは手を振り上げた。その瞬間加持は大声で言った。


「ミサト。俺の命。今度こそ俺と結婚してくれるよな」



ミサトの振り上げた手が止まった



「長い事待たせちまったが、お前以外の女はいらん。世界と引き換えにしてもお前が
ほしい。頼む。俺と一緒に暮らしてくれないか。・・・愛してるんだ」



ミサトの顔は真っ赤に染まっていた。これだけの人数の前で告白をされたのだ。


「ば、ばかねっ。私・・・わたし・・・」


耐えきれなくなった涙がバラバラと床に落ちた。しんと静まった会場にミサトの声が
響いた。細い、微かな声だったが底にいた全ての人の心に届くような声だった。



「待ってたんだからね。8年間、ずっとずっと待ってたんだからね。馬鹿・・・」

「ただいま・・・・」



加持が歩み寄るとミサトはその頭を抱き寄せた。


「おかえり、おかえりなさい・・・・」


誰かが小さく拍手をした。誰かがそれにあわせた。さざ波のように拍手が広がり、
そのまま、割れるような拍手になった。2人は抱きしめあったまま動かなかった。
ラングレー総帥も、全身をネルの大きな布に包まれたアスカも半身を起こして拍手を
していた。シンジも、自分達の子供を抱いたまま拍手をしていた。
何時の間にか後ろに立っていたラングレーの妻が、夫のの背中を推した。


「ほら、あなたも勇気を出して、アスカに言うのよ。愛してるって」


ラングレー総帥はアスカの所までまっすぐに歩み寄った。そして、最愛の娘のあごに
指をかけて上を向かせた。


「良く、無事に赤ん坊を産んだな。さすがは私の娘だ。よくやったな」


アスカの瞳から水晶のようなきらめきが零れた。父の背広に顔をうめる。


「パパ。大好きなパパ。ごめんなさい」


父親の背広は昔しがみついて遊んだ頃と同じ匂いがした。


「私のアスカ、愛しているよ。済まなかったな」

「パパ・・・!」



「私も、君らの子供を抱かせてもらってもいいかな。シンジ君」

「勿論です。おじさん」

「呼び方が違うだろう」


ラングレー氏は、凄みのある笑い顔を頬に浮かべた。


「これからは、お父さん、と呼ぶんだ」








 さてそれから世の中は平穏に戻っていった。アスカは居候をしていたミサト先生の
部屋が気に入ってしまって、そこをそのままシンジとの新居に選んだ。
ミサトがアスカの為にと思って買い込んでいたベビーベッドやベビーたんすや産着が
そのまますぐに役にたった。

加持は大学で勉強をしながらラングレー氏の現場での裁断や、指揮を実地に学んでい
る。ゆくゆくは、現在の葛城ファイナンスを引き継いで夫婦で共同経営する事が目標
だと言う。

主人に逆らってアスカを守り続けた家伯と諜報部は再びラングレー家に復帰できた。
だが、ミサトの飲みっぷりを慕って、葛城ファイナンスに転属した者も多かったと
いう。


アスカとシンジは、赤ん坊を変わりばんこに背負って毎日大学に通っている。
大体において日常は平穏であり、赤ん坊もキャンパスの人気者である。
受験会場で出産をしたという伝説にあやかり、この大学の附属病院は、世界中から
押し寄せる妊産婦で、毎日てんてこまいだ。近く、出産専門の特別病棟が建てられる
ことが決まったらしい。



「ほうら、高い高〜〜い!」

「きゃはははははっ」

「このこって本当に高い高いが好きねえ。生まれた時にしてもらったせいかしら」

「そういえば、ミサト先生もおめでたなんだって?」

「うん、このあいだ、味覚が変わって美味しいカレーが作れるようになったとか
言ってたわよ」

「なんかこわいな、まだ。でも、結局ミサト先生のうちを居候のままのっとちゃった
みたいで、悪くてさ」


クスクスと2人は笑った。


「ねえ、シンジ。わたしさ、居候してた時に、色々な夢を見たのよ」


アスカは赤ちゃんを抱きかかえて、目を細めて微笑んだ。陽光に煙る細い金髪と産毛
が、柔らかにアスカを縁取っている。


「あなたとの事が認められて、家族の祝福を受けて、可愛い赤ちゃんを抱えて学校に
通うの。3人でベンチに座って、ミルクをやりながらサンドイッチを食べて、ミサト
先生の恋人も帰って来て、みんなで、幸せに笑っているの」


横を向くと、シンジもまた目を細め、肯きながら話をきいている。


「甘い、甘い夢だったわ。それが全部適ったなんて、本当に私は幸せだわ。
でもね」


シンジがじっと見つめている。
その目は、アスカが何を言おうとしているか、理解している目だった。


「あなたの、お父さまも、お母さまもやっていた事を私もしようと思うの。1人では
人間は幸せじゃないの。周りの人からできる所からでいい。他の人も幸せになれるよ
うに、そうすると私達ももっと幸せになれるの」


赤ん坊が手を盛んに伸ばす。母親や、父親の指をしっかりつかもうとする。


「あの試験会場で、私はたまたま一緒になった人達のおかげで幸せになれた。ただそ
こに、居合わせたと言うだけの人が、私の為にあんなに声援を送ってくれた。だから
私は幸せになれたんだと思う。だから・・・」


「そうだね、アスカ。本当にそうだ。僕らは、力をもっと人の為に使わなくちゃいけ
ないね。人は1人で生きていけない。自分が死んでも他人の為に何かしたいと思う。
それは、1人で生きられない弱い生き物の為にそういう崇高な精神を神様が与えてく
れたんだ。犠牲を、犠牲と感じないで、喜んで人の為になれる力。それが人間の一番
強い力。牙よりも爪よりもね」


「甘い夢かも知れないけど、ずっと紡いでゆきたい夢なの。そしてこの子にもそれを
継いでもらいたいの。だって、この子は私とあなたの子供なんだもの」


2人は、赤ん坊をまた覗き込んだ。赤ん坊は両親の指を片一方ずつ握って、満足そう
に、きゃっきゃっ、と声を立てて笑った。










居候は甘い夢を紡ぐ6(最終回)
30-12-2001.komedokoro



あとがき

長い事おつき合い頂きました「居候は甘い夢を紡ぐ」今回で読み切りとなりました。
感想をお送り頂いた皆さん、ありがとうございました。
ここから先の3人の幸せをあなたも願っていただければ幸いです。

こめどころ



 こめどころさんから『居候は甘い夢を紡ぐ』第六話をいただきました。

 甘いかも知れない‥‥でも人と人との絆は、目に見えないけど確実に存在するってことでしょうか。

 これから辛いこともあるかもしれないけど、この二人なら乗り切っていけますよねっ。‥‥このことに疑問をはさむ人はLAS人じゃありません(笑)

 素晴らしいお話でよかったですね。ぜひ、こめどころさんに感想メールをお願いします〜。

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