「我、今、大地の精に願い奉る
我が血と引き替えに地の底に這う獣魔を蘇らせたまえ!
碇シンジの名において命ず!
出でよ!土爪ぉぉおおお!!!」
ボコンっ!
僕の命令に応じ、地に付いた僕の左手の前方に三つの穴が突然出現する。
ギャギャギャギャギャギャっ!!!
すさまじい音を立ててその三本の穴は地面を引き裂きながら、突進していく。
キシャァアアアアア!!!
僕の獣魔術・・・下等獣魔の『土爪』・・・三本爪を持つ透明な獣魔によってズタズタに切り裂かれる妖魔の断末魔の叫び。
青い血が吹き出て辺り一面に降り注ぐが地面に付いた途端蒸発するかのように消え去る。
と同時に妖魔の亡骸も溶けるかのように消え去っていった・・・。
人とは相容れない存在・・・妖怪・・・と言えど同情を禁じえない。
・・・何故なら僕も同類だからだ・・・。
そう僕は人間じゃない。
『无』と呼ばれる妖怪・・・不老不死・・・不死身の存在・・・と言えばカッコイイが要はゾンビだった・・・。
「遅いぞ!馬鹿者っ!」
バカンっ!
盛大な音と共に僕の後頭部をグーで叩いたのは・・・僕のご主人様だ。
って僕は認めてないんだけどね。
ほら・・・妖怪分類上?僕はこの乱暴な妖怪のしもべに当たるんだそうで仕方ないね。
「・・・雑魚相手に何時まで時間をかけているのじゃ・・・」
ちなみに僕の姿はもうボロボロ。
この口の悪いご主人様を庇って、右手は無い、お腹から腸が出ているってな状況。
人間だったら死んでるよ?
『无』で良かったと思える瞬間だね・・・とは言っても痛覚その他は人間だった頃と同じくあるからとっても苦しいんだ。
だからとっても痛いし、全部ご主人様を庇って出来た傷だもん、ちょっとは口答えしたくなる。
「無茶言うなよ・・・三只眼・・・」
と言った所で後悔する僕・・・だってとっても怖い顔で睨んでんだよご主人様・・・。
妖怪分類学上?『三只眼吽羅』と呼ばれる人の姿に限りなく近くそして美しく・・・不老不死の術を使う・・・額に第三の目を持つ種族なんだ。
その第三の眼が僕をギロリと睨む。
うぅ・・・凄い迫力・・・この『気』だけで200人は殺せるな・・・って僕は死なないけど・・・。
とりあえず謝っておこう。
「・・・ゴメン・・・」
あんまり機嫌が悪くなかったのか、『術』も使わず踵落しもコブラツイストもやくざキックも無しで許してくれた・・・みたい・・・。
くるりと回って僕に背を向けた『三只眼』
遅れて回る『三只眼』のとっても美しい赤い髪・・・滑らかでしなやかで腰まで届く髪・・・。
そうなのだ『三只眼』はとっても美しい・・・つい見とれてしまうぐらいに・・・。
「なんじゃ?じっと見つめて・・・儂に気があるのかぇ?」
と悪戯っぽい表情で振り返った『三只眼』。
ほんっと意地悪。
でも雪のように白い肌がほんのり赤みがさしているのは照れてるの?・・・って思うのは僕の思い過ごしかな・・・。
でもやっぱり『三只眼』は綺麗だなぁ〜。
情熱的な真っ赤な髪、透き通りそうな白い肌、神秘的なブルーアイ、ほんのりピンク色をした形の良い唇、その口より速い手、その速い手よりもっと速い足技・・・ってアレ?
「まったく・・・ガキが色気付きをって・・・儂が寝てる間に悪戯するでないぞ・・・」
『三只眼』のすっごく偉そうな口調・・・。
やっぱり三百余歳ともなると、こんな胡散臭い喋りになるんだろうね。
「煩いっ!儂はまだ十四歳じゃ!!!」
はいはい・・・三百と飛んで十四歳でしょ・・・世紀末に解散した某ロックバンドと同じネタだよ、それ・・・ってアレ?なんで『三只眼』が答えてんの?
「お前が口に出して喋ってるからに決まっておろう・・・愚か者めっ!」
ドカーンっ!!!
もの凄い爆発と共に吹き飛ばされる僕。
『三只眼』が誇る最強の光術が僕に炸裂した。
妖魔と戦ってる時「この程度の敵に使うのは勿体無い」とか言って全然使ってくれなかった力・・・結局僕相手に使うのね・・・。
・・・こうして『力』を使い果たした『三只眼』はひとときの眠りについた・・・。
新世紀 エヴァアイズ
NEXT GENESIS EVA EYE’S
Presented by ハマチュウ
散々続いた戦いも終わり、自宅(新宿のマンションだ!)に帰宅、そしてようやく体の再生が終わった僕。
将来は芸人になろうと思う・・・だって光術の突っ込みを受けれる人間・・・って妖怪だけど・・・はそうは居ないよね?
ま・・・いいや・・・。
眠りについた『三只眼』
・・・一応名前を『惣流・アスカ・ラングレー』って言う。
それを何故『三只眼』って名前で呼んだかと言うと・・・彼女二重人格なんだ。
正確には二重人格型の三只眼吽迦羅『パールバーディー』白竜天に舞う時に生まれる最強の三只眼なんだそうだ。
額に第三の眼が開いてる時が『三只眼』・・・さっき見たよね?あの性格最悪の時をそう呼んでいる。
そして額の眼が閉じて居る時・・・ホント人間と変わり無い姿だよ・・・この時を『アスカ』って呼んでいるんだ。
でも今は第三の眼どころか両の目も閉じて眠っている。
う〜ん・・・綺麗だ・・・美しい・・・可愛い・・・。
リビングに横たわる美少女・・・ちょっとグラマーな胸が僅かに上下し可愛らしい寝息がその形の良い唇から聞こえる。
うぅ・・・毎度の事ながら理性が飛びそう・・・。
襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・襲っちゃ駄目だ・・・
と唱えながら僕はアスカの唇に吸い込まれるように近付いていった・・・。
もう少しで唇が触れる・・・と思った瞬間パチリとアスカの両の目が開いた。
「イヤァーッ!!!エッチっ!馬鹿っ!痴漢っ!変態っ!信じらンないっ!」
とてつもない大声と共に再起動する弐号機・・・じゃなくて『アスカ』。
2重人格のもう一人、二つ眼の時の性格『アスカ』が目を覚ました。
驚いて飛びのいた僕。
ガツンっ!!!
ぷぎゅるぅっ!!!
鈍い音の後に蛙が潰れるような音。
脊髄反射とも言える凄いスピードで僕の後頭部をグーで叩いたアスカ・・・。
「寝込みを襲うなって何回言わすのよっ!!!シンジっ!!!」
って朦朧とする僕の意識に問い掛けてくるアスカ。
これからヤクザキック&ストンピング&インディアンデストロックの三連コンボぐらいくるかなって思ってたら少し・・しおらしい声が聞こえてきた。
「・・・まぁ・・・反省してるみたいね・・・五体投地までするなんて・・・」
あの〜アスカさん?僕『五体投地』してるんじゃなくて、ノックダウンしてるんですけど?
「全くっ!寝込みばっかり襲うんだから・・・普段は誘惑してもなびかないくせに・・・寝転んで無いと駄目なのかしら?・・・イヤっ!そんな変態な性癖イヤだわっ・・でもシンジが求めるなら・・・きゃ〜アタシッたら何言ってンのかしら・・キャーキャーキャーっ!!!」
あ〜あ、何やらぶつぶつ言いながら暴走しちゃった。
『无』の驚異的な回復力で意識を取り戻した僕は、逃げるようにリビングを後にした。
「シンジィーっ!!!お風呂はやく沸かしてね〜あと晩御飯も急ぐのよぉ〜!!!」
って暖かい声援を貰いつつ・・・
うぅっ・・・『三只眼』の護衛者たる『无』・・・命を共にする存在・・・『三只眼』が死せば『无』も死す・・・そんな関係のはずなのに・・・
どっちかって言うと命を共にするって言うより生活を共にする・・・って言うか生活に寄生されてる気がするんだけど気のせいかな?
それと「二重人格」の筈なのにどっちも乱暴で横柄な同じ性格に見えるのは、これも又、僕の気のせいなのだろうか?
カチャカチャカチャ・・・磁器が耳障りな音を立てる。
すっかり遅くなった夕食。
はぐはぐと猛烈な勢いで皿に盛ってある料理を片付けていくアスカ・・・。
って思ってたら第三の目が開いてる。
「ふぅ〜まあまあじゃな・・・貴様は『无』としては落第じゃが、料理人としては合格じゃな・・・」
マタマタ出てきた『三只眼』・・・素直に僕の料理を食べたいって言えばカワイイのに、いつもこーゆー偉そうな口調。
大体食事時を狙ってアスカから『三只眼』になるんだもん、魂胆バレバレだよ。
「なんじゃ?シンジ?言いたい事でもあるのかえ?」
相変わらず偉そうで勝ち誇った顔の『三只眼』。
こーゆー時はちょっとばかり反撃したくなる。
「うん・・・『三只眼』ってご飯食べる時の幸せそうな顔・・・とってもかわいいね」
ぷしゅーっ!!!
って音を立てて真っ赤になる『三只眼』、以外にウブなんだ。
「なっなっなっなっなっなっ・・・何を言うのじゃシンジっ!からかうでないっ!」
ふふふ、顔真っ赤で3つの眼が泳いでアタフタしながら言っても迫力無いよ。
だからこの際だから追撃しておこう。
「からかってなんかないよ・・・ホントに食べちゃいたいぐらいかわいいってば」
ぼむっ!
あ〜あ・・・湯気まで上がっちゃってる。
俯いて照れちゃって、ほんっと・・・カワイイね。
って思ってたら顔を上げた『三只眼』。
三つの目がとろ〜んと潤んでとっても色気がある・・・ってこの展開はっ!?
「・・・シンジ・・・時間がすこしばかり早いが・・・まぁ良い・・・食べさせてやる・・・」
あれ?もしかして・・・?
僕の胸の中に飛び込んできたアスカの体・・・でも今『三只眼』だよね?
食べさせてやるって?
「・・・じゃが1つ・・・お願いがあるのじゃ・・・
昨日のように・・・8回もシタら壊れてしまう・・・」
はい?・・・僕は4回しかシテないんですけど?
「なんじゃ?儂がシンジに烏賊されてるとでも言うのか!?」
だって事実でしょ?
「上等じゃ!決着つけようではないか!?」
ハイハイ・・・その流れはもう一回やったネタだし、前作と同じオチはどうかと思う・・・。
「なんじゃその前作と言うのは?」
あ、すいません、こっちの話し。
「・・・ふんっ・・・今夜は寝かぬぞっ・・・シンジ・・・」
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・・・そして夜はふけ・・・
「シーンジっ!!!も〜1回しよっ♪」
「え〜駄目だって言いながらもう8回シタじゃないか・・・」
「ぶーっ!!それは『三只眼』とでしょ?今度はア・タ・シっ!!!」
と元気良くのたまう『アスカ』。
初めての時なんか顔真っ赤にして恥ずかしがって目も開けてられなかったのに・・・女って・・・随分変わるもんだね。
ま・・・いいか・・・僕『无』だもん、無限の回復力はこういうときに妙に便利だと感じる今日この頃なのでした。
ってこれが予想どおりのオチだって言うアナタ、もうずいぶんと汚れてますよ。
突然終わるっ!
「ちょっち待ったぁーっ!ワタシの出番はどうなってるのよっ!!!」
と左手にえびちゅ、右手に拳銃を持ち振りまわす赤いジャケットがトレードマークの妙齢の女性。
香港『妖撃社』の『李 鈴鈴役』:葛城ミサト。
「まぁ葛城、無粋なことは言わずに今晩一杯どうだ?」
不精ひげで長髪を後にくくった、くたびれたスーツの男。
霊能者『スティーブ・龍』役:加持リョウジ。
「今度こそシンジを私のものにするんだからねっ!!!」
元気一杯、ショートカットが愛らしい少女。
スティーブ・龍の妹『龍 美星』役:霧島マナ。
「なんで私がこんな役に・・・」
ぶつくさ文句を言う金髪黒眉、相変わらず白衣の女性。
香港『妖撃社』オーナー『黄』にて、妖怪『迅鬼』役:赤木リツコ。
「ふふふっ・・・シンジ君・・・行為に値するよ・・・」
嬉しそうに怪しい笑みをたたえる銀髪の少年。
『鬼眼王』の護衛者たる最強の『无』ベナレス役:渚カオル
「サルは嫌い・・・碇君・・・私と1つに・・・」
何故かシンジを求める蒼銀の髪と赤い瞳を持つ少女。
これまた何故かパールバーディー『アスカ』を毛嫌いする『鬼眼王』役:綾波レイ
「ふっ・・・問題無いっ・・・」
シンジの実の親にして保護者、着物を着た恐ろしい形相のオカマ。
ゲイバー『カルチャーショック』の『ママ』新宮寺君江役:碇ゲンドウ・・・
この物語が始まることは・・・絶対に無い!(爆)
こんばんわ、ハマチュウです。
配役を考えて遊んでたら・・・こーゆーのが出来ました。
よってオチが・・・(笑)
アニメの関係上『パイ』は綾波レイさんにしようかと思ったんですが、それじゃLASにならないし〜←どーやらこのSS、LASのつもりらしい(笑)
二重人格の二つをレイとアスカに分割したら・・・わけわかんないし。
とゆー事でアスカ様オンリーです。
ちなみにサザンアイズ、僕が中学校に通ってた頃に始まった物語・・・必死になって読んだものでした。
香港を舞台にする非常にリアリティの高い妖怪もの、まじのめり込みましたね〜。
ハマチュウさんからちょっとした掌編をいただきました。
うーむ、元ネタのマンガは結構好きで見てましたねー。
最近は全然だけど(笑)
結構味のある役の割り振りですねぇ。もし続きをかかれたりすると、凄くアレな展開になりそうですが。
それもまたよいでしょうけどねぇ(爆)
一時の楽しい時間をくださったハマチュウさんに是非感想をお願いします。