このお話は、怪作さん作『思い出の烏賊』に出てくる、第一次ゲンマナ戦争の記述によって、エスカルGaoが電波を受信した結果出来た話であり、『思いでの烏賊』に登場する人物、団体の設定とは何の関係もありません。



















・・・・・・たぶん。





キラリと妖しく眼鏡を光らせる少年がいる。

「西暦一九九X年地球は核の炎に包まれた」

「それはこの話とちゃうやろうが」

そう言って右手の甲で相方の胸に突っ込みを入れる少年黒ジャージ。

「ちっ、しょうがない。

 西暦二〇一五年、ネルフは異形の神の使い使徒との戦いに突入し、度重なる奇跡を起こすことでかろうじて使徒を打ち倒し、とんでもない妄想に取りつかれた、爺さん達の切り札であったエヴァ量産機をも愛に目覚めた子供達のラヴラヴパワーで駆逐した。

 ラヴラヴパワーによる最後の決め技は、石破ラヴラヴ天○拳である」

「なんやその石破ラヴラヴ天○拳ちゅうのは?

 それもこの話とちゃうんやないか?」

「下らないボケに用はない・・・帰れ!!」

「あなた、用済み。

 さようなら。

 ・・・ATフィールド全開」

ドッカン!!

「アイシャル、リタ〜〜ン!!」



出番少ない哀れな少年、相田ケンスケは星となった。



「ええと、ワシが続けてもええんですか?」

「あなたももう用済み。

 ・・・さようなら」

「そんな殺生なァ〜」



それでは鈴原弁の使い手、少年黒ジャージには退場してもらってストーリーを進行します。

「問題ない、やりたまえ」

「ワシの方がケンスケよりも台詞がすくないっちゅうのは、どう言うこっちゃァ!!

 もっとワシにも喋らせんかい!!」

「駄目、あなたの出番も終わりなの。

 ・・・さようなら」


少女がATフィールドを展開しようとするのを見て、少年黒ジャージこと鈴原トウジも退場した。



ええーただ今大変お見苦しい場面があった事をお詫び致します。



まあとにかく、都市機能をほとんど失ってしまった第三新東京市も無事不死鳥のごとく蘇り、戦いの傷跡も今では見られなくなった。

多くの人々は平和を当たり前のように享受するようになっていた中、大いなる脅威が全人類を襲っていたのである。

クラーケン伯爵と呼ばれる、使徒ですらその前では霞んでしまうほどの驚異的な存在であった。

しかしこのクラーケン伯爵も倒すことまでは出来なかったが、弱点を効果的に突いた作戦によって、地球と全人類はひとときの安全を手にしたのである。




第一次幻魔ナ大戦ゲンマナ戦争

前編



第一次ゲンマナ戦争、この武力抗争によって第三新東京市を始め世界は復興以来、最大にして最凶の被害を受けることとなった。

当事者となったのは、現ネルフ総司令にして様々な噂及び事実から外道として知られている碇ゲンドウと、戦略自衛隊少年兵にして更迭のガールフレンドの名で恐れられている霧島マナである。

碇ゲンドウの普段の行動から、霧島マナはマナリアンページを閲覧不能にしたのは碇ゲンドウであると判断し、第三新東京市内を重武装にて移動中の碇ゲンドウを捕捉、詰問した結果、些細な誤解によりこの未曾有の危機は発生した。

エヴァンゲリオン三機の出動により、被害は最小限にとどまったが、第一次ゲンマナ戦争は人・物・金とに多大な損害を与えた。

特にこの戦争の終結後、世界中で魔女狩りならぬ髭狩りが行われることとなり、烏賊にこの戦争が人々に被害を与えたかが伺えるエピソードでもある。



因みに更迭のガールフレンド、これは誤植ではない。

何故マナがその名で呼ばれるようになったか・・・それは烏賊の通りである。

サード・インパクト後、どこでどうやって情報を仕入れたのか、マナは戦自及び政府高官、政治家達の不適切な女性関係や収賄に関する情報を大量に握り、それを効果的に活用して自分達を処分しようとしたかつての上官や証拠隠滅をはかった者達のスキャンダルをマスコミに売り渡した。

その結果として多数の更迭人事が行われたのである。

それ以後マナは更迭のガールフレンドの名で一部の人々には恐れられ、多くの人々から世直しのヒロインのように見られることとなったのである。

マナが握っている情報を全て公開したら、戦自と政界ではフォース・インパクトが発生すること間違いなしである。



「語るに落ちたわね‥‥!」

マナは自分の拳銃を構えた。

「私とシンジの父子の関係の邪魔をするのなら、‥‥消えてもらおう」

それにあわせて、ゲンドウも得物をマナに向けた‥‥。




重武装の髭親父と拳銃一丁の可憐な少女が互いの得物を相手に向けてから暫くの間、時が止まったかのような静寂が辺りを支配していた。

突然ズドンという発射音とともに、ゲンドウが構えていたバズーカが火を吹く。



哀れマナ、野望半ばにして散る。





とはならず、弾はマナを外れ後方にあった兵装ビルを直撃した。

マナは暫く呆然としていたが、ゲンドウの「外したか・・・」の一言に我にかえり、顔に怒りを張り付かせて猛然とゲンドウに食ってかかった。

「ちょっと、そこの髭親父!!

 この可憐なマナちゃんに向かってそんな危ないものぶっ放すなんて、どう言う了見なの?

 こういう場合って、私がバーンってあなたを撃って、あなたは大人しくやられるのが筋ってものでしょ?

 やられ役のセオリーを破るなんて、・・・・・・いくらシンジのお父さんだからって、もう容赦しないんだから!!」

「・・・・・・フッ、問題ない。

 修正可能な範囲だ・・・・・・」

「何を訳のわからないこと言ってんのよ!!

 覚悟しなさい」

ますます訳の分からないゲンドウに対して、マナはついに最終手段の武力行使を開始したのである。

ゲンドウが重たいバズーカ砲を捨てて自動小銃に持ち替えている間に、マナはゲンドウの両腕を二発の銃弾で撃ち抜いた。

「ぐわぁっ!!

 ・・・腕が、腕がぁ〜」

「うん、これがやっぱり正しいあり方よね♪

 可愛くてつよぉ〜いマナちゃんの前に敵はないのよ♪」

両腕を撃ち抜かれた激痛にのたうち回るゲンドウと、最初から素直にやられていれば弾の無駄遣いをしなくて良かったのにな、などと思いながらニコニコと笑みを絶やさない余裕たっぷりのマナ。

可愛い顔で結構ひどいことを平気でやってるような気もするが、相手がゲンドウだからきっと許容範囲内に違いない。

ここで終わりならば、第一次ゲンマナ戦争はあっけなく終わり被害はゲンドウの両腕と兵装ビルのみですんだのだが、ここからがゲンマナ戦争の真の恐怖の始まりであった。

「・・・ふっ、やるではないか。

 小娘、名を聞いておこう」

さっきまでのたうち回っていたはずのゲンドウは平然とした顔で起き上がると、ずれた色眼鏡を直しながらマナを見下ろした。

その様子を見て、マナは目をまん丸にして驚いた顔でゲンドウを凝視しながら当然の疑問をぶつけた。

「ちょっ、ちょっと、どうして?

 さっきまでのはどうなったの?

 何でそんな平然とした顔で、何もなかったみたいに立ってるの?」

「名を言うなら早くしろ・・・言わんのなら帰れ!!」

ゲンドウはそんなマナの疑問に取り合うつもりはまったくないらしく、色眼鏡越しにも分かる恐い目つきでマナを睨みつけながら傲然とそう言ってのけた。

「・・・・・・私は、シンジ君の運命の恋人、霧島マナよ。

 でも、あなたが覚えておく必要はないわよ。

 だって、シンジは私と愛の逃避行に出るんだもの・・・。

 シンジ、すぐにアスカさんの魔の手から救い出してあげるから・・・だから心配しないで待っててね」

「ふっ・・・霧島マナ、か。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・マナリン、だな。

 ふっ、・・・・・・良いだろう。

 ンッ、ンン・・・。

 マナリン、マナリン、マナリンリン♪

 マナマナリンリン、マナリンリ〜ン♪

 マナリン、マナリン、マナリンリン♪

 マナマナリンリン、マナリンリ〜ン♪

マナの名を聞いたゲンドウは暫く沈黙すると、ニヤリと笑いながらマナに勝手に愛称を付け、これまた勝手にどこかで聞いたCMの曲に合わせて歌い始めた。

マナはシンジをアスカのもとから救い出してからの薔薇色の愛の逃避行なるものを思い浮かべて良い気分でひたっていたが、ゲンドウのマナリンソングを聞いた瞬間に顔色は一気に真っ青になり全身に冷や汗が吹きだして思わず絶叫していた。

いやぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!

 私の名前を汚さないでぇ〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!

 イヤァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ァ!!

 ・・・・・・穢されちゃったよぉ・・・シンジィ・・・。

 私、ワタシ・・・ウッ、っく、ゥゥウッ・・・」

客観的に考えてみると、マナはゲンドウに対してかなり失礼なことを言っているような気もするが、何しろゲンドウであるからこれが正常な反応なのかもしれない。

平和になったネルフで密かに行われたアンケートによるとゲンドウは、近づきたくない人、名前を呼ばれたくない人、同じ部屋にいたくない人、友達になりたくない人、などその他諸々の項目でNo.1に輝き、その後もその王座を維持し続けているのである。

昔と違い他人とのコミュニケーションを多少は取るようになったゲンドウの現在のマイブームは、周囲の人々に愛称をつけて独り悦に入ることであり、マナはゲンドウのマイブームの最初の犠牲者であった。


今までは心の中でのみ愛称で呼んでいたのだが、両腕を撃ち抜かれた怒りからか、それとも何か他の理由があったのか、マナに対しては愛称で呼び、その上聞くに耐えないほどの音痴な歌にくみ入れるという暴挙に出たのである。

この時点でゲンドウとマナの戦いの決着はほぼついたといっても過言ではない。

ゲンドウのマナリンソングを聞いたときのマナの反応を見れば納得出来そうなものである。

「ふっ、・・・マナリン、マナリン、マナリンリン♪

 マナマナリンリン、マナリンリン♪

 ・・・・・・ふっ、所詮その程度か。

 私の敵ではないな、マナリン。

 ラヴリーシンちゃんを悪い外人娘、アスカニャンから取り戻す前にナ、景気付けにマナリンを始末しておくとしよう」

そう言ってル○ン三世も愛用しているワルサーP38を構えるゲンドウに対して、精神汚染に苦しむマナはただ蹲って泣き続けることしか出来なくなっていた。



霧島マナ、最大の危機である。



「さらばだ、マナリン!!

 ・・・・・・・・・・・・ふむ、折角素晴らしい愛称を付けたのに、もう二度と呼ぶことがないというのも寂しいな。

 ・・・よし、呼びおさめにもう一度歌っておくとしよう。

 マナリン、マナリン、マナリンリン♪

 マナマナリンリン、マ〜ナリンリン♪

 マナリンマナリンマ〜ナリンリン♪

 マナマナリンリンマ〜ナリンリン♪

さっさと止めを刺されていた方がよっぽど幸せに違いない、と思わずにはいられないような拷問をマナに対して加えるゲンドウであったが、この拷問に費やされた時間が結果的にマナの命を救うこととなった。

「ふっ・・・止めだ」といって引き金を引こうとしたゲンドウに対して、「マナ〜っ!!」と叫ぶ声とズドムという腹に響く音が周囲に鳴り響いた。

わずか一瞬でゲンドウは数十メートルの距離を吹き飛ばされていった。

「ムサシ、早くマナを回収して!!」

「ンなこと言われなくても分かってる!!」

マナの絶体絶命の危機に駆けつけたのは、マナが熱を上げているシンジではなく、戦自の同僚のムサシとケイタであった。

「マナ、大丈夫か?

 俺が来たからには、もう安心だぜ。

 あの変態親父が何をやったか知らないが「小僧、私の至福のひとときを邪魔したからには、ただでは済まさんぞ

これ幸いとばかりにマナにアピールするムサシだったが、バズーカの直撃を受けて吹き飛んだはずのゲンドウが頭から血をピューピュー吹き上げながら、怒りのオーラを纏ってムサシとマナの前に現れた。

もっとも、ゲンドウが邪魔しなかったとしても、マナはムサシの戯言を聞いているほどの精神的余裕はなかったのであるが・・・。

「!!」

「ふっ、・・・小僧、名を聞いておこうか」

あまりに予想外な展開に目を見開いたまま硬直するムサシに対して、ゲンドウは何事もなかったかのようにニヤリ笑いを浮かべながらムサシの名を聞いた。

碇ゲンドウ、初代ター○ネーター出すら裸足で逃げ出すような異様な耐久力である。

というか、既に人間とは思えない化け物振りである。

「どうした、言うなら早くしろ!!

 でなければ、今すぐ死ね!!」

「お、俺は、ムサシだ」

「ふむ、・・・・・・・・・ムックン、だな」

ピキピキピキ〜〜〜〜ン

ゲンドウのムックン発言で一瞬にしてムサシは凍りついた。

「む、む、む・・・ムックン・・・」

「では、死ぬが良い」

衝撃から立ち直れないでいるムサシの眉間を狙ってワルサーP38を構えるゲンドウに対して、遠くにいた為にゲンドウに名を尋ねられることがなかったケイタが、対戦車ライフルでゲンドウを狙撃した。

「ふっ、フィールド全開」

パキ〜〜ンという音を残して明後日の方向へ弾き飛ばされる弾とそれを呆然とした表情で見つめるムサシ、ケイタのコンビに対して、ずれた色眼鏡を直しながら怪しさ200%増のニヤリ笑いをゲンドウはぶちかましていた。

誰もが呆然とする中、ゲンドウはマナとムサシを両脇に抱えると、一瞬の後にはケイタの真ん前にいた。

オリンピックに出場できたとしたら、間違いなく世界新記録で堂々の金メダルを取れることだろう。

「フッ、マナリン、ムックンと、・・・おまけのゴンベエ。

 おまえ達には私の昔話に付き合ってもらうとしよう」

そう言うとゲンドウは三人が逃げられないように紅い壁で自分達の周りを囲うと、どこか烏賊れた目で遠くを見ながら昔話を始めた。

当然のことながら、ゲンドウに捕獲された三人はそんなものに付き合う義理もないので逃げ出そうとしたが、AGフィールドで作られた壁の前では無駄な努力に過ぎなかった。






AGフィールド――それはゲンドウがかつて第一使徒アダムと融合したことによって手に入れた禁断の力である。

身を守るための最強の盾であり、敵を物理的にも精神的にも傷つけうる最凶の矛でもある。



「あれは、シンちゃんが三っつの頃のことだ。

 今でもそうだが、あの頃のシンちゃんはとても笑顔が可愛くてな、私も思わず頬擦りをせずにはいられないほどだった。

 すべすべの頬っぺたが気持ち良くてな・・・・・・」

ゲンドウが遠い過去のおもひでをまるで某数学教師のように三人に対して語り始めると同時に、AGフィールドで囲まれた空間内に毒々しい紅い光が満ち溢れ、どこからともなく『ワルキューレの騎行』が響き始めた。

それはまるでアラエルのハレルヤ攻撃のようであった。

精神汚染に苦しみ悶える三人のことなどは眼中にはなく、ただひたすら素直で可愛かったラヴリーシンちゃんのおもひでを語りつづけるゲンドウ。

三人に対する拷問は、エヴァ三機が舞台に登場するまで続くこととなる。






















時は少し遡り、クラーケン伯爵の地球征服を食い止めることに成功したネルフでは、みんなが一仕事終えた充実感に浸っていた。

そんな中、シンジとアスカはいちゃつきながらどこかへ消えて行った。

発令所の人員は使徒が来なくなったこともあってみんなだらけきっていたが、そこに突如として警報が響き渡りMAGIがパターン青を青葉シゲルに告知した。

「ぱ、パターン青・・・使徒です!!」

その報告とともに急に慌しくなる新第一発令所。

穏やかな雰囲気を乱す報告をしたことに密かにブルーになりながらも職務に忠実なシゲルであった。

因みにパターン青が検知されたのは、両腕を撃ち抜かれたゲンドウが何事もなかったかのようにマナの前に立った時のことである。

「使徒ですって?!

 場所は?」

「P110です」

「そんな・・・繁華街の真っ只中じゃない!!

 そんなとこまで侵入を許すなんて、マギはなにやってたのよ!!」

「ミサト、今はそんなこと言ってる場合じゃないわ。

 マヤ、シンジ君達はどこ?」

「・・・・・・レイは資料室です。

 ・・・シンジ君とアスカは、あの、その・・・」

真っ赤になってどもるマヤ。

「マヤ、二人はどこにいるの?」

「・・・・・・ぷ、プライヴェートルームです・・・」

「・・・・・・あの子達」

マヤの報告にこめかみに青筋を浮き上がらせるリツコ。

「シンちゃんもアスカも、そんなとこでナニやってンのかしらねぇ〜。

 まあ、二人の恋路を邪魔するのも気が引けるけど、とりあえず日向君、呼び出して頂戴」

「お、俺っすか?」

二人の甘い、砂糖たっぷりの餡子よりも遥かに甘いであろう空間に割り込む生贄の子羊とされた日向マコト。

馬に蹴られて死ぬのかもしれない・・・。


マコトが涙を流しながらプライヴェートルームに連絡を入れている間に、メインスクリーンに使徒と思われるものが映し出された。

そこには総司令碇ゲンドウが映っていた。

その映像を見た瞬間に全員が息を飲んだ。

まあ、職員の人気がゼロであっても、一応は自分達の組織のトップが使徒として映し出されれば平静ではいられないであろう。

「・・・目標を第一九使徒に認定する。

 総員第一種戦闘配置!!」

第一発令所を支配していた静寂を打ち破るかのように凛とした声が響き渡った。

副司令冬月コウゾウ、久し振りの見せ場とばかりに張り切っていた。

「し、しかし、副司令。

 あれは司令ですよ。

 よろしいんですか?」

コウゾウの命令で我に返ったミサトが問い掛けるが、コウゾウは沈痛な表情をしながらミサトに説いて聞かせた。

「葛城三佐、我々のもともとの役目は使徒の殲滅にあった。

 再び使徒が登場した以上、それがたとえ碇であったとしても、殲滅せねばならん。

 皆にも辛い戦いとなるかもしれんが、これも人類の、いや、あの戦いを生き抜いた子供達の未来を守るためと割り切ってくれ」



(これで碇が居なくなれば、いつかユイ君をサルヴェージして仲良く暮らせるかもしれんナァ。

 それにレイに色々と教え込んで男の夢、光源氏計画を実行するのも面白そうだな。

 ・・・シンジ君とアスカ君の親代わりになって、二人の子供におじいちゃんと呼んでもらうのもなかなか良さそうだな。

 まあ、何はともあれ碇には私の野望のためにも死んでもらうとしよう)


コウゾウ一世一代の大芝居であった。

しかし、その内心を誰にも気付かれなかったのは年の功というものだろうか?



朱に交われば赤くなると言うが、コウゾウはゲンドウの色に染まったのであろうか?

しかし、類は友を呼ぶとも言う。

この場合どちらが正しいのであろうか?




コウゾウの内心はともかく、職員達の士気は大いに盛りあがった。



そんな盛りあがりの中、生贄の子羊マコトはプライヴェートルームに連絡を入れた。

あ〜〜んシンジィ〜、そこばかり舐めてないで、こっちもぉ

回線が繋がったとたんに、脳みそまでピンク色に染まりそうなほどの甘ったるいアスカの声がマコトの耳を直撃した。

「・・・・・・」

マコトは暫くアスカの甘ったるい声で赤面してフリーズしていたが、これでは烏賊んとばかりに見事再起動を果たして、恋人達のひとときのお邪魔虫となった。

「・・・えっと、シンジ君、アスカちょっと、何ヨ!!

 こんな所にまで回線繋ぐなんて、デリカシーないわね!!

 だからアンタは眼鏡なのよ!!

用件さえ言わしてもらえずにアスカの口撃に沈黙して涙するマコトであった。

「シンちゃん、アスカ、非常召集よ!!

 Hの最中に悪いけど、プラグスーツに着替えて発令所に来て頂戴」

涙を流すマコトの横から割り込んで用件だけ伝えると、反論する隙を与えずに回線を切るミサト。

どうやらミサトはマコトをアスカの口撃に対する盾として利用したようである。

哀れ、やはりマコトは生贄の子羊であった。




所変わってプライヴェートルームでは、シンジとアスカがミサトの口撃で全身を真っ赤にして暫く沈黙していた。

プライヴェートルームで二人が何をしていたのかはひとまず置いておくとして、二人ともとても初々しい反応である。



後編へ続く






セーラー服を着た黒髪の少女と学生服を着た銀髪の少年がいる。

二人とも端末で何かを読んでいたが、少女が突如咆哮を上げた。

「碇君もアスカも、よぉぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜!!

少女の口からはゴシック体のよぉぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜!!という文字が飛び出した。

その様はまるで、ア○レちゃんの○チャ砲(確かこんな名前だったような気がする・・・伏せ字にしても分かる人にはきっと分かるに違いない)である。

よぉぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜〜〜!!の文字は傍らの少年を直撃したかに見えたが、直前ではられた赤い壁にはじかれて空の彼方へと飛んで行った。

「洞木さん、いきなり乱暴だね。

 君も葛城さんと同じことを想像したんだね。

 何を想像したのか少し見せてもらうよ」



烏賊は渚カヲルが覗き見た洞木ヒカリの妄想(一部検閲削除)である。


「あ〜〜んシンジィ〜、そこばかり舐めてないで、こっちもぉ(はぁと)」


モンモン

モワモワ

モンモン

モワモワ





シンジとアスカが寝室で二人きりでキスを交わしている。

触れ合うようなキスから深いキスへと移り、何時の間にかシンジがアスカをベッドに押し倒していた。

「ねぇ、アスカ良いでしょ?

 もう我慢できないよ」

一度キスを止めてアスカの目を見ながらシンジが言った。

その間もシンジの手はアスカの胸元を弄り続けている。

「・・・良いわよ。

 たっぷりと愛して」

「アスカ」

「シンジ」

シンジが慣れた手つきでアスカの服を脱がしていく。



烏賊検閲削除






因みにこれはヒカリの実体験だったりする。



「・・・リリンの心は不可思議だね。

 どうして自分がやってることをシンジ君がしたらフケツなんだろう?

 ・・・・・・シンジ君、僕は君のことを信じてるよ。

 君は惣流さんとこんなことをしている筈がないんだ。

 だって君は、僕とあんなことやこんなことやそんなことをするんだからね。

 さあシンジ君、今僕が君のもとへ行くよ」




カヲルの思いは報われるのであろうか?




















報われないだろ、たぶん。






ここまで読んでくれた殆どの人はたぶん初めましてでしょう。

というわけで初めまして、エスカルGaoと申します。

第一次ゲンマナ戦争という部分に刺激されて、とりあえず書き始めたのですが、途中ゲームに熱中したりしてすっかり進行がとまってしまい、はや二ヶ月近く。

実は蝸牛ではなく、兎と亀の兎だったのかもしれないなどと思う今日この頃です。

前編という形で切ってしまったので、なるべく早めに後編も書き上げたいなぁなどと思ってはいますが、果たして今年中に書き上げられるかどうか・・・。


こんなお話でも感想を下さるという方は、大歓迎です。

感想はこちらにお願いします。


 エスカルGaoさんから投稿作品を頂いてしまいました。

 第一次ゲンマナ戦争‥‥烏賊すホウムの歴史の知られざる部分にメスを当てる意欲作ですね。

 ゲンドウ、意外な強さを見せておりますな‥‥マナっちが可哀想であります(汗)
 ですが、シンジとアスカが出撃するからには‥‥鬚なんかには負けないですよね?

 うーむ!しかし、精神攻撃‥‥アスカ大丈夫かなぁって心配になりますよね‥‥。

 なかなかよい話であったことですなぁ。
 みなさんもGaoさんに感想メールを送って後編執筆依頼プリーズしましょう♪