あの地獄のような戦いのあと僕はつかの間の平和を楽しんでいた。
砂浜でアスカと二人泥のように眠ったあと、目を腫らしたミサトさんに助けられた時には
世界は表面上はもとにもどっていた。
ミサトさんは撃たれて気を失った場所で目が覚めて、怪我は治ってたらしい。
戦自の人たちは目が覚めるのがずいぶん遅かったっていってた、そのおかげでネルフは
持ち直すことが出来たんだって、、、
結局あの戦いになんの意味があったのか僕には今でもわからない、けれど
加持さんが生きていたことがわかったときのミサトさんの泣き顔を見たら
なんだか、、うん なんだか良かったって思えた。
僕はちょっとだけ勇気がもてたし、アスカはちょっとだけやさしくなった。
これからは平和な日常がはじまるんだって、そう思ったんだ。

僕にとってつらく激しい戦いが待っていることも知らずに











この思い 君に届け




ふじさん



                   
今日からまたミサトさんのマンションで3人暮らしがはじまる。
今までは安全上とそこら中で行われてる工事の騒音から避難するためにネルフで生活してた
アスカとは部屋がずいぶんと離れていたんだけれど何かと言い訳を見つけてはお互いの部屋を
行き来してたし、なにがあるわけじゃないけど遅くまで二人で話をしてアスカが部屋に泊まって
行くことも良くあった。当然僕は床で寝させられるから大変だったけど眠りにつくまでの時間
アスカと話しをしていることはとても幸せだった。

そんな日々は飛ぶようにすぎ、だいぶ町の騒音も静かになったのでやっと僕らの家へかえってこれたんだ。

「あっ!ちゃんとエレベーター動く!!」
アスカが嬉しそうに言うのには訳がある、今までは部屋を片付けに来るにしてもエレベーターが動いてなかったから
一苦労だったんだ。たいてい苦労するのは僕だったはずだけど。

「よかったぁ この荷物持たされて階段上るのは憂鬱だったんだ・・・」

「あら・・・・・・なにか文句でもあるのかしら?シンジくん」

「い、、、いえ なんでもないです。」

「ふん!さっさと行くわよ!」
そう言うとアスカは扉の開いたエレベーターの中へ入っていく

「早くしなさーい、バカシンジ!」

「はいはいお姫様」

ばこっ!!

痛ッター・・・ ボタンを押そうとした僕を後ろから殴るお姫様
だれだよアスカが少し優しくなったなんていったの・・・

チン 

こんな音さえ懐かしい、そんな思いとともにエレベーターは僕らの階まで運んでくれた

たたたたた そんな軽快な音を立てながらアスカは走ってドアの前までいき
家の鍵をあけてくれる、荷物を持ってる僕のためだよね?
そう聞いたって君は認めたりはしないだろうけど、『ありがと アスカ』
そんな思いを込めてアスカに笑顔を向ける

あっ頬をふくらませて横を向いちゃった

「さっ 入ろう? アスカ」
なんだか僕を睨んで?いたアスカがふーっとため息をついたあとドアを開ける
そのままアスカが中に入ろうとしたのを止めて僕が強引に先に中に入る

「ちょ ちょっと何すんのよ!!」

アスカが驚いた顔のまま僕に怒鳴る、もう手を振り上げているのはさすがだね・・・

「お帰り」

僕はそうつぶやく
えっ とアスカは振り上げた手を止め 僕を見る

「お帰り」

今度ははっきりと、アスカの目を見ながら
荷物を下に置いて空いた手をアスカに差し出す

「お帰り アスカ」
涙が出そうだけど 泣いちゃだめだ。笑顔で言うんだって決めてたんだから

アスカは振り上げた手をゆっくりとおろしながら俯いてしまった
微かに肩が震えているのは気のせいじゃない
ぐっと力を込めて顔を上げたアスカは目にいっぱい涙をためていたけれど
笑顔でこういった



「ただいま!!」




それぞれの荷物を部屋に置いて椅子に腰掛ける
ふーっと息を吐きながら机にべたーっと体を伸ばすアスカ
「んー、やっぱうちは良いはねー」

「ははは、そうだね。アスカ紅茶飲む?」

がばっと体を起き上げると「うん!!」っと嬉しそうに笑顔でうなずく
『ちょっとアスカ・・素直になりすぎだよ・・かわいすぎるよー』

「ちょっとなに赤くなってんのよー」
「な、、なんでもないよ!!!」
まったくもう おこちゃまなんだからっと言いつつ首を振るアスカ
『どっちがだよ・・まったくもう』

「そうだ、今日の晩ご飯どうしよっか ピザでもたのむ?」

「んーピザも良いけど久しぶりにシンジの料理が食べたいな」
えっ と紅茶の準備をしていた僕はおどろいて振り向く
アスカは頬を染め恥ずかしそうにそっぽを向いていた

「なによ!あんたの料理を食べてやるっていってんのよ!!文句あんの!?」

アスカ・・冷蔵庫に怒鳴っても・・・・・・


「でも材料はネルフからもらってきた物くらいしかないし・・・簡単な物しか作れないよ?」

「なんでもいいわよ!!!」

「わかったよ」
僕は嬉しそうにそう言いながらアスカに紅茶を差し出す

ずっと冷蔵庫を睨んだままずずずっとはしたない音を立てて紅茶を飲む
どうでもいいけど首いたくなっちゃうよ?アスカ

「お風呂洗ってくるね」
いつまでもアスカに冷蔵庫を睨ませておくのは(冷蔵庫が)かわいそうだから
そういって席を立つ

しばらくぶりの家で入るお風呂だと思うと洗う手にも自然に力が入り、鼻歌まででてくる。
うれしい また僕らはココで生活をするんだという思いがいっそう強くなる

ザーッと泡をながしてお風呂に栓をする。ずっと入れてなかったけれどアスカお好みの
湯加減を忘れたりしてない自分が嬉しい
『飼い慣らされちゃったかな?』

笑顔でそんなことを考えてる自分がちょっと怖い

さてと、お腹をすかせたお姫様を怒らせる前にご飯を作らなきゃね

せっかく帰ってきた初日だけどミサトさんは忙しいようで当分は二人暮らし
料理もアスカの好きな物ばっかりつくってあげよう

そう思いながら台所に行くとアスカはすでにいなかった。アスカの部屋からごそごそ
音がするからお風呂のための着替えを出してるんだろう

ジャーっと野菜を炒めてる時に pipipiっとお風呂がわけたと知らせてくれる

「アスカーーー お風呂わいたよーーー」

どたどたとなにやら騒がしい音を立てながらアスカが部屋から出てくる
「んー 良いにおい 今からお風呂はいってだいじょぶ?」

「うん 出てくる頃にちょうど出来るようにしとくよ」

「さっすが! ダンケ♪」

そう良いながらウインクをする 僕が赤くなるを十分堪能しながらお姫様はお風呂場に消えていった
まったくもう・・・



「あー気持ちよかったぁー」
バスタオル一枚巻いただけの格好でお風呂から出てくる
「ア アスカ!!! もうそんなかっこうででてこないでよ!!」

「なーにいってんだか うれしぃーくせにぃ〜」
そういって胸を強調しながらしたからのぞき込んでくる
うぅ石けんと女の子特有のあまい香りで膨張しそうです・・・

母さん僕は悪い子ですか?

来る途中のコンビニで買った小さい牛乳をそのままごくごくと飲む
絶対僕が何か反応するのを楽しんでる 
何もいってやるもんか

タンクトップにきわどいホットパンツという元気な頃定番の格好
に着替えたアスカと騒がしい夕食を食べる
本当に楽しい 何もかもが

夕食後のあとアスカはリビングでくつろぎながらテレビを見てる
僕は洗い物 ふふふーんと鼻歌も自然にでる

「シンジー洗い物なんかいいからお風呂はいってきなさいよ」
いつの間にか僕の後ろに来ていたアスカがそう言う

「え でもまだ終わってないから」
そう言う僕に
「そんなのあたしがやっとくからさっさと入ってきなさい!」

なぜか怒鳴りながらアスカが言う
生物的直感がこれは逆らうなと僕に訴えかける
生命の神秘か?殴られすぎた後遺症か・・・
どっちにしろ悲しい

「う、、うん じゃ お言葉に甘えて、お願いするね」

「ハイハイ さっさと入ってくる!」

妙に強引なアスカに背中を押されながら脱衣所にはいる

「よーくあったまってくるのよー」
ドアを閉める前に一瞬見えたアスカの顔は、父さんの笑う顔に似ていた気がする



がらがらっとお風呂場にはいると
アスカが入れ直してくれてたんであろう お湯がなみなみと入っている

今日何度目になるかわからない鼻歌を歌いながら豪快に体と頭をあらい
ざぶっんと湯船につかる




「ふー 気持ちいいなぁー」
そういいながら手でお湯をすくって顔にかける

そのまま背もたれにゆっくりと身を沈め目をつぶりながら思いをはせる

戦いが終わってからのネルフでの日々で僕らは色んな事を話し合った。

そんな日々の中 僕のアスカに対する思いは日々重くなっていくばかりだった
アスカが好きだ はっきりとそう自覚している
言おう 今日こそは伝えようと 毎日そう思っているのに
いざとなるとアスカを汚してしまったときのことを思い出し、最後の勇気がでてこない
アスカは僕がしたことをしっている。そのことを話したときにはもの凄いビンタを一発もらっただけだった
翌日からも変わらず僕の部屋に遊びに来ていた

許してくれているんだと思う。でもそれでも勇気がでないんだ・・・


そんな答えなでないことを考えていると、ふと湯船にきらっと光る物があることに気がついた
なんだろうと思って手ですくってみる

「ア、、、アスカの髪の毛じゃないか!!」
大きな声を出しそうになって慌てて口を押さえる

おちつけ 落ち着くんだ どんどん激しくなる心臓をどうしようもなく意識しながら
ゆっくりとお湯を見渡す。そうするともう数本きらきらと髪の毛が浮いていること
気がつく

「こ、、このお湯アスカが入ったままなんだ・・・」
今までのアスカならあり得ないことだ 人が入った湯には絶対に入りたがらなかったし
自分が入ったお湯はさっさと抜いてしまっていた
アスカがお湯を捨てるのを忘れてしまったのかと一瞬考えたが、あれだけお風呂に入る
のをすすめたのはアスカ自身だ、忘れたと言うことじゃないとおもう。

と言うことはアスカは自分の入ったお湯を残しておいてくれたことになる。

 ・・・しい  ・・れしい  うれしい うれしい うれしい うれしい うれしい うれしい!!!

全身がふるえる程喜びがわき上がってくるのを押さえられなかった

これはアスカからのメッセージ 

僕へのメッセージ

涙が出てきそうなのをぐっとこらえ、もう一度、背もたれにゆっくりもたれかかる
ふーっと息をついて落ち着いて考えると
これがアスカの入ったお湯なんだと意識してしまう
なんだぼーっとしてきて頭が良く回らない

アスカが入ったお湯アスカが入ったお湯アスカが入ったお湯アスカが入ったお湯
アスカが入ったお湯アスカが入ったお湯アスカが入ったお湯アスカが入ったお湯
アスカが入ったお湯アスカが入ったお湯アスカが入ったお湯アスカが入ったお湯


ぼ・・・ぼうちょうしてきた・・・
まずい 非常にまずい

股間に手を当て目をつむり必死に他のことを考える
よくしらない 念仏をつぶやいてみる 

なんみょーほれーんげーきょー 


つづかないし・・

さらに膨張をススメるわがままな僕の分身 いや正直な僕の分身
このまま入っていてはだめだと目を開けて立ち上がろうとした瞬間 















目にとまってしまったんです






















それは























ちぢれていたんです・・・




















おさっしください






















母さん 僕は一つ大人になった気がします
お湯を入れ替えながら僕はそうお星様につぶやきました










なぜお湯を入れ替えているかって?






















おさっしください・・・・



















「アスカ やっぱりお湯は入れ替えようよ」


この思い 君に届け


絶対に口にしないけど・・・・


僕にとっての辛く激しい葛藤の戦い?はこうしてはじまったのです







                                                                      




おわり?


















くくく やっぱりシンジのヤツ 気がついたわね
まったく あれだけアピールしてるのにまったく何もしてこないんだもの
普通一緒の部屋で寝る?
だいたい髪の毛がそんなにお風呂に浮いてておかしいと思わないのかしら
ま・・ぼけぼけシンジだからこのくらいやらないとわかんないのよね


さて 綺麗な下着つけてまってるからね バーカシンジ♪
もう負けられないのよ♪ 戦自の生きてたぺちゃぱいと妙に明るくなったファーストにはね♪

やさしくしてね♪ だんなさま(ハート)











本当におわり












はじめまして新人のふじさんです
非常につたない文章 最後まで読んでくださった方がいたら幸せです
やりたいこと書きたいことはたくさんあるのにうまくまとめられない
本当にうまく書いてる方々は尊敬します

もしよければ感想を ふじさん までください
初めての作品なので感想を送ってくれると本当に嬉しいです

烏賊すホウム初登場でエヴァ初小説のふじさんからのいただきものです。

シンジ君も、もっと野性に目覚めてもいいと思いました(謎)

皆様ぜひぜひ、読了後への感想メールでふじさんへの激励をお願いします。

寄贈インデックスにもどる

烏賊のホウムにもどる