赤鬼 青鬼 ver.2
作者:でらさん











西暦2018年 2月3日 夜 第三新東京市 とある街角・・


「う〜、寒い・・
母さんも気まぐれなんだから。
豆まきなんかやらないって言ったのに、突然豆買ってこいなんて・・・」


高校生活にも馴染み、そろそろ彼女でも欲しいと思っている碇 シンジ16歳。

彼は今、両親から理不尽とも思える命令を受けコンビニに向かう途中。
夫婦揃って科学者という職業柄、節分という日本古来の行事には関心がなく今日もいつもの日常を
終えるはずが、母のユイがいきなり豆まきをしたいと言いだし父のゲンドウもそれに同調した。

母の気まぐれと彼女に逆らえない父の姿は見慣れているが、とばっちりを受けるのはいつも自分だ。
そろそろ、こんな事も終わりにしてもらいたい。
二人ともいい歳なのだし。


「早く一人前になって、家を出たいな・・ん?何だ?あれ」


シンジが見つけたのは、赤いウェットスーツのような物を着た金髪の少女。
しかもかなりの美形だ。
何かを探しているような感じで、こちらに歩いてくる。
人でも待っているのかもしれない。


「鬼のコスプレか・・
友達同士でパーティでもやるのかな」


確かに可愛いが、夜中にそんな格好で出歩く女の子とはあまりお近づきになりたくはない。
頭に角のような物を付けている事からして鬼のコスプレだとは思うが、シンジはそっちの方に興味はないし。
シンジはこちらに歩いてくる少女から目をそらすと、いくらか距離を取ってやり過ごそうとした・・・

が、やはりその美しさが気になり、ちらとだけ彼女の方を見てしまった。
そして彼女と目が合ってしまう。
すると・・


「アンタ、アタシが見えるの?」


「え?・・・ま、まあ」


「何て事よ、ステルス機能まで壊れてるわ。
これじゃ、食料も調達出来ないじゃない!」


「・・・・・」


訳の分からない台詞を怒ったようにまくし立てる少女に危険な物を感じ取ったシンジはすぐさま
その場を立ち去ろうとするが、少女に片腕を掴まれる。
外見に似合わず、かなりの力だ。


「な、何かな?ぼ、僕はそっちの趣味ないから、お友達にはなれないな」


「何か勘違いしてるようね。アタシが危ない人みたいじゃない。
いくら原住民の言うことでも、ちょっとむかついたわ。
そんな奴は・・・
こうしてくれる!


彼女の台詞と共に、シンジは体に電気が走ったような衝撃を感じ意識が薄れていく。
意識を失う間際に彼が見た彼女は・・
本当に美しかった。




「で、連れてきたってわけ?
面倒な事になる前に、記憶操作してさっさと家に帰しなさい」


古ぼけた機械類に囲まれ読書にいそしんでいた白髪の少女は、戻ってきた金髪の少女にこう
言い放つと、すぐに本へ視線を戻した。
少女の連れている・・引きずっている少年には興味もないらしい。


「言われなくてもそうするわよ。
でもアタシのスーツ壊れたから、次からはレイが食料を調達しに行くのよ」


「壊れた?」


「ステルス機能がいかれたわ、装備品までおんぼろとはね・・
格安パックはもう懲り懲りよ」


「積み立ててたお金使い込んだのはアスカ・・あなたよ。
満額あれば、もっといい旅行が出来たのに」


「うっ・・ちょ、ちょっとした出来心よ」


「とんだ卒業旅行だわ。
学校始まって以来の天才も、お金の使い方知らないんだから」
ついてきた私も私だけど・・


「く、悔しいけど、反論出来ないわ」


金髪の少女はアスカ、青みがかった白髪の少女はレイという。
二人とも、数十万光年彼方から訪れた旅行者である。
それも、地球でいう大学を卒業した記念の卒業旅行。

普通なら有名なリゾート地などを選ぶとこなのだが、最近辺境の未開惑星ツアーが流行りと聞いた
アスカが怪しげな格安パックを探し出し、申し込んだわけ。

が格安だけの事はあり、この星に着いたとたん宇宙船の推進器が故障。
旅行会社に連絡を取って、現在救助を待っている状態だ。
ところが、法定で義務づけられている装備までぼろい。
アスカの着ていた多目的スーツも、身を隠すステルス機能が壊れてしまった。


「骨董趣味もほどほどにしないとね。
がらくたばかり集めるんだから」


「あれはがらくたじゃないわ、お宝の山よ!
見てなさい、将来あれが巨万の富に変わるのよ」


「巨万の借金に埋もれるのが関の山だと思うけど・・
あ、彼が目を覚ますわよ」


使い込みの原因はアスカの骨董趣味にあるようだ。

しかし、今はこの状況を生き抜かなくてはならない。
とりあえずは、連れてきた少年の記憶操作である。

目を覚ましたシンジはしばし己の置かれた状況を理解しようとするが、どうもうまくいかない。
彼の持つ常識や知識の範疇を超えている。

で、この台詞になる。


「ゆ、夢だな・・
節分らしいや、鬼の出てくる夢なんて。
ご丁寧に赤鬼と青鬼が揃ってる・・はは、はははははははは」


現実逃避して自己防衛に走ったらしい。
だが、アスカがそれを許さない。


「誰が鬼よ、誰が!
なめてんじゃないわよ、アンタ!
原住民じゃなかったら殺してるわよ!」



「わ〜!赤鬼が怒った!」


「鬼じゃないと言うのに!」


まるで息のあった掛け合い漫才のようだ。とても初対面とは思えない。
レイもこれには驚きを禁じ得ない。
アスカが男とこのように接するのは初めて見たからだ。

彼女は幼い頃からの実父との確執が原因で、男性にはかなりの不信感を抱いていたから・・


「鬼じゃなかったら、何なんだよ」


「アンタ達の文明レベルじゃ理解出来ないかもしれないけど、一応説明してあげる。
アタシ達は宇宙の遥か彼方から来た旅行者よ。
今は不幸な事に、乗ってきた船が故障して遭難中だけどね」


「う、嘘だ・・物質が光の速度を超えられない事くらい、僕だって知ってるぞ。
バカにするな」


「これだから未開の惑星は・・
光の壁が何だっていうのよ、そんなものは空間歪曲で簡単に解決してるわ。
ま、原始的な核エネルギーでさえろくにコントロール出来てない文明レベルじゃ仕方ないか」


「僕は騙されないぞ、これはどっきりカメラかなんかの撮影だろ!
お前達が他の星から来たって言うんなら、証拠を見せて見ろ!」


「アンタ、ホントに生意気よ。
船が壊れてなかったら、本星に連れ帰ってやりたいわ」


「や、やれるものならやって、うっ!」


アスカと顔つき合わせていたシンジはいきなり崩れ落ち、その場に倒れた。
レイがいつの間にか彼の背後に立ち、彼の気を失わせたらしい。


「バカなことやってないで、早く記憶操作して彼を帰しなさい。
原住民と関わり合いになるのは、あまり好ましくないわ」


「分かってるわよ」


アスカはシンジをある装置の元へと引きずっていく。
現地の住民から自分達に関する記憶を消す装置だ。

アスカ達の種族の場合、外見が似ているためあまり必要はないとされているのだが法律は法律。
この星のようにまだ未開に近い文明に対しては、非接触が原則である。
旅行なども本来は違反ぎりぎりなのだ。


「よいしょっと・・・初めて使うけど、うまく動くかしら。
どうも心配よね」


シンジをシートに座らせると、アスカはマニュアルを頼りに装置を動かそうとする。
が、電源すら入らない、これも故障だ。

完全に切れたアスカは、この船をコントロールするメインコンピューターを呼び出した。
人格を与えられたこのコンピューターはマヤと名付けられている。


「こら!マヤ!これ、どういう事よ!」


<済みませ〜ん、故障ですう>


「ですうじゃないわよ、ですうじゃ!
どうすんのよ、コイツ!
原住民に見つかった場合の記憶操作は、法で定められた義務なのよ!」


<黙ってれば分かりませんよ>


「ふざけんじゃないわよ!
そもそもスーツの故障が原因じゃない!
いえそれ以前に、非常用の食料さえろくに置いてないのが最大の原因よ。
帰ったら、アンタの会社訴えてやる!」


<そんなあ・・会社が倒産すると私、解体されちゃいますう。
そんなの嫌ですう>


アスカは食料の調達を目的に外出した。
この星の通貨も持たない彼女達が買い物などできる筈がない、調達といえば当然泥棒ということになる。
多目的スーツの機能の一つ・・ステルス機能を使えば訳はないはずだった。
この星の技術レベルなら、状況さえ許せば銀行の金庫でさえ簡単に侵入出来るだろう。
現実にこれまでは順調であった・・

が、故障・・しかも原住民(シンジ)に見つかってしまった。


「解体が嫌なら、コイツの記憶何とかしなさい!」


<殺っちゃいましょう!私、見なかった事にしますから>


「本気で言ってんの?
アンタの記憶バンクは、自分の意志じゃどうにもならないはずよ。
帰国時の査察で調べられたら、アタシ達問答無用で死刑よ」


<・・・・・忘れてました>


「アンタ、ホントにコンピューター!?
中に人間が入ってんじゃないでしょうね!?」



こうなってしまうとアスカは止まらない。
相手がコンピューターだろうと関係ない。

レイもそれは分かっていて、とても本を読む環境ではないと判断し外に出ることにした。
短期滞在しか想定していないこの船は小さい。
ブリッジの他には最低限の空間しかないのだ。
この騒ぎにはとても付き合いきれない。


「私は食料の調達に行ってくるわ」


「ま、待ちなさい、レイ!」


アスカの制止にもかかわらずレイはさっさと出ていってしまう。

強気を通しているアスカだが、内心かなり困っている。
このまま何もせずにシンジを放り出しても構わない。
どうせ彼が宇宙人に会ったと言っても、ここの住民のほとんどは信じないだろう。
この星の有力な勢力にダミー情報を流し、情報の操作はしている。
頭がおかしくなったと思われるだけだ。

だが問題は本国で警察にばれた場合。
帰国時には、宙港で船の記憶バンクに査察が入る。
その時に今回の事がばれれば、それなりの刑罰を受けるのは確実。
罰金程度で済むとは思うが、内定している政府機関への就職は消えるだろう。
それでは、これまで苦労をかけた母親に会わせる顔がない。


「どうしよう・・」


「う・・・ん・・」


と、シンジがまた目を覚ましたようだ。

アスカがあらためてシンジを見ると、なかなかの美形。
飛び抜けて・・
という程でもないが、これまでアスカに言い寄ってきた男達とはどこかが違う。


「夢・・・じゃなかったんだよな。
また気を失ってたのか」


「いい加減、現実を見たら?
アタシが、ちゃらちゃらしたタレントに見える?
これはテレビの収録なんかじゃないわよ」


「君が宇宙人だとしたら、何でそんなに日本語とか日本の文化に詳しいんだよ。
おかしいじゃないか」


「疑い深いわね、アンタも。
ここへ来る前に頭に叩き込んできたのよ。
こういった辺境への旅行の場合、本人に対する事前学習は旅行会社の義務だもの」


「そんなに早く覚えられるの?」


「天才と呼ばれるアタシに不可能はないのよね」


「ふ〜〜〜ん・・」


自慢げに話すアスカだが、実際はさほど大変なものでもない。
日本語はアスカ達の種族が使う言語とあまり大差ないし、文化や社会の様子などはこちらに来てから
暇に飽かせて知っただけ。

彼女が優秀である事に間違いはないのだが・・


「どう?信じた?」


「何となく・・まだ半信半疑だけどね。
でもさ、それほど進んでる文明なら、もう戦争とかもないんだろ?
羨ましいよな、そういう世界」


「甘いわね、戦争なんてしょっちゅうよ。
ただ規模が違うだけ。
かえって始末が悪いかもしれないわ」


「地球は、まだましって事か」


こうして話をしていると、お互いが異なる種族とは思えなくなってきた。
少なくともシンジの見るアスカは、同じ人間としか思えない。
そしてそれはアスカも同様であった。


「君はいくつになるの?
見たところ、僕とあまり変わらないようだけど・・
ご、ごめん、女の子に歳聞くなんて」


「いいわよ、アタシ達にそういう慣習ないから。
この星の暦に換算すると、15か6くらいよ多分。
もう成人と思ってくれていいわ」


「え?もう成人なの?」


「成長が早いのよ。
幼なじみの中には結婚してる娘だって結構いるわよ。
それに生体的な改良が加えられてるから、外見上の老化もあまり進まないの」


文化や習慣もよく似ているようだ。
というより、ほとんど同じと思っていい。
この広大な宇宙でそんな偶然があるものだろうか?

シンジの疑問は絶えない。


「何か随分似てるんだね、君達の星とこの地球は。
昔、関わりでもあったのかな・・」


「考古学者の中には先史文明が関わったとか言ってる人もいるけど、詳しいことは分からないわ。
アタシ達の星って何回か文明をやり直してるから、歴史が相当あやふやなのよね。
その内時間旅行も可能になるらしいから、そうなったら分かると思うわよ」


「これだけ外見も似てるんだから、昔何かあったんだよきっと・・」


「かもしれないわね。
こうしてアンタと話してると、異星人て感じがしないもの」


「僕もそう思うよ。
クラスメートと話してるみたいだ」


アスカは本当に自分が不思議に思える。
相手は遥かに文明レベルの低い人間なのに、今まで会ったどんな男達よりも気が合う。
一目惚れなどというものは信じていなかったが、これがそのケースなのだろうか?

それを認める自分と否定する自分・・

どちらが本心なのか、アスカは自分でもよく分からない。


「でもさ、帰っちゃうんだろ?ここには旅行で来たんだし・・
残念だな」


「・・・うん。
だけど、また来ればいい事よ。
ホントに安いんだから、この会社のパック料金て。
来ようと思えばいつでもこれるわ」


シンジの言葉を聞いたアスカは、もう政府機関への就職などどうでもよくなった。
約束された将来よりも、目の前にいる少年との出会いを大切にしたい。
母も分かってくれるはずだ。

ここはこのままおかしな事をせずに帰還し、何もかも正直に話して正当な裁きを受ける。
その上で職を探す。

元より能力には自信がある。
選ばなければ、職はいくらでもあるのだし。


「だから、ちゃんと待ってんのよ!
彼女なんか作らないで、ずっと待ってなさい!」


「え?彼女って、あの・・」


「さっきの言葉、あれは嘘なの?」


「さっきの言葉って?」


「アタシが帰るの残念て言ったじゃない。
あれはアタシに対する告白でしょ?
違うとは言わせないわ!」


「いや、あれはそういう意味で言ったんじゃ」


「酷いわ!アタシを弄んだのね!」


はっきり言ってシンジにもそういう気持ちがないではないが、別に告白とかしたつもりはない。
アスカが先読みしすぎただけだ。
だが、ペースはすっかりアスカの物。

そして間が悪いことに、レイが帰ってきてしまった。


「ただいま。
私のスーツは大丈夫だったわ、口に合いそうな物を見繕ってきたけど・・」


彼女は船内に入ったとたん、状況を見て固まってしまう。

泣き崩れるアスカと、それを呆然と見守る少年。
そういった手の本が大好きなレイは、すぐに自分なりの解釈で状況を組み立てる。


(アスカが気を許した瞬間を狙って、この人がアスカを襲ったのね。
最初は激しく抵抗したアスカもその内・・・
アスカは初めての男を好きになってしまった。
だけどこの人にとってアスカは単なる欲望の捌け口でしかない。
自分の気持ちを受け容れてくれない事を悲観しているんだわ、アスカは。
可哀相なアスカ・・
私が何とかしてあげる)


かなり・・というか、まるで勘違いなのだが。
その勘違いに気付かないまま、レイは二人の間に介入する。

不幸なのはシンジ。
このままでは、成り行きで地球人初の星間結婚にまで持ち込まれるのは必定。
が、今の彼に彼女達に抗する術はない。


「あなた、名前は何ていうの?」


「い、碇 シンジです」


「アスカを傷つけた償いはしてくれるんでしょうね?」


「き、傷つけたって・・
そんな大袈裟な」


「ふざけないで!!
女の子の一番大切な物を奪ったのよ!
あなたも男なら責任を取りなさい!
それとも、アスカじゃ不満なの!?」



「いや、不満とかそういう問題じゃなくて」


「だったら今すぐ誓いなさい!
アスカを一生大事にするって!」


「い、一生ですか?」


「いやなの!?」


「い、いえ、とんでもない。
誓います」


ここでシンジの方が大きな間違いを犯す。
その外見から、彼女達がすでに成人であることを忘れていたのだ。

しかも悪いことに・・
女性に対する”一生大事にする”という台詞は、彼女達の星では最大級のプロポーズを意味する。
シンジはその運命の台詞を、ただこの場を凌ぐためにアスカへ語りかけようとしている。
彼は当然、これから言う台詞にそんな重みがあるなどとは知らない。

ちなみに全てを見ているはずのマヤはご休憩中で、最低限の機能以外は休眠させている。


「アスカ、もう泣かないで。
一生大事にするから」


その瞬間・・アスカはピタリと泣きやみ、シンジに対しニヤリ。
嘘泣きではない。
単に切り替えが早いだけ。


「言ったわね?一生大事にするって言ったわよね?」


「う、うん・・・それが何?」


「マヤ!ちゃんと記録したでしょうね!?」


<は、はい!間違いなく!>


「やったわ!
法律的な問題は残るけど、内縁関係は認められるはずよ。
今日からアタシ達は夫婦よ!」


「・・・・・・・・・え?」


「おめでとう、アスカ」


「ありがとう、レイ。アンタのおかげだわ」


「夫婦って、誰と誰が?」


「アタシとアンタに決まってんじゃない!」


「で、でも僕まだ高校生で」


「アタシとじゃいや?」


一転、縋るような顔に戻るアスカ。
文句なしに可愛い。
気が合うのは確かなのだし、シンジも彼女が欲しいと思っていたところだ。

一気に奥さんになるとは思わなかったが。


「嫌なわけないよ、アスカ」


「大好き!!」




こうして星を超えた恋は成就するわけだが・・
アスカが故郷の星に帰還出来たのは、この日から約10年も過ぎたころだった。

なぜかと言えば・・


「まずいぞ。
あの船を調べられたら、ろくに整備もしてなかった事がばれて我が社はおしまいだ。
こうなったら、あの二人は遭難死した事にしてしまおう。
なに、議員にいくらかばらまけば巧くいくさ。
金はかかるが、会社が潰れるよりマシだ」


会社のスキャンダルを恐れたある人物により、二人は地球で死んだことになってしまったのである。

しかし彼にも良心の欠片はあったようで、アスカの母にだけは真相が伝えられていた。
莫大な口止め料と共に・・

アスカにとっては、都合が良かったのかもしれない。
レイにとってはどうか知らないが。


「今日も来ないわね・・救助の船」


「来ないわね〜、どうしたのかしら。
ねえ?シンジ」


「ど、どうしてだろうね・・はは、はははははは」


「もう、5年経つのよ」


「まだ5年なのね。
シンジ、アタシ達が結婚してまだ5年なんだって」


「そ、そう・・結構早いよね」


「・・・喧嘩売ってるの?アスカ」


「やだ、怒んないでよレイ。
恐い顔しないの♪」




これから5年後・・
故郷の星に帰還したレイが、怒りの余り当の旅行会社を壊滅させたのは言うまでもない。


でらさんから節分記念小説をいただいてしまいました。

素敵ですね<何が。

いや、アスカ達が鬼の姿であるというのが。中身も鬼ですが<違

それはともかくアスカはともかくレイのほうは、らぶらぶを10年も見せ付けられて怒り心頭に発してしまったことでしょう。‥‥いや、無理も無いことです(笑)

節分なお話を投稿してくださったでらさんに、ぜひ感想メールをお願いします!

2002/02/06 内容を一部改訂しました。

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