<夢中になるのもいいけど、少しは考れば?
獣じゃないんだから>
「ま、まさか、シンジにも・・
シンジ!ちょっと来て〜!」
<なんて、お馬鹿なの>
洗面所に置いてあった予備の手鏡でキスマークという痣を確認したアスカは、シンジを呼
んでいる。彼女には覚えがあるようだ。
頭を抱える明日香だが、実は人のことを言えた義理ではない。関係ができた当初、彼らも
同じようなことをして恥をかいている。
しかもその時は○学生であったため、ちょっとした騒動にもなった。年齢から考えれば、明
日香達の方がかなり問題だ。
ともかくも、次元を越えた交流は永く続き、尚子は数ヶ月後に自力で帰還。津子は居残り、
その世界で生を全うした。
津子が何を思って残ったのか、誰も、尚子さえ知らない。アスカも、そしてシンジも折に触
れて聞いたものの、彼女は決して理由を明かさなかった。
事態があらかた収束した後、別世界を映す鏡のことは次第に人々の記憶から薄れていき、
明日香とアスカ、眞二とシンジも仕事と生活に追われて気にすることが少なくなっていった。
そして一〇年以上の時が流れた頃、彼らの子供達が、眠っていた虎を起こすように鏡を目
覚めさせる。
「あたしは、碇美莱。あんた、誰よ」
<ミライ。碇ミライよ>
魔法の鏡は、いつでも悪戯好きのようだ。
でらさんから連載最終話をいただきました。
ついに完結しましたね。物語の中では子供たちが何か巻き込まれているようですが、それはおいといて‥
何はともあれみんな幸せ(ゲンドウは除くけどこんなものでもいいでしょう)で良かったです
読み終えたらでらさんに感想メールを送ってくださいな。