魔法の鏡

    明日香と眞二の場合 後編
    作者:でらさん















    明日香の予想通り、シンジは至って真面目かつ几帳面な性格のようで、日々の生活を日記
    という形で残していた。しかも無造作に机の上に置いてあり、探す必要さえなかった。
    普通のノートに自筆で書かれたそれは、簡潔にまとめられていながらも彼らの日常を把握
    するには充分な情報量であり、それを読んだ眞二は、この世界のあまりの非常識に驚き、そ
    して恐怖を抱いた。
    ここのネルフは研究機関ではなく、国連の秘密組織にして特務機関。軍と諜報機関を併せ
    たような焦臭い組織。ミサトはそこの士官で、アスカとシンジは彼女の部下。そしてエヴァン
    ゲリオン、通称エヴァと呼称されるロボット兵器のパイロットだという。ついでに付け加えるな
    ら、綾波レイも同様。
    三年ほど前、主に第三新東京市周辺で局地的な紛争があり、半年以上にも渡って彼らも参
    戦していたようだ。その戦いについては詳しく書かれておらず、何もかもが推測の域を出ない
    が、楽な戦いではなかったように文面からは受け取れた。精神的にまいっているような記述
    も、ちらほらとあったから。
    人間関係についても、シンジに同情を禁じ得ない部分が多い。
    唯と同じく優秀な学者だったらしいこの世界の母は、一〇年以上前に他界。実験中の事故で、
    当時は新聞にも取り上げられたそうだ。その後、父はシンジを三鷹の親戚に預け、自分は第
    三新東京市で仕事に傾注。親子の触れ合いというものが、ほとんどなかった。そのせいか、こ
    の街に呼び出されて再会した後から暫くは、感のすれ違いが続いて険悪にすらなっている。
    今はそれほどでもないようだが、親子らしい付き合いとか会話もない様子。両親揃った普通
    の親子関係である自分とは、あまりに違う。シンジのあの性格は、こんなところに起因してい
    るのかと思う。
    アスカは、アメリカ生まれドイツ育ちのクォーター。来日したのは、三年前。驚くことに、その時
    点で修士課程を終えていた天才。常に学年上位をキープする明日香も優秀ではあるが、天才
    と呼べるほどではない。
    彼らの出会い当初は、互いに好印象ではなかったようだ。
    その頃の日記には、アスカに対する不満、戸惑い、驚き、怒り、羨望、等々が書き連ねてあった。
    しかし同居が始まってからは、そんな記述も少なくなっていき、感情の変化は顕著。最近では、
    哀楽入り混じった恋心が素直に書いてある。レイへの想いもないではないが、それは、異性と
    いうより肉親へのそれのように思える。


    「アンタの方は、順調だったようね」


    元物置のためスペースに余裕がない部屋で、明日香はベッドに腰掛け、床に座る眞二を見下
    ろして言った。苦労したらしい彼女は、比較的楽に進行した眞二が恨めしいようだ。
    夕方になるまで調べ物に集中した二人は、互いの成果を報告しあうため眞二の部屋に。
    まだミサトが寝ていることを確認している二人だが、リビングでは危険だとの判断が働いている。


    「その様子だと、苦労したみたいだね、明日香は」


    「苦労なんてもんじゃないわ。
    パソコンにはプロテクトかけてあるし、自筆の日記もあるにはあったんだけど、昔のは、ほとんど
    ドイツ語なのよ。あとのやつでも、英語とドイツ語と日本語が混じってて、さっぱりなんだもん。
    辞書使って、やっと意味が掴めるくらいよ。
    最近のは日本語が多くなってるから、少しは楽だけど。
    日本語でも、読めない字が多いわ。まあ、ほとんどドイツで暮らしてるから仕方ないんだけどさ」


    「でも、大体は分かったんだろ?こっちのアスカのこと」


    「まあね、かなり大雑把だけど。
    知らなきゃよかったって思うことが、ほとんどだったわ。
    ママは死んでるし、パパは再婚して幸せそうだし。
    アタシは、ちっちゃい頃から勉強やら戦闘訓練やらの英才教育受けたようね。
    期待に応えたアタシは、大学まで出たんだけど・・・」


    明日香の口は止まり、これまでの愉しげな顔から哀しい色あいに表情が変わった。シンジと同様
    に、アスカにも何か事情があるらしい。


    「一口じゃ言えない事情抱えてるのは、何となく分かったわ。詳しく知れば、同情するかもしれない。
    でも、どんな事情があるにしろ、簡単な料理すらまともに出来ないなんて、納得いかないのよね」


    「料理の出来ない明日香なんて、僕にも想像できないよ」


    幼い頃から料理に興味を示し、杏子や唯に仕込まれて育った明日香の料理の腕は確かで、レパー
    トリーも多い。流石にプロ並とまではいかないものの、眞二の舌にはピタリと嵌る。
    料理に限らず家事全般を得意とする明日香が、いい奥さんになるのは確実。彼女を妻に迎える眞
    二の幸せは、約束されているわけだ。


    「それはそうと、これからどうする?
    大体の事情は分かったけど、ここはアタシ達の知らないことが多すぎるわ。危険よ」


    明日香は身を屈め、眞二に顔を近づける。覚えのない香水の匂いが、眞二の鼻をつく。これは明
    日香の匂いではない。
    いつもならキスの一つでもしている距離だが、微妙に異なる外見と雰囲気のせいで、その気にな
    れない。明日香も、同様のようだ。彼女から迫ってくることもないから。
    確かに、この世界の事情は大まかに理解した。
    が、あくまで大まかに過ぎず、特務機関ネルフでの訓練だとか学校での人間関係などは知らない
    に等しい。特に訓練など、聞いたこともない専門用語のオンパレードに違いないのだ。日記にはシ
    ンクロ試験だとかハーモニクス試験だとかの単語が結構な数でてくるのだが、それが何を意味す
    るのか明日香にも眞二にもさっぱり分からない。格闘訓練は何となく分かるものの、眞二は体育の
    授業で柔道を教わった程度。明日香は剣道を少しだけ。本格的な格闘技の経験などない。そんな
    人間が、実戦形式の格闘訓練など出来るわけがない。訓練に引っ張り出されれば、その時点で疑
    われる。特務機関の看板は伊達ではないだろう。その後の調べは厳しい物になると予想される。
    一時的な不調で済ませてくれれば幸いだが、ここは、そんな甘い世界ではなさそうだ。


    「元に戻る方法を考えよう。
    洗面所の鏡が原因なのは、はっきりしてるんだ。今夜、試してみようよ」


    「そうね。
    全く同じ事が起こる可能性は低いけど、試してみないことには始まらないわ」


    入れ替わった向こうの自分達とて、元に戻りたいと思っているはず。この異常な世界と比べれば居
    心地はいいだろうが、周りは見知らぬ他人ばかり。同じ顔同じ声でも、それは彼らの知る知人達で
    はない。今頃は、戸惑っていることだろう。変なことになっていなければいいが。


    「そうと決まったら、なんかお腹減ったな。
    何か作ってよ」


    「はいはい。
    お昼に冷蔵庫見たら、ほどほどの材料は揃ってたから、そんなに時間かかんないわ。
    眞二は、お風呂の用意して」


    「分かった」


    明日香と眞二は、いつものように役割を決めて部屋から出る。
    二人にとってこんなことは日常に過ぎず、特別なことではない。ずっと前、付き合う前からしてきた
    こと。
    だが、アスカとシンジにとっては違う。それは、ミサトにしても同じ事だった。
    およそ一時間後、夕食の用意が出来たと言って起こされたミサトは、文字通り目を丸くした。







    「・・・これを、アスカが?」


    アスカが一人で用意したという夕食。それを前にしたミサトの顔が、ピキピキと音を立てるかのよう
    に固まっていった。
    テーブルの上に並べられた、料理の数々。焼き物をメインとして、簡単な煮物と和え物が併せて数
    種類。ご丁寧にも、缶ビールとコップまで用意されている。揃えられたそれらは、いかにも家庭料理
    といった趣で実に美味しそう。一通り眺めたミサトは、十数年の昔に母が作ってくれた料理を思い出
    した。
    シンジが用意するメニューは、ここまで凝っていない。彼は好きでやっているわけではないので、一見
    して素人の業と分かる。盛りつけや皿の並べ方も、明らかに違う。いかにも慣れた感じ。これを、自
    分と同じに料理に見向きもしないアスカが用意したなど信じられない。
    自分が寝ている間に、彼女の友人である洞木ヒカリが訪ねてきて作ったのではないかと疑いたいく
    らい。アスカのことだ。そのくらいの悪戯をしても不思議ではないから。
    そのアスカは、滅多に着ないピンクのエプロンを着けたまま。髪の毛も、後ろで一本にまとめてある。
    下に着ている服も、いつもと違う落ち着いた感じで、膝上のスカートなども相まって初々しい新妻の
    ようだ。シンジと結ばれて何か吹っ切れたのかもしれないが、どうも変。アスカが別人になってしまっ
    た感じ。それに、女として負けたようで、悔しい気もする。


    「ええ、そうよ。
    何か、変?」


    「変ていうか、その・・・
    いつの間に、料理できるようになったの?」


    「ミサトの知らないところで、色々とね。
    アタシだって女の子なんだから、その気になればできるに決まってんじゃん」


    「お、女の子・・・ですか」


    いつもの調子で作ってしまった明日香は、ミサトの怪訝な顔を見て、しまったと思いつつも巧妙にはぐ
    らかして会話を進める。こういう場合は、勢いで押し切ってしまうに限る。ミサトも不審は感じているよ
    うだが、深くは考えていないみたい。
    それにしても、本当にアスカは料理をしないようだ。今度顔を合わせたら、一言いってやらなければ。
    やれば出来るはずなのだから、アスカは。
    考えながら明日香は、ミサトに考える暇を与えないように言葉を続けた。


    「アタシを何だと思ってんの?
    いつまでも子供じゃないのよ、アタシだって。それにね」


    と、明日香の目は、空になった眞二の茶碗を捉える。
    そして、いつものように言った。


    「眞二、おかわりは?」


    「貰うよ」


    「はい」


    明日香は、眞二から差し出された茶碗を両手で受け取り、ジャーからご飯をよそって再び両手で眞二
    に返す。一連の動きに無駄や不自然さはなく、ごく当たり前に行われている。
    いつもは、逆。アスカがシンジにおかわりを要求して、シンジが渋々といった感じでアスカに茶碗を返
    すのだ。
    長すぎた春が彼らをバカップルにしたのか。或いは、結ばれた勢いのままに新婚ごっこでもしているの
    だろうか、この二人は。
    いずれにしろ、ミサトには居心地が悪い。
    付き合う前は、それはそれで問題だったのだが、付き合い出してからこんな問題が発生するとは思わ
    なかった。付き合いが始まっても、暫くは、気恥ずかしいくらいの微笑ましい光景を愉しめると思ってい
    たのだが・・・
    とんだ誤算だ。こんなことを毎日のように見せられたら、家にいずらくなるのは確実。新婚夫婦と同居な
    どできるはずがない。


    「ミサトも、早く食べなさいよ。
    それとも、ビールだけで、ご飯食べないの?」


    「ご、ごめんなさい。
    少し飲んでから食べるわ」


    「ちゃんと味わって食べてね。
    なにしろ、このアタシが作ったんだから」


    「へ〜い」


    缶ビールを開けたミサトは、人が変わったように旺盛な食欲を発揮するシンジを横目に、ぼちぼちと
    おかずを摘み始めた。







    食事の後、ネルフから緊急の連絡があり、ミサトは愚痴を零しつつ出勤していった。詳しい説明はなか
    ったものの、状況によってはパイロットも招集されるので、そのつもりで待機していろとのことだった。
    二人揃ってとりあえず返事はしたが、なるべく行きたくない。訳の分からない訓練だの試験だのは、ご
    免被る。
    意見の一致した二人は交互に風呂へ入り、さっぱりした後に揃って洗面所へ。
    自分達と入れ替わったアスカとシンジも、元に戻ろうと知恵を絞るだろう。当然、混乱の源であるこの
    場所に来るはず。向こうの二人が動揺のあまり、そこまで知恵が回らないとは考えにくい。正直、シン
    ジは怪しいがアスカは冷静さを失わないと思う。何しろ、すでに大卒のキャリアを持ち、数カ国語を操
    る英才なのだ。この程度のことで慌てるような人間では・・・
    と、考えていた明日香と眞二は、鏡を見て仰天した。
    なんとそこには、二人のよく知る人物。白衣を着た赤木尚子と娘の津子が、少し驚いたような顔でこち
    らを見ていたのだ。
    尚子は、碇、惣流、両夫妻と学生時代から付き合う先輩兼友人。学生時代に産んだ津子は、精子バン
    クから提供された精子でもうけた娘。よほど厳選したのか相性が良かったのか、天才と謂われる尚子
    以上の才を発揮している。
    明日香と眞二は、幼い頃から尚子と顔なじみ。津子も、姉みたいなものだ。


    「尚子おばさま!何で尚子おばさまが、そこに?津子さんまで」


    <あら、その台詞、あなた惣流明日香?
    なら、あの子達の言ってたことに嘘はないってことね。
    賭はあなたの勝ちのようだわ、津子>


    「・・・どういうことなんです?尚子さん」


    眞二は、顔を綻ばせる尚子を相変わらず若いと思いながらも、不審を込めた口調で問うた。
    自分の知らないところで重要な何かが進行しているのは、あまりいい気分ではない。


    <ますます源道君に似てきたわね、眞二君は。
    喋り方なんて、そっくり>


    尚子の話が脱線すると長くなる。
    明日香は、先を促す。


    「あの、おばさま?」


    <ほほほほほ!
    悪かったわ、明日香。話を進めましょ。
    こっちにいるアスカとシンジ君は、ラブコメの真っ最中で忙しくて・・・
    というのは冗談で、今は安全のためにネルフで待機してもらってるわ。
    私達は、空間歪曲と謎の発光現象を調査中。昼夜問わない強行軍の中、風呂にも入れないスタッフの
    みんなは、機嫌最悪の状態ってところよ>


    「そ、そうですか。
    そっちの僕達の様子は、どうです?
    混乱とかしてませんか?」


    <最初は、ちょっとした騒ぎがあったわよ。
    でも、さっき言った、ラブコメ自体は本当よ。何年か前のあなた達視てるみたい。
    私は、発光現象のショックで精神が一時的に退行しただけと考えたんだけど、津子は、二人の精神が入
    れ替わったと考えた。平行世界の自分達とね。
    どっちが正しいか、それで賭をしたんだけど、私の負けは決定したわ>


    ネルフに搬送されたアスカとシンジは、目覚め当初の時点では平静さを保っていた。医療スタッフとも普
    通に接していて、異常なところは何もなかったのだ。むしろ、ネルフのような施設に初めて足を踏み入れ
    たにしては冷静すぎる、いや、慣れているとも受け取れた。
    が、メンタルケアのためのカウンセリングが始まると状況は一変。彼らの性格は、尚子の知るそれではな
    くなっていた。しかも記憶に混乱と障害があるようで、シンジは、面会に訪れた源道に辛辣な言葉をぶつ
    けて源道を唖然とさせ、唯を見て絶句。次に場も顧みず泣きじゃくった。源道と唯は、シンジに深刻な障
    害が発生したのではないかと本気で悩んでしまったくらいだ。
    アスカもアスカで、面会に来たクラウスと他人行儀で接して彼を愕然とさせ、杏子には一瞬驚いたあと、
    彼女にしがみついて暫く嗚咽を漏らしていた。こちらも、クラウスと杏子を悩ませるに充分だった。
    事の異常さを理解した尚子は、二人が落ち着いた頃合いを見て事情聴取を開始。
    結果、二人は驚くべきことを次々と口にした。
    特務機関ネルフ、秘密結社ゼーレ、人類補完計画、セカンドインパクト及びサードインパクト。
    人類の敵、使徒。それと戦う人型決戦兵器エヴァンゲリオン、通称エヴァ。そのバリエーション、零号機、
    初号機、弐号機。
    S2機関、ATフィールド、LCL、コア・・・
    彼らでは絶対知り得ない真の情報と、荒唐無稽な妄想が入り混じっている。
    だが完全な妄想とは決めつけられない。最高機密であるエヴァの詳細については全くその通りだったし、
    別々に聴取した二人の調書も、ほとんどの部分が一致していて破綻がない。まるで事実かのように理路
    整然としている。つまり、二人は心を蝕まれているわけではない。
    だとすれば、どういうことなのか・・・
    混乱するばかりの尚子に、津子は言った。


    『精神の入れ替わりと考えれば、辻褄は合うわよ、母さん。
    事実は、素直に認めた方がいいわ』


    明日香の首を絞める、鏡から付きだした白い腕。
    そして、それをやめさせようとするかのような男の腕。
    あの映像は、尚子とて何回も観て確認している。MAGIにも検証させたが、トリックなどではない。
    鏡に映る人物像も詳細に解析し、それが明日香と眞二、両名とは微妙に異なることもむ明らかとなって
    いる。更に会話記録も、それを証明していた。平行世界は実在していたのだ。
    尚子も、平行世界そのものは認めている。既存の科学、学説以外を認めない教条主義者ではないつも
    りである。
    しかし精神の入れ替わりなど、漫画や小説でもあるまいし・・・
    というのが、尚子の正直な気持ち。そういったところの柔軟性は、津子の方が上のようだ。
    その津子は、二人の精神が入れ替わったのなら、向こうに行った明日香と眞二が、こちらに戻ろうとして
    必ずこの鏡の前に現れると推測。自分の正しさを証明するため、津子は尚子を連れて鏡の前に数時間
    前から陣取っていた。
    結果は、この通り。津子が正しかったわけだ。


    「そこまで分かったのなら、元に戻りませんか、僕達。
    こっちは、ちょっと困ったことになりそうなんです」


    <きついこと言うようだけど、原因も掴めてない今の段階では、はっきりとした対応策は無いわ。
    ただ・・・>


    尚子は言葉を途切り、暫し迷う。科学者としての矜持が、その先の言葉を拒否するのだ。
    しかし、葛藤は数秒で終わった。


    <あの時の状況を再現すれば、どうにかなりそうな気がするのよ。
    科学者としては、恥ずかしい言い方なんだけど>


    「お願いします、尚子おばさま。
    何はともあれ、やってみなきゃ」


    <分かったわ、明日香。
    すぐに手配するから、三〇分ほど待って>


    「分かりました、おばさま」


    それから三〇分後、見慣れた顔が鏡の中に。
    尚子ら数人のスタッフが見守る中、明日香とアスカは、互いに悪態をつきながらもおずおずと手を伸ばし、
    ちょうど鏡の面で手の平を合わせた。
    それを見ていた眞二とシンジは、女達の手を包み込むように手を合わせる。
    四人の腕が、あの時のように重なった。今度は、静かな交合。
    すぐには、何も起きない。
    その場にいた全ての人間が、やはり駄目かと諦めの空気が部屋を満たしたと思った次の瞬間、再び発生
    した白い光が何もかも覆い尽くしていく。
    その光は、全ての者に優しかった。
    明日香とアスカ、眞二とシンジ。
    そして、尚子と津子にも。








    でらさんから素敵なお話の続きをいただきました。

    いろいろ人々が動いていて‥シンジとアスカをはじめとする本編世界の人たちはちょっと受動態ですが‥

    なんだか、普段は入れ替わりモノではスポットあたらない人もなにやらありそうですが‥

    動いて動いて続きもさらに動くらしいです。皆様もぜひでらさんに感想なんか書いちゃったりしてくださいませ。

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