京浜急行羽田空港線の穴守稲荷・羽田間の一駅が4月1日に開通しました。京急の新線開通は一九七五年の三浦海岸〜三崎口開業以来一八年ぶりのことなのですね。京急をかつて愛用した横須賀出身の者としてはこれを放置するわけにいかず、3日(土)にかけつけました。

 JR池袋の連絡切符用自動券売機の表示には、ちゃんと「羽田」という小さなステッカーが貼ってあったのでそれで購入し、品川へ。品川の乗り換え口ではアルミ製の記念乗車券を一三〇〇円で売っていました。一二八ミリ×一八二ミリ、つまりB6判の大きさで、羽田から二三〇円、品川から八〇〇円、横浜から二七〇円の乗車券がついていて、有効期限は四月三〇日でした。八〇〇円の切符がちょっとよけいな感じがしますが、まあこれはコストから売値を決めてそれに合う金額の乗車券を設定したということなのでしょうね。

 どうせなら羽田直通ので、と思ったのですが、ちょっと時間が半端だったので特急に乗車。沿線はどこも桜が満開でした。京急蒲田でホームの向かい側へ乗換え。延長された空港線ホームは、呑川の上まで使って狭いホームを作った苦心の作。

 折り返した電車は、まず身をよじるようにして国道を横断します。空港線というと古い小さな車両という昔のイメージからすると、一〇〇〇系の6両編成が走るのは不思議な感じがします。最初の急カーブを過ぎると複線になり、あとはだいたいまっすぐなのですね。地下化工事中の大鳥居を出るとまた大鳥居駅、そうか、旧仮駅か。

 穴守稲荷を出ていよいよ新線区間、地下へもぐっていき、感激するひまもなく終点、紺色のタイル貼りの羽田駅に到着。外へ出ると滑走路のはじっこで、何もないところでした。となりのまだ使われていない新しい建物はなんなんでしょうかね。モノレールの駅入口になるのかな。九月にモノレールと接続するようになったら、空港へ行く人はここで地上に出ることもなくなるわけですね。

 
 帰りは、せっかくですから記念乗車券のうちの羽田からの分を使いました。はさみは入るわけはなくて、裏に「羽田」というゴム印を押してくれました。また直通でない電車で京急蒲田に戻ったら、当然のことながら跨線橋を渡って乗換えです。それにしても、京急蒲田駅は相変わらずで、失礼ながら、空港への玄関口という華やいだ感じはまったくしません。数年後、羽田新ターミナル下まで延長のときまでにはなんとかするのでしょうか。しかし、高架にするとしたらまた一〇年がかりになるでしょうし、たいへんそうです。

 
  [付記] 一九九三年九月、新ターミナルビルの開業と同時にモノレールが延長され、京急羽田駅はモノレールとの乗換駅となった。京急は数年後にターミナルビル地下まで延長される。