神保町 昼食ニュース

2006年9月号

2006年9月3日記

天下一

 8月某日,たまたま上野駅に行ったら,上野駅ステーションギャラリーで写真展「上野、東京…戦後を走った汽車・電車」というのをやっていた。宮澤孝一氏(元・鉄道友の会専務理事)撮影による戦後の鉄道風景の写真展で,小規模な無料の展示だが,なかなか充実した内容だった(→参照先)。
 中に1枚だけ鉄道とは直接関係のない写真があって,それが神田すずらん通りの写真だった。白山通り側出口に近い場所から東方向へ向かって写したもので,「天下一そろばん」の大きな看板が中央にある。撮影年を見たのに忘れてしまったが,たぶん昭和30年ぐらいだったと思う。私がすずらん通りを知っているのは70年代前半からだが,そのころはまだたいしたビルはなくて町並みの骨格は写真にあるのとほぼ同じだったから,非常になつかしかった。
 天下一そろばんは,今も同じ場所でビルのオーナーになっているが,店舗はなく,ビルの裏口に「天下一そろばんは○階です」という表示が小さく出ている。

◆ 開 店・初訪問

 夏は新開店も見あたらないなと思っていたら,月末近くなっていくつか見つけた。
 ひとつは,タイ料理の「バーンセーン」で,小川町交差点から本郷通りを北へ行った左側,「鬼平」などのあるビルの5階にある(神田駿河台3-1-1)。このビルと隣のビルには飲食店が計6,7店あり,昼食の立て看板がごちゃごちゃと並んでいて,よく見ないとどの店へ行けばいいのかわからない。
 5階に上がると,南方風ではなく落ち着いた感じの店で,女性客が多く入っていた。バンコクのホテルにいた人を料理長として,7月に開店したという。ランチは9種類で,レッドカレー,グリーンカレー,やきそば,トムヤンクン,日替わりなど,\850〜950。この日の日替わりランチ(\850,デザートつき)は,豚モツと野菜のオイスターソース炒めで,粒が小さくて長細いタイ米によく調和していた。

 靖国通り沿い(北側),「コナカ」の並びの地下にあった「高田屋」が閉店して工事をしていたのは知っていたが,久しぶりに通りかかったら,「<元気居酒屋!> ちょんまげ」として8月1日に「リニューアルオープン」し,昼食もやっているというので,翌日行ってみた(小川町2-4-5)。中は,カウンター9席,テーブル4人×3 と思ったら,脇に大きな部屋があって,けっこう広い。
 昼食は,ネギトロ丼,鶏塩ネギ丼,イカオクラ丼にそれぞれ蕎麦のついたセットが \680 (ほかに,カレーがあるが抹消されていた),煮込みハンバーグ,週替わりが \800 となっている。食べたのは鶏塩ネギ丼で,バランスの良い内容だった。ただ,丼はどうしても「味が1種類」なので,小鉢は少し強い味のあるものがほしくなる。

 新開店とはいえないが,初めて入ったのは,小川町郵便局向かい,白水社の並びにあるイタリアン「ベントルナート・マッジョ」(小川町 3-24)。カウンター10席ぐらい,テーブル3席の店だが,ほかに外から階段を降りる地下があるらしい。
 昼食は,スパゲティがオリーブオイル,トマトソース,クリームソース,週替わりの4種,ペンネ1種で,各\1000。食べたのは,ツナ,黒オリーブ,ケッパーのトマトソース・スパゲティで,トマトソースは適度な甘みがあり,トウガラシの刺激もあってさっぱり夏向き。\100 のエスプレッソ(ありがたいことに飲み物はすべて \100)も飲んで充実のランチとなった。
 
 これはもっとずっと古い店だと思うが,小川町交差点の北(細い道も入れて)3本目を左に入ったところにある和食店「狩の川」に初めて入った(小川町 2-14 の地下)。カウンター7席とテーブル2つの店で,昼食は,刺身(\900),焼き魚,おでん,まぐろ丼(\850)で,小鉢,漬物,みそ汁つき。食べたのはまぐろ丼で,づけにしたまぐろ自体もいいが,小鉢が気が利いていて,みそ汁もおいしかった。次は隣の人が食べていた焼き魚が食べたくなった。

◆その他の動き

(写真をクリックすると大きい写真が出ます)

 1月に「移転のため」と称して閉店した「山頭火」のあったところ(小川町 3-9-4;千代田通りドトール・エーパンの角を五十通りへ入って左側)はずっと空き家だったが,8月中旬,「ムガール・マハールが23日開店」という貼り紙が出た。錦華通りの同店に行ってみたら,なるほど「ビル取り壊しのため」という移転予告が出ていた(
右の上の写真)。
 23日の開店の日にさっそく行ってみた。看板もちゃんと移転している(右の下の写真)。山頭火は1階と地下1階を使っていたが,分離され,ムガール・マハールは地下1階のみを使っている。階段をおりたところえガラス越しに厨房がみえるようになっていて,ナンを焼いている。ランチはランチがA〜Cセット,カレー5種類で,元の店と同じ。ライスまたはナンは食べ放題。
 錦華通りは,ほかにカーマ,メーヤウと3軒本格カレー店があったが,その1つが転出して,ちょっと寂しくなった。

 7月終わりごろから,「神田アフガン食堂」(小川町3-11;まぐろ市場の地下)が閉まっていて気になっているのだが,どうやら再開のきざしはない。初めてのアフガニスタン料理の店として一部では話題になっていたのだが。
 上記五十通りを入ってすぐの「さくらど」も7月終わりごろから閉まっている。
 同じ五十通りをだいぶ行って1本左の道の「翠園」(錦町1-14あたり)も閉まっていて心配していたところ,8月24日ごろ,従業員を募集する貼り紙が出た。こちらは再開の意志はあるようだ。

 靖国通り沿い(南側)の昨年7月に開店した「<カレー・アロハダイナー> プルメリアティリーフ <神田小川町店>」(小川町2-3-22)が閉店し,「西麻布へ移転」という貼り紙が出た。結局,店の名前を覚えられなかった。

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