神保町 昼食ニュース

2005年2月号

2005年2月4日記

お茶漬けの味


  ふだん洋服のポケットには物を入れないことにしているので,昼食に出るときは,本屋でもらう手提げのビニールバッグに財布を入れていく。このバッグには,どこから読み始めてもよく,どこで中断してもいいような,昼食の待ち時間専用の本が入っている。
 ところが,財布をこのバッグに入れるのを忘れて出てしまい,食事を終えて代金を払おうとしたら財布がない,ということが2年に一度ぐらいある。たいていは,昼休みに何か用事があってそれに必要な書類を入れたりしているうちに,財布を忘れるというパターンである。
 そんなとき,店の人の対応は実にさまざまで,名前と勤務先と電話番号を書かされたこともあれば,何も聞かず「こんどのときで結構ですよ」といわれたこともあった。いずれにしても,すぐ財布をとりに会社に戻って,すぐ払いに行った。「こんどのときで」と言ったおばさんは「まあ,いつでもよかったのに」としきりと恐縮し,こちらが恐縮してしまった。

◆ 開 店

 靖国通り北側,神保町1-4のビルの4階に,「伊蔵<神保町店>」という居酒屋が12月中旬に開店し,1月から昼食を始めた(このビルの3階は「土間土間」だが,昼食はやっていない)。親子,みそカツ,そばと丼,そばとすし,焼き魚,日替わりなど和食約10種類が \800〜\1000,まぐろづくしというのは別格で\1500となっている。
 そばとまぐろ小丼(\900)というのを食べた。ちょっと手順が良くなくて,小丼を食べ終わってからそばが出てきたが,それぞれきちんとした味だった。もう一息,個性のあるメニューがあるとよい。

 神保町2-14あたりだろうか,「さぶちゃん」「七福神」の路地を抜けた左側に,「神保町 卯佐」という和食の店ができた。前は「いもや」とは別のとんかつ屋だったところである。タウン誌『かんだ』によると12月1日に開店したとのことで,年末に気づいたが,入ったのは新年になってからとなった。
 昼食は,天ぷら膳(\850),刺身膳(\900),鯛茶漬け膳(\1200)の3種,あとランチビールというのがちょっと気になったがぐっとこらえた。食べたのは鯛茶漬け膳で,最初「お茶漬けに1200円か,考えちゃうな」と思ったが,目の前で鯛を切ってくれて,最初はそのまま刺身として食べ,途中でお茶をもらってお茶漬けにする,というもので,小鉢と茶碗蒸しもついていて,非常に充実した内容だった。
 この少し北で,いま「吉風庵」になっている場所に「ながと」という店があったが,そこのお茶漬けが同様のやりかただったのを思い出した。

◆ 閉 店

 神保町1-27の「静邨 満留賀」の並びのカウンターの和食店「さまよ」が,12月末で閉店した。建物が老朽化し,建て替えとなるとの貼り紙があった。
 ここは前は,名前は同じだが中華料理の居酒屋で,その前には別の形態の「さまよ」があったように思う。そして,さらにその前,たぶん70年代半ばまでは「にしむら」という天ぷら屋だった。学生時代に初めて古本屋めぐりをしたときに寄ったのが最初だった。

 そこから北へ行ってすずらん通りを越えてすぐの喫茶店「リオ」(書泉グランデ裏)も,12月で閉店した。ここは,かつてT字型のフロアで北側と西側に入り口があった「ラドリオ」を分割した店である。朝食に,トースト,目玉焼,サラダ,ホットドッグなどを自由な組み合わせで注文できるのがちょっと良かったのだが。
 残り部分の「ラドリオ」は一応健在。カフェ蔓延以前,ほとんど毎日昼に行っていた時代もあった。

◆ その他の動き

 すずらん通り東端近くの「ちりめん亭」が改装中し,2月4日,「中華食堂 ちりめん亭」として開店した。
 小川町交差点北東の角にあった古いきしめんの店「尾張屋」がいつのまにか消えて,居酒屋に改装中である。

 2月3日,小川町3-2あたりの靖国通り北側に,モスバーガーが開店した。神保町・小川町・水道橋はこれまでモス空白地帯だった。

 錦華通りの讃岐うどんの店「丸香」は,いつも大行列でずっと入れずにいたのだが,このごろはカレーうどんをやってますよ,と教えてくれた人がいたので,少し遅めの時間に並んで入ってみた。普通のうどんの器に,ややゆるめの和風カレーをかけたもので,質量ともに満足(普通サイズは\630,大は\735)。釜玉にカレーという組み合わせも良さそうだ。

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