IHONOの最新インストゥルメンタル・アルバム。
『並行する|世界|の|向こう側|の|音楽─』
2020年に記すように残す、くぐもった捕えどころのない空気であったり、壁を隔てた向こう側から聴こえてくるようなサウンド表現を中心とした、非常に感覚的なアルバムが誕生しました。
並行して流れるすぐそばにある世界。
それはパラレルワールドという、SFやファンタジーの題材に使われることの多い世界だけれど、例えばSNSをやっている人とテレビだけを観ている人との流行や情報の乖離であったり、世代によってのちがいであったり、隣り合っていても気づいてない、もしくは目を向けてない出来事にもそのパラレルワールドっぽさを感じることがある。
時代の進歩で繋がることはできていても、情報・思想・存在等が分断・隔絶されたこの世界で、我々は互いの声を聞き取れぬまま並行していくだけなのだろうか。
近年、音楽を作るときにそういうことをテーマに置きながら描くことが多かったことに気づいた。
現在COVID-19による影響で、テレワークなど様々な変化がなかば強制的に始まっていて、これが進んでいくと近い将来、リアルで生きる人々とバーチャル空間の3D社会でビジネスや娯楽が生まれそこで生きていく人々とが分かれていき、それぞれが別々の文明の発展を遂げるようなパラレルが起こるかもしれない。
今その変化の岐路地点に立っているのだとしたら、そうした棲み分けが進む中でその並行世界をつなぐ人々こそが最も重要な役割を担うのかもしれない。
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