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いちごぼっくりが村に帰った時は昼をかなり過ぎていた。岸辺には心配そうないんげんどじょうとしいのみ君の姿があった。
「ああ、よかった。僕はてっきり君がベックリンの島に行ったのかと思ったよ。」
「そうよ、私そのベックリンとやらの島にいってきたのよ。」
「うそー。」
しいのみ君が絞り出すような声でいった。
その夜、湖畔のキャンプでいちごぼっくりは二人に死の島でのお話を聞かせた。
聞き終わったいんげんどじょうはあきれ顔で言った。
「まったく君ってあきれたやつだよ。ところでその死神ダンスってそんなにすごかったの。」
そこでいちごぼっくりは月光が湖を照らすなか、じつに優雅に死神ダンスを踊ったのだった。
踊り終わった時、いちごぼっくりは拍手喝采を期待していた。けれども、二人はただじっとして動かず、顔にはすでに血の気がなかった。
いちごぼっくりは二人を揺り動かした。しかし二人はもうこと切れていたのだ。
いちごぼっくりは始め何が起こったのかわからなかった。しかしすぐにそれは自分のダンスのせいだと気がついた。
『どうしょう。』
いちごぼっくりは混乱した頭で考えた。
『こうなったらまた死の島に行くしかない。そして死神に頼むしかない。』
いちごぼっくりは必死で筏を漕いだ。ようやく島に近づいた時、月の光に煌々と照らし出された死の島はその無気味さを一層増していた。
畑男に頼んで二人をなんとか担ぎながらいちごぼっくりは、死神のところにつれていってもらった。二人を助けなければという思いでいっぱいで、もう怖くはなかった。
いちごぼっくりは二人の亡きがらを前にして一部始終を死神に話した。
聞き終わった死神はしばらく黙って頭を振っていたが、やがて話しだした。
「もうとやかく言っても始まらない。私にも責任がある。しかし事は急を要する。
私が見たところ二人の魂はいま黄泉の国の入口にいる。
いまならまだ間に合うかもしれない。おまえはこれから黄泉の国に行き、二人の魂を連れ戻すのだ。
いまから私がおまえの魂を黄泉の国へと導こう。」
いちごぼっくりは死神の前に横たわった。
こうしていちごぼっくりは一人、薄暗い黄泉の国へと旅立った。
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