Neo Contra Preview(GameSpy.com)

 『ネオ魂斗羅』を発表するにあたり、プロデューサーの中里伸也氏は、まずシリーズの歴史について説明した。氏は16ビット時代から魂斗羅シリーズに携わり、前作のPS2版『真魂斗羅』の開発も指揮した。氏は、魂斗羅の第1世代を初期のAC版、FC版とし、次にSFC版、MD版、そしてPS2版第1作を第2世代としている。そして今、『ネオ魂斗羅』がシリーズの第3世代として、真に現代的な魂斗羅を切り開くと考えている。またここで注目すべきなのは、氏がこの歴史上からPS1のヨーロッパ製魂斗羅2作を除外していることから、シリーズのファン同様、コナミもこの2作の存在を抹消したいと考えていることが窺える。

 『ネオ魂斗羅』はフル3Dの魂斗羅作品であり、従来の熱狂的なファンは頭に来るかもしれない。だが、開発者が「魂斗羅の魂斗羅たる所以」を無視していないことは明白だ。『真魂斗羅』とほぼ同じ開発チームにより、変わらぬスピーディーなアクション、巨大なボス、そして歯ごたえのある難易度に重点が置かれている。「手ごわいゲームになるので、その点は安心していいですよ」と中里氏はコメントしている。『真魂斗羅』には数種類の武器しか登場しなかったが、『ネオ魂斗羅』には実に多彩な武器が用意されており、その中からプレイヤーはステージ開始前に任意の3つを選択する。そして『真魂斗羅』同様、それらを自由に切り替えながら進むことができる。マシンガン、スプレッド、火炎放射器といった伝統的な魂斗羅武器が再登場し、その他にも様々な武器がある。

 もちろんゲームが3Dになったことで、従来からの変更点も多々ある。まず驚くのは、『ネオ魂斗羅』ではプレイヤーはジャンプができない。その代わりに、新たに追加されたロックオン機能で空中の敵を撃破していく。美しく描かれた巨大モンスターどもは相変わらずだが、ただそれらに対するプレイヤーの攻撃スタイルが、今までとは違ったものになるだろう。

 多彩なゲームモードやステージタイプを用意する代わりに、開発者は多彩なゲームプレイ――それぞれのシチュエーションに最も適した――を各ステージに巧みに織り込んでいる。どのステージも、トップビュー、サイドビュー等々、複数の視点が採用されている。ゲーム展開は従来通り一本道だが、これらのアイデアを全て盛り込むために、従来よりもステージが長くなっているのが特徴だ。中里氏によれば、これは必然だったという。ステージを長くする以外に、全てのアイデアをゲーム中に詰め込む手段はなかったのだ。

 『ネオ魂斗羅』の新要素であり、そして新たな「魂斗羅進化」のひとつが、ストーリーの強化だ。実際に本作には、同じKCE東京の『キャッスルバニア』『サイレントヒル』シリーズに携わったライター陣が参加している。現時点では詳細はわからないが、中里氏はジャガーというキャラクターについて述べている。当初は単なる色違いの2Pキャラだったが、独自の動き、バックグラウンドストーリー、そして個性――凄腕のゴツいサムライ――を持つまでに成長した。このストーリーの強化という目的は間違いなく、本作を作る上であらゆる面に影響しているだろう。

 中里氏によって紹介されたビデオ映像は、『真魂斗羅』のパロディから始まっている。『ネオ魂斗羅』のステージ中に飾られた平べったいビデオ画面に、『真魂斗羅』のワンシーンが映るのだ。実際のゲームを見れば、『真魂斗羅』のコンセプトが、『ネオ魂斗羅』の様々なアイデアの元になっていることは明白だ。前作の「撃破率」システムは健在だし、ステージ中の武器切り替えシステムは前述した通りである。グラフィックの雰囲気も良く似ており、ゲロを吐きちらすミュータント・ベビーの愛らしさはまさに魂斗羅だ。

 本作が単なる魂斗羅シリーズの進化過程にとどまらず、現代のゲーマー達に魂斗羅の存在感を示す作品となることは間違いない。恐らく『真魂斗羅』の予想外の成功がコナミに、良質のゲーム性――例えそれが、彼らの考えるユーザーニーズではないとしても――こそが重要だと証明したのだろう。今回の魂斗羅のリニューアルにあたり、開発チームが過去の魂斗羅作品の伝統と、シリーズの新しい進化をうまく調和させられるかに期待がかかる。2004年末、魂斗羅が真のミレニアムを迎えられるか否か、その答えが出るだろう。



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