Talent: Nobuya Nakazato(GMR)

中里伸也
魂斗羅ファン、そしてLonely Gamersのヒーロー


 今月のクリエイター特集は、伝説的シリーズ『魂斗羅』のプロデューサーであり、また『ヴァンダルハーツ』(PS1)など、批評家から高い評価を受けたヒット作の仕掛け人でもある、中里伸也氏に注目。1980年代について、PS2の新作『ネオ魂斗羅』について、そして孤独なゲーマー達について、熱く語っていただいた。



GMR: 『真魂斗羅』の後、なぜフル3Dアクションを作ろうと考えたのですか?

中里: 『真魂斗羅』の後、私達は、より自由度が高く、より戦略性の高いゲームについて話し合いました。その結論が、新しい3Dゲームだったのです。

GMR: やはりスプレッドガンは、懐かしの魂斗羅と同じように、あの赤い玉が撃ち出されるのですか? 魂斗羅のトレードマーク的なイメージは健在?

中里: 健在ですよ。ただ、赤い玉とか、全てが昔のままというわけではありません。周囲のグラフィックにマッチするように、かなり洗練しています。

GMR: 本作はとてもユーモアに富んでいるように見えます。これは意図的なものですか? 主人公達が、回転するヘリのローター上をネズミのようにチョコマカと(しかも銃を撃ちながら)走り回っているのは、大爆笑でした。

中里: そのシーンは我々もお気に入りです。確かにあなたの言う通り、ユーモアのセンスは大事にしています。ご存知の通り魂斗羅は戦争ゲームですが、もし本作を、本物の戦争のように作ったとしたら、とても退屈で、暗いゲームになってしまうと思うんです。魂斗羅はプレイヤーが純粋に熱くなれる、楽しめる作品なんです。

GMR: 魂斗羅シリーズが始まったのは、レーガンの時代でした。いかにも80年代的で、まさにランボーそのものです。私達は今、共和党の支配は変わらないとは言え、当時とは全く異なる時代に生きています。魂斗羅はもはや、時代錯誤の遺物なのでしょうか?

中里: 我々は魂斗羅を現代の情勢にフィットさせようと試みています。まさしく、魂斗羅はガン・クレイジーな80年代にスタートしました。それは人の心の奥底に眠っている本能であり、ランボーが大人気だった80年代は、暴力こそ正義、みたいな風潮がありました。

 ですが21世紀では、正義とは何でしょう? それを単純に一言で言い表すことはできません。現代には考えなければならない要素がたくさんあります。80年代のように、簡単には行かないのです。

GMR: 本作ではストーリーを強化するとのことですね。具体的にはどのように? 声優による音声は入りますか?

中里: ステージの間にデモシーンが入ります。音声入りのカットシーンもあります。そしてもちろん、これらのシーン中に、プレイヤーキャラが重要なキャラに出会い、キーとなるイベントが起こった場合、リアルタイムムービーが挿入されます。

GMR: 1人プレイモードに、CPU管理の2Pキャラを参加させる、というアイデアについて考えたことはありますか? もちろん、通常の人間同士による2人同時プレイのほうが、一緒にワイワイ遊べて楽しいです。ですがCPUキャラが一緒に戦ってくれるというのも、また面白いと思いませんか? もしうまく行けば、楽しいモードになると思います。時には一緒に遊ぶ相手が見つからない時もありますから、何らかの方法で仲間がいるような感覚を味わえると、面白いのではないでしょうか。

中里: そうですねえ、ネオ魂斗羅について言えば、プレイヤー2人の協力プレイが必要になりますね。ですが将来的には、そのアイデアについて具体的に考えてみたいですね。

GMR: 孤独なプレイヤーのための魂斗羅、ですね。

中里: あなたは1人じゃない、と。



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