バイオハザード4
biohazard4




●『バイオハザード』というジャンル
 FPS(ファースト・パーソン・シューター)ではない。TPS(サード・パーソン・シューター)でもない。「サバイバルホラー・バイオハザード」である。
 『バイオハザード4』は従来の客観視点から、主観視点にフルモデルチェンジされた。だが操作自体は旧作のまま、1本のスティックで移動と方向転換を同時に行なう「ラジコン方式」である。そのため、やはり平行移動や走り撃ちといったアクションはできない。
 純粋なシューティングならば、ありえない操作方法だろう。だがこれが本作の「ルール」であり、この限定された移動と視界のおかげで、「バイオらしい」恐怖感が健在なのだ。
 まず、「不意打ち」の恐怖。例えば角を曲がる時、普通のFPSなら、あらかじめ曲がる先を向いておき、平行移動で角から出るだろう。だがバイオ4ではそれができないので、角を曲がった途端ホアアアアアア!!! ということになる。
 また、「追い詰められる」恐怖。移動しながら撃つことができないので、立ち止まって撃つ自分と、迫ってくる敵との距離はどんどん縮まる。バックダッシュもないので、敵に接近されたら背を向けて(この振り向きアクション中に攻撃されることが多い!)無防備に逃げるしかない。だから壁際に追い込まれたり、前後から取り囲まれた時の恐怖感はすごい。
 撃ちまくる爽快感だけではない。モンスターの恐怖感だけではない。「デザインされた不自由さ」から来る緊張感、不安感、圧迫感……。それらが本作を、『HALO』や『ハーフライフ』とは全く異なる体験にしている。「サバイバルホラー・バイオハザード」は、そのタイトル自体が独自のジャンルなのだ。



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