STREET FIGHTER
2010
THE FINAL FIGHT
A LITTLE BACKGROUND
ケンは他惑星の開拓には全く興味がなかった。
そんな時、彼の相棒トロイが殺された。
何者かが彼らの研究室に侵入して研究成果を盗み出し、トロイを惨殺したのだ。
ケンがストリートファイター・トーナメントの王者になってから25年もの歳月が流れていたが、今やその歳月は高度に発達したバイオニクスによって補うことができる。
幸運にも、殺人者の足どりをたどることは容易かった。
殺人者が訪れた全ての惑星で、ケンとトロイによる驚くべき発明“サイボプラズム”が瞬く間に蔓延していったのである。
“サイボプラズム”は、投与量がわずかであれば、人間が他惑星で生きるために必要なパワーを与えてくれる。
だが大量に投与された場合、“サイボプラズム”それ自体が生命を持つようになり、宿主である人間の肉体と精神を乗っ取り彼らを凶暴で、残虐な超人、あるいは、想像を絶するエイリアンに変貌させてしまうのだ。
この試練を突破し、邪悪な悪魔を滅ぼすことができるのは、ストリートファイターの技だけだ。
そしてケンは必ず親友の仇を討つ――例えその命に代えても。
「MX5、あなたの体内にパーソナル・テレポーターを装備したワ。
テレポーターは大量のエネルギーを必要とするため、
短距離のジャンプを繰り返して移動するしか方法はありません。
各エリアのターゲットを破壊して、エネルギーをためなさい。
十分なパワーがたまれば、次元ドアが自動的に開くはずよ」
PLANET 1
「ケン?」
「誰だ?
なぜ俺の名を?」
「そんなことはどうでもいい。
なぜ私を追ってくる?」
「貴様は俺の親友を殺した」
PLANET 2
「まだ私を追ってくるつもりか?
傷つきたくなければ、地球に帰るのだ」
「帰るのは貴様をこの手で裁いてからだ」
「ハッハッ。
よかろう、ならばお前にいいことを教えてやろう。
惑星サンドデューンへ行くがいい。
フリップシールド発生装置があるはずだ」
PLANET 3
「何が起こっているんだ?
ダメージを受けるたびに体の中を何かが這いずり回るようだ」
PLANET 4
「痛むか、ケン?
自分の体に何が起こっているか、まだわからないのか?
私と手を組め、消してやろう その痛みを」
PLANET 5
「ようこそ、ケン」
「トロイ?!」
「もちろんさ。
他に誰がサイボプラズムをコントロールできる?
私は私の実験体全てに痛みを感じさせることができる。
そう、今までお前に痛みを感じさせてきたのと同じようにな」
「どういう意味だ?
俺がサイボプラズムに感染しているというのか?」
「知らなかったか?
お前が私の最初の実験体だったのさ。
そう、もちろんお前は覚えていないだろう。
私がその記憶を消したのだからな」
「だが…何故なんだ、トロイ?」
「お前のあの発見を綺麗事だけに使っていては
宇宙は支配できない。
お前も悪になるのだ。
ケン、私と手を組め。
共に宇宙を支配するのだ」
「NEVER!」
「これで終わりだ」
「ケン!ケン!
至急地球に帰還してください。
サイボプラズムへの感染が
広まってしまったわ。
あなたの助けが必要なの」
「…………」
「ケン?応答して、ケン!」
「I READ YOU. I'M ON MY WAY.」
THE END