10月の日記

 この日記は作者の都合により「上から下へ更新」しています。最新のものはジャンプをクリックしてお読み下さい。
 
 
最新の日記へ行く  表紙に戻る  「日記の読み方」へ行く
 

過去ログ一覧

9月の日記

8月の日記
7月の日記
6月の日記
5月の日記
4月の日記
 

10月1日

 10月となったので、本格的にブログ化を推進することに。ま、表紙部分のリンクをいじるぐらいなんだけど。なお、ブログ化に伴う処置として、「最新1週間」と「日記選択」は段階的に機能停止させていただきます。あと、旧形式の日記は編集の都合上残しておきますね。
 
 本日のネタは、阪神優勝…はパス(苦笑)。悔しいからじゃなく、特に語るべきコトがないから。私はファンではないわけだし。そんなワケで、先月ほとんどやらなかったヲタクネタで、先日単行本が出た「暴れん坊本屋さん」をお届けする。
 
 まずは恒例の書誌学的データ。「暴れん坊本屋さん」作者久世番子。出版元新書館。またもやWings(及び別冊のウンポコ)連載作品だ。好きだねオレも。まあエッセイ風のギャグなので、ドコで連載してても不思議はない作品ではあるんだけど。
 
 この本、要は「本屋の日常」を描いたエッセイ風ギャグ作品である。注文・返品・入荷・陳列に始まり、万引きや流通への文句といった「ちょっとヤバめ」のネタまで採り上げている。本が好きな人なら「わかる」ものばかり。ドマイナーな作品なのを承知の上で、読んでみる価値があるんじゃないかな。
 
 私は自他共に認める本屋好きであるけど、実は本屋の店員は「敵」である。立ち読み大魔王であり、私の読書歴は本屋の店員との戦いだったからねえ。おまけに本屋の内情ってものの見当が付くだけに、「あれだけはなるもんじゃねえ」と堅く確信してたものだ。とはいえ端で見てわかる知識には限界がある。この本で「初めて知った」ことも少なくない。
 
 特に笑ってしまったのは、POP(店頭にある広告カード)に関する話と、配本と注文に関する話だな。基本的に私はPOPを頼らない。本屋の端から端まで丹念に探索した末、自力で面白そうな本を見つけるから。とはいえ、たまにはPOPに騙されてみることもある。あれは「本屋も攻めの姿勢で行かないと!」って気合いの現れだったとは知らなかったな。
 
 配本と注文に関しては、私は極めて冷淡に対応していた。無ければ売ってる店まで買いに行くからである。注文なんてしたことない。「探しても見つからない」ってのは私に対する挑発行為とみなし、必要ならば足を棒にして探し歩く。それだけに、欲しい本がない本屋なんぞ「使えねえ」の一言で片付けていた。本屋にしてみれば「コッチの苦労も知らないで…」となるんだろなとは思っていたけど、ホントにそうだったとは(苦笑)。
 
 マイナーな作品なので、入手は困難だと思う。マンガ喫茶や新古書店といった、裏ルートで仕入れるのは難しいのでは。つーわけで、読みたければ注文してでも買いなさい。内容が内容なので、ひょっとすると本屋側が「思い切って仕入れてみるか」とか思ってくれてるかもしれないし。ちなみに巨大本屋ジュンク堂が軽く推してました。ひょっとすると売れるかも(笑)。
 
上に戻る  日記選択に戻る  表紙に戻る
 

10月3日

 サイレントウィットネス様強い!土曜に騎手放り出して暴れたなんて、不安材料のうちに入らなかったですね。個人的には「サクラバクシンオーよりは美しくない勝ち方」だとは思うけど、これは猛烈にレベルの高い比較のこと。普通に考えれば華麗でしたよ。さすが世界一のスプリンター。
 
 もちろんこの勝利自体も注目なんだけど、あえて今回採り上げたいのは香港人のこと。なんか山ほど見かけたんですけど。そりゃね、横断幕(パドックにある応援用の幕)の枚数から察するに、日本人で香港馬を応援してた人は少なくない。そうじゃなく、「ドコをどう見ても香港人」てな集団が山のようにいたのだ。これはスゴいと思う。
 
 今回来日したサイレントウィットネス様は、香港じゃ文字通り英雄である。日本のディープインパクトすら、あれには負けるでしょ。それこそ伝説の人気者ハイセイコーとどっちが上かってレベルである。いちいち応援に来てたからって、驚くには値しない…んだけどね。
 
 競馬ってのは世界中で行われていて、中には「人気のある」馬もいる。しかし、「自国の馬を応援しに海外旅行する」なんてバカは日本人ぐらいだと言われていた。何かのついでに競馬場行くとか、大レース目当ての海外旅行ってのは他の国でもやる。けど、自国の馬の遠征について行くってのはやらないってわけだ。
 
 実際のところは単にマスコミの連中(日本馬がいるときしか取材しやがらねえ)をからかっただけなのかもしれないけど、私の実感もこれと同じ。「自国の馬のケツ追いかけて来ました」って連中はドバイでしか見たこと無いと思う。JCの時に外国人客が多いって気はしなかったし、香港でも「明らかに現地民じゃねえ」ってのは日本人ぐらい。今までは日本ローカルな風習だったのだ。
 
 日本でこんなバカが出現したのは、フジヤマケンザン海外遠征が最初じゃないかな。これ以降ってコトは有り得ない。3回目の遠征には私もついていったんだから。その後日本馬の海外遠征がちょっとしたブームとなり、それについて行く日本人も「よく見る存在」になっていったようだ。
 
 海外遠征応援の旅ってのは、病みつきになるほど魅力的である。見知らぬ競馬場で知ってる馬の顔見たときの感動は、本当に筆舌尽くしがたい。アホと言われればこれほどアホな趣味もないもんだとは思うけど、「みんな来ればいいのに」とずっと思い、微力ながら日本での普及に努めていたものだ。そんな私だけに、今回香港人がこの趣味を覚えたと確認できたのはとても嬉しい。
 
 日本と香港ってのはかなり近い。少なくともドバイだの英国だの米国よりはずっと近い。それだけに、競馬ファンの交流ってのはあってしかるべきだと思う。実際、毎年山のような数の競馬ファンが日本から香港に出掛けているわけだし。その点、私は日本人として少し恥ずかしかった。私は香港競馬を知っている。けど、香港人は日本競馬を知っているのかと言われると…交流ってのは「お互いに相手を知る」のが基本。香港における日本競馬事情の普及に無力な自分が、とても歯がゆかったのだ。
 
 そんな私だけに、「ドコをどう見ても香港人」が馬券コピーサービス利用してるのを見たときには、ちょっと感動してしまいました。当たり馬券を手元に残せるなんて、いいアイデアでしょ。これが日本競馬なんですよ!と胸を張りたい気分だった。私の標語「競馬は世界の共通言語」が証明された瞬間だと思う。
 
 そりゃあ日本競馬にも悪い点はある。多々ある。香港競馬にも「これはちょっと…」って点はある。けど、そんなのは当たり前の話だ。お互いに交流して、時には良い点を吸収し、時には悪い点を振り返る。それが文化交流ってモノじゃないか。今まではどちらかと言えば日本からの一方的交流だった気がするけど、これからは違う流れが起きてくれるのでは。そう期待させられる。
 
 ま、かく言う私自身でさえ、香港でサイレントウィットネス人形(日本のと似てる)が売られてるって話を聞いたときには、「日本競馬の影響受けすぎだ」と苦笑してしまったけどね。将来ボコボコと量産された暁には、つい集めちゃいそうな気が…
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月4日

 本日はドラフト雑感その1といこう。高校生ドラフトが終わったからね。ま、なんか下らない事件ってオマケが付いたみたいだけど。
 
 下らない事件とは、いわゆる「抽選当たり札勘違い」のこと。以前も似たような件があったような気がする。ここのところドラフトは抽選やってなかったから、勘違いするのも仕方ないのかな。とはいえ下らない間違いであることは間違いない。
 
 まあ、指名された選手にしてみれば大事な門出となるべき場であり、こうした間違いは不快だろう。特に「どっちかといえばソフトバンクに…」って色気持っていた陽選手は気持ちの整理が付かないってのもわかる。わかるけど、あまり引きずっても仕方ないんじゃないかな。くよくよして損するのは自分自身。勝負事には必ず人智の及ばぬ領域が存在する以上、むしろこれを心の糧にすることを考えるべきでは。プロは「努力すれば報われる」なんて甘い世界じゃないからねえ。
 
 我がヤクルトスワローズだけど、辻内を回避して東海大甲府の村中に。左腕投手として評判高めの選手だったので文句はないけど、あえて抽選に挑むのも手だったのでは。なぜか勝率いいんだし(笑)。面白そうなのは3巡目の川端かな。3巡目じゃ難しいって噂があった選手だからねえ。総合的にはうまく立ち回れたようなので、現時点では良しとしたい。
 
 他球団で注目は、巨人だなあ。投手ばかり。そりゃあ投手中心の指名したのはココだけじゃないけど、投手しか指名しないってのは…若手野手は余ってるってコトなのかぁ?高卒選手なんてまず即戦力じゃないんだから、少しは野手にも目を向けた方が良かったのでは。相変わらずこの球団は強化方針がよくわからん。
 
 最近は高卒でいきなり活躍ってのは珍しく、しばらく下で修行を積んでデビューってことが多い。正直言って、「誰を獲ったか」より、「どう育つか」の方が重要になってきてるのでは。そう考えると、誰が獲れただのこうだのと騒ぐのは、ちょっと早い気がするね。球団にとっても選手にとっても、勝負はまだまだこれからでしょ。この点は大卒・社会人と異なるんじゃないかな。
 
 しかしだなあ。野球はアマ・プロの仲が悪いから、結果としてお互いにとって良くない状況にあると思う。本来なら大胆に再編すべきなんだろうけど、なまじ人気がある競技だけに利害関係複雑で…ドラフトに関しても去年あれだけのことがあったのに、改革した結果がこれかい!ってのはあるわけで。放置しておくと既得権益持ってる連中は「明日は昨日のままがイイ」ってな感じで旧態依然とした体制にしがみつこうとするだけに、このオフにはきちんと話し合うべきではないかと。去年は色んな意味で冷静じゃいられなかっただけに。
 
 まだシーズンは残っているし、プレーオフに日本シリーズもある。このオフだの来年だのの話をするには早い気がするんだけど、やはりドラフトが絡むとそういう話が出るよね。ま、ここはノー天気に「いい選手獲れたみたいだから、良しとするか」って感想で締めておこう。うん。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月5日

 どうしようか悩んでいたんだけど、試験運用中だった「日記」を新規公開することにしました。おかげでTopを少しいじってます。
 
 この日記、某友人に強引な勧誘…じゃなかった(笑)、推薦されたので登録したソーシャルサイトで運用している。せっかく日記があるから、なんか利用したい。けど、ネタがない。片っ端からこっちに投入してるんだもの、あるワケがねえ。そのためテキトーに運用していたんだけど、一応それなりに更新する目処が付いたので公開に踏み切った。
 
 この日記のコンセプトは、「本日の定義」である。何のことはない、今日の一言って奴だね。「○○とは」ってタイトルに、「××である」、「△△でない」って本文を付ける。それだけ。事典ネタの1つと呼べるかも。正直こことネタが被りまくっているんだけど、一応は別物である。
 
 まあ正直言って、ココ以上に読む価値は薄いと思う。内容は皆無に等しいし、読んで楽しいことを目指してるわけでもない。ただまあ、たまーに多少気の利いたこと書ければ嬉しいかなって程度。まあ言ってみれば「飲み会の時、気の利いたこと言える確率を増やすための練習帳」として運用してる。
 
 私は一度しゃべると長い。本質的にはおしゃべりだ。それは皆さんよーくご存じだと思う。でなけりゃ、こんな文章量の多いサイト運用できねえ。それはそれで良しとして(ツッコミ不可ね)、気の利いた一言でビシッと場を締める人ってのが羨ましくて。私だとどうしてもダラダラしゃべっちゃうから。こーゆーのは先天的才能が大事だとしても、練習次第じゃ多少はマトモになるんじゃないかと。で、そのための場所を設置したわけです。
 
 まあ今のところ出来映えは最悪だけど、そりゃ才能無いんだから仕方ない。気合い入れて勉強するほどのコトじゃないので、ダラダラと運用してジワジワ向上すれば御の字じゃないかと。そんなもの他人様に公開すんな!って声が聞こえてきそうだけど、どーせ誰も読まないからいいんじゃない?まあ毒にはならないだろうし。おそらく。
 
 本当はここのブログ化と同時に本格運用という予定だったんだけど、色々と問題があって…いや単にサボってただけって話はあるけど(苦笑)。公開しないでひっそり運用ってことも真剣に考えたんだけど、一応はソーシャルサイト宣伝になるので「まあいいか」と公開しちゃうことにした。ま、たまには読んで笑ってください。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月6日

 結果はとっくの昔に知っていたけど、今日まで映像を見てなかった先週日曜の凱旋門賞。感想は「馬は強い。でも騎手はねえ…」ってところですね。
 
 凱旋門賞ってのは、欧州で最も権威あるレースの1つ。舞台は仏国ロンシャン競馬場。距離2400。もちろん注目度は世界規模。ちなみに日本馬はその昔エルコンドルパサーが2着しただけで、勝ったことはない。一度でいいから観に行きたいレースの1つだね。
 
 凱旋門賞は観たこと無いけど、ロンシャン競馬場は観たことある。パリ近郊の森の中にある、あきれるほどドデカい競馬場で、2400でも1周しない。直線はやたら長くてかなり平坦。けど3コーナー過ぎに山が控えている。馬場はかなり柔らかめ。おまけにこの季節のパリは雨が多く、馬場が乾いていた例が少ない。とにかくタフなコースである。
 
 勝ったのは3歳馬ハリケーンラン。凱旋門勝馬モンジューの産駒。親子制覇ってワケだね。モンジューはやたら評判が高く、早くも「サドラーズウェルズ(モンジューの親父で大種牡馬)の後継筆頭」などという声がある。JCに来日したときはコロっと負けやがったけど、基本的には強い馬。私はKGV&QEII世Cで「強い姿」を拝ませてもらった。
 
 馬はいい。強いと思う。けど、褒められないのは鞍上のファロン。道中もスゴいし、直線では内に閉じこめられるという大技を繰り出してくれた。オーナーが「向こう正面では負けたかと思った」というコメント出したそうだけど、それもわかる。私の周囲じゃ「知名度の割にヘ○クソ」って評判があるんだけど、あれじゃ当然だな。
 
 本日は映像を堪能したわけだけど、馬券師の性として「とにかくまず結果を知りたい!」ってのがある。勝ったのは何か、配当はいくらか…ってな情報は、とにかくレース直後に知りたいもの。日本じゃ実況やりゃしねえので、頼るべきはサイトだ。私もそれで情報仕入れました。
 
 ここでちょっと詳しい人は、主宰のフランスギャロだの、英国の競馬情報誌レーシングポストだののサイトを参照する。けど、これは甘い。とりあえず「何が勝ったか」だけ知りたいんなら、香港ジョッキークラブのサイトが早い。何で香港?そりゃあ馬券売ってるから。先週の日曜は地元のレースに加え、日本のスプリンターズSと凱旋門賞の馬券売ってたのだ。
 
 香港ジョッキークラブの情報は滅茶苦茶早い。日本時間で日曜深夜12:30出走だったんだけど、12:40にはもう結果が掲載されていた。これで独自集計してるオッズの計算まで済ませてあるってんだから、仕事早いよね。未確認だけど、下手するとスプリンターズSもJRAの公式サイトより早く結果掲示したかも。競馬関連サイトなんて内外に腐るほどあるけど、あえて世界一のサイトを選ぶとしたらここだと思うな。
 
 ちなみに凱旋門賞2着はウエスターナー。鞍上は魔神ペリエ。正直言ってノーマークでした。つまりだねえ。私が間違って「凱旋門賞の馬券買いたい!」と仏国だの香港だのに出掛けてしまった場合、「魔神いーかげんにしろぉ〜!」と吼えていたことになるわけだな。うーむ、相変わらずの相性の悪さ。今から年末の来日が怖くて仕方がない(苦笑)。
 
 以前は凱旋門賞上位組がJCに来日…ってローテーションもさかんだったけど、今じゃ香港との招致合戦に負けて、ちっとも来日しない。まあ日本競馬界の世界的地位なんてそんなもんだ。10年ほど前、私は「いつか香港競馬が日本競馬に追いつく!」という無茶苦茶な予言を吐いたことがあるけど、なんか現実に追いつかれてる…どころか、追い抜かれちゃった気がする。いいのか日本競馬。どうなるJRA…ってことで本日は締めておきましょう。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月8日

 今年もやってきましたイグ・ノーベル賞授賞式。今年も珍妙な研究が受賞したので、とりあえずはその内容を紹介しようかと。私の英語力だと、英語サイトにある研究内容を訳すのは無理なため、簡単な紹介(しかも誤解含む可能性アリ)に留めましょう。
 
 まずは謎の研究から。農業歴史賞を受賞した「リチャード・バックレー氏のズボンが爆発した意味の研究」。なんか大戦間のニュージーランドの酪農の技術研究らしいんだけど、それとズボンの爆発にどんな関係があるのかは意味不明。なぜ爆発したのか。リチャード・バックレー氏の安否は。謎は深まるばかりである。
 
 物理学賞はスゴい。「粘度の高い石油ピッチの滴が落ちる様子を観察する実験」。この実験の何がスゴいって、1滴落ちるのに平均9年!もかかってるんだそうな。1927年から継続して今も研究中だとか。9年間ずっと待って、ポタッと落ちるのは一瞬なんだろうな。なんかすごく空しい…
 
 薬学賞。「去勢した犬用の人工睾丸の発明」。これにいかなる効用があるのかは不明。他の動物用のモノもあるとか。馬用をセン馬につけて競馬に出走できるのか?JRAの公式見解を聞いてみたいモノだ。
 
 文学賞は、スパムメールでもって大金を手にしたナイジェリアのインターネット起業家と、その協力者に。私に送られてくるスパムにもあげたい賞だな。受賞者が出席したかどうかは不明。
 
 平和賞。「スターウォーズの名場面集を見ているバッタ脳細胞の電気的活動の観察」。なぜスターウォーズ。なぜバッタ。なぜ平和賞。謎また謎の研究だなあ。仮面ライダー1号・2号の実現に近づいたってコトなんだろうか?他に平和賞あげる理由がわからん。
 
 経済学賞。「何度も何度も逃げて隠れる目覚まし時計の発明」。いやまあ、言いたいことはわかるんだけど…はた迷惑な発明だと思うのは私だけ?日本で売っているのかどうかは不明。実物を私に送るのはやめてもらいたい。
 
 化学賞。「人類は水とシロップの中の、どちらでより速く泳げるか?についての入念な実験」。入念な実験って、本当にシロップの中で泳いだのかなあ。泳がされた奴は大変だったろうなあ。で、どっちが速かったって?
 
 生物学賞。「においを発するカエルの分泌物の機能と系統発生学的意義についての調査」。カエルにストレスを与え、その時発するにおいを辛抱強く嗅ぎ続けて分類したんだとか。その数何と131種類。「ガマの油売り」という伝統芸があるんだから、本来なら日本人が研究すべきだったような。何やってんだ筑波大。
 
 栄養学賞。日本が誇る天才ドクター中松の、「毎回の食事内容を34年間撮影し続け、食べ物が頭の働きや体調に与える影響の継続的研究」に。これ自体は遠大な割にほとんど無意味な研究(パラメーターが多すぎて明白な結果が出ないのは確実)だと思うけど、将来の研究に役立つ可能性はある。今からでも遅くない、協力してみてはいかが。私はやらないけど。
 
 最後に流体力学賞。「ペンギンが糞を出すときに生じる圧力:鳥類の排便における計算」。科学者ってのは、ソコまで調べないと気が済まないのか!流体力学ってのは奥が深いなあ。
 
 これらの研究は、大半がちゃんとした学術論文の形式で発表されたモノである。単なるギャグではないのだ。一応は。科学ってのは「世のため人のために役立つもの」と思っている人は少なくないと思うけど、それはある意味間違いだ。とりあえず研究してみて、役に立つかどうかは後で考える。これもまた科学だと思う。
 
 イグ・ノーベル賞は科学者にだけ受賞資格があるわけではない。やり方次第ではド素人でも受賞可能だ。ある意味ホンモノのノーベル賞より受賞するのは難しいとは思うけど、チャレンジしてみてはいかが。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月10日

 東京競馬開幕ということで、Middle-Earth東京支部例会を蹴飛ばしてまで東京競馬場に出撃。いやあ、やはり府中はいい。我が家からの距離は中山とそう変わらないんだけど、ホームグラウンドは府中のような気がするね。
 
 というわけで、競馬については終わり。毎日王冠?あんなの獲れるかぁ!他もカンが狂って裏パー。単勝買って2・3着には来てるレースもあるだから、予想そのものがオカシイわけではないと思うけど…勝負カンが鈍っているのかも。
 
 まあ、勝負カンが鈍っているのなら、やはり競馬場へ行ったのは正解だったと思われる。Middle-Earth東京支部の方に出掛けたら、鹿内氏と「賭けオンスロート」なる無謀な勝負が行われる予定だったのだから。馬券での負けは慣れてるのでいくらでも対処できるけど、賭けゲームで負けるのはイカン。いやきっと負けるんだけど、負け方ってモノがある。勝負カン鈍っている状態で戦うのは極めてマズい。
 
 他に誰か来てるんじゃ…と思ったけど、とりあえず誰も見かけなかったので独りで競馬。これはこれでかまわないんだけど、翌日休みなのに「そのまま帰宅」ってのは寂しいよね。そこで、競馬仲間のヒデさんを呼び出すことにしました。
 
 私とヒデさんが「差し向かいで、遠慮無く」飲めばどーなるのか。いやもう「人間としてどーなのよ」ってな感じで飲んでしまいました。後半かなり記憶が怪しいんですけど。ちゃんと帰宅してたのは間違いないんだけど…
 
 ちなみにこのメンバーだと、ワインに走ることが多い。私は地味にワイン大好きだからねえ。日本酒とどっちが好きかは、ちょっと考える。じっくり味わうんなら日本酒、グビグビ飲むんならワインってところかな。「日本酒もグビグビ飲んでんじゃねえか!」とか突っ込まないように(笑)。
 
 日曜は結局どれぐらい飲んだかなあ。確かワイン2本とデカンタ1本、それとサワーが1杯か2杯…一応の目安として「ワインは1日1本まで」ってのがあるんだけど、あっさり超えちゃってますねえ。今日の体調不良はコレが原因だな。さすがに目安超えて飲むと酒が残るんだよね。弱くなったものだ。
 
 秋競馬の季節となり、GIもこれから本格化する。てことはまた似たようなメンバーで飲む機会も多くなるわけで…まあ、あまり深く考えるのはやめよう。飲むのは楽しいんだから。ただまあ、翌日のことは少し考えないとマズいかな(笑)。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月11日

 野球の話題。青木がついに200本安打達成とか、館山が10勝したってのも大事だけど、あえて他球団の話題にしよう。このサイトの趣旨には反するけど、旬の話題である村上ファンドの阪神電鉄株買収を語りましょ。
 
 去年近鉄バファローズが勝手に合併を宣言し、「球団保有の意義とは」が問われていた昨今、ある意味究極の球団買収策が炸裂した。親会社を買い占めるって手段だ。理屈の上では可能だったとはいえ、改めて直面すると衝撃ですねえ。
 
 私の知る限り、今のプロ野球機構にはこれに対する対応策が存在しない。するわけない。親会社の交代にはいくらでもケチをつけることができるけど、親会社の経営そのものには口出しできるわけがない。やるとすれば除名だけど、阪神タイガース除名を望む奴なんて誰もいない。阪神電鉄が防衛に成功するんならともかく、買われてしまったら本当に打つ手がない。
 
 ファンはどうか?これまた打つ手がない。結局プロ野球ってのは「企業所有のスポーツ団体」であり、親会社の意向には逆らえないってのが「常識」だからだ。去年あれだけファンが騒いだにもかかわらず、近鉄はバファローズ「売却」ではなく「合併」を押し通した。これがいい例だと思う。
 
 プロ野球機構にしてみれば、親会社買収ってのは「想定外」だろう。親会社ってのは一応「日本を代表する企業」であり、そんな企業を買収するなんて、できるわきゃないと思っていたに違いない。もはやそんな時代じゃないんだけどね。買収されそうな球団は他にもあると思うぞ。私が思うに、ヤクルトってのは多少危ないんじゃないかと…球団がどうこうじゃなく、世界規模の健康飲料水メーカー統合に巻き込まれそうで…
 
 今のところ「阪神タイガース株上場」がどーたらこーたらと騒いでいるけど、これはどう考えても枝葉である。阪神電鉄が防衛に失敗したら、阪神電鉄の経営権が乗っ取られる。こうなってしまえば、阪神タイガースの経営権もセットで乗っ取られる。極端な話、電鉄事業その他を全部売り払うか子会社に移し、タイガース経営に専念されたらどーすんの。経営権さえ握ってしまえば、後は本当にどうとでもなる。なってしまう。
 
 この問題で一番責められるべきは、阪神電鉄経営陣である。何を根拠に「自分達が買収の対象にならない」と思ったのか?今の時代、そんな保障はドコにもない。フツーの会社の経営陣として考えても問題がある。ましてや「公共財」阪神タイガースのオーナー会社なのだ。自身の独立性には人一倍気を遣う価値があったはず。自覚足らないだろ。
 
 ま、かく言う私自身も意識が低かったと反省している。阪神電鉄買収ってのは、本来驚くようなニュースじゃないはずだ。その昔バブル経済華やかなりし頃、タイガースは正直弱かった。その当時冗談交じりに「関西財界が親会社ごと球団を買収して立て直す」って噂があったのを覚えている。こう言っては何だけど、阪神電鉄って会社は「その程度」の経営規模だったわけだ。それを思えば、いつかこんな話が出てきても不思議はなかったんだよな。
 
 まあ、阪神ファンが不快感を覚えるのはわかる。私も「ライブドアスワローズ」の悪夢に怯えたわけだし。ただ…私の記憶が正しければ、阪神のフロントってファンの間からも文句言われてなかったか?いわゆる「星野改革」以降はともかく、それ以前の補強なんかは文句たらたらだったような気が…村上ファンドが何考えているのかはともかく、長期的視点で株価つり上げるつもりだとしたら、マトモな球団経営する可能性があると思うけど。
 
 ここであえてプラス思考をすると、今回の騒ぎはフロントという「いくら文句を言いたくても手を付けられなかった領域」に、ファンの声が反映するチャンスなのかもしれない。「フロントがアホだ!」って叫んだ経験のない野球ファンって、少ないと思うんだけど。ここにファンの声が反映するってのは、ある意味野球ファンの悲願じゃなかったっけ?それを思えば、今回の騒動はあながちマイナスばかりじゃないような気がする。
 
 今回の騒動に関しては、感情的で擁護しにくい意見も山ほど存在する。その代表は「阪神の株買って、もし弱かったら損しちゃうじゃないか!」ってのがある。それのドコが悪いんでしょうか?言っては何だけど、競馬じゃそれが当たり前の話。そのリスクを承知の上で一口馬主やってる奴が、どれだけいると思っているのか。私は一口馬主はやってない(やる気はない)けど、馬に惚れて追いかけて騙されるなんて日常茶飯事。当然大損ぶっこいている。株を買う、出資するってのはそーゆーことじゃないか。それがイヤなら、株買わなきゃいいだけの話。優勝したのに株価下がったってんなら、話は別だけどね。
 
 もう1つアホらしいと思うのは、「よりによってシリーズ前に公表しやがって」ってもの。確かに褒められた話ではないけど、コトが親会社絡みである以上、仕方ないじゃないか。親会社ってのは野球に専念してるワケじゃないんだから。去年ダイエーと西武絡みのニュースはシリーズ直前でもちゃーんと流れていた。球団保有に関する部分は手加減してたみたいだけど、それはあくまでニュース流す側の事情。そう考えれば、文句言っても始まらないのでは。
 
 今回の騒動は、ある意味日本球界にとって未知の領域である。それだけに不安が大きいのはわかる。わかるけど、場合によってはプラスになることも考えられるのだ。私は別に村上ファンドを応援するつもりはないけど、阪神フロントの味方をする気にもなれない。その狭間で揺れる選手・監督だのファンだのには同情するけど、それとコレとは別じゃないかな。
 
 日本球界が変わらなくてはならない、ってのは長年言われていたことだ。ここに来て色んな意味で風穴が開いてきてると思う。ただ、変化ってのはどうしても「プラスだけ」ってわけにはいかない。中間段階ではどうしても悪い面も出る。大切なのは最終的な帳尻を合わせるコトじゃないかな。村上ファンドが何言うにせよ、まさか全タイガースファン、全プロ野球ファンを完全に敵に回すことは出来ないはず。ここは落ち着いて冷静に変化を受け止め、「駄目なモノは駄目、いいものはいい」と見極めていきたいと思う。スワローズのファンにとっても他人事じゃないんだから。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月12日

 中国が2度目の有人宇宙船打ち上げに成功したとか。今度は2人を5日間宇宙に送り込むんだと。スゴいなあ。というわけで、コレに関する話題など。
 
 有人宇宙飛行ってのは、滅茶苦茶高度な技術である。人間の乗った宇宙船なんて軽いワケがないし、大気圏再突入には高度な誘導技術が必要だ。オマケに失敗は許されないんだから、打ち上げ成功率も高くなくてはイケナイ。宇宙先進国の米・ロが半世紀近く前に達成済みとは言え、やはり褒めるに値する。
 
 確かに、欧州や日本もその気になれば達成可能かもしれない。けど、現にやってないんだから、負け惜しみと言われても仕方ない。信頼度が実績に比例する世界だから、相当な後れを取ってると言ってもいい。どこぞの知事みたいに「あんなの大したことない」って発言するのは、宇宙開発に対して無知だと証言してるようなモノだろう。
 
 中国の有人宇宙船技術ってのは、旧ソ連のものをベースに自国なりの改良を加えたモノだとか。自前で開発した技術にこだわる欧州・日本にしてみれば、「サルマネだ!」と言いたくなる気持ちはわかる。けど、当初言われたほどサルマネでもないって話は出てるし、そもそもサルマネでも立派なことだと思う。結局何だかんだ言って実績が全ての世界、これに追いつくのは大変なことだと思うな。
 
 この点、ついに割り切った解決法を見いだしたのが欧州だ。米国のスペースシャトルはアテにできん、自前の有人宇宙技術開発はカネがかかる…ってんで、ロシアからソユーズロケットを買って打ち上げを目指すつもりらしい。これで勉強してから自前の技術開発を行うつもりだろう。大胆というか身も蓋もないというか…
 
 これに対し、日本は景気いい話が全く聞こえてこない。それも当然。独自技術は当然のことながら有人宇宙飛行レベルじゃない。で、「米国が何とかしてくれるさ」って計画を練り上げたのはいいんだけど、スペースシャトルがズッコけた影響受けまくり。ついに米本国ですら見放されたってのに、結局未練がましくシャトルにしがみつくのみ。日本の科学行政はどーなってるんでしょーか。
 
 現在、日本の有人飛行計画ってどーなってるのか?シャトル使って国際宇宙ステーションISSに人送り込み、必要な技術を米国から教えてもらう。これだけ。これはこれで悪い計画ではない。ただ、シャトルはちっとも稼働効率が上がらない。はっきり言って引退を待つだけ。そして、シャトルを前提としたISS計画から、米国は足を洗いたがっている。なのにこんな計画じゃあ…
 
 はっきり言って、ISSは米国にとって失敗である。理由は単純、スペースシャトルが大失敗だったからだ。これが国際協調事業じゃなけりゃ、とっくの昔に投げ出していただろう。事実、この前ブッシュが打ち出した計画はISSを事実上無視してる。そんな計画に米国べったりの日本が付き合う意義も薄れてきてる。技術蓄積のある米国と違って「計画が潰れたら困る」立場なのにねえ。
 
 じゃあISSそのものが失敗なのか?これはまだわからない。欧州とロシアは頑張っているからだ。欧州はヤケクソ気味に「米国に依存しない」計画を打ち出している。実験棟は自前のアリアンロケットで、人員はソユーズロケット買って何とかしようとしてる。ロシアはロシアで「金儲けのチャンス」とばかり人間をボコスカ打ち上げている。
 
 ここで重要になってきそうなのが中国だ。中国は、今のところISSに加えてもらってない。米国が政治的理由から反対したのが原因らしい。けど、その米国は手を引きたがっている。約束したから仕方なしに建設するけど、後は知らないって状態。そうなると、ここに中国が加わってくる可能性はある。なお、この過程で米国べったりの日本が、「カネだけ出して見入りゼロ」って立場に追いやられる可能性は低くない。
 
 正直言って、日本の科学行政はどっかがオカシイ。そりゃあ米国べったりなのは仕方ない。けど、それだけじゃ語りきれないぐらい駄目な点が多い。ノーベル賞にしてもそうだ。文部科学省は「今年は絶対日本人受賞者を出したかった」と力を入れたらしいんだけど、見事に外している。代わりにイグ・ノーベル賞じゃあ連中の慰めにはならない。
 
 私は本質的には文系人間なので、「ドコが悪いからこうなった」なんてことはよくわからない。まあ、強いて言うなら「日本の理系はもっと偉くなろうとしなきゃ駄目」だと思うな。日本の理系人間ってのは、基本的に現場が大好きである。「研究が好きだから理系やってる」って奴が多いから当然かも知れないけどね。そんでもって「面倒だけど儲かる仕事」は文系人間に丸投げしてる。
 
 これはこれでいい。立派なことだ。偉い。けどその結果、文系人間は「科学」に疎く、理系人間は「行政」を毛嫌いしてるってことになる。これで科学行政がマトモに運用可能とは思えない。文系人間に理系知識を叩き込むのは無駄だろう。「現場」の理系人間に馬鹿にされるのが分かり切ってるからだ。となると、結局は理系人間が偉くなるしかないじゃないか。
 
 日本人の悪いクセとして、「愚痴は言うクセに自分でやろうとしない」ってのがある。要は自主性に乏しいんだな。ま、譲り合い社会ってタテマエだから仕方ないんだけど。そのひずみが大きく出ているのが科学行政の分野であり、宇宙開発だと思う。現場べったりか米国べったりしか打つ手がないではないか。
 
 日本の技術力はかなり高い。けど、技術力もまた「活かし方」が重要では?その点、日本はどうもヘタクソな気がして仕方ない。中国に有人宇宙飛行で先を越されたのは、結局はその辺が原因じゃないかと。中国に先を越された。米国はやる気不足でアテにならない。自国技術はまだ未熟。この3つの「苦い事実」をしっかりと受け止め、その上で我が国には何が出来るのか、何をやるべきか、しっかりと考えて欲しいものだ。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月13日

 いいネタがないから、かなり無意味なネタでお茶を濁そう。私が抱えてる、「構想だけあるんだけど、運営できそうもないサイトについてのアイデア」を紹介しようかと。
 
 私は長年、「格言集・用語事典」を手がけてみたいと思っていた。もちろん一般的なものじゃない。主に私の趣味の分野で、なんか気の利いた台詞だの重要な言葉だのを集めたモノだ。たとえば「ノーガード戦法」とか、「最終のコーツィー」とか。
 
 こういう事典ネタは、管理が難しい。単に思いつくモノを片っ端から書いてゆくと、後で参照するのが難しい。あいうえお順などにすると、新鮮なネタが書き込みにくい。できればホンモノの事典並みに分量多くしたいわけだけど、そんなもの作るのは1人じゃ難しい…などなど。
 
 私に専門知識があれば、専門の投稿フォームなんぞ作って、私以外の人間も項目をアップするような仕組みを構築可能かも知れない。けど、今現在の私の知識じゃ、基礎設計段階からどーすりゃいいのかわかりゃしない。中途半端なモノは作っても面白くないので、更新しなくなりそう。というわけで、ネタだけ温存しつつ放置してあるのだ。
 
 元々、「本日の定義」はこれの派生ネタとして生じている。本格的な事典ネタは運用が難しい。少なくともソーシャルサイトの日記じゃ無理。なので、「多少気の利いた言葉を書く」って部分だけ拝借して更新するようにしたのだ。成功してるとは言い難いけど。
 
 私が思うに、web上でこうしたデータベースを構築するのは、私の手には余るどころか、個人レベルじゃ大したことは出来そうもない。そうなると、「私じゃ駄目だから、誰かやってくれ」とも言い難い。世の中には小規模な事典ネタをやってるサイトもあるようだけど、そーゆーのは「違う」んだよね。
 
 というわけで、私のサイト構築技術が向上する(見込みなし)か、個人レベルで簡単にwebデータベースが構築できる時代が来る(のか?)のを待っているところだったりする。えらく気の長い話ではあるけど、元々私はあきらめが極めて悪い。1つのネタを執念深く暖めるってのは良くある話だ。ま、実現しなかったからって誰か困るわけではないので、とりあえずは気長に待とうかと思っている。
 
 コレは余談だけど、こういう「アイデアはあるんだけど、実現方法がよくわからん」ことを公表するってのは悪いコトじゃないと思う。ひょっとしたら実は簡単に実現することで、その方法を教えてもらえるかも知れない。ちょっとした思いつきってのは馬鹿に出来ないと思うので、多少真剣に取り組んでみるのも面白いのでは。
 
上に戻る  日記選択に戻る  表紙に戻る
 

10月15日

 ヲタクネタ。水島新司先生の「野球狂の詩」&「ドカベン」連動企画について。先週からやってるんだけど、あまりに衝撃が大きかったのでやっと採り上げる気になった。
 
 連動企画とはどーゆーことか?週刊モーニングと週刊少年チャンピオンを両方読めばわかる。同じ試合を主役交代しただけで掲載してるのだ。なんというか…こんなことやっていいんだろーか。
 
 モーニング側でやってるのは「野球狂の詩」。セリーグを征したメッツ(今は本拠地北海道)が、日本シリーズ戦ってます。チャンピオン側の「ドカベン」では、パリーグ制覇したスーパースターズ(山田太郎以下が所属)が日本シリーズ戦ってます。相手はわかるでしょ。ドカベン山田VS岩田鉄五郎だ。うーむ。
 
 何でこんなコトが可能なのか?そりゃもう、水島新司大先生だから。ドコの編集者が大先生に逆らえると?現役漫画家では問答無用のビッグネームだからねえ。編集側がこんな企画を思いつくワケがない。出版社からして違うんだから。どっからどう見ても大先生から出た企画でしょ。
 
 今までも「別作品のキャラが出てくる」マンガってのはあった。ただし、端役としてなら。フツーは作品ごとに世界観からして違うので、登場させようがない。「よく似た別人」が出てくるものは数多いけど、あくまで別人止まり。続編でもないのに、真正面から過去キャラ持ってきた作品となると…ぱっと思いつくのは、たがみよしひさの「なあばすぶれいくだうん」だなあ。「戦士(フェダーイン)」「軽井沢シンドローム」「我が名は狼」「依頼人から一言」のキャラが堂々と出てきた。まあ、これはギャグ色強めの作品だからできたコトだとは思う。
 
 現役作品でこの手の連動ぶちかましたのは、CLAMPの「ツバサ」&「XXXホリック」かね。「ツバサ」自体、かなりのキャラが過去作品からの使い回しだったりする(そこが笑える)んだけど、それとは別に多少の連動性があった。ただ、ホントにどーでもいい程度。実は深い深い連動性があるのかも知れないけど、今のところそういう方向には進んでない。ちなみに出版社は一緒だ。
 
 確かに、「ドカベン」と「野球狂の詩」は連動性があった。当初の「ドカベン」時代から「メッツ入団希望」うんぬんって話があったはずだし、「大甲子園」では鉄五郎と五利監督がちょろっと顔見せてる。だからまあ、お互いに試合するのはわからなくもない。けどねえ、2誌で同時連載ってのはどうなのよ。
 
 両誌を読んでる私にしてみれば、これはある意味扱いに困る。どっちから読むのか、大いに考えちゃうからだ。片方読むと、当たり前だけど試合展開がわかる。同じ事やってんだから。同じ漫画を読み返すのとあんまり変わらないんだよね。多少時間置いて読むってんならともかく、そーゆーわけにいかない事情ってモノ(まとめて昼に立ち読みしてるから)があるので…
 
 とはいえ、一度目を通してみる価値はあると思う。前代未聞の試みだから。ただ、試合に決着が付くまで両方読む価値があるかと言えば…私はそうするつもりだけど、他人にオススメはできないかも。毎週連続して読むのは、ちょっとだけキビシイと思う。私はヤングジャンプとヤングサンデー(両方とも毎週木曜発売)も読んでる(苦笑)ので、読む順番工夫すればいい。けど、そんな馬鹿は少数派でしょ。
 
 「ドカベン」「野球狂の詩」は、両方とも名作だと思う。それだけに「夢の対決」だってのは大いに認めるところだ。ただし、こーゆー形式で読むとは思っても見なかった。私は「いくら何でも同じ発売日の雑誌でやるとは」と思うけど、まあこの辺は人によって意見が異なる所じゃないかな。同じ発売日だからこそ出来たって話もありそうだし。理屈はともかく、目を通す価値があるんじゃないかな。
 
 ところで…ドコをどう考えても、どっちかが勝ってどっちかが負けなきゃいけないんだよね。まさか日本シリーズで「引き分け」はないだろ。で、どっちが勝つんだ?
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月17日

 パリーグを征したのは、千葉ロッテマリーンズ。本当に紙一重の勝負を制した。野球を取り巻く環境が騒がしい昨今だけど、やはり基本はグラウンド上での面白さ。それを再確認させてくれたんじゃないかな。おめでとう。
 
 ここで素直に野球の話題じゃ面白くない。つーわけで、チーム名にちなんで米海兵隊の話題なんぞ。案外知られてないと思うので。なお、軍事なのでこの色の話題ってコトで。
 
 マスコミなんかも含めて誤解している人が多いけど、米海兵隊は米陸軍とは完全な別組織である。元々は海軍の1部だったんだけど、近年は独立してるようなモノ。まあ、旧日本の陸・海軍に比べればよほど連携が取れてるので、陸軍と行動を共にすることも多い。
 
 そもそも米海兵隊ってのは、「海軍の船に乗り込んで海外で戦うための集団」だった。米国ってのはある意味巨大な島国であり、陸軍ってのは北米大陸で戦うための組織だったというわけだ。各国の米大使館を警護するのは海兵隊が担当してるけど、これは「海兵隊が強いから」ではなく、そもそも海外ってのは海兵隊の仕事場だったから。歴史的理由ってやつだね。
 
 海兵隊が出来た当時、海戦ってのは「相手の船に乗り移って殴り合う」ってのが重要だった。海兵隊ってのはもともとそのための軍人だったわけだ。船に乗るのに慣れてるから、海の向こうに兵隊送り込むには便利だってんで「海の向こうでで戦う兵隊」扱いされたわけだ。私の記憶が正しければ、中国の義和団事変の時に戦わされたのも、第1次大戦の折に欧州に送り込まれたのも海兵隊である。
 
 とはいえ、いつまでも「海軍の船に殴り込み要員」って時代じゃない。第1次大戦の頃にはとっくの昔に陸軍も海外派兵する時代となっており、その存在意義は常に疑われてきた。正直、いつ消え去っても不思議はなかったと思うな。
 
 その流れが変わったのは、太平洋戦争からである。日本軍と戦うため、激戦に次ぐ激戦を繰り広げた。その後「核兵器の時代にこんな組織が必要か?」って疑問も出たんだけど、朝鮮戦争で仁川上陸作戦を華麗に成功させ、そんな疑問はどっかへ吹っ飛んでしまった。今じゃ派兵するのに便利な存在として、何かあるたびに先陣切って戦っている。
 
 海兵隊のお家芸は「敵前強襲上陸」である。第二次大戦の時は米陸軍もこれをやらされた(ノルマンジー上陸は米陸軍)けど、太平洋で戦った海兵隊は何度も何度もこれをやらされた。敵前強襲上陸ってのは猛烈に危険な作戦なので、損害に五月蠅い最近じゃ試みようともしない。けど、今でもそのための準備は怠ってない。もし米国が「損害を度外視しても大規模敵前上陸をやる!」と決意した場合、実行するのは海兵隊だろう。
 
 米海兵隊が「世界最強の軍隊」などと呼ばれるのは、根性が違うからである。海兵隊ってのは「敵前上陸をするための軍隊」だ。この時、当然逃げ場所なんてどこにもない。毎回文字通り背水の陣になる。当然、損害を度外視して前に進み、敵を倒さなければ明日がない。太平洋戦争から遠く隔たった今日でさえ、「海兵隊ってのはそんなものだ」って教育が行き届いている。もちろん根性だけじゃ勝てないけど、根性抜きじゃやっぱり勝てないからね。
 
 海兵隊が活躍するゲームとなると、太平洋戦争モノ…になるんだろうけど、私はイマイチ好みじゃない。「島を巡る戦い」になりがちなので、陸海空がセットになった複雑なゲームか、「作戦もへったくれもなく殴り合う」ものになりがちだから。それよりは朝鮮戦争モノの方がいいかな。豪快に南へ進んできた北朝鮮軍が、仁川上陸作戦でボロボロにされる姿はカタルシス感じるし。
 
 海兵隊は常に激戦に投じられ、「米軍の斬り込み隊長」として活躍することで己の存在意義をアピールしてきた。最近グラウンドの外がやかましい野球界だけど、やはり野球チームはグラウンド上で魅せるパフォーマンスこそが存在意義であって欲しいもの。マリーンズには、「やってけないチームがあるんやから、減らさにゃしゃーないんとちゃうか?」などとノー天気な発言をしてる某監督に、思いっきりパリーグの存在意義をぶつけて欲しいものだ(苦笑)。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月18日

 何色の話題にしていいか我ながらわからないんだけど、一応ネット絡みってことでこの色で。前々から暖めてたネタにまとまりがついたので、旧聞を承知でお届けします。
 
 ちょっと前、「ニュースはやはり新聞で」という調査結果が発表された。今時ニュースなんて様々な方法で入手できるけど、主に新聞とネットを比較して「やはり新聞」という回答を出したらしい。本日はこれについて考えてみようかと。
 
 私は活字中毒患者であり、何だかんだ言って紙媒体が大好きだ。それだけに、私の個人的意見もこの調査結果と一致する。ただ、何で世間一般の人々もこんな結論を出したのかについては、多少考える価値があると思う。
 
 主な理由としてすぐ思いつくのは、「機械音痴だから」ってのがある。TV・ラジオならともかく、PCなんてわからん!って人はまだ多いだろう。そこまでいかなくても、「ネット接続時間なんて可能な限り少ない方がいい」と考える人もいると思われる。こういった人達は、時が経つにつれ少しずつ減ってくるとは思う。ただし、正直言ってこれが主要因だとは思えない。あくまで私見だけどね。
 
 では、何が原因なのか?私が思うに、「新聞はニュースの重要度がわかりやすいから」ではないかと。一般紙の場合、重要なニュースは1面にデカデカと掲載される。その他のニュースも重要なモノは大きく、そうじゃないものは小さく掲載される。コレを見るだけで、とりあえずそのニュースの「世間的重要度」がわかる。
 
 ネット上のニュースも、多少はこうした「重要なニュースは大きく、そうじゃないニュースは小さく」って表示方式になっているだろう。しかし、ネット上の情報ってのは「つまらんニュースでも詳細に調べられる」ってのが利点の1つ。世間的重要度による扱いの大きさより、アクセスしてる人個人が「そのニュースを詳しく知りたいと思うかどうか」にウエイトがあると思われる。
 
 もちろん、新聞によって「何を重要と思うか」は多少違う。けど、読売が1面なのに朝日がベタ記事だけってことはありえない。特ダネなんかは別だけど。この手の違いは重要といえば重要だけど、「しょせん誤差レベル」という極論も成立しうると思うな。
 
 こういった「世間的重要度」ってのは重要である。人によってニュースの重要性が大きく異なると、話題を合わせるのも大変だからね。何だかんだ言っても常識ってのは大切だ。ただ、私に言わせると、日本人ってのは常識に対するこだわりが強すぎるような。価値観の多様性を否定する傾向があるからね。
 
 TVやラジオのニュースも、扱い量によって「重要度」を示している。ただ、こういうメディアは「重要度=放送時間」となるので、重要度を認めつつもナナメ読みってことがやりにくい。「重要なニュース」には延々と、時にうんざりするほど付き合わされる。さらに、チャンネル切り替えにより「見たくないものはほぼ無視」ってことができちゃう。これはこれで問題があるってコトはわかるでしょ。
 
 このように見てゆくと、新聞ってのは「ニュースの重要度」を判断する際、実に便利だと言うことがわかる。これは、新聞の扱い量=ニュースの重要度っていう共通認識、つまり新聞がニュースの重要度判断の権威だってことを意味する。ネット情報は本来「多彩なニュースの中から自分で重要度を判断する」って性質のモノだし、歴史の浅さから重要度判断の権威になるにはモノ足らない。そーゆーことじゃないかな。
 
 新聞ってのは、権威があるからすたれない。ある意味当たり前の結論だ。面白みはない。けど、これは重要な認識だと思う。権威ってのは、「理屈を超えた問答無用の存在」だ。便利で重要な反面、暴走の危険性を秘めている。大切にするのはいいけれど、盲信するようになったらヤバい。
 
 私が思うに、「あれは権威ある存在だ」という意識があるうちは大丈夫だと思う。しかし、権威の存在が当たり前になり過ぎ、もはや「権威ある存在」っていう意識さえしなくなったら…特にマスコミに対してこんな状態になるのは危険だろう。情報操作されても文句言えないのだから。
 
 ネットなどを使い、自分だけが興味あるニュースしか読まない。これは明らかに良くない。けど、ニュースの重要度判断を新聞に頼り切り、全く疑わない。こーゆーのもさほど良くないのでは。何も片っ端から疑えとは言わない。「疑う余地がある」ことを意識するだけでだいぶ違うと思うな。
 
 繰り返しになるけど、私は活字中毒で紙媒体信者なので、新聞は必要不可欠である。けど、皆さんはどうなの?新聞って本当に必要?「新聞じゃなきゃ駄目」って具体的理由が何かありますか?そこのところはよーく考えてみた方がいいと思うぞ。マスコミに操られる前に。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月19日

 昨日の続編ってワケじゃないけど、多少関連性のあるネタで。本当はまとめて1つにする予定だったんだけど、分量の関係で妥協したんですよ。
 
 ネットをうろついていたところ、「楽天がTBSを買うのは、コンテンツ育成をサボってるだけ」「何でオールド・ブランドにしがみつくのか」といった論調の文章を見かけた。わかってて書いているのか、わかってねえのか…本当は多分前者なんだろうけど、あえて後者だと解釈して反論してみましょ。
 
 ブランドって何か。権威である。勝って使う前から「良い品だ、ハズさない」と信用できるってのがブランド。もちろん裏付けはあるんだけど、それと同じくらい「信仰」が必要だったりする。
 
 本来良い品かどうかは、買って使ってみて初めてわかる。けど、これだと「ハズしたぁ〜」と思ったときには手遅れだ。昼飯の定食ぐらいだったら笑い話で済むけど、高い買い物でコレをやらかすのは痛い。そこで、世間の評判だの噂話だのを仕入れたりしてアタリをつけたり、ブランドに頼ったりするわけだ。
 
 ブランドってのは、キョーレツな付加価値だ。同じ値段同じ品質って商品じゃ、ノーブランド品はブランド品に太刀打ちできない。だからフツーは「値段が安い」って付加価値を付ける。それが世の中の仕組みだね。
 
 楽天はTBSに、ライブドアはフジTVに「コンテンツが欲しいから」手を出したとされている。これは半分間違いだ。より正確には、「ブランド価値があり、視聴者が見てくれるコンテンツが欲しいから」手を出したのだ。単にコンテンツが欲しいだけなら、直接制作サイドに手を出した方が安いでしょ。
 
 確かに制作プロダクションなんて腐るほどあり、中には冷や飯食ってる連中もいるだろう。そんな連中に声をかければ、それなりのコンテンツを制作できるのは間違いない。中には素晴らしい作品作るポテンシャルがあるのに干されてる所もあるだろうし、育成すれば大化けするところもあるだろう。
 
 ただ、こうしたコンテンツには欠けてるモノがある。権威だ。ブランド価値だ。「TVで放送された」という錦の御旗がない。そんなコンテンツを、ドコの誰が見てくれるって言うのか。少なくとも特殊な需要か、ある種の勇気が必要だ。
 
 コレに関しては、偉そうな顔してる評論家よりもコンシューマーゲーマーの方がわかりやすいかも。「このゲーム面白いよ、絵も綺麗だし。でもX-boxオンリー(笑)」ってのと同じコト。ネットで動画を見ようと思ったら、それなりの初期投資(家庭内インフラ整備だけでなく、知識獲得も含む)が必要だ。それに踏み切るだけの動機付けってのは、ちょっと面白い番組があるってだけじゃ駄目でしょ。コンシューマーで言えば「ドラクエ」「FF」並のキラーコンテンツが必要じゃないかな。
 
 もちろん、地道にコンテンツ制作者を育成して…ってのも大事だ。プレステが覇権を握ったきっかけの1つはこれなんだから。でも、これは正直言って成功率が低い。ビッグネームを引き抜くか、それが無理なら「ウチにも作って」って姿勢を打ち出す方が早いでしょ。TV番組の場合、そのカネがあるんならTV局そのものを買った方が早いってだけの話だ。
 
 ライブドア騒動の時に書いたけど、ハードのポテンシャルだけ考えると、ネットの方が優れてる面もある。おまけにTV局は「地上波デジタル移行」絡みでズッコける可能性もある。放置しておいても、そのうちTV局側からネットにすり寄ってくる可能性が高い。じゃあ何でライブドア・楽天はそれを待たないのか?TV局がすり寄ってくるのは、結局yahooやmsnといった「大ブランド」だから。その前に手を打たないと負け組確定だと思っているんでしょ。地道にやっていれば勝ち組に入れるってんなら、今頃SE○Aはサ○ーなんぞに吸収されなくても…
 
 私は日本人のブランド信仰には言いたいことが山ほどあるけど、それでもブランドの威力は否定しない。いや、ブランド信仰が弱いからこそ、ブランドの威力を知ってると言うべきなのかも。昨日も書いたように、「権威の存在が当たり前になると、権威の存在を意識しなくなる」と思っているので。年食ってて今偉い奴にとって、権威ってのは「当たり前で、疑うことすらない」に違いない。そんな連中が権威に無頓着なのは、むしろ当然なのでは。
 
 ライブドアや楽天の手法をけなすのは簡単だ。私も「もっといい手があったんじゃ?」と思うし。けど、なんで連中がこんな手段を使ったのか、そこのところはちゃんと理解した方がいいと思う。建設的な議論ってのは、そこから始まるんだから。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月24日

 何だかんだで久々の更新に。いかんねえ。別にサボってたワケじゃないんだけど…ま、色々あってね色々と。
 
 とりあえず話題は貯め込んだけど、何から語るか迷うなあ。ま、今日語っておかないと後が大変そうな野球ネタいくか。当然日本シリーズ関連で。
 
 第1戦が濃霧中止とはいえ10−1。第2戦は10−0。マリーンズの大差勝ちとなった日本シリーズ。マリーンズ打線は破壊力よりつなぎのうまさが身上だっただけに、少し意外な結果かな。
 
 こうなった主要因は、やはりプレーオフからの勢いでしょ。ここまで間隔なしに緊張感を保っているだけに、確かに勢いは感じる。対する虎は消化試合がやや少なかった関係上、ちょっと調整が難しかったかも。
 
 こうしてみると、プレーオフってのもかなり興味深い制度だねえ。「日本シリーズに、勝てるチームを送り込む」って役割は果たしてる気がする。なにしろ勢いはつくし、「ドコが出てくるか断言できない」って事情があるから、セリーグ側はスカウトやりにくいし。セリーグ側がケチをつけてる理由の1つがコレかもしれない。確かにやりにくそうだ。
 
 とはいえ、ここで休養挟んで甲子園入りとなるので、流れが変わる可能性はある。大差負けで雰囲気壊しているのならともかく、冷静に考えると「虎の野球」をやって負けたワケじゃない。自慢のJFK打たれて僅差負けするより、ダメージは小さいのでは。
 
 虎が流れを変えるためには、とにかく「諦めない、先にミスしない」野球を心がけるべきではないかと。今のマリーンズは、仮に1戦落とした程度じゃ再び盛り返してきそうなほど勢いがある。まずは粘って勢いを止め、そこからじわっと流れを掴むべきでは。第3戦は勝ち負けよりも内容が重要だと読む。流れさえ止めれば、虎ならそこから4つ返す力があると思うので。
 
 ただなあ。虎ってのは地味に「打つ・投げる・守る」のは上手いと思うけど、「野球」はさほど上手くない気がする。多少淡泊なところがあるような気がするんだよね。長いペナントなら「下手に粘るより、自力で勝負」って考え方で大丈夫だと思うけど、短期決戦は「どう流れを掴むか、それをどう止めるのか」が大事になってくるからなあ。そこが少しだけ心配。
 
 虎の野球が淡泊なのは、どうも監督のせいじゃないかと…いや総合的に見たらいい監督だと思うんだけど、こと野球に関する限り、ちょっとボンボン入ってる気がして…球団再編騒ぎを「やっていけない球団があるんやから、しゃーないやろ」で片付けるとか、予告先発をあっさり受けるとか…そこがまた魅力かつ長所にもなってる、ってのは大いに認めるんだけど、場合によると欠陥になりうるんじゃないかな。
 
 ひょっとすると、この監督の性格が大敗の遠因になったかもしれない。確かに間隔空くのは不利だ。ただ、ある程度は中間の調整次第で解消できた気がするんだよね。競馬でも最近は休み明けの調整技術が発達してるワケだし(笑)。ここで「泥臭い」調整を選択しなかったことが響いているのかも。少なくとも2戦目の大敗は避けられたのでは。
 
 ただ、こういう性格の監督は大差負けを引きずらない傾向がある。焦って自滅っていう最悪のパターンはないのでは。後はいかに些細なミス(第2戦では尾を引いた)を減らし、流れを掴むか。さすがに2敗は痛いけど、自力を考えたらまだまだ追いつめられた感じはしない。
 
 マリーンズの課題は、とにかく勢いを消さないことでしょ。2つ、いや3つ負けるまではイケイケドンドンでもいいと思う。下手に「基本に返って…」などと言い出すと、勢い止まっちゃうからね。がっぷり組んで戦ったらさすがに不利だと思うので、勝っても負けても相手に「野球がかみ合わない」と思わせ続けるのがいいのでは。
 
 今回の両チーム、応援が派手なことでも有名だ。その点を考えると、虎は千葉マリンの応援に戸惑ったのかも知れない。なにせセリーグで唯一「甲子園でのアウェイ」を知らないチームだからね(苦笑)。地元に戻れば「いつもの」野球ができるのでは。対するマリーンズは甲子園に戸惑うのか、それとも福岡ヤフードームで罵声を浴び続けた経験を生かして乗り切るのか、実に興味深いと思うな。
 
 去年で消滅しても不思議の無かった日本シリーズ。また何かときな臭い話が出てきている昨今、「あって当然のモノ」ではなく、「常に守ってゆく覚悟」が必要じゃないかな。それだけに、試合してる球団のファンだけでなく、全ての野球ファンを熱くさせる試合をしてもらいたいもの。とにかく両軍とも頑張れ!
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月25日

 本日はゲームの話題。菊花賞だってのにゲームの方に顔出したから…ってわけじゃなく、少し他の話題で。題して「ユニットの種類の和訳」。一応は部外者向けの話題だけど、そんな奴はこの色の話題読まないでしょ(苦笑)。
 
 将棋に「飛車」「角行」があるように、シミュレイションゲームにも色んな種類の駒がある。将棋と違うのは、見た目同じでもゲームによって色々「できること」が異なる点。ま、「戦車は2回動ける」とか、「攻撃しながら前進できる」なんてのが代表。だからルールをいっぱい読む必要がある。
 
 そーゆー区分けとはまた別に、国籍が異なると「本質的に同じなんだけど呼び名が変わる」駒がある。これは単に雰囲気の問題。当時米軍が何て名前付けてたのか、独軍はどう呼んでいたのかで使い分けてるだけ。ただ、ゲーマーの間じゃ無意味に常識と化してるようなので、一応紹介してみようかと。
 
 フツーの歩兵中心の部隊ってのは、おおむね「歩兵」と呼ばれる。これは大抵基本となる部隊なので、駒1つ1つを指すときは「第1師団」などと「歩兵」を略すことが多い。例外は赤軍ことソ連軍。「狙撃兵師団」などの長い名前で呼ばれることが多い。これは別にゴルゴ13みたいなのがいっぱいいるワケじゃなく、「ライフル師団」の完全和訳がこうなるだけ。
 
 フツーの歩兵が単なるトラックに乗って移動する場合、「自動車化歩兵」と呼ばれる。ただ、米軍では普通この名前は使わない。大抵トラック乗ってるから。英軍もこの名前で呼ぶことはないのがフツーだけど、別に全部トラック乗ってたワケじゃないようだ。英軍は長い期間世界中で戦ってたから、ワケわからん。
 
 問題はココから。装甲版のある頑丈なトラックに歩兵を乗せた部隊(実際は戦車とかもそこそこ持ってるけど)の場合、独軍だと「装甲擲弾兵」、英米または赤軍だと「機械化歩兵」と呼ばれる。「擲弾兵」って何かって?要は手榴弾投げる人のこと。かなり昔、まだ歩兵が槍持つことも多かった時代から使ってる区分らしいので、実態とさほど関係ないようだ。
 
 戦車中心の部隊はややこしい。英米軍が「機甲」、独軍が「装甲」、赤軍が「戦車」になるらしい。少なくとも「第3帝国」ってゲーム(古典的名作の1つ)じゃそうなっていた。英語でも「アーマー」「パンツァー」「タンク」って区別されてる。どいつもこいつも要は戦車のことなんだけどねえ。まあ少なくともゲームの本場アメリカの大メーカーがこう呼ぶと決めたので、日本でも区別するのが一般的のようだ。ちなみに日本軍は「戦車」を使う。ほとんど出てこないけど。
 
 もっとややこしいのは、ちょっと強い兵隊の部隊。英軍・日本軍が「近衛」、独軍・赤軍が「親衛」になる。けど、英語だと英軍・日本軍・赤軍が「ガーズ」で、独軍が「SS」なんだな。要は親衛隊のことなんだけど、英軍・日本軍の「ガーズ」は「王宮(皇宮)を護衛するための連中」ってだけで後はフツーの部隊と大きく変わらないのに対し、独軍・赤軍の場合は「特別に強い連中」がこれを名乗った。独軍のSSってのは日本語でもそのまま使うことが多い。
 
 こいつらが実際の盤上でどう動くのかはゲームごとに違うけど、名前はこんな感じになる。プレイしていればそのうち自然と覚えるんだけど、そこそこのベテランでも時々勘違いするんだよね。別に覚えたからどうってワケじゃないけど、とりあえずは紹介してみました。
 
 なお、日曜は「賭けオンスロート」なる無謀な対戦から逃げ、「関ヶ原」って別のゲームをプレイしてました。これがまたヘロヘロで…色んな意味でバチが当たったのかも。ま、月が変わればツキも変わると言うことで(苦笑)。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月26日

 競馬のことを語るの予定だったけど、明日移行に回す。だって千葉ロッテマリーンズ4連勝ですよ。虎が1つも返せないとは、予想してなかった…というわけで、オーソドックスにマリーンズネタを。
 
 今から10年前(もうそんなになるのか)、ロッテフロントはGMに広岡氏を招聘することにした。この時広岡氏が連れてきたのがバレンタイン監督。野球に詳しいフロントと外国人監督の組み合わせってのは、なんかやる気を感じさせたモノだ。
 
 その効果はいきなり現れた。この年マリーンズは2位と躍進。イチローが打ちまくったオリックスに優勝こそ譲ったけど、少なくとも「今までとは違うのでは」という雰囲気を漂わせた。
 
 ところが、広岡GMは、「監督がヘボだったから2位だった」と主張して強引に監督を交代。噂によると「満たせなかったらクビ」って条件を設けた契約で、コレを全てクリアしたのに、違約金払ってまでクビにしたとか。当時これに納得した奴はどれだけいたんだろう?私は当時「広岡もしょせん監督までの器」と吐き捨てたモノだ。この後、マリーンズは再び低迷期を迎えることになる。
 
 そんな中、バレンタイン監督はマリーンズに帰ってきた。これには正直少し驚いたものだ。だって、チームを浮上させておきながら、石ころで追われるような形で解任された人だよ?しかもプライド高いメジャー監督経験者。「あの時」が忘れられないマリーンズファンが待望論出してたって話は聞いたことあるけど、まさか本当に戻ってくるとは。
 
 復帰1年目の去年はその効果が出たとは言い難く、惜しかったとはいえ4位まで。しかし、今年はついに念願の日本一を成し遂げた。長いこと待たされたマリーンズファンはもとより、10年前の忘れ物を取り戻した監督の喜びはひとしおだったのでは。インタビューの場で涙ぐんでいたのも当然でしょ。
 
 私はここに「真の意味のハングリー精神とは」を見ることができると思う。考えてみて欲しい。バレンタイン監督ってのはメジャーでもそこそこ定評のある監督で、条件さえ合えばいつメジャー監督になっても不思議はない。そんな立場を考えれば、日本ごときで優勝なんて「しょせんローカルの話」で片付けられても何の不思議もない。
 
 しかし、ボビーは再び日本にやってきた。むろん「都落ち」って側面はあっただろう。でも、それが全てじゃないのは誰が見たってわかる。明らかに日本球界に対するリスペクトが感じられたからねえ。聞かれもしないうちから相手チームを褒めるって、相手けなさないのが美徳の日本人でもなかなか出来ないことだと思うぞ。
 
 日本人が考えるハングリー精神ってのは、「下のモノが上にはい上がる」時にのみ使われることが多い。でもって、ちょっと金持ちになると「失われる」ととらえる。実際そう考えたくなるような例は少なくない。けど、これは単に「ハングリーな金持ち」の恐ろしさを知らないからじゃないかと。
 
 ホンモノの金持ちってのは、カネより名誉、名誉より自己満足を求めるようだ。カネは「あるのが当然」だからね。だから、一度ムキになったら妥協ゼロである。我ら凡人が「何もそこまで」と言いたくなるようなことを、平然とやる。断固としてやる。日本じゃこーゆーのは「大人気ない」として嫌われるかもしれないけど、世界にそんな常識は通用しない。心底そう思う。
 
 わかりやすい例が、ジーコ日本代表監督じゃないかな。「日本をサッカーの一流国にする」なんて、日本人が言ったら妄想扱いされるでしょ。ジーコはJリーグ発足して来日した当初から、ずーっとこれを言い続けている。「自分が関わったモノ」が一流じゃないことに我慢が出来ないんでしょ。ドコをどう考えても道半ばだけど、この情熱だけは認めざるを得ないね。
 
 競馬の世界じゃ、ドバイの殿下が猛烈にハングリーである。欧州の大レースで常連になるのはわかる。けど、賞金安い上に勝っても名誉にならない南関東へ、ドコをどう考えても「元とれそうにない」馬を送り込んでくるってのはスゴいの一言。いくら将来への布石とはいえ、「ソコまでやるか」ってレベルである。
 
 バレンタイン監督も、この手のハングリー精神を持ち合わせていると思う。だからこそ再びマリーンズの監督を引き受けたのでは。その執念が実っての優勝・日本一。これは色んな意味で見習うべきコトだと思う。
 
 世の中気合いだけで何とかなるほど甘くはないけど、気合い抜きで何とかなるほど甘くもない。そして、すぐ諦めるのは論外だとしても、考えることを放棄して空虚にただ「成せば成る!」とだけ唱えるってのも、立派な「気合い不足」じゃないかな。本当の執念とは何なのか、バレンタイン監督に学ぶことは多いと思う。おめでとう、ボビー!
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月28日

 予告通り競馬ネタ。ここらで出しておかないと、傷んじゃうネタだからね。今週末のことはさておいて(どーせ週明けはこのネタだ)、先週を振り返ります。
 
 先週のネタと言えば、ディープインパクト三冠。単勝100円元返しですかぁ。読みが甘かったというか何というか…個人的見解ではサイレントウイットネス様よりも危なかったと思うんだけど、コレかよ。配当気にしない記念馬券組がいる分、元返しの危険性が高いこと忘れてた。
 
 先週はもう1つ重要な話がある。土曜の府中で三連単1,800万というスゴい馬券が登場したことだ。こりゃすごい。私は原則として三連単は買わない主義なので「他人事」なんだけど、それでも感心したことは事実。
 
 この2つ、被害?を別にして考えれば、どっちも競馬界のビッグニュースである。ただし、フツーは次元が違う話題として扱われるので、この2つを比べてどうこうって話はしない。しかし、某大手新聞はコラムであえてそれにチャレンジしやがった。
 
 その内容はどんなものかといえば、「単勝100円のディープインパクトは記憶されるけど、三連単1,800万の馬は記憶されない」ってもの。そりゃそーだ。当然のことと言える。けど、こーゆーことをさらっと語ってしまうところを見ると、こいつ競馬の何たるかがよくわかってなさそーだ。そう思う。
 
 私が思うに、普通大万馬券を出した馬というのは記憶されない。数字だけが一人歩きするからね。それは大いに認めよう。でも、それは馬券師にとって「ちょっぴり悔しいこと」だと思う。勝った馬を記憶してないってコトは、「カスリもしなかった」のとイコールだからね。
 
 競馬は記憶のスポーツである。他の誰が何と言おうと、「この馬は買う価値がある!」と感じたら馬券を買う。その根拠となるのは、大抵の場合何らかの記憶だ。だから、普通馬券師は役に立ちそうな記憶を残す。何でもかんでも覚えてるってのは無理だとしても、「この馬は強かった。次も買おう」とか、「こんな感じのレースだと穴が開きやすい」とかいった情報を記憶している。
 
 にもかかわらず「勝った馬は記憶してない」というのは、要は「ロクに検討すらしてない、あっさり斬った」馬が勝った時だ。こんな時は確かに記憶できない。けど、世の中には「検討してた、注目してた」奴がいるのだ。そうでなきゃ的中馬券が出るわけない。全員払い戻し(特配という)扱いになる。はっきり言えば、記憶できない奴は記憶できた奴に負けてるわけだ。
 
 競馬ってのは、単に「勝つ馬を予言する」ものじゃない。配当ってのが大切だ。そして配当ってのは人気がないほど高い。つまり、「他人と同じ考えばかりしてる」ってのはさほど偉くない。独自のヒネリを入れ、他人と違ったモノを見る。コレが偉いわけだ。ディープインパクト自体は偉大かも知れないけど、単勝買ってた奴はちっとも偉くない。
 
 大万馬券を出した馬を覚えてる奴ってのは、何も的中させた奴だけとは限らない。カスっただけ…という哀しい奴もいるはずだ。これはトラウマになる。下手すりゃ生涯の傷だ。この私にもそーゆー記憶はあります。「テンジンショウグン生涯最高の出来」を見抜いていながら馬券買ってなかった時のことは、忘れたいのに忘れられませんよ。トホホ…
 
 今回の穴馬券に関しても、1着ゼンノエキスプレス・2着カネスベネフィットについてはともかく、3着のケイアイカールトンに関しては言いたいことがある。松山厩舎の馬だからね。藤田テメー何考えていやがんだ。人気の馬沈んでるんだからオメーが勝たなきゃ駄目だろが!私が競馬場にいたら、猛烈にヤジってただろう。私は情け容赦なく罵声を浴びせるからね。
 
 こういう高額配当の話を聞くと、やはり競馬は「好きな馬から買う」べきだと思う。「惚れたはれたで馬券買うのは素人」なんて格言もあるけど、それでもやっぱり惚れた馬から買うべきだと思う。だって、惚れてるのに斬り飛ばして、それで今回みたいな配当出されたら発狂モノだもの。テンジンショウグンが大万馬券出したとき、私はショックでマジにおかしくなりかけた。あんな思いをするぐらいなら、まだ「買って来なかった」方がマシだと思うなあ。
 
 というわけで、ここで無謀な予告。この秋、JCか有馬記念のどちらかで、私はディープインパクトに逆らうでしょう。スゴい馬だとは思うけど、惚れた馬じゃないもの。じゃあ何を買うのかと言われても困る(ゼンノロブロイじゃないのは確実)けど、なんかそうやりそうな自分がいるんだよね。ま、それが競馬ってモノだ…で片付けて本当にいいのかぁ?
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月29日

 Googleの電卓機能強化を記念して、なんか数学系の話題でもお届けしようかと。つーわけで、ちょっと前にしつこくやった「封筒交換のパラドックス」を蒸し返す。
 
 封筒交換のパラドックスとは?問題は簡単。封筒が2つあります。1つはもう片方の倍の金額のカネが入ってます。選んで金額見た後、封筒を交換してもかまいません。さて、交換すべきでしょうか?というもの。
 
 どこがパラドックスなのか?直感だけで考えると、交換してもしなくても同じようなモノと思える。しかし、それを否定する理屈がある。封筒を交換した場合、運が良ければ金額倍。運が悪くても金額半分。ということは、何度も繰り返すと期待値で1.25倍になる。よって交換した方が得である、というもの。
 
 ちょっと前に、私はこの理屈を完全に否定した。交換してもしなくても期待値同じだと。ただ、あの時の理屈には穴があった。「ダイス振って倍か半分になる」って場合との違いがわかりにくかったのだ。よって再チャレンジする。
 
 色々考えてみたんだけど、「封筒交換の場合、何で期待値1.25倍にならないのか」を説明するには、ある程度金額を固定して考えた方が早いようだ。よって、ここでは仮に500円−1,000円の組み合わせと、1,000円−2,000円の組み合わせに限定して考える。これを50回ずつランダムに混ぜて行い、全て期待値通りの結果になったと仮定する。
 
 まず、1,000円が見えた場合を考える。100回中50回この金額が見え、うち25回が500円に、25回が2,000円になる。交換しなければ合計金額5万円。交換した場合、合計金額は6万2,500円。1.25倍の儲けとなる。素晴らしい。さらに、500円を目撃した場合、交換しなければ1万2,500円、交換すると2万5,000円。大儲けである。
 
 しかし、2,000円を目撃した場合、交換しなければ5万円、交換すると2万5,000円と大損となる。この損は、丁度500円目撃して得した分+1,000円目撃して得した分に等しい。つまり、交換してもしなくても同じってコトだ。
 
 「いや、それは2,000円−4,000円って組み合わせがないからであって…」と言いたくなるかも知れない。でも、結局は同じである。2,000円−4,000円の組み合わせを導入すると、確かに2,000円が見えたときも1.25倍儲かる。でも、その儲けは4,000円見えて交換しちゃった時の負けで消えて無くなるだけ。いくら金額を上に拡張しても、結局は同じである。
 
 これに対し、ダイスで「金額倍か半分」という場合、最初に見た金額がいくらだろうと倍になる可能性がある。ここが封筒の場合と異なる。つまり、封筒の場合はダイスと異なり、「絶対勝てない金額」ってものが存在する。にもかかわらず、逆に絶対勝てる金額も存在する(ダイスの場合そんなものは存在しない)ので、「勝ち負けの期待値は1/2であり、交換してもしなくても同じ」って理屈になるのだ。
 
 この「封筒のパラドックス」、実はパラドックスでも何でもない。交換してもしなくても気分とヨミの問題。「交換した方が絶対お得」って理屈は単なる勘違いであり、そこに矛盾は何もない。ただ、一部の数学者・論理学者(つまりこの問題の専門家)に思いっきり勘違いしてる奴がいるってだけの話である。
 
 何でこんな勘違いが生じるのか?私が思うに、「目の前に見えたモノを基準に物事を考える」のがイケナイのでは。封筒交換の場合、目の前で見えた金額ってのは「アテにならない」のである。片方の金額だけ見えたからって、両方の金額見えてないのと状態は全く変わらない。にもかかわらず、なんか目の前の金額がアテになるかのように考えたくなるんだな。これは立派な錯覚である。
 
 人間の直感ってのは、実はかなりアテになる。大抵の場合においては直感通りの結論が出るからね。ただ、直感ってのは「常に正しい答えを出す」ためのものじゃない。動物の貧弱な思考能力で「おおむね正しい」結論を出すために備わった機能なんだから。
 
 この封筒問題が面白いのは、直感だけで出る結論「交換してもしなくても同じ」が正しく、下手に理屈を交えると直感が足を引っ張って間違った結論が出るところにある。理屈をこねくり回すってのはそれだけ難しいってコトですね。こういう「理屈が通っているように見えて、実はアテにならない直感に引きずられている」理論を振り回す輩は多いので、皆さん注意しましょう…と言われてもどーしよーもないと思うけど(苦笑)。
 
上に戻る  表紙に戻る
 

10月31日

 いやあ、ヘブンリーロマンスはあるかもしれねーなと思っていたんですよ。でも、ありゃあねーよな。
 
 100周年ってコトで天覧試合となった今年の秋天。しかし、正直言って何をどう買っていいのかさっぱりわからん。有力どころは何かしら不安抱えてるし、穴開けそうな馬も山ほどいるし。心底困りました。
 
 こんな時はパドックだ!ってんで、私にしては珍しくパドックをじっくり観ました。普段なら「惑わされるだけ」って理由で省略しているんだけど。その結果比較的良く見えたのが、サンライズペガサス。「ある危険」を承知の上で買うことにしました。
 
 他に良く見えたのが、アサクサデンエン。仕上がり悪そうだから斬り!って予定だったんだけど、思ったよりは動けそうに見えた。これなら買ってもいいかなと。有力どころでイマイチだったのはリンカーンとタップダンスシチー。こいつらは私にはさほど良く見えなかった。
 
 問題となったのはハーツクライ。解釈次第で良いとも悪いとも受け取れる感じで…オッズの関係もあって斬ろうかと悩んだんだけど、最後は買っちゃうことに。これが結果として…
 
 サンライズペガサス・アサクサデンエンは買う。ハーツクライも買った。ゼンノロブロイはさすがに斬れない。スイープトウショウもこれに同じ。これで5頭。馬連だと10点。この時点でゼンノロブロイ−ハーツクライで決まったら取りガミ。ここで最後に斬り捨てたのが、札幌記念勝ち馬のヘブンリーロマンスだったんだよなぁ…
 
 いやね、「取りガミはイヤだなあ」と、一度マークカード捨てたんですよ。ハーツクライをヘブンリーロマンスにしようかと思って。けど、「まさかねえ…パドックでの出来もビミョーだし」と、再び同じ印をマークしてしまったんですよ。ああ。
 
 結果1着はヘブンリーロマンス。2着ゼンノロブロイ。3着こそ買ってないダンスインザムードだけど、4着はアサクサデンエン。いいとこ見てるのに馬券に繋がらねえ。どーゆーことよ。ちゃんと忘れずに「魔神呪い馬券」(ペリエの乗るハットトリック単勝)まで買ったというのに。
 
 まあ、当たった外れたはいい。問題はサンライズペガサスの危険要因ことゴトーだ!お前あのスローペースでアレはねーだろ。毎日王冠の時みたいにもっと積極的に行けよな。何が「イライラしてたみたい」だ!そりゃあオメーのペース判断がオカシイからだろ。毎日王冠で出来たことが、何で本番で出来ないんだ?
 
 実は私、ゴトーを買っている可能性は低くない。松山調教師の馬に良く乗ってるからだ。そのおかげで、「クソバカだコイツ」と決めつけている。バ勝浦・バ勝春・バカ後藤を「JRA3バカトリオ」と呼んでいるくらいだ。まあ、後藤に関してはなまじ期待してる部分がある分だけ、コッチのアタリもキビシイってのはあるんだけど。
 
 秋天は観て楽しい・予想して楽しいレースであり、ある意味玄人好みだとは思う。それはそれで素晴らしいことだとは思うけど、色んな意味で敷居は高いよねえ。いやあ、今回はマジにやられちゃいました。次こそは!と言いたいんだけど、いわゆる「魔神の季節」到来中なんだよね。トホホ…
 
上に戻る  表紙に戻る