「修羅雪姫」のしかるべきエピローグ
[ネタバレ]

なんとか母の仇を討ったユキだったが、マッシュルームの小屋に戻ってみると、初めて人の温もりを教えてくれたマッシュと無垢な妹さんが無残に殺されていた…(映画はここで終わり)

──許せない! ユキの怒りが沸騰する。 荒野を往く黒塗りのハイヤー。後部座席に高価なスーツでふんぞり返っているのは、過激派セクトの壊滅と引き換えに連邦政府の閣僚ポストに迎えられた佐野史郎。クルマの前に立ちはだかる人影ひとつ。ユキである(このシーンは冒頭の襲撃シーンと対応する。ロケも同じ場所) ユキがクルマの屋根をまっ2つに切り裂く。たまらずクルマの外に逃げ出す佐野。「なな、なんだキサマは!?」「罪も無いマッシュと妹さんを殺すなんて…許さない!」「…タケミカヅチを皆殺しにしたのはお前か。イヌ風情が…生意気な」 ユキ、無言で佐野を睨み返す。佐野「教えてやろう。マッシュルームの信頼する先輩を暗殺したのはお前たちタケミカヅチだ。おれが直接、依頼したんだから間違いない」 ユキの脳裏に映画冒頭の襲撃シーンがフラッシュバックする。動揺するユキ。その隙をついて佐野が短銃を撃つ。避けきれず太腿を打ち抜かれるユキ。短銃を乱射して襲いくる佐野。間一髪、ユキの太刀が佐野の胴体をヨコ一文字に切り裂く。自分が死んだことが信じられない(上半身だけの)佐野のアップ。暗転。

無人の荒野。撃たれた足を引き摺り、負傷した上腕をもう片方の手で抑えながら、ひとり歩きつづけるユキ。上空には連邦政府のエア・プラズマビジョンの映し出す「殺人犯ユキの全国指名手配」の映像。ユキはそれには目もくれず、ただ前を向いて歩きつづける。その先にはやはり何も無い荒野が広がるばかり。暗転。爆発的に流れ出す川井憲次の音楽。エンドロール。


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