絶倫義父 初七日の喪服新妻

【 シ ナ リ オ 採 録 】

脚本・監督・選曲:山内大輔 撮影:鏡早智 照明:野田友行
製作:フィルム・ハウス 提供:エクセス・フィルム 上映時間:60分
(c)2005 新日本映像株式会社

〈キャスト〉
矢木澤桐絵(ヒロイン。元・看護婦)……… さくらださくら(=桜田さくら)
矢木澤貴(ヒロインの義父。開業医)……… 野上正義
矢木澤精一(ヒロインの夫。高校教師)…… サーモン鮭山
高野ユミ(女子高生。精一の生徒)………… 水沢リョウ
藤田(デートクラブの経営者)……………… 柳東史
レイ子(デートクラブの女)………………… 小川真実
木村(デートクラブの客)…………………… 内山太郎

* * *

サスペンスフルな音楽とともに配給、製作のクレジット・タイトル。

ヒロインの左目がスクリーンに大写しになる。間をおかずにトントントンと短いカット割りで、両目のアップ、顔のアップ、そして白のブラウスに赤のタータンチェックのスカート&ネクタイという高校の制服姿のヒロイン=桐絵のバストアップになる。
そこに男の声で「名前は?」
「……桐絵です」
「歳は?」
「十……七歳です」
カット変わって、ベッドに腰掛けている桐絵の全身が写る。白のソックス。青白い照明の部屋。
「初体験はいつだ?」
「まだです」
桐絵の前に立っている白のブリーフ1枚の、銀縁メガネをかけた腹の出た中年男が股間を桐絵の顔におしつける。
「じゃあコレに触るのも初めてか? よぉく匂いをかいでみろ。これが男の匂いだ。自分で脱がして触ってみろ」
桐絵、ブリーフを脱がせる。
「シゴいてみろ。……どうだ?」
「……大きい」
「しゃぶってみろ」
「ええっ?」
ぎこちなくフェラ。
「舌を使え。もっと音をたてて吸え。……処女のくせに上手いじゃないか」
男、ベッドに乗り、桐絵を後ろから羽交い締めにするように胸をもみしだく。
「処女のくせに、たわわなおっぱいをしてるじゃないか。え?」
足をM字開脚させて、スカートをめくりあげてパンティに手を入れる。
「いや。いやァん」
「処女のくせにじっとりしてるじゃないか」
そして「四つん這いになれ」と桐絵を後ろ向きにさせると、スカートをめくりパンティをおろして、覗きこむ。
「よく見せてみろ。処女のくせにイヤらしい色のびらびらをしてるじゃないか」
股間に顔をうずめて匂いを嗅ぎ、クンニ。
「いやァ」
「そろそろ開通式といくか」
バックから挿入。
「もっと腰を使え。尻をうごかせ。処女なんだろ。少しは痛いとか何とか言ったらどうだ」
はげしく腰をふる男。今度は体を反転させて正常位に。
「ほら、どうだ。痛いか?」
「……痛い」
「なんだ? 聞こえないぞ」
「痛い。痛い!」
「そうか、痛いか。じゃあもっともっと痛くしてやる。処女っていうのはなあ、痛いもんなんだ」
嫌がる桐絵の顔。

カット変わって、深夜の廊下。トイレから出てきたパジャマ姿の男。金縁メガネにロマンスグレーの初老男性。矢木澤貴である。隣の部屋から聞こえてくる桐絵の悲鳴と、男の「痛いか桐絵、痛いか」という声に、寝室のドアをノックしようとして躊躇。そのまま去る。

再び寝室。
「……よし、中でたっぷりぶちまけてやる!」
果てる男。息も絶え絶え。
「……あなた、大丈夫ですか?」と桐絵が男=夫の精一を気遣う。
「こんなもの着せても、やっぱり本物とは違う」
後始末もしてくれず、ベッドの上にほおっておかれる桐絵。
その左目……から涙が一滴。桐絵のナレーション「結婚して1年──。夫、精一との結婚生活は地獄でした

台所の蛇口から水滴がしたたり落ちている。
それでもわたしがこの暮しに耐え続けていられるのは……
パジャマ姿の桐絵。台所の食卓に座って静かに泣いている。
明かりが点いてパジャマ姿の義父=貴が入ってくる。
「どうした? 明かりもつけないで」
「お義父さま、なにか?」
「いや、ちょっと喉が乾いてね」
「はい。じゃ、なにか温かいものでも」と食器棚からカップを出して準備をしようとする。
貴、「いや……」とそれを押しとどめて、桐絵の手からカップを取る。2人の手が触れ合う「水でいい」
貴、蛇口から水を汲んで飲む。桐絵に背中を向けたまま──、
「桐絵さん」
「はい」
「なんでも相談してくれよ。この家にきみを招んだのは わしなんだから」
「はい、ありがとうございます」
「じゃ、おやすみ。きみも早く休みなさいよ」と桐絵の顔を見ずに台所から出ていく。
「おやすみなさい」と、見送る桐絵の顔。「……お義父さま」とつぶやく。

その台詞のタイミングでバロック調の音楽 入ってメインタイトル。
黒バックに白文字で「絶倫義父 初七日の喪服新妻」。

小さな病院の玄関。「矢木澤内科」と看板。
診察室──白い光に包まれて。
桐絵のナレーション「新人看護師と医者──これがわたしとお義父さまとの、出逢いでした
診察机に座ってカルテを記入している貴。
「午前中の診察は以上だな?」
桐絵、「はい、お疲れさまでした」とカルテを受けとる。コホッと咳。
「どうした、風邪か?」
「すいません。患者さんから移されちゃったみたいで」
「どれ、座んなさい。診てあげよう」と聴診器を耳に。
「でも……」
「いいから座んなさい。ナースが風邪っぴきじゃ、この病院の評判にもかかわるだろ。さあ」
「はい」とスツールに座る。
「はい、前を開けて」と言いながら、貴は患者が冷たくないように聴診器を掌で温めている。
白衣の前をはだける桐絵。ブラジャーが見える。
貴は聴診器を桐絵の胸に当て、診察していく。その胸元のアップ。
「冷たくないか? はい、こう、息を吸ってごらん。そう。そのまま止めて。……吐いて。もう1回おおきく吸って」
桐絵、医師の顔で自分の胸を診察する貴を、愛しそうに見下ろしている。 聴診器がブラの内側に入る。金属が乳首にあたる。ロマンティックな音楽 高まり──。

カット変わって桐絵のアエギ顔。みずから胸をもみしだく。
ナレーション「これまでの……どんな男たちの愛撫よりも……先生の体温で温められた……あの聴診器のぬくもりが……わたしの躯に火をつけたのです
白いパンティのアップ。生地の上から強く愛撫。中に指を入れてオナニー。
カメラが引くと、そこはトイレの個室。桐絵は便器に座って白衣姿のままオナニーをしている。片足の太腿にひっかかった白のストッキングがなまめかしい。パンティに手を突っ込んでまんこをかきまわし、乳首を強くひねる。口からよだれが垂れる。
「あああっ先生、イクぅ!」
そのオーガズムの顔。

カット変わって現在。やはり桐絵のオーガズムの顔。そこは夫と義父のいない1人の家。桐絵はベッドでオナニーをして絶頂をむかえたのだ。カメラは乱れた姿を俯瞰で捉える。
その涙の滲んだ左目のアップにナレーション「わたしは先生が……お義父さまのことが好きでした
洗濯機の俯瞰。蓋が開いていて、中で ゆうべ着ていたコスプレ制服が回っている。
だから……

再び診察室の貴と桐絵。
「桐絵クン」
「はい」
「一度でいいからウチの息子の精一に会ってみてはくれないか」
と見合い写真を桐絵に渡す。いかにもオタクじみた精一のサエない白黒写真。
「はぁ……」
「いや、たしかに、あまりデキのいい息子ではないのかもしれない。医者の道をあきらめて高校の教師をしているような男だからな」
「そんなぁ。ご立派ですわ」
「ただ、あいつも可哀相なとこがあってね。一人っ子のうえに、幼いころ私が妻と別れたから、すっかりおとなしい性格になってしまって……。三十も過ぎて恋人の1人もできたことがないんだよ」
「先生、わたしでよかったら精一さんとお会いします。いえ、お会いさせてください」
「本当かね?」
「はい」と答える桐絵

カットバック。現在。コスプレ制服にアイロンをかけている桐絵。
ナレーション「ずっと大好きな先生のそばにいたい──その想いだけで、わたしは今の夫と結婚したのです
桐絵、夫の部屋にあるコスプレ箪笥に衣裳を戻す。ため息ひとつ。憂いのある横顔。
(ここまでで15分)

都内の某高校。キンコンカンコンと終業ベル。
教室にひとり居残りの茶髪 女子高生・ユミ。時計の針は午後4時45分を指している。黒板には「おしべ」と「めしべ」の図解など。退屈しきって「あ〜あ」とため息。
そこに教師が入ってくる。精一である。
ユミ「あっ」
「悪いな、待たせちゃって」
「先生、話ってなんですか? 早くしないとォ、予備校 間に合わないんスけど」
「じゃあ手短かに言おう。高野、ヤラしてくれよ」
「はぁ?」
「先生、知ってんだよ、おまえが援交してんの」
「証拠は、あるんですか?」
「あるよ。おまえがハゲ親父とホテル出てくるとこの写真が」
「じゃあ見せてよ」
「バーカ! そんなの持ち歩くわけないだろ。学校で落として、だれかに見られたらどうすんだよ。おまえの大学の推薦、取消しになっちゃうだろ。おれはおまえの味方だよ。だから……だれにも言わない」
とユミの肩に手を置く。セーラー服の胸をもむ。
「なにすんの!?」
「見せてみろ」と、セーラー服をめくってピンクのブラも押し上げ、直におっぱいをもむ。
「痛い! 痛い……。人が来たらどうすんですか?」
「鍵ならかけた」と、乳首をしゃぶる「さすが本物の女子高生だ。コリコリしてる」
「強くしないで。まだヒリヒリしてるから」
精一、ひとしきりユミの乳首を舐めしゃぶると、机の上のノートや教科書をなぎ払い、机の上にユミを乗せて「ひらけ!」と命令。スカートの中に顔をうずめて「ゆで玉子の匂いだ」
「はぁ?」
パンティの中に指を入れる。
「痛い!」
「うるせえ」
「先生、手 洗ったんですか?」
「使い込んでるわりには中は狭いな。湿ってるよ」
「はぁ?」
「ここ、ぎゅぅっと締めるんだ」
「おお、絡みついてくるな。よし、これからたっぷりブチこんでやる!」
「え?」
上にのしかかり、キスを迫る。いやがるユミ。
「ヤラせてあげるから乱暴にしないで」
精一、ズボンをおろして挿入。
「痛い!」
「腰あげろ」
「重たい!」
精一、デジカメを取り出すと自分撮り「はいチーズ」
「ちょ、ちょっと、なにしてるの?」
「これが証拠写真だよ」
「汚ねえぞテメエ、騙したな!」
「ああ、出そうだ!」
「おまえの子宮にたっぷり注入してやる」
「テメエ、やめろよ! やめろ。どけよ!」
果てる精一。疲れきっている。
「くそぉ」と口惜しそうにつぶやくユミ。

昼下がりの駅前通り。季節は冬である。夕飯の買物帰りの桐絵。ふと道の向こう側を歩く義父・貴に気付く。
「あれ? ……お義父さま?」
貴はコートの襟を立てると、周囲を気にしながら裏道の雑居ビルの中へと入っていく。
その後を追って、おそるおそる雑居ビルに入っていく桐絵。ゴミが散乱しているような汚い階段をのぼる。階段の上にあるドアには、ただ「会員制」とだけ表示されていて、ほかには何も書いてない。
どうしようかと立っていると背後から「面接の方ですか?」と声。
ふりむくと黒の皮ジャンにサングラス&アゴ髭、金のネック・チェーンをしたうさんくさい男が立っている。
桐絵、ドギマギして「あっ……いえ……あの、あたし……」と逃げ帰る。

夜の高層ホテルの外景。
おっぱいのアップ。
貴の声「前から……おまえとこういう事をしてみたかったんだ、桐絵。興奮してるな?」
貴が乳首をしゃぶる「ほら、乳首がピンと勃ってる。桐絵。よし、こっちもだ」
セクシーな黒いTバックのアップ。
「よし、下のほうも調べてやる。ほら、もっと足を開いて、そう。もう、こんなに柔らかくなってる」
指を挿れる。
「どうしたんだ、桐絵? 中まで調べてやる、ほら。ぐっしゃぐしゃじゃないか。どうだ桐絵、気持ちがいいか?」
女の顔が写る。それは桐絵とは似ても似つかない熟年のデート嬢・レイ子である。
「ええ、気持ちいい。はやくあなたの太くて固いの突っ込んでェ」
「ほんとに桐絵ははしたない女だな」
レイ子、自分から四つん這いになり「そうよ。桐絵はとってもスケベな女なの。だから後ろから犬みたいに犯してェ」
「待ってろ、桐絵、いま挿れてやるからな」と、パンティをおろしてバックから挿入。
「これか、うん? 当たってるか?」
「あぁん、壊れちゃう」
「壊れる!?」
貴、激情をぶつけるようにハゲしく腰を使う。
「もっと、もっと、もっと……」
「どうだ、うん? これはどうだ?」
「いい」
「いいか? これはどうだ?」
「ああん、いい……」
「桐絵、よく締まるぞ」
「抜かないで。抜かないで」
「ちょっと……」と正常位に移行して。
「早く……」
貴、レイ子の体を起こして対面座位に。 「イクぞ、桐絵!」
「いいわよ。わたしの……桐絵の中にいっぱい出して!」
「あぁっ!」と果てる貴。
レイ子、すかさず貴の股間に顔を埋めて、放出するちんぽを激しく吸う。
「ああぁ、くすぐったい。スゴい刺激だよ」
「おいしいわァ。もっと、もっとォ……」

情事の後。ベッドに座ってストッキングを履いているレイ子。
貴、「じゃあコレ。ありがとう」と数枚の万札を渡す。
レイ子、「はい」と受け取る。
帰ろうとする貴の背中にレイ子が尋ねる「あの……。桐絵さんて、だれなんですか?」
「死んだ女房だよ」
「あ。すいません、あたしったら……」
貴、レイ子に背を向けたままニヤリとすると、片手をあげて去る。レイ子もまた「わかってるのよ」というふうにニヤリ。

夜。矢木澤家の食卓。桐絵が夕食の支度をしている。食卓の上にはハンバーグの皿が3つ。
精一が入ってくる。
「親父はまだか」
「ええ」
「おれは医者なんかならなくて良かったよ。開業医なんかなったら死ぬまで仕事しなきゃならないもんな。おまえもそう思うだろ」
そう言いながら、精一、冷蔵庫からコカコーラの2Lペットボトルとマヨネーズのチューブを出し、食卓に座ると、ハンバーグの上にマヨネーズをてんこ盛りにかける。
「あ、はい」と返事をしつつ、それに気付いた桐絵「精一さん、そんなにかけたら体に毒だわ。こないだの人間ドックの結果も お義父さま心配されてたし……」
「いちいちうるさいな。好きなもん食えないんだったら死んだほうがマシだ!」とキレた精一、ご飯にマヨネーズをかけて かっ込む。
そこへピンポンとドアチャイム。

玄関が開いて、貴が帰ってくる。
「はい。おかえりなさい」
貴、桐絵にカバンを渡すと、 「悪いね。電話もせずに遅くなって。今日は院内会議でね。一日中カンヅメだったんだ。いやぁ、さすがに疲れた」
と、訊かれもしないのに言い訳がましいことを言って、居間に入っていく。
その背中を見送る桐絵の不審そうな顔。

カット変わって浴室。ステンレスの浴槽に身を沈めている桐絵の裸身を俯瞰で。
桐絵のナレーション「お義父さまが初めてわたしに嘘をついた。なぜ?
洗い場に立ってシャワーを浴びている桐絵。
あんないかがわしい所に お義父さまが、いったい何の用があったのだろう?
夫との憂鬱な夜のために身を清めながら、わたしの頭の中はお義父さまのことでいっぱいでした

肌を洗う手がいつしか愛撫となる。乳首を強くつまむ。股間に指を這わせてオナニーをする桐絵。
音楽 高まり、桐絵「お父様っ!」と小さく叫びながらイク。

翌日。例の雑居ビルを見上げる桐絵。意を決して入っていく。
男の声「当クラブは地位と経済力のある男性と──」
カット変わって、話を聞く桐絵の顔のアップ。
男の声「そうした男性の経済力を必要とされている女性に、出会いの場を提供するクラブです」
カット変わって、クラブの経営者・藤田の顔のアップに。
「会員の男性には入会の際、くわしい身元調査を行いますのでご安心ください。当クラブに不審な人物はだれ1人おりません」
再びカット変わって、クラブの事務室。机を挟んで藤田と桐絵が向かい合っている。
「また女性会員になられる方には最初にデジタルカメラで写真を何点か撮らせていただきます。写真はプロフィールと一緒にファイルされ、男性会員以外の目に触れることはありません」
「ここって……」
「はい」
「ここって売春クラブなんですか?」
「違います。さきほども言いましたように、当クラブはあくまでも男性会員と女性会員に出会いの場を提供するだけです。その後のお2人の関係に当クラブは関知いたしません」
「あの、ここの会員に矢木澤……という人いますか?」
「会員の方のプライバシーにかかわることは一切お教えできません」
壁を背にして立つキャメルのコート姿の桐絵。
「では、佐藤……さん。まっすぐ前を見てください」
写真を撮られる。コートのままで1枚。コートを脱ぎ白いセーター姿になって1枚。そしてブラ姿で1枚。シャッター音とフラッシュ。
桐絵の顔のアップにナレーション「義理の父に抱かれるために、わたしは売春婦になりました
(ここまでで36分)

とある駅前ビルの2階にある喫茶店……の窓を望遠ズームでカメラが捉える。サングラスをかけた桐絵が窓際の席に座ってる。
ピリリ、ピリリ、と桐絵のケータイが鳴る。
電話の声:桐絵「はい?」
電話の声:藤田「先日お会いした藤田です。佐藤……さん。早速ですが明日の午後のご予定はいかがですか」
電話の声:桐絵「はい。大丈夫です」
電話の声:藤田「では明日、午後2時。佐藤さんに男性会員の方からお声をかけます」
カメラの中の桐絵に、セカンドバッグを持った男性・木村が声をかける(画面はロングのまま)
「失礼ですが、佐藤さんですか?」
「……はい」
「いやあ、写真でみるよりステキな方ですね」
「いえ、そんな」
「行きましょうか」

ホテルの一室。
「震えているね。こういうことは初めてなのかな?」
木村、桐絵に抱きついて首筋に顔をうずめる。
「いや、ヤメて! 先に……先にシャワーを浴びさせてください」
「このままでいい! きみの、きみの匂いがついたままでいいよ」
とベッドに押し倒す。セーターをめくりあげ、胸を吸う。
「ヤメてェ、おねがい。おねがいヤメてェ」
「チップをはずむから」
木村、桐絵の乳首をしゃぶる。
「匂うよ。いい匂いがする」
「おねがい。ヤメてください」
「嗅がせて。嗅がせて……」
と、桐絵の網タイツを脱がせるとパンティに顔をうずめる。そして太腿をペロペロ。
「大人の……大人の、大人のメスの匂いがする」
カット変わって松葉くずしで激しくカラみあう全裸の2人。桐絵もいつしか性的快楽の中に身をゆだねている。
桐絵のナレーション「紳士の仮面をかぶった獣のような男──お義父さまもやはりそんな男の1人なのでしょうか
絶頂に追いあげられた桐絵のアップ。おもわず「お義父さま!」と口走る。
それからもわたしは、何人かの男たちにお金で躯を買われました

さきほどの2階の喫茶店の窓のロング。サングラスをかけた桐絵がこちら=外を見ている。
夫への罪悪感はまったくありません
桐絵がサングラスを外す。

黒のエナメルのボンデージ・ルックでバックから激しく疲れる桐絵。青白い照明に包まれて、桐絵も性的に昂まっている。
「おい桐絵、おまえはこういうイヤらしい恰好もよく似合うな」
よく見ると、抱いているのは夫の精一である。
「肉厚の赤貝からスケベな汁をだらだら垂れ流してるじゃないか」
売春行為を重ねるうち、いつしか嫌悪する夫の変態的セックスにも燃え上がる躯になっている桐絵。
「ああ、よく締まる!」
桐絵のナレーション「いつになったらお義父さまは、わたしを買ってくれるんだろう?
ただそれだけを思い、わたしは焦れていました

「ああぁ、出そうだ。……ああぁ、出る!」
イキそうになった桐絵、つい「お義父さま!」と口にしてしまう。
固まる精一「どういうことだ!?」
なにも言えない桐絵。
キレた精一、「どういうことだと訊いているんだ!」と桐絵をビンタ。
「桐絵!」
「やめて、精一さん」
「もう1回 言ってみろ」
「いや、いや。ぶたないで」

寝室から出て階段に逃れる桐絵。なにごとかと階下から上がってきた貴、桐絵を抱きとめて──、
「どうしたんだ、うん?」
「前からうすうす感じてたけどなあ……親父、桐絵とデキてんのかぁ!?」
「な、なにバカなこと言ってんだ。いい加減にしろ、精一!」
「とにかく、もう終わりだ。明日、荷物まとめて出てけ!」

翌朝。一戸建ての矢木澤家の外景。
玄関脇の階段を、スーツケースを持った桐絵が降りてくる。
後ろから追いかけてきた貴、呼び止めて「桐絵さん、精一には、わしからよぉく言って聞かせる。だからもう一度……」
桐絵、振り返らずに「お義父さま──」
「考え直してくれるのか!」
桐絵、振り向いて「わたし……ずっと待ってますから!」と言うと、そのまま家を出ていく。
バロック調の音楽たかまって。
「桐絵さん……」
複雑な表情の貴。
住宅街をキャスター付きのスーツケースを引きながら歩いていく桐絵。泣いている。
独り、家にとり残されて呆然とする貴。息子の寝室のコスプレ箪笥を見つけて「なんてことを……」
(ここまでで45分)

街の雑踏。人々が忙しく行きかう。
ケータイが鳴る。カメラが寄ると、画面中央にスーツケースを引いた桐絵の姿。
「はい?」とケータイに出る。
電話の声「藤田です。ちょっと急なんですが、今日これからのご予定はいかがですか」

学校のトイレ。個室の洋式便器にすわった精一が、この前の女子高生ユミにむりやりフェラ奉仕をさせている。
「ああっ、もっと奥まで咥えてみろ」
「吐きそう」
「あっ、あっ、あっ、出るゥ!」とユミの頭を股間に押し付ける。
個室のドアが開き。駆け出てきたユミ、流しで口をゆすぐ。
後ろから迫る精一、セーラー服をまくりあげて胸をもむ。
「あれから生理 来てないんだろ? そのうちおっぱいが張ってくるぞ」
精一、スカートをめくってパンティに手をつっこむ。
「先生、XXやったんですか?」(採録者注:聞き取れず)
「うるせえ」
「先生、おねがいです。もう許してください」
「ヤだね。おまえはもう、おれの奴隷なんだ。おとなしく言うことを聞けぇ」
と、女子高生を小便器に押しつけて後ろから挿入。
「先生、おねがいです。中にだけは出さないで」
「これがほんとの公衆便所だな」
激しく腰を振る。ドクン、ドクン、ドクン!……と鼓動のSE高まり──止まる。精一、意識を失ってバタンっと後ろに倒れる。

電車がホームから出て行く。
駅前ビル2階の喫茶店の窓。座っている桐絵。貴が来る。
「佐藤さん……ですね?」
「あ、お義父さ……」

ホテルの一室。着衣のまま貴と、黒のブラとTバックのセクシーな下着姿の桐絵が立っている。
「初めてファイルの写真を見せられたときには信じられなかったよ。どうしてこんなことを!?」
「お義父さまに抱いてほしかったから」と貴に迫り、ネクタイをほどこうとする桐絵。
貴、それを「やめよう」と押しとどめる。
「どうして!?」
「きみと私は……」
そこで桐絵がむりやり貴にキス。
「お義父さま!」
なんとか意志の力で桐絵の、……息子の嫁の、……いや、愛する女の躯をひき離す貴。
「やっぱり、こういう事はいけない」
貴、「すまない」と帰ろうとする。
悲しげな桐絵の顔。
と、リンリンリンリン……と貴のケータイが鳴る。
「もしもし。私ですが? なに、息子が!? 精一がどうしたんです!?」

カット変わって、学校のトイレで悲鳴をあげる女子高生。救急車のサイレン激しく。

チンとりんの音。白と黒の弔幕がかかっている。
喪服姿の桐絵が祭壇に手を合わせている。精一の遺影は例の見合い写真である。
ふすまが開いて、義父の貴が入ってくる。桐絵の斜め後ろにすわると──、
「ありがとう桐絵さん。結局、最後までこいつの面倒を見させてしまったね」
貴、前にすすむと桐絵とならんで焼香する。
「あなたはまだ若い。矢木澤から籍を抜いて自由になってください」
カメラは並んだ2人を後ろから撮る。喪服を着た桐絵の、うなじ。
桐絵、合掌する貴の、その手をじっと見つめて──、
「その手……」
桐絵、義父の手をとると両手で握りしめ、人差し指をしゃぶる。
その口元のアップに桐絵のナレーションがかぶる。
この手が……お義父さまのこの手が、すべての始まりでした
回想カットイン。白衣をはだけた桐絵を診察する貴の手。「はい、おおきく息を吸って」
精一の遺影がパタンと倒れる。
「お義父さま……」
「桐絵……」
畳の上に倒れこむ2人。貴、桐絵の喪服をはだけて乳首をしゃぶる。桐絵の白足袋の指先がつっぱる。キスをしながら裾をはだけて股間に手を入れる。ついに想いがかなって幸せな桐絵のアエギ顔。
なにも言わぬ遺影のアップ。
桐絵、義父の上に逆さに重なると「お義父さまのコレがほしかった……」と、トランクスごしに貴のちんぽをしゃぶる。
体を起こして貴の顔の上に顔面騎乗の状態に。
「桐絵の味がするよ」
遺影の精一の眼のアップ。
桐絵、そのまま騎乗位で貴とつながる。
「桐絵、桐絵……」
「お義父さま……。あああぁ、イイ……」
「桐絵……」
貴、体を起こして2人でつながりながら熱いキス。唇のアップ、ストップモーションになって──。
黒味の画面に貴の声「桐絵、そろそろイクぞ。いいな?」
桐絵の声「ああ、お義父さま!」
画面いっぱいに桐絵の左目。ナレーション「お義父さま、桐絵はこれからもずっとお義父さまのそばにいます

リズミカルなサルサに乗せてエンド・クレジット。