「ジュブナイル」とは、つまり…[ネタバレ]

「ドラえもん」である。ちょっと頼りない男の子が、未来からやって来たまるっこいペット・ロボットの助けを借りて勇気を手に入れる話。藤子・F・不二雄の得意とする「裏庭から始まるジュブナイルSF」だ。それが証拠にエンドロールのいちばん最後には for FUJIO F. FUJIKO と献辞が出る。「ドラえもん」だから、子どもたちが駈けまわる原っぱが必要不可欠なのだし、のび太の隣りにはジャイアンスネ夫がいなくちゃならない。のび太がやがてしずかちゃんと結婚するのは映画にもなった事実だし、香取慎吾の演じる「人の良いちょっと変人のお兄さん」というキャラは藤子(F)ファンにはお馴染みのものだろう。 ● この映画は「ドラえもんは(成長して科学者となった)未来の“のび太”が少年時代の自分に送りこんだロボットだった」という、ネットで広まった「幻の最終回」のストーリーをそのまま踏襲している。おれもどこかで読んだ記憶が…とドラえもん関係で検索したら、贋作者本人のHPで原文が公開されていた。それどころか、驚くなかれ、この作者のHPによると「ジュブナイル」のプロデューサーと監督が「あなたの話を映画化したい」と挨拶に来たというではないか(!) この人、映画のエンドロールでは「 Director's Thanks 」で名前が載ってるが、「原案」ぐらいのクレジットは貰ってもいいんじゃないの?(もっとも、そもそもの話が「ターミネーター2」が元ネタって気もするが…) ● というわけで「ジュブナイル」は「ドラえもん」の精神をほぼ忠実に実写映画化した傑作なのだった。これであと、しずかちゃん(鈴木杏)の入浴シーンがあれば完璧だったんだがなあ(火暴)


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