美姉妹レズ 忌中の日に…

【 シ ナ リ オ 採 録 】

脚本・監督:山内大輔 撮影監督:創優和
製作:フィルム・ハウス 提供:エクセス・フィルム 上映時間:60分
(c)2006 新日本映像株式会社

〈キャスト〉
新堂藍子(女子高生)…………………… 日高ゆりあ
新堂隆也(大学生の義兄)……………… 柳之内たくま
新堂秀夫(裕福な会社社長の義父)…… 牧村耕次
新堂真寿美(三十路の美しい母)……… 寺澤しのぶ
桃子(二十代の新進カメラマン)……… 倖田李梨
小金井(デリヘルの客)………………… サーモン鮭山

* * *

配給、製作のクレジットに続いてタイトル『美姉妹レズ 忌中の日に…』。

電信柱に貼り付けられたデリヘル『キャンディ・ガール』のチラシが、剥がれかけて風にはためいている。カメラ引くと、その背景にラブホテル全景。そこにボイスオーバーで──、
「90分コースでお願いします。……はい。できるだけ若い子で」

ラブホテル室内。ベッドに女子高生のコスプレをした本作のヒロイン=藍子(日高ゆりあ)が腰かけている。赤系のタータンチェックのスカートに同色のネクタイ、白いブラウスにルーズソックス。その前に白ブリーフ一丁&黒縁メガネで立っている小太りの男(サーモン鮭山)が話しかける──、
「じゃあ、3年前に家出したきり、一度も家 帰ってないの? お父さんとお母さん、きっと心配してるよ」
男、缶ビールを藍子に「はい」と手渡して、
「あ、ジュースのほうがよかったかな?」
藍子、無言でプルトップを開けるとグイグイと飲みほす。
「み、未成年じゃないのかな……。ま、どっちでもいいか」
男、藍子の前にひざまずくと「カワイイ……」と呟き、ルーズソックスを脱がせて足指にしゃぶりつく。
「ン……ン……おいしい」
そのまま、ふくらはぎ、太腿、股間とのぼっていくと
「ダメッ! 先にお金見せて」
「なんで?」
「ヤリ逃げされたらヤだから」
カット変わって、ベッドの上にバタンと仰向けに倒れる藍子が伸ばした手……に握りしめてる一万円札2枚のアップ。カメラ動いて、ブラウスをはだけられて露出した胸を写す。
「可愛いサクランボ。ああっ、こっちもだぁ! はぁ、はぁ……」
男、夢中で乳首を舐めまわす。
「やわらかいン……」
ベッドの上で四つん這いになる藍子のヒップ。サクランボの柄の白いパンティが丸見え。男、尻にむしゃぶりつく。
「おいしそうなピーチだ。んぐ、んぐ……」と舐めまわす。
「汗とオシッコ。女子高生の味だぁ。ぁぁあ、キレイだ。果汁が溢れてくるぅ……」
カメラ位置 変わって、四つん這いで股間を舐められている藍子の顔を写す。
そこに藍子のナレーション「今から3年前──、わたしには家族がいた」

少し上を見上げておどおどしている藍子のアップ。やはり高校の制服姿だが、スカートとリボンは紺と緑のチェック柄である。それと紺のハイソックス。カメラ引くと、そこはメゾネット(=2階がある)タイプの洒落たマンションのリビング。画面下手に藍子と、まだ三十代で化粧の濃い、母の真寿美(寺澤しのぶ)、上手側に再婚相手である初老の新堂秀夫(牧村耕次)と連れ子の大学生・隆也(柳之内たくま)が向かい合って立っている。母が言う──、
「ほら藍子、新しいお父さんに、ご挨拶しなさい」
「こんにちは」
「はい、こんにちは」
「隆也、お前の新しいお母さんだ」
「父を、よろしくお願いします」
「隆也クンてハンサムね。なんだかドキドキしちゃう」
「おいおい、なんてこと言うんだ。アッハハハハ……」
隆也が藍子に声をかける「藍子ちゃんもよろしく」
ハンサムな隆也に藍子は、ただドギマギしている。
「そうだな。今日から兄妹なんだから、仲良くしろよ。なあ母さん?」
「隆也クン、藍子をよろしくね」

夜。静まり返ったマンションの外廊下。犬の遠吠え。

カット変わって、夫婦の寝室(玄関脇の和室)。新堂と真寿美が布団の上で激しくカラんでいる。全裸の新堂が、黒の網タイツだけを履いた真寿美を後ろから突いている。
「アァン……、いいわアナタ。もっと奥まで突いて!」
「こうか?」
「もっと。ずっと奥まで。ハァン……」
「アァ、真寿美!」
「あぁ、イイの。奥まで入ってるわよ。あぁイイ! イイわ! ああ、イイわよ、アナタ」
「前からもして」
「前からか? よし……」と正常位に移行する。
「あぁ、イイ。イイわ」
新堂、そのまま真寿美を抱えあげて対面座位へ。
「あぁ奥までズッポリ入ってるわ。あぁ、そうよ。アナタ。イイわ。……あぁコスれるぅ」
「アナタも気持ちよくなって!」
「真寿美!」
「あああぁ、イイわ!」
「あんまり大きな声を出すな。娘に聞こえるぞ」
「いいの。聞こえてもいいの! あぁあぁあぁぁぁぁ!」

数学のノートのアップ。カリカリと鉛筆で、数式の解を書き込んでいく。カメラ引いて、自室(2階にある)で宿題をしている藍子。綿のタンクトップに赤のショートパンツ。むちむちの幼児体系がはっきりとわかる。部屋にはまだ『あい子 夏もの』などと書かれた段ボールが積まれている。階下の夫婦の寝室の声が響いてくる。
「お前はほんとにスケベな女だな。え?」
「あぁ、イクイク!」
藍子は反応をみせず、一心に勉強を続ける。

カット変わり、不機嫌な顔の藍子のアップ。河川敷の、鉄道橋の下。制服姿の藍子が、丸い石を川に放る。

昼間の路上。下校中。不機嫌な表情のまま歩いていく。ゴミ置き場にあった段ボールを蹴飛ばして、そのまま蹴飛ばし蹴飛ばし歩いていく。カメラはそれをずっと横移動で追いかける。

カット変わって食卓の上におかれた置手紙──、
『今日はパパと出かけて来ます
 これで何か食べて  母』
重しがわりの500円玉が1枚。
帰宅した藍子。ガランとしたリビング=ダイニング。置手紙を読んで憮然。

夜。街灯が灯る。

電子レンジの中でコンビニ弁当のオムライスが回っている。チン!と鳴り、オムライスを取り出して、食卓で食べる藍子。前夜と同じ、綿のタンクトップに赤のショートパンツ姿。面白くなさそうに白いプラスチックのスプーンでオムライスを口に運ぶ。そこへ義兄の隆也が帰宅する。
「ただいま」
「おかえりなさい」
肩に担いでいた三脚を椅子に降ろして。もう一方の肩からは一眼レフ・カメラが下がっている。
「あれ? ひとり?」
「うん」
「もしかして、それ晩飯?」
「うん」
「マイッタなあ。なんか食って来りゃよかった」
隆也、冷蔵庫を開けて「なんにもないな……」と呟いている。
「よかったら……半分たべますか?」
「え? いいよ、悪いし」
藍子、「すいません。食べかけじゃ厭ですよね」とイジワル。
隆也、「いやぁ、そゆことじゃなくて……」とアセる。

カット変わると、食卓にかけてオムライスをかっ込んでいる隆也。藍子が水の入ったコップを「はい」と置く。
「なんか悪いな。横取りしちゃったみたいで」
藍子、隣に座りながら、
「いぃんです。それ、あんまり美味しくなかったから」
「……えっ?」
「う、そ」と、エヘヘッと笑う。その無邪気な笑顔。ひとときの幸せ。

カット変わって、隆也の部屋(やはり2階)。藍子、一眼レフ・カメラをいじりながら──、
「じゃあ、大学を卒業したらカメラマンに?」
隆也、答えない。
「……?」
「いや、親父の会社を継ぐことになってる。だからコレは今だけの趣味」
「なんか勿体ない」
「付き合ってたカノジョにも言われたよ、好きなものを簡単に手放すのかって」
「なんて答えたの?」
隆也、答えない。ベッドにバタンと仰向けに倒れて、
「仕方ないじゃん、て。そしたら、あっけなくフラれた」
階下でドアの開く音。隆也、「親父たち、帰ってきた」と話をそらす。

口笛。前日と同じ道。下校する藍子。楽しそうに口笛を吹きながら。カメラ、横移動して藍子を追う。

マンションの階段をあがる藍子。外廊下。玄関のドアが開く。玄関には男ものの革靴が一足。固まる藍子。
リビングでは新堂がタバコをふかしながら新聞を広げている。
「あー、おかえり」
「(小さい声で)ただいま」
「今日 お母さんな、新宿のデパートまで買物だ」
「あ、はい」と階段をのぼって自室に行こうとする。

階段上から見おろすアングルで。途中までのぼっている藍子を、下から新堂が呼び止める。
「なぁ、藍子」
「はい」
新堂、階段をのぼって、
「どうだ、学校のほうは?」
「ふ、普通です」
藍子の両肩に手をおいて、
「そんなに固くならなくたっていいんだよ。わたしはきみのお父さんなんだから」
「……はい」

マンションの外廊下。一瞬の間。ドアが開いて藍子が泣きながら走り出てくる。ブラウスが乱れている。荒い息の新堂が後を追いかける。
「コラ!待ちなさい」
「ヤッ、離して!」
マンションの階段を駆け下りる藍子。追いすがる新堂。
やがて藍子を捕まえると「来なさい!」と抱えあげて部屋へ連れ戻す。
「イヤッ!」

リビングルーム。新堂がソファの上に藍子を投げ出して覆いかぶさる。
「藍子ぉ…」
「イヤッ! 触らないで……」
もつれあう2人。
「藍子ぉ!」
胸をはだけて乳房にむしゃぶりつく。顔をゆがめる藍子。
「ヤん……お父さん、イヤ!」
逃れようとして上へ、上へと体をズラす藍子。その後ろから股間に顔をうずめる新堂。パンティを脱がしてマンコを舐める。隣のソファへと逃げる藍子。背もたれに上半身を預けた、その態勢に、後ろから新堂が挿入する。
「おとなしくしろ!」
荒々しい律動。後ろから胸をもみしだく。髪をつかまれた、涙顔の藍子のアップ。
「痛いっ! ヤメテ……」
「藍子ぉ、藍子ぉ、あぁぁぁ……」
果てる新堂。ソファにうつぶせたまま、嗚咽する藍子。無残な姿。
「おまえ、処女だったのか。父さんが初めてでよかったなぁ」
新堂、離れ際に藍子の尻をペタンと叩いて、
「母さんには言うなよ。今のおまえたちの暮し、失いたくはないだろ」
そして画面手前からティッシュの箱を放りつけ「ソファ、汚すなよ」とヘッヘッヘッ……と下卑て笑う。
台所でコップに水を汲んで美味しそうに飲み干す。

台詞先行で「ああ、美味しい。今日は豪勢だな」
カット変わると、ほぼ俯瞰のカメラ位置から、丸い食卓を囲む四人家族。卓上には分厚いステーキが人数分。
「あァん、美味しい。さすがデパートのお肉は、ひと味ちがうわ」
「そうだな」
1人だけ皿に手を出そうとしない藍子を隆也が気遣う。
「どうした? 食べないの?」
自分が昼間、犯したせいで食欲がないのだなどとは、おくびにも出さず新堂が──、
「しっかり栄養つけて勉強がんばってもらわないとな。なぁ母さん?」
「美味しいわよ」
隆也が「具合でも悪いのか?」と再び尋ねる。
藍子は「ううん、平気」と答え、隆也に心配かけまいと無理やり肉片を口にはこんで、もぐもぐもぐ……と噛みしめる。その表情に父母の会話がかぶさる──、
「この肉、いくらしたんだ?」
「百グラムたったの二千円よ」
「えぇ? おいおい、少しは家計のことも考えてくれよ」
「だってぇ、アナタに精を出してがんばってもらわなきゃ。今夜も期待してるわよ」
「おい、子どもの前でなんてこと言うんだよ、フフフフフ」

翌日。学校帰りの河川敷。肩に学校指定の紺バッグをかけて、川の流れを見ている藍子の小さな後ろ姿。横顔のアップ。
「なにしてるのぉ?」
藍子が振り向くと、三脚を持った若い女性が近づいてくる。桃子(倖田李梨)である。
「カレシにでもフラれた?」
とまどい、黙ってる藍子。それを否定と受けとったのか──、
「なんだ。仲間かと思ったのに」
「……え?」
桃子、ウフフと笑う。

夕暮れ。川の情景が何カットか。
コンクリートで固めた護岸に腰かけて話している藍子と桃子。もう打ち解けている。
「桃子さんは、いつもここで写真とってるの?」
「この場所が好きなの」
藍子、桃子の一眼レフに目をとめて「お兄ちゃんのと同じだ」
「へえ? 写真やってるんだ?」
「うん」
「こんど紹介して貰おっかな」
「うん、いいよ」と無邪気に笑う。
その笑顔をみて桃子、
「ねえ、こんど藍子ちゃんのこと撮らせてよ」
「えっ?」

その夜。夫婦の寝室。いびきをかいて寝ている真寿美……の目が開く。隣の布団に新堂がいない。薄暗い階段上からのショット。階段下を通る真寿美。2階からすすり泣きの声。怪訝に思った真寿美、階段をあがる。すす泣きの漏れてくる藍子の部屋を覗くと──、
ベッドの上に全裸の新堂が腰かけて、その膝の上に藍子が背面座位の恰好で跨されている。下半身は制服のスカートと紺ハイソのままで、上半身だけハダカに剥かれている。嫌がってすすり泣く藍子にかまわず、新堂は背後から胸をもみしだき、股間をいたぶる。
「カワイイよ、藍子。ああぁ、美味しい」
「ヤだあ……痛い! ヤメてぇ……イヤ……お父さんイヤです」
「ああぁ、藍子ぉ。静かにしないと、母さんに気づかれるぞ」
人差し指と中指を、藍子の口に突っ込んでグリグリとかきまわし、
「おまえがいたから、あのババアと結婚したんだよ。ハハハハハハ……」
ドアの隙間から覗く真寿美の目。
新堂、後ろから藍子に挿入する。
「痛ァいっ!」
そのまま後ろに倒れて、下から激しく突き上げる。ブラジャーで猿轡をされ、こもった悲鳴をあげる藍子。
「若いだけのことはある。あのババアと違って、おまえはよく締まるよ」
体をクルリと反転して、上からバックで押し潰すように突く。
「藍子ぉ……藍子ぉ……イイぞぉ」
果てる新堂。

カット変わって階下の夫婦の寝室。新堂がこっそり戻ってくる。先に戻って狸寝入りをしていた真寿美の目がパチリと開く。

翌日。マンション全景。
昼間のリビングルーム。掃除機をかける真寿美。
隆也の部屋。午前中の授業がないのか、黒のタンクトップにグレーのボクサー・ブリーフで昼寝をしている。その股間が朝勃ちしている。
掃除機を持った真寿美が隆也の部屋に入ってくる。隆也の股間に目をとめ──。

眠っている隆也。目を覚ます。下半身に異変を感じて下をみると、真寿美がブリーフ越しにちんぽをしゃぶっている。
「母さん、なにしてんだよ! ダメだよ、母さん!」
カット変わって、四つん這いで隆也の股間を舐める真寿美の後ろ姿。パンティの股間に染みができている。
「ナマでしゃぶってあげるわ」とブリーフを脱がす。たまらず発射する隆也。
真寿美、若い樹液を味わうと「やっぱり若いわねえ。お父さんとゼンゼン違う」
そして体をズリあげてきて隆也とむりやりキス。
「母さん、どうしてこんなこと?」
「ウフフ、あなたのお父さん、わたしの娘とヤってるのよ。だから……わたしだって、あなたとヤる権利あるでしょ?」
「な、なにを言ってるんだ!」
しかし、タンクトップをズリあげられ舌で乳首責めをされると抵抗する力が抜けてしまう。
「いま出したのに、もう固くなってる」
真寿美、騎乗位で隆也にのしかかる。
「ああぁイイ! 隆也クン、もっと奥まで、お母さん突き上げて。……あぁぁ、気持ちいい」
ブラを外して全裸になると、からだを前傾させて、
「おっぱいも舐めてェ」
「ダメだ!こんなこと」
「じゃ、やめる?」
やめられない。快感に屈してしまう隆也。
「イイの。中に出して」
あえなく2度目の発射をする隆也。
その姿に真寿美、「カワイイっ」

高架線路を電車が通りすぎる。窓。桃子の部屋。室内に張った洗濯ロープに現像した写真が吊るしてある。
「じゃあ、服ぬいでもらおうかな」
「えっ……」
「大丈夫。心配しないで」
ブラウスのボタンを外し、ブラを取る。制服のスカートをおろす。衝立のかげから紺ハイソとパンティだけの藍子が出てくる。
「準備できた? じゃあ、そこにすわって」
藍子、ベッドの上にすわる。桃子もベッドにあがり、藍子にポーズをつける。
「背筋を伸ばして、こう、手をおろして」
半裸の藍子をつくづく見て──、
「藍ちゃん、すっごくキレイだよ」
桃子、藍子の肩甲骨のところにあるキスマークに気づく。
「カレシともラブラブなんだ?」
その瞬間、藍子の脳裏に、新堂にレイプされたときのショックがフラッシュバックする。
桃子がカメラのシャッターを切ると、藍子は「イヤッ!」と悲鳴をあげてベッドから駆け下りる。
「ちょっと、どうしたの?」
藍子のうしろから様子をうかがう桃子。
「ゴメン。わたしが悪かったわ。もういいから。服、着て」
と藍子の肩にやさしくブラウスをかけてあげる。背を向けた桃子に、逆に藍子が抱きつく。
「桃子さんっ!」
自分よりだいぶ背の小さい藍子の目にうかんだ涙を、桃子が舌で舐めとってあげる。
「藍ちゃん……」
情熱的なキス。舌をからめあって。

ベッドの上で横になり愛しあう藍子と桃子。キスしながら、乳首と乳首をこすりあわせる。桃子、藍子の胸を舐めながら股間に指。パンティを脱がせてマンコに顔を埋める。
「ダメ……ダメっ!」
「そんなことない。すごくキレイだよ」
「……あふれてる」

四つん這いになった桃子。
「わたしにもして」
「どうすればいいの?」
「尖ってるところ舐めて」
「うん」
藍子、桃子のパンティを脱がせてお尻に顔を埋める。
「こう?」
「もっと激しく」
藍子、激しく舌を動かす。もだえる桃子。
「藍ちゃんっ……上手よ」
ピチャピチャという音が響く。

ベッドの上で2人して膝立ちとなり、キスしあう2人。
「わたしにも挿れて」
そのまま2人で指マンしあう。
「藍ちゃん……」
「桃子さん……」
籐椅子にかけられた制服のスカートとリボン。

後刻。夕景の河川敷。コンクリの護岸に肩を寄せあって腰かける仲睦まじい藍子と桃子。
「見える?」
「えっ?」
「あれ」
「見えないよぉ」
藍子、桃子の吸っているタバコを見て、
「ねぇ。タバコって美味しいの?」
「吸ってみる?」
「うん」
むせる。ごほ、ごほ。
「ふふ。コドモなんだから」
また情熱的なキスをかわす2人。

台詞先行で「お母さん……わたし……お父さんに……」
翌日。昼間のリビングルーム。思い詰めた表情の藍子。桃子に勇気をもらって思いきって母に告白したのだ。しかし、母は憮然とした顔で、着替えをしながら──、
「大学 行きたいんなら、それくらい我慢すれば?」
「え?」
「わたしだって我慢してるんだから。まさか、自分の娘に亭主を寝取られるとは……思わなかったわ。油断も隙もありゃしない」
とタバコに火。母に愛情を拒絶され、呆然とする藍子の顔。

河川敷。桃子が三脚をたてて風景を撮影している。橋の上を電車が通過する。タバコに火。すると──、
「ひさしぶり」と声。振り向くと、隆也がこちらへ向かってくるところ。とまどう桃子。
「なによ、急に?」
「この間の個展、行けなくてゴメン」
「いいよ別に、別れたんだし」と、つれない。
だが隆也、必死に、
「なあ桃子、もう一度やりなおしてくれないか?」
「はぁ?」
「このままじゃ、おれ、ダメになる!」と桃子の肩をつかんで。
「なに……なに言ってんの」
「頼む!桃子!」とむりやり抱きすくめ、キス。
「隆也……」
「おれを……おれを取り戻させてくれ!」
混乱する桃子。

土手から河川敷に、とぼとぼと降りてくる藍子のロングショット。

橋脚の裏側。隆也、橋脚に桃子のからだを押しつけて胸をまさぐる。
「ダメだよ、こんなとこじゃ……」
「桃子……」
隆也、桃子の体を反転させてパンティをおろし、後ろから突っこむ。ついこの間まで恋人だったカレシとのセックス。自然と燃え上がり、もだえる桃子。

……を、橋脚の影から出てきた藍子が見てしまう。その横位置のロングショット。時間が止まる。
「藍ちゃん……」
なにも言わず、走り去る藍子。その姿を俯瞰カメラでもう一度リピート。

場面は冒頭のラブホテルの一室に戻る(ここまででおよそ40分。三分の二である)
藍子のナレーション「あれから3年がたった。家を出たわたしは、誰にも頼らず、自分ひとりで生きてきた」
客にバックで突っ込まれている藍子の、うつろな顔のアップ。客の動きにあわせて体は揺れるが、顔には何の表情もない。
男「あぁ出る!出る!」
「あの〈家族〉は、今どうしているのだろう?」

「気がつくとあたしは、かつて暮した、あの家の前にいた」
マンション全景。雨が降っている。ビニール傘をさした、大人びた表情の藍子がマンションの部屋を見上げている。
「……藍ちゃん?」
ふりむくと、喪服姿の桃子。

玄関のドアに『喪中』の札。

マンションの2階の部屋にしつらえられた祭壇。真寿美と隆也の遺影と位牌が並んでいる。その前に藍子と桃子が並んですわり──、
「隆也と藍ちゃんが義理の兄弟だったなんて驚いたわ。あれから色々とあったわ。わたしは結婚して……未亡人になった。藍ちゃんは今までどうしてたの?」
桃子、線香をあげてチン!
「交通事故だったの。わたしだけが乗ってなかった」
「……お父さんは?」
「いるわよ」

カット変わって、虚空をつかむ包帯の手。タンスの上に真寿美の遺影。
カメラが引いて交通事故で半身付随となった新堂の全身を写す。布団の上に身を横たえた無惨な新堂の姿。上半身と顔は包帯でグルグル巻き。片手は上に伸ばしたまま曲げられない。
その傍らに座った藍子、
「お父さん、あたしのこと判る?」
顔を覗きこんで、頭をぺたぺた叩き、
「お父さん……可哀相に」
新堂、言葉にならない悲鳴をあげる。

ぐつぐつと煮えるお粥の鍋。
台所でお粥を作る桃子。藍子が入ってくると、
「あ、お風呂わいたから入って」と玄関脇の和室へお粥を運ぶ。

シャワーを浴びる藍子。せっけんを流しながら自分の躯を愛撫する。

祭壇の前で花を活けている桃子。白い襦袢を着た桃子が入ってきて隣に座る。
「藍ちゃんに会ったせいかしら、今日はお父さん、いっぱい食べてくれた」
「桃子さん?」
「なぁに?」
「わたしをこの家に置いてくれる?」
「なに言ってるの。藍ちゃんはこのウチの娘じゃない」
桃子、花を祭壇に供える。その花のアップ。りんをチーンと鳴らす。
「でも、なんだか不思議ね。藍ちゃんとわたしが義理の姉妹になるなんて」
「お姉ちゃん!」と藍子のほうから積極的に激しくキス。
「藍ちゃん」
そのまま倒れ込む。黒の喪服と白の襦袢が絡み合う。
カットバック〈うめく新堂。口からよだれ〉
藍子が主導で桃子を愛撫。胸元をはだけて乳首を舐める。裾から手を入れて指マン。クンニ。ズルズルと激しい音。息も絶え絶えにもだえる桃子。藍子、桃子の体を反転させて尻から舐める。みずから胸をもみながら果てる桃子。
「あぁぁぁ、イクッ!」
それを確認して微笑む藍子。
再びカットバック〈うめく新堂。口からよだれ。お粥らしき粒がこぼれている〉

玄関の『忌中』の札。
スズメのさえずり。翌朝。前夜の乱れた姿のまま祭壇の前で眠ってしまった桃子が目を覚ます。
「藍ちゃん?」
着物を整えながら、2階からゆっくり降りてくる。玄関脇の和室からうめき声。
桃子、引き戸に耳をあてる。少しだけ開けて中を覗く。カメラ逆位置になって、目を見開く桃子の半顔。
室内では藍子が半身不随の新堂の上に馬乗りになって腰を振っている。
「どう、お父さん、気持ちいい? お母さんが死んでからヤッてないんでしょ?」
苦痛にあえぐ新堂。快感に酔う藍子。
「ほら。奥まで入ってる。ハァ、ハァ……。昔、アンタがわたしにしたことを、今からやってあげる」
襦袢の腰紐で新堂に猿轡。覗いている桃子の顔。恐怖。
「あら? ずいぶん柔らかくなってきたじゃない。おっぱい舐めたら固くなるかしら」
と上半身を傾けて、乳房を新堂の口に含ませる。
「どう? 犯される気分は?」
と、ますます激しく腰を振る。
「ほら、出しなさいよ。娘の中に出しなさいよ。ほら……ほらっ!」
「ぐぅわぁぁぁぁ……」
果てる新堂。藍子、包帯の隙間から新堂の目を覗き込んで──、
「お父さん、これからわたしがずうっと面倒みてあげる。アハハ、アハハハ……」

三脚にすえた一眼レフ・カメラのアップ。「じゃあ、撮るわよ」と桃子の声。
カメラ位置、逆になり、祭壇の前にウキウキと全裸でならぶ藍子と桃子。
藍子のナレーション「こうしてまた……わたしに家族が出来た」
そのままキスをして倒れこむ2人。シャッターが切られる。
「藍ちゃん……」
もつれあい、愛しあう2人に、赤いフラッシュ光って──。
エンド・クレジット。