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thEatricals2004.01.08
メロンメロン 1st Gift
「ファミリーボーン」

2003/12/06 @ 恵比寿・エコー劇場
C列3番

12月6日土曜日。昼。くもり。
珍しく見た前日の天気予報では降水確率が50%。
2分の1で悪い方を引くのが得意な私は傘を持って外出します。
目的地は恵比寿。
ちょっと前に一時期ラーメンを食べ歩くのにはまっていたことがあって、そのときは割とよく訪れていた場所ですが、それをやめてしまった今ではちょっと足が遠のいている場所でもあります。
せっかくなのでAFULIとかいうラーメン屋に入って昼食を取ってみました。焼きを入れてあるチャーシューが非常においしかったです。ラーメン自体はさっぱりとしていて食べやすかったかな。
お腹もふくれたところで今回の劇場はエコー劇場。
駅から歩いて10分弱。路地を入ったところにあるちょっと静かな雰囲気のある場所にひっそりと建っていました。
ところで、雨の方は見事に降りませんでした。ていうか、晴れ間さえ出てくる始末。見事に2分の1で裏目を引いたようです。己のすばらしいヒキに泣きそうです。

今回の私の座席はC列でしたが、実際には前にもう3列分席が用意されていましたので、都合6列目。左側の席だったのですが、ちょうど真後ろにはWOWOWのテレビカメラがドンと鎮座しておられまして、座席に座って上を見上げれば目の前にカメラのレンズという素晴らしい座席。しかも開演前にはディレクターさんらしき方から、席を立たないでくれとのお達し付き。座高が高い私は多少の動きでもカメラに入ってしまうような気がして、観劇中も気が抜けなかったのでありました。
ちなみに座席には格納式のテーブルが用意されていたので、普段は演芸をよくやっている劇場なのかもしれません。
客層は30代から40代が中心。シティボーイズファンと思われる若い女性客も見られました。男女比は3:7といったところ。

「メロンメロン」はシティボーイズのきたろうさんが立ち上げた演劇ユニットで、今回が旗揚げ公演となります。
「メロンメロン」という名前には特に意味はないそうですが、なんとなく仕事を任せられないような会社名って何だろうと考えてきたろうさんが思いついた名前がこれなんだそうです。実にきたろうさんらしい命名方法ですね。

●パンフレット
パンフレットなどの物販は特にありませんでしたが、今作のDVD予約と2004年のシティボーイズの公演予約を受け付けていました。私もシティボーイズのは予約させていただきました。

●セット
真っ赤なインターチェンジの料金所ボックスが2つだけのシンプルなセット。
他の場面でも全体的にシンプルな作りになっていましたが、後方の壁の後ろに用意されていた家の屋根のセットだけはやたらと本格的な作りだったのが印象に残りました。

●ストーリー
富士山から程近い高速道路の料金所のボックスに立つ2人の中年男、戦太郎(きたろう)と城辺(螢雪次朗)。彼らの趣味はボックスで隠れて外からは見えない下半身の部分でいろいろなことをすることだ。戦太郎はそれ専門のホームページを開設するほどこの趣味が気に入っている。そんな戦太郎は大晦日である今晩、ポニーをボックス内に入れていた。その証拠にとポニーの尻尾を城辺に見せる。何の自分も負けてないぞと城辺はポニーテールを戦太郎に見せた。つまり城辺のボックスには女性が入っているのだ。その女性はどうしたのかと戦太郎が聞くと、さらってきたと答える城辺。すかさず警察に通報する戦太郎。通報を受けてやってきたのは吉野(川本成)という警官。ところがこの吉野と城辺はふちしたことから同じ村の出身で、さらに親子同士であることが判明。しかも城辺が拉致していた女性は戦太郎の1人娘である薫(小林麻子)だったのである。

●感想
上演時間は1時間25分。(15:05〜16:30)
きたろうさんらしいと言えばらしい、脱力感満載のお芝居でありました。
今作の脚本・演出を手懸けた方は、若手の映画監督・飯塚健さん。これが初の舞台作品ということでしたが、もうちょっとお勉強してほしかったかな、と。
一応家族というテーマが中心にあるんですが、そこに注がれる話も合間合間のお笑いも大堀、久本両氏による歌もなんとなく中途半端な印象。どこか1本芯の通った何かしらがあれば全然印象も違ったと思うのですが、そういうのは全く無し。
ある程度予想していたとも言えるのですが、シテイボーイズでの公演をどうしてもイメージしていたので、その分肩透かしが大きく感じたのでしょう。勝手な思い込みとはいえ、ちょっと残念という思いが強かったです。料金も高かったですしね。

●役者
きたろうさん。シティボーイズのライブのときよりも動くが激しかったのが印象的。後半バテてた印象もありましたけど。この方はどんな舞台でも私たちの期待を裏切らない覇気のなさを与えてくれます。もちろん誉め言葉です。
螢雪次郎さん。愛らしいおじさんといった感じで、きたろうさんとのコンビも意外とよかったです。
大堀こういちさん。笑いにしても芝居にしてもちょっと物足りなさを感じました。きたろうさんみたいにもっと悪ふざけしてもいいかなと感じました。
久本朋子さん。すごく印象が薄いんですよね。歌も下手じゃなかったけど、あまりピンと来なかったです。お姉さんのイメージが私の中で大きいのかもしれません。
川本成さん。どこかで見たと思ったらあさりどの人だったんですね。役柄のせいもあるでしょうけど、少々演技が鼻についたところもありました。でも概ね好印象であります。


脚本の問題か演出の問題か ★★☆☆☆


− 公演データ −

メロンメロン 1st Gift
「ファミリーボーン」

2003/12/04〜2003/12/07@恵比寿・エコー劇場
全席指定 前売5300円

- STAFF -
作・演出:飯塚健

- CAST -
きたろう
螢雪次朗/大堀こういち/久本朋子
小林麻子/川本成/福寿奈央
(声の出演)いとうせいこう/斉木しげる
 

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