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thEatricals2003.04.22
G2プロデュース×3軒茶屋婦人会
「ヴァニティーズ」

2003/04/19 @ 本多劇場



4月19日土曜日。
特に書くこともないので、今回の関係ない枕詞はなし。

女性3人で演じられる「ヴァニティーズ」はアメリカのオフ・ブロードウェイで1700回以上のロングランを果たした名作コメディで、日本でも毎年のようにどこかで上演されています。私は見たことないですけど。ちなみに、「ヴァニティ(vanity)」とは、見栄とか虚栄という意味。人間誰もが持っている嫌らしい性格の1つのことであります。
で、今回のはよりによって40を過ぎたおじさん3人が演じるという素晴らしい企画であります。私はその企画だけのために見ることを決めたのであります。
篠井さんは、割とすんなり受け入れられそうです。もともと中世的な印象が強い役者さんですし、女装姿も既にやられております。深沢さんも大丈夫そう。ちらしの写真を見る限り、そんなに違和感はないし、女性の歌なんかも舞台でやっていらっしゃるそうですし。一番気になるのが大谷さん。ちらしでのお姿に少々疑問符。あと声も太い方だし。どうなるのかしら。
舞台は本多劇場。2週間までに来たおかげで、今度は迷子にならずにすみました。
席は後方ながらど真ん中なので、舞台を見るにはいい場所でした。
ただ、女性客の多いこと多いこと。
観劇を趣味にされているのは圧倒的に女性が多いのは過去の経験などからも知ってましたが、ここまで女性客の多い舞台は初めてでありました。男女比は1:9ぐらい。私の席の回りもすべて女性。変に己の佇まいなんかも気にしたりして。
関係ない話ですけど、当日は松尾貴史さんにそっくりな方を見かけました。遠くから見ただけなんですけど、どうみても本人としか思えない風貌。以上、関係ない話でした。

舞台は1963年のアメリカ。チアリーダー部の部室では今日行われるフットボールの応援練習をしていた。チアリーダー部のメンバーはリーダー的存在のキャシー(篠井英介)、自由奔放で家を早く出たがっているメアリー(深沢敦)、そして良妻賢母を夢見るジョアン(大谷亮介)の3人だ。振り付け練習の後は自然と今度行われる卒業パーティとミスフットボールの話に。3人はキャシーをリーダーとして、色々と案をめぐらしていく。そんな彼女たちは高校卒業後、同じ大学寮で過ごし、大学卒業後6年ぶりに3人はニューヨークで再会する。そんな彼女たちの10年のストーリー。

お話は主人公が高校を卒業する1963年の第1幕、大学を卒業する1968年の第2幕、3人がニューヨークで久しぶりに再会する1974年の第3幕の3部構成。
この作品のポイントは主人公3人がぶつけあうセリフの応酬にあるのですが、60年代という時代背景とアメリカが舞台という設定に正直分からない台詞や固有名詞のオンパレード。しかも、主人公は一応女性です。女性独特の感性や台詞回しもきょとんとしてしまう個所が多かったです。周りの女性が笑っているのに、私は何もわからず舞台を見つめている。そんな状態。勉強が足りませんでした。
演じている方々には何の不満もありません。
特に深沢さんが良かった。第3幕で演技は女性以外の何者にも見えませんでした。ただただ感嘆。
篠井さんはやはり安心して見られました。合間に凄みを利かせる男声が効果的。40歳には見えないよなぁ。
大谷さんも予想以上に良かった。まあ、女性としてみるには多少辛いものがあったのは事実なんですけど、難しい役どころをしっかり抑えていた辺りはさすが名優ってところでしょうか。でも、やっぱり野太い声を隠すのは大変だったようで、シリアスなシーンでも少しコミカルに映ってしまうのは仕方がなかったのでしょう。

あと、幕間の着替えは舞台転換と共にステージ上で行われたのですが、実にみなさんサービス精神が豊富でいらっしゃる。第1幕のチアリーダーシーンでの実際にチアリーディングも同様で、つい笑みがこぼれてしまいました。
3人がステージ内を縦横無尽に駆け回りながら、セリフを撃ち合う様を見られただけでも見る価値のある芝居だったと思います。明らかに観点が違うとは思いますけど。

もう少し女心を勉強しなければ ★★★☆☆


− 公演データ −

G2プロデュース×3軒茶屋婦人会
「ヴァニティーズ」

2003/04/16〜2003/04/23@本多劇場
2003/04/26〜2003/04/27@西鉄ホール(福岡)
2003/04/29〜2003/04/30@近鉄小劇場(大阪)
全席指定 前売4500円 当日4800円

- STAFF -
作:ジャック・ハイフナー 翻訳:青井陽治 演出:G2
企画・演出:3軒茶屋婦人会(篠井英介+大谷亮介+深沢敦)
美術:古川雅之 照明:高見和義 音響:井上正弘
衣装:加藤真理茂 ヘアメイク:馮啓孝
舞台監督:青木義博、舛田勝敏 演出助手:奥村亜紀
宣伝美術:島井和昌 宣伝写真:野口博 スタイリスト:遠藤百合子
プロデューサー:G2 制作:大西規世子ほか
主催:FM TOKYO 製作:G2プロデュース

- CAST -
篠井英介/大谷亮介/深沢敦
(声の出演)池田成志
 

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